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2014年1月

再エネは脱原発の切り札にはならない おまけ 細川候補のオカルト的発言

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朝日新聞の仰せどおり脱原発の具体論を確認してみます。実はあまり具体論は豊かとは言えません。

脱原発運動の皆さんは、放射能情報は世界中から微に入り細穿って、ジャンク情報でもなんでもかんでも蒐集してくるのに、「ではどうする」という話にはいっかな興味をもってくれません。

いきなり余談ですが、ジャンク情報といえば 、細川候補がすごいことを言っています。

なんでも去年暮れに福島第1で核爆発が起きて、米国がヨウ素剤の配布を検討しているとか、ホッキョクグマが放射能で大量死しているとか。

ワァ~たいへんだぁ、核爆発だぁ!6680㎞もある北極でバタバタとホッキョクグマが死んでるんだ。

166㎞地点の私なんかすぐに逃げなきゃ!イヤ、すでに私は死んでいたのか?(爆笑)

いや確かに細川氏が言うとおり「すごい話」ですが、論評は差し控えます。いちおうマジに東電がコメント出しています。(欄外参照)

細川翁がこんな電波を感知して山奥から恥をかきに出てきたんだと思うと、そぞろ哀れを感じます。

この人はもう原発ウンヌンではなく、一般人としての判断ができなくなっているみたいです。

閑話休題。脱原発の具体論の話です。かつて飯田哲也氏が持ち込んだドイツ直輸入モデルのレールの上に乗ったきりで、少しも進歩していないのが実情です。

小泉さんは蓄電技術とか、電気自動車などと言っているようですが、それは作った電気を貯めるいわば「パーツ」であって、エネルギー代替案というのはその電気をいかなる方法で「作る」のか、ということです。

ほんとあの人、一般常識のレベルが足りない。

細川さんはオカルト、小泉さんはエネルギーのイロハを知らない。困った老害の人達です。 

それはさておき、飯田氏の脱原発の処方箋は単なるドイツ直輸入品ですが、多くの脱原発団体がなんらかの影響を受けてしまって、いまや「脱原発憲法」の如しです。 

①[原発再稼働阻止]・[再処理阻止]→
②[再生可能エネルギー拡大]・「FIT推進]→
③電力自由化[電力会社解体]・[発送電分離]

まず脱原発団体の主張の前提は「再稼働反対」ですから、原発を二度と動かさない、つまり即時原発ゼロということです。 小泉さん、細川さんも一緒なようです。

実はこの部分は本家ドイツより過激です。

よく勘違いされていますが、ドイツは脱原発政策で原発をゼロにしたわけではなく、定期検査で停止中の再稼働を認めなかっただけです。稼働している原発は8基もあります。

ドイツ電力需要の全体の17%はいまだ原子力に依存しており、再エネの22%といい勝負です。今、全原発を停止させたら、ドイツの電力供給は破綻すると言われています。 

このように原発を停止すれば、ドイツにしても日本にしても火力発電に頼るしか方法はありませんでした。

ドイツの場合、国内産の低品位褐炭とロシアからの天然ガスが頼りでした。わが国は原油と天然ガスの輸入急増でどうにかしのいでいます。

さて、ここで小泉さんもはまった迷信が登場します。それは再エネ(再生可能エネルギー)をブワっと拡大すれば問題解決というものです。ところが、そんな簡単なことではありません。

再エネの急激な拡大は、昨日とり上げただけではなく、ドイツで大変な問題を引き起していました。

再エネのバックアップ電源が足りなくなってしまったのです。

え、再エネってバックアップ電源が必要だったのという、池上彰さんではありませんが、「そこからですか」という疑問を持つ人も多いでしょう。

わからなくて当然かもしれません。賢いはずのドイツ人ですら、中坊でも気づくことをころっと忘れていたのですから。

それは、太陽光は夜には発電しないし、曇りや雨となればただの箱。風力は風がなければただの巨大ウチワにすぎないということです。

そうなると、発電しなくなっている時は、一体だれが発電しているのでしょうか?はい、そのとおり。火力や水力、原子力などの既成の電源です。

なんのことはない、再エネは火力とペアでなんとかできる自立していない電源なのです。

Photo_2図 「容量市場は果たして機能するか?~米国PJMの経験から考える」電力改革研究会より)

図はスペインのものですが、実際に再生可能エネルギーが拡大した場合、他の電源がどのような関係でそれをフォローするために増減をするのかがわかる貴重なものです。

現実に太陽光や風力が増えた場合、いかに瞬間、瞬間の電力需給をマッチングさせて停電させないために苦労しているのかが偲ばれます。 

図左の赤い楕円部分に注目ください。夜間の電力需要が少ない時間帯に、あろうことか強風が吹いたとみえて風力(薄緑)が突然発電し始め、そのしわ寄せで慌てて火力(黄色)がただ1基のみまで停止しているのが分かると思います。

逆に、一番電気が欲しい夜6時から9時(図右端)には、今度は逆に風がやんでしまったとみえて、火力がフル稼働の27基全開で発電しています。

たとえば午前中は風がなくてゼンゼン発電してかったものが、午後晴れたらブンブン発電するようになるとすると、今度は電気が余ってしまいますね。

しかし気をつけよう、風車は急に止まらないのです。再生可能エネルギーは発電を抑制できないうえに、送電会社はFIT(全量固定価格買い入れ制度)により全量買電することを義務づけられているのです。

つまり再エネはFIT制度のおかげで、出来た電気を自由に売りたい時に、売りたいだけ売れるという大変な特権を持っているのです。

自然条件で発電したり、停止したりする掟破りの電源に合わせて、買い取り価格が半値以下の既成発電所は動いたり、止まったりしているのですから切ないもんです。 

というわけで、ドイツの電力業界で再エネはすっかり鼻つまみ者になりました。

というか、ならばもう火力なんかは止めて、もっと条件のいい再生可能エネルギーに乗り換えようという動きが始まってしまったのです。 

折から、ドイツは電力自由化による発送電分離をしていました。

そのため建設費用が莫大で、燃料代がかさむ火力にはまったく新規参入がありませんでした。

一方、建設コストが格安で、しかも全量高額買い取りの太陽光には新規参入が集中し、それが収まると今度は風力の方に行ってしまいました。

おまけに、市民は火力発電所を目の敵にして、「あんなに炭酸ガス出している。ああイヤダ。潰してしまえ」などと唾をかけるのですから、踏んだり蹴ったりです。

日頃、再エネがお世話になっているのに恩知らずなことですなぁ(涙)。

そうそう、ドイツ在住の川口マーンさんが書いていましたが、ドイツ人インテリは自国が褐炭でエネルギーで7割をまかなっていることをぜんぜん知らないでそうで、火力を前近代的と嫌っているそうです。

まぁというわけで、ドイツもそうですが、今の日本のように円安、原油高の相場で火力なんかを動かしているのがバカバカしくならないほうがおかしいですよね。 

今は電気事業法で電力会社は需要を満たす発電を義務づけられているので発電義務を果たしていますが、電力自由化=発送電分離となれば話は別です。

電気事業法による地域独占や総括原価方式は、電力会社の健全な競争を奪っていくという弊害を招いたのは事実ですが、電力供給義務という鉄の掟のために世界でも有数の停電が少ない国であったことも事実です。

電力自由化ともなれば、電力会社は競争にさらされますが、電力供給の義務から開放されます。

となると、火力発電に対する投資インセンティブ(やる気)は、一気に冷え込んでいくでしょう。

皮肉にもその結果、再エネはバックアップ電源が不安定化するとことで、ただでさえ自立していないのにいっそう自立できなくなっていくでしょう。

再エネは、おそらく多くても2割前後ていどの依存率にしないと、他のエネルギー源へのしわ寄せが多すぎます。 

というわけで、脱原発の具体策に再エネ拡大をもってくるのは大変危ない選択なのです。

危ない原発を止めて、炭酸ガス出す火力も止めて、クリーンでグリーンな自然エネルギーで8割エネルギー自給していこう、というのは、すいませんが夢にだけしておいて下さい。

              。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚

[おまけ]

●デモクラTV(2014.1.22夜放送) スペシャルインタビュー 細川護熙さんに聞く-都知事になったら-
  
http://www.hatatomoko.org/democtv.html
  (細川)巻き込まれる話ですね。あれはもうジルコニウム火災がおこって、これは、あの広島の原発の1万4千倍の放射能がまき散らされるだろうと言われてるわけですよね。

今日、出た、今日出たというか、数日前に私は見たんですけども、あの、ロシアの国防軍がですね、その、出したっていう資料が、極秘資料っていうのが出てきてね、それを見たんですけども。
 (下村)何の資料ですか?
 (細川)福島で、福島の、その、こないだ暮れに12月の31日だったかな、あの、爆発があったという小さな記事が出ましたね。その数日前から、実は水蒸気が上がってて、何かおかしいという話があったのを、私も確かに覚えているんですけども、あれは、要するに、完全に、あの、メルトダウンを起こしているということを、いろいろ分析をしていて

 (細川)だから、浜岡でもその刈羽でも東海第二でも、こっから100キロか200キロの中にあるわけですよね。だから、それが一発あったら、もうおしまいですよね。これは日本だけじゃなくて、もう世界がおしまいになる。
これはそのロシアの報告書にもですね、これはもう本当に人類の危機だと。それで、プーチンも、ええ、それからアメリカの大統領もですね、全部今、報道管制敷いているっていうんです。
今、このことについて。ですから、具体的に、ええとC、CNNじゃなくて、どこだったかな、の、テレビの、その、メインキャスターも、もうこのことについてしゃべるなという、そういう管制をひいているという話が出ていましたけども。

あれは完全にメルトダウンを起こしているということを、いろいろ分析をしていて。
それでアメリカはヨウ素を15000袋だっかな、既に2月の始めに配るという
手筈を始めたということとかですね。

それから、いま北極海とかいろんなところでシロクマ、アザラシ、その他の生物の大量死が続出していると、
これはまさにその福島の影響であるということとか。
いろんなものが出てきているわけです。
これはまあ凄い話だと思いましたね。」

●電波発信源http://saigaijyouhou.com/blog-entry-1520.html

●東京電力プレスリリース 
2014年1月10日

一部海外メディアにおいて、「福島第一原子力発電所3号機で湯気が発生し、放射性物質が放出されて危機的な状況にある」、「12月31日に福島第一原子力発電所の地下において核爆発が2回発生した」との報道がされておりますが、そのような事実はなく、プラントの状況に変化はありません。
 報道の根拠として、「3号機オペレーティングフロアにおける湯気の発生」や、「地下水観測孔における高濃度放射性物質の検出」などが指摘されておりますが、各事象に対する当社の考え方は以下の通りです。

・「福島第一3号機オペレーティングフロアにおける湯気らしきものの発生」について
 2013年7月より、3号機のオペレーティングフロアにおいて断続的に湯気らしきものの発生が確認されておりますが、湯気らしきものの原因は、シールドプラグ(コンクリート製の蓋)の下部に滞留していた雨水などの湿分が、原子炉格納容器(PCV)上部からの放熱により温められるなどしてシールドプラグの隙間からオペレーティングフロア上に放出される際に、冷たい空気によって冷やされて湯気のように見えるものと推定しております。
 なお、湯気らしきものの発生時においても、原子炉関連温度や原子炉の状況を示す計測値、敷地境界の放射線量を測定するモニタリングポストの値などに異常はなく、外部への影響は無いことを確認しております。
 また、湯気らしきものが出ていた部分の放射線量についても、周辺と同程度である事を確認しております。

・「地下水観測孔における高濃度放射性物質の検出」について
 昨年8月に発生した汚染水貯留タンクからの汚染水漏えいによる影響調査の一環として、地下水の汚染状況を調査するための観測孔を複数設置してモニタリングを行っておりますが、年末に、漏えいのあったタンク近傍の観測孔において、放射性物質の一種であるトリチウムの値が上昇(12/28採取分:34,000Bq/L→1/1採取分:450,000Bq/L)しております。
 これは、過去にタンクから漏えいした汚染水が周辺土壌に染み込んでいることや、当該観測孔の近傍において汚染された地下水を汲み上げておりますが、年末に一時的に汲み上げ量を減少させたことによる影響と考えております(1/8採取分:17,000Bq/L)。
 なお、今回高濃度のトリチウムが検出された観測孔においては、過去にも同程度のトリチウムが検出されており、2013年10月17日には過去最高となる790,000Bq/Lが検出されております。

・2013年12月31日に発生した地震について
 一部報道において、「12月31日に地下核爆発によるマグニチュード5.1および3.6の揺れを観測した」との報道があります。
 気象庁によると、2013年12月31日に、茨城県北部を震源とする地震を13回観測(最大はマグニチュード5.4)しておりますが、いずれも震源は福島第一原子力発電所ではありません。また、同日、福島第一原子力発電所において事故・トラブル等は発生しておりません。

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小泉さん、ドイツがどうなったのかを勉強してから脱原発を絶叫しなさい

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小泉さんは脱原発の代案がないことを追求されると、「私1人で代案を出せ、という方が無責任。代案は出さない!」と逆切れしたそうです。

おまけに、「批判にこたえる必要はない!」と居直ったというのですから、またまた新たな小泉伝説の誕生ですね。

ほんとうに、あの人ったら面白い!細川さん、どこかに行っちゃいましたね。もはや小泉さんの後ろでボソっ立つ声の小さな背後霊。

これでは、投票所で「小泉」って書く人が数万人出たりして。(笑)

小泉さんはあのキャラですから、「代案は出さない」って大見得切って済みますが、なかなかフツーの人はそういうわけにはいきません。

小泉さんの最大の勘違いは、原子力政策が実はエネルギー政策のことで、郵政事業のように政治決断ひとつでできたシングル・イッシュではないとわかっていなかったことですね。

元首相という肩書の人物が二人もいて、さっぱり内容がないのです。

かつての社会党は、防衛問題が社会の基幹インフラだということをわかっていませんでした。常に外国の侵略にさらされている国が、安定して安全な社会を営めるはずがありません。

同じように、小泉さんも原発問題がエネルギー問題という国の社会インフラの基幹だと思っていなかったようです。

もし、電力供給が不安定で停電を年中が起きて、そのつど家庭も事務所も真っ暗、工場はコンピュータが停止してオシャカの山などということになったら、わが国は工業国から転落します。

事実ドイツは、メルケル政権の脱原発政策により、停電が増えて企業は海外生産にシフトしてきています。

ドイツ商工会議所がドイツ産業界の1520社を対象に行なったアンケートによれば、エネルギー・コストと供給不安を理由にして、5分の1の約300社が国外に出て行ったか、出て行くことを考えているという衝撃的数字が出ました。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-4e06.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-19d4.html

また、ドイツの平均的な所帯の電気代は年間平均225ユーロ(2万6550円)増加し、翌年には300ユーロ(3万5400円)にもなってしまいました。

特に低所得者層への影響は大きく80万所帯が電気代の滞納をし、電気を止められそうになっています
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-e402.html

ドイツは硫黄分の多い低品位の石炭火力にエネルギー源の70%もが移行したために、炭酸ガスだけではなく、大気汚染問題までが心配されています。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-4c56.html

また再エネも太陽光発電はまったく失敗で撤退方向にあり、洋上風力発電にシフトしました。

ところが適地の北海沿岸から工業地帯のある南部まで7兆円もかけて長大な送電網を新設せねばならず、わずか10%しか出来上がっていないために、期待の風力発電は実に前年比7割もの作った電気を捨てている始末です。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-c18e.html

では、ドイツが脱原発をしたかといえばとんでもない。まだしっかり半数の8基の原発が稼働しており、ドイツ電力需要の全体の6分の1(約17%)程度はいまだ原子力依存です。

その比率は3.11前の日本の32%(10年12月)の半分ていどにすぎません。

このようなていたらくでドイツがやっていけているのは、ヨーロッパ電力広域連携の送電網から電力供給を受けており、近隣諸国のいいお得意さんだからです。

特に電力輸出国から転落した2011年には、原発大国のフランスから多くの電気を輸入しています。

いやドイツはフランスに電力輸出をしたという人もいますが、実態は2011年にフランスから輸入した電力は約18000GWhで、輸出は140GWhにすぎません。130倍の輸入超過です。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-6147.html

外国からの電力輸入が不可能なわが国が脱原発した場合、今のように年間3兆円もの貿易赤字を垂れ流し続けることになります。

こんな現状で、自分の国こそが世界最先端の脱原発・エコ大国だと主張するドイツ人の図々しさに脱帽します。

ドイツがこんな脱原発政策の失敗をしながら、なんとか好景気を維持できたのは、ドイツ人が作ったユーロの為替安によって大きく域内輸出が増えたためです。

ドイツに対する美しい勘違いから脱原発を叫ぶのは止めましょう

このように、口先で脱原発を叫び、再エネこそが代替だと叫ぶのは簡単ですが、実際それをやったドイツがどうなったかを少しは勉強してから言ってほしいものです。

わが国が小泉・細川流の出たとこ勝負のような脱原発政策をとった場合、ドイツの比ではない事態になるでしょう。

にもかかわらず、あいかわらず朝日新聞はこんな期待を述べています。

「今回、エネルギー政策が正面から問われることには意義がある。出馬を表明した舛添要一元厚労相や宇都宮健児前日弁連会長らも「脱原発」を訴える。具体論を戦わせてほしい。」(朝日新聞14年1月15日)

そんな「具体論」があるなら、もうとっくに出ていますよ、朝日さん。

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宇都宮けんじ候補はほんとうに「弱者の味方」なのか?

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宇都宮けんじ候補は、都知事になったら東北の震災瓦礫を拒否するそうです。 

福島事故の直後のパニック期ならわからないではありませんが、あれからそろそろ3年たって正確なデータが出揃ってきています。 

そんな時に、脱原発運動の中でもっとも国民の顰蹙を買った瓦礫反対運動の口写しをしています。  

ところで、東北の震災瓦礫を真っ先に引き受けたのは東京都でした。私は石原氏の数少ない善政だったと思っています。石原氏の独善的な性格がプラスに働いた希有なケースです。(褒めているんだか、けなしているんだか)  

この東京都の瓦礫引き受けが呼び水となって、千葉県、栃木県、茨城県、北九州市、大阪市などが続きました。  

震災瓦礫の処分協力を要請していたのは、岩手県と宮城県のみでした。 

もっとも高い汚染を受けてしまった福島県は県内処分しており他県に要請する意思はありません 

岩手、宮城県もほぼ被曝を受けていない地域で、ピンポイント的に被曝したのは一関市のみですが、同市は震災瓦礫の協力要請はしていません。  

では、岩手県における震災瓦礫の焼却実証実験のデータを東京都、神奈川県の下水汚泥と比較します。

・岩手県震災瓦礫焼却灰の放射性セシウム濃度・・・133ベクレル/㎏ 

この岩手県の133ベクレルが、国の基準値より高いと反対運動の人たちが言い出した時に私はびっくりしました。比較しているのが食品基準だからです。 

この人たちは瓦礫を食べるのでしょうか。比較するなら、瓦礫焼却後に出る下水処理施設の焼却灰や汚泥でしょう。そこで、東京都と神奈川県の搬入前のデータを見ます。 

東京都下水処理施設の焼却灰          ・・・・2000~1万ベクレル/㎏
神奈川県下水道汚泥放射線量          ・・・・1024
 

東京都と神奈川県の下水汚泥のほうが、岩手県震災瓦礫よりはるかに高い放射線量なのがわかります。 

これは、東京の東葛地域などが被曝したために、放射性物質が側溝から下水処理施設に移行して蓄積したからです。 

1000ベクレル超の下水道汚泥を抱え込んでいる東京都や神奈川県の住民が、その10分の1以下の瓦礫の搬入を断固阻止と騒ぐ笑えない構図です。

もうひとつ。震災瓦礫を受け入れた北九州市は、搬入前と後の計測データを公開しています。  

ごみ搬入車両       ・・・0.05(0.05~0.05)μSv
・バックグラウンド      ・・・0.05
・主灰(焼却灰)搬出車両  ・・・0.05(0.05~0.07)
・バックグラウンド      ・・・0.06
●皇后崎工場
・飛灰(ばいじん)搬出車両 ・・・0.06(0.05~0.07)
・バックグラウンド      ・・・0.06
 

ご覧のように、「バックグラウンド」と表記された焼却場近辺の空間線量にはまったく変化ありません。あたりまです。元々放射能なんてなかったんですから。 

それを現地で事前に測り、それをクリアしたものが入ってきくるのですから当然の結果です。 

そもそも、放射性瓦礫(正確にいえば低レベル放射性廃棄物)と、震災による一般瓦礫を意図的に混同して、低レベル放射性廃棄物を全国にバラ撒いているというすり替えをしているからおかしくなったのです。

それでも反対運動をしている人たちは頭痛がする、鼻血が出るなどという「実害」を訴えていますが、心理的な原因以外には中国からの黄砂の硫酸エアロゾルによる可能性があります。 

瓦礫焼却時に北九州市などは、大陸からのPM2.5を付着させた黄砂が飛来していました。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-db66.html 

私はこの震災瓦礫搬入阻止運動は、岩手県、宮城県といった被災地に対する根拠のない蔑視、あまり使いたくない言葉ですが「差別」だと思っています。  

この反対運動は、被災地と非被災地に分断をもたらし、復興を物理的にも精神的にも妨害している人間として恥ずかしい運動です。 

その姿は、まるで 『はだしのゲン』に出てくる「ピカが移る」と被爆者を差別したエゴむき出しの人々に重なります 

実際事故の後、福島からの避難者の子供が放射能がうつる」と苛められたケースが多発したことがありました。

宇都宮氏の主張は、部分的には私の考えに近いものがありますが、「脱原発」をメーンテーマに掲げた以上、これではあまりに無残と言わざるを得ません。 

こんな震災瓦礫搬入阻止を東京都知事選挙の公約に掲げる宇都宮けんじ候補は、ほんとうに「弱者の味方」なのでしょうか?

宇都宮さん、本気で原発と戦うつもりなら、あなたの公約によって再びの打撃を受ける可能性がある私たち福島や茨城の農村に足を運んで下さい。 

そうすれば都市消費者と、私たちのとらえ方の違いに気がつくでしょう。 

脱原発は、都市住民の思いだけではできません。東京から発信といいますが、地方は白けています。 

なぜでしょうか、それはあなた方が都市のエゴを「発信」しているからです。宇都宮さんたちはこのように主張しています。 

自分の住む東京は原発は欲しくない。それは危ないからだ。危ないから東京から離して設置してくれ。事故が起きたらその地方のものは、瓦礫だろうと食糧だろうと一片たりとも入れない 

私はこのようなエゴの場になってしまった脱原発運動を哀しみます。 

宇都宮さん、この原子力問題はあなたが名を上げたカードローン問題とは違って複雑です。一方にサラ金=悪があり、一方に被害者=善という単純な図式は成り立ちません。

お聞きします。私たち被爆地の農民は「悪」ですか?そこから出る瓦礫は「悪」ですか?私たちの農産物や海産物は「悪」ですか?

早川由紀夫群馬大教授は、私たちを名指しで「社会に毒を撒くテロリスト」と決めつけました。あなたもそうなのでしょうか?

今のあなたは、私には「弱者の味方」どころか、エゴイスティックな都市住民の代表にしか見えません。

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宇都宮けんじ候補はもう一度風評被害を起こすつもりか?!

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宇都宮けんじ候補の「脱原発政策」を見ると、ため息しか出てきません。 

宇都宮けんじの希望の政策
http://utsunomiyakenji.com/policy/ 

(4)脱被ばく政策を進めます
○放射性物質の拡散が心配されている瓦礫の焼却処理については、いったん凍結し、専門家を集めて公開で調査と検討を行います。
○都民を放射能汚染から守るために、都独自の「食品の安全規制」と都民と連携した食品や土壌等の放射能測定ネットワークをつくります。
(引用終了)

内容的には新味がありませんが、脱原発派の人たちの日頃の言辞を集約したような内容です。 

震災瓦礫は拒否して、都独自の食品基準を作るのだそうです。こんな科学的根拠のないマスヒステリーを公約に掲げるのですから、この宇都宮けんじ氏という人物がどんな人なのか想像がつきます。 

食品基準値は東京都独自のものにするそうです。後述しますが、国の食品基準値は世界でもっとも厳しい基準値ですが、それすら「高い」として限りなくゼロにしたいのだと思います。 

もしこのような政策が東京都の政策として実行された場合、ほぼ確実に第2次風評被害が巻き起こることでしょう。

どのようにするか分かりませんが、おそらくかつての石原都知事がやった東京都だけの排ガス規制のような食品基準値を敷いて、都の外からの青果、海産物を「独自基準」で排除するということになるでしょう。

もし、そうなった場合、都内には日本最大を誇る青果の太田卸市場、海鮮卸市場の築地市場がありますから、その影響は巨大です。

その意味で、細川-小泉連合の無内容な「脱原発」絶叫より、間違った具体性があるだけに危ない候補かもしれません。 

福島事故後の食品基準をめぐる議論を少し追ってみます。  

初めは食品基準値を300ベクレルでは高すぎる、半分以下にしろと叫んでいたこの人たちは、政府基準が100ベクレルになったとたん、いや5ベクレルでも危ない、もはやゼロベクレルしかない、という風にどんどんとエスカレートしていきました。 

この声の大きな少数派のエスカレーションに合わせて、多くの量販店や有機農業流通、生協までもが、国の基準を無視して50ベクレル以下に独自基準を設定したために、二重規範状態となってたいへんな混乱を引き起こしました。

その結果、ただでさえ史上空前の風評被害で苦しむ農漁業者の傷口に塩をなすり込むことになりました。 

一体何人の農業者が首を吊ったのか、宇都宮氏はご存じなのでしょうか。

とどのつまり、彼らの主張が到り着いたのは、「事故以前はゼロだったのだからゼロベクレル以外は危険だ」でした。 

ちなみに彼らは自然放射線は安全で、人工放射線だけが危険だそうです(苦笑)。 

そしてなにかというと、福島とチェルノブイリを較べて、「福島県には住めない。子供を疎開させろ」と叫びました。

一見人道的な主張のようにも聞こえますが、実際どうだったのでしょうか。 

佐藤順一氏の作成した、チェルノブイリと福島事故の放射性物質拡散図を同一縮尺で比較した図をみれば、まったく放射性物質の拡散規模が違うのが一目瞭然です。(下図参照) 

チェルノブイリと福島事故の同一縮尺上での放射性物質拡散図

また、セシウムと並んで注目されたストロンチウム90ですが文科省の発表があります。これをチェルノブイリ原発近辺と比較した図があります。(図 同) 

この調査結果を見る限り、福島事故におけるストロンチウムの拡散は極めて限定的と評価できます。 

最高濃度は双葉町付近の5700ベクレル/m2で、チェルノブイリの最低の数値である20000ベクレル/m2(20kBq/m2)の3分の1ていどです。 

よくこの人たちは、「福島で白血病が沢山出ている」と吹聴していますが、その原因物質のストロンチウムの放出が微量な上に、このていどの拡散状況ではまったくありえません。 

ストロンチウム90の福島とチェルノブイリの拡散分布図比較

さて次に、食品基準をチェルノブイリと比較してみます。

最大の被爆地だったベラルーシでは、野菜などは3700ベクレル/㎏から40ベクレル/㎏まで実に13年かけて落としています。(下図参照)  

ベラルーシにおける食品規制値の推移(抜粋)

単位ベクレル/㎏  

      86年     88年   92年   96年  99年  

・野菜  3700    740    185   100     40
・牛肉  3700    2960   600   600     500 
・パン  -       370   370   100      60
・豚肉・鶏肉 7400  1850  185    185    40
・幼児食品  -     1850               37
 

かつて日本が事故直後が故に300ベクレルだった時、彼らが持ち出して比較したのはベラルーシの事故から14年後の99年の数値40ベクレルでした。「ベラルーシの8倍だ」とやったのです。

比較するなら、同時期で比較すべきです。14年間も後の基準値と較べているのですから、もはや詭弁です。

上図から事故直後だけ抜き出して比較します。

・事故直後のベラルーシと日本の食品基準値比較
・野菜  ・・・3700ベクレル
・豚・鶏肉・・・7400
・日本   ・・・300
(※米は500)

わが国が一桁低いのがお分かりでしょう。

事故直後はIAEAなども緊急時基準の設定を許していますから、ベラルーシはこのように高い数値となったのです。

そこからいかに下げていくのかが問題なのです。ベラルーシはそれに13年、わが国はなんとたった1年で3分の1の100ベクレルにまで下げました

いままで国家規模で被曝したのは旧ソ連(※主な被曝国はベラルーシ、ウクライナ)と日本ですから、わが国はむしろがんばって基準値を一気に引き下げたと評価されるべきでしょう。

その陰には、福島県とJA福島の全袋検査に挑戦するといった超人的努力があったのです。

こんな努力をおそらく宇都宮氏は知らないで福島の農産物は危険だと決めつけているのでしょう。

都の独自基準などと言い出すならこの福島県の公式データを見てからにしなさい。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-d8ee.html

このテのデタラメな比較はよくやっていて、「事故後のチェルノブイリの強制移住地域より福島のほうか酷い」などというデマも流していますが、これもチェルノブイリは5年後の数値です。 

事故直後の福島の線量と、そうとうに減衰したチェルノブイリの5年後を較べること自体がナンセンスです。 

セシウム134の半減期は2年なので、わが国は急激に線量は低下しています 

そして、そもそもベラルーシ政府は「強制移住区域」などは設けていません 

1991年にベラルーシ最高評議会が決めたのは、「まだ放射能が残っている地域の住民で移住を希望する人がいれば、政府がお手伝いしますよ」ていどの内容で、「強制移住」などではありません。

それを福島は、チェルノブイリの強制移住地域に該当するなどとトンデモを言い出すのですから困った人たちです。 

私は、「被曝」地の苦闘を横目に見て、ふたたび風評被害を拡げる公約を主張するこの宇都宮候補には強い怒りを感じます。

蛇足ですが、細川候補も、「安倍首相が原発問題があるからオリンピック返上をしたほうがよかった」と言っていたそうです。

それを直に聞いていた池上彰氏は、「そんなことをしたらたいへんな風評被害になる」と思ったそうです。

まったく、そのとおりですが、風評どころかそんなことを首相が発言すればパニックが起きたでしょう。

首相が世界に向けて、「自分の国は外国の人たちが来る場所じゃありません。そして日本人も住める場所ではありません」と言っているに等しいからです。

つくづくこの人物が事故時の首相でなくてよかったと思います。もっとも、当時その椅子に座っていたのはあのパワフルな愚人でしたが。

脱原発を主張する候補者の皆さんは、どうしてどの人もこうも「被曝地」を差別したくてたまらない人たちばかりなんでしょう。

 

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普天間第2小化する普天間基地

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沖縄の宜野湾市には、普天間2小(宜野湾市立普天間第2小学校)の怪談というのがあります。 

怪談といっても口裂け女が出てくるとかいったものではなくて、生きている人間たちが主人公です。  

怪談の主は学校内にあるのではなく、その位置にあります。この普天間第2小の位置を見てみましょう。(※基地滑走路北東側の赤い点)  

下のGoogle Earthでみるとわかりますが、まさに比喩的表現ではなく基地フェンスと小学校が密着しています。 

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航空機の侵入コース下からややそれていますが、まさに直下といっていいでしょう。  

これにはさすがかつての厚木の基地っ子の私も驚きました。私の小学校も二重窓がビリビリていどでしたから。  

騒音がうるさいという次元ではなく、航空機事故があった場合巻き込まれてもおかしくない場所です。  

私は基地の存在を知りながら後から越した人たちには、失礼ながら知っていて越したんだろうとあんがい冷淡です。 

というのは、わが実家もそうだからです。基地があるのを知っていて不動産を買ったのですから、買う前に米軍基地があるのは百も承知のはずです。  

我が親も引っ越してたまげたようです。なにせ70年代のベトナム戦争の頃です。軍用ジェット機の離発着はハンパではなく、夜でも轟音でテレビが聞こえなくなるのも恒例でした。 

さて当地でも、かつてやはり基地周辺にある沖国大に普天間基地のヘリが落ちたことがあって大騒ぎになりましたが、実際、1982年にはこの普天間第2小から200mのところに米軍ヘリが不時着事故を起こしています。  

この小学校の場合、もし同じような事故が起きた場合、逃げ場は東側の校門一カ所ですから、やや離れた沖国大のケースより比較にならず危険なことは考えるまでもありません。

想像しただけで、ぞっとします。こんな場所に公立小学校を設置すること自体が異常です。

とうぜん、校長や当時の宜野湾市長は安全な場所への移設を訴えました。 

しかしなかなか進展しません。そこで宜野湾市長は直接米軍と交渉し、今ある学校敷地から1キロ離れた米軍家族用地の8000坪を、沖縄防衛施設庁などに仲介してもらって返還するところまでこぎつけました。

そして移転費用30億円も政府が負担するところまで話が煮詰まったのです。  

しかし、これをチャブ台返しした人たちがいました。 

なんと反戦・反基地を掲げる「市民団体」の勢力です。この人たちは不思議な論理で反対しました。  

この人たちの論理は、あまりにも屈折しているので箇条書きにしてみましょう。そうでもしないと、なにを言っているのかさえも理解できません。  

普天間第2小は危険だ
危険なのは米軍基地があるからだ
 

はい、ここまではそのとおりです。さて、ここから首をかしげる論理になります。  

小学校を移設すれば、それは普天間基地を固定化することにつながるえ、なんで?)
移設せずに現状で改築すべきだ(航空機事故に耐えるような改築でもするんですか?)
固定化阻止のために戦うぞ (ハァ~)
 

う~ん、なんか思いっきりねじれましたね。なんで子供たちの安全を最優先にしないのでしょうか

しかもこの後に、校舎が老朽化した折も移設話がでましたが、二度目も反対運動に潰されています

当時市議だった安次富修前衆院議員氏はこう述べています。  

「反対派は基地の危険性を訴えていたのだから真っ先に移転を考えるべきだったが、基地と隣り合わせでもいいということだった」  

実はこの構図こそ、今の辺野古移設問題の原型なのてす。  

先の第2小「移設反対闘争」のケースと重ね合わせてみます。 

普天間基地は危険だから撤去すべきで、固定化は許さない

まぁ当然の要求です。問題はここからです。  

辺野古に移設すれば、新しい米軍基地を作ることになる(そのとおりです)
だから移設に反対する(代案はなんでしょう)
普天間基地固定化は許さない (普天間の固定化しか選択肢がありませんから
元に戻りました)

これでは、なんのことはない①から④までの永遠ループです。このような論理構造を循環論法と呼びます。

実際、普天間基地の移設反対だから移設を許さない」「普天間の固定化を阻止するために普天間第2小の移設もダメ」、という解決のない撞着論理になりました。  

普天間2小が基地の真横にあっても移設に反対する。 普天間基地が市街地の真ん中にあっても移設先の建設に反対する。 

となると、「解」はなんなんでしょうか?

唯一あるとすれば、国内の候補は20ほどあってすべてダメでしたから、「国外」、つまりは安保破棄ということになります。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-f0e0-1.html

そうならそうと、稲嶺氏や伊波氏ははっきりそう言えばいいのです。「安保粉砕の日まで普天間基地にはここに居てもらわねば困る。普天間第2小も同じだ」、と。

そういえば、伊波前宜野湾市長は、校舎の屋上に本土のマスコミや政治家を案内しては、基地公害を説くのが恒例でした。

そしてマスコミは、上空を通過する航空機を見上げて子供が耳を抑える写真を撮って、基地の非人道性を訴える記事を作るのも定番でした。

伊波氏にはその時にひとこと付け加えていただきたかったと思います。「この小学校は私たちの移設反対闘争でここに残っているんですよ」、と。

普天間基地という偶像に児童という生贄羊を供した人たちは恥を知るべきでしょう。

※お断り  この普天間2小問題については、私の見解は変化しております。
(
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-2984.html

 

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週末写真館 雪の朝

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私の住む茨城南部はほとんど雪がない地方です。特に、黒潮が沖合まで来ている海岸部はやはり温かいのですね。

とくに私の住む霞ヶ浦周辺は、それでなくとも湖の蓄温効果も加わってか、3月ちかくになって名残雪ていどに降るていどです。

今年はひときわ寒いので、1月中にはらはらと雪が降りました。こんなていどで雪が降るなどというと東北、北陸、北海道の皆さんになに言ってんだかでございます。すいません。

豪雪地帯の人には見たくもない雪でしょうが、わが地方では犬は喜び庭駆け回り、ガキも大はしゃぎです。

そしてこの私もカメラを握って村を走りまわってしまいました。いつも見慣れた村の風景がふわっと綿帽子を被ってすましています。

 

残念ながら、このにわか雪景色、、昼過ぎには溶けていました。

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再燃した中国トリインフルその3 中国の患者数が信用されないほんとうの理由

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中国で再び新型インフルエンザが、爆発的流行の兆しをみせています。しかし実態は厚い情報統制の中にあって、真になにが起きているのかわかっていません。

中国当局の公式患者数は誰も信じない
多くの日本の医療・防疫関係者が、去年からの中国新型トリインフルの感染者数や死亡者数が、当局発表の10倍以上だと秘かに考えるのには理由があります。
それは中国の悲惨極まる医療制度のためです。
中国に病院がないわけではありません。むしろ、富裕階級用や共産党、人民解放軍のための専用病院などは先進国並の先端医療施設を持っています。
しかしこの高級病院は、一般人は使えず、利用できる人間たちはほんの一握りです。

民工の賃金は月収1万円以下
農村から上海などの大都市に出稼ぎに来て底辺労働に従事している民工(農民工)は、国家人口計画生育委員会の「中国流動人口発展報告2012」によれば2011年末に中国全国の流動人口が史上最高の2億3千万人に達しており、その8割は農村戸籍を持つ者で、平均年齢は28歳です。
実にわが国の人口を優に上回る人口が、職を求めて全国をさまよっていることになります。
一般に中国の農村は都市部と収入で3倍以上の大きな格差があります。
たとえば上海や蘇州の3Kの底辺労働を担う人たちは、湖南や四川など農村部出身者が大半を占めています。
これら農村部から来る外部労働者数は、蘇州市などでは地元の人口をはるかに越えているそうですからその規模がわかります。ざっと計算すると、蘇州市区は人口約538万人ですから、600万人から700万人もの大量の民工が流入していることになります。
20歳くらいの民工の平均月収は、日本円で1万円にも届きません。約600元(約8000円)ていどです。(※ただし、賃金は職種、技能によって10倍ていどの差があります)
彼らが帰郷するための費用は3000元から4000元(4万円から5万円)なので、2年に1回くらい帰れたらいいという所のようです。
帰郷シーズンは年に2回で、2月の春節と、5月初めの労働節です。
この時期にSARSは爆発的に感染拡大しました。まさに今ですが、今年もそうなるのではないかと心配です。

Photo_3            (写真 民工が集まる広州駅周辺、南都週刊より)

民工の医療は闇診療所だけ
この膨大な統計に出てこない闇労働者たちには、国家による医療が与えられていません。民工は、農村籍しかないので出身の農村で医療を受けるしかありませんが、そもそも農村部は医療が大幅に都市より遅れている上に、帰るキップ゚代が半年分の収入なので、もぐりの医院に診てもらうしかないのです。
ロイター(2013年3月27日)はこう書いています。
「中国政府が医療制度の改革を掲げる中、闇診療所は相変わらず繁盛している。
北京の街の片隅、裸電球一つの粗末な「部屋」は出稼ぎ労働者である張雪方(ジャン・シュエファン)さんからすれば「一番いい病院」である。環球時報(電子版)が伝えた。
北京市民ではない張さんは市内の公立病院でもっと安い治療も受けることができず、遠く離れた故郷の医療補助金を受け取ることもかなわない。
病気になった時には、北京に暮らす数百万人の出稼ぎ労働者同様、不衛生で無秩序な「闇診療所」に頼るしかないのだ。 」

原因は差別的な農村戸籍制度
中国には、江戸時代のような農村戸籍と都市戸籍があります。農村戸籍が10億人、都市戸籍が3億人、特権階級の共産党員戸籍が7000万人といったところのようです。
農村籍は農村に住んでる人達を、一生農村にしか住めなくする隔離政策の為にあります。
農村では一人っ子政策の適用外で子供を沢山作れますが、働ける所が制限されているために、都市で働くには闇の民工になるしかありません。
あまりの前近代的制度のために批判が多く、政府も改革を約束していますが、具体的には変化はみられません。
また、今、感染の危険性が一番高いのは養鶏や畜産に従事する農民ですが、農村にはまともな病院が少ないためにしっかりとした治療を受けることは不可能に等しいと言われています。
この農村部に住む農民と、都市に出稼ぎに出ている民工階層が最大の感染の闇の部分、つまり温床です。

■感染の火薬庫となっている農民と民工階層を見ないで、中国の新型インフルエンザを語るべきではない
「北京の首都経済貿易大学の教授は「闇診療所は中国の医療制度の暗部である。
出稼ぎ労働者が闇診療所の常連客となるのは、医療制度に欠陥があるからだ」と指摘する。
北京市政府の公式データによると、2010年以降、約1000カ所に上る闇診療所を閉鎖してきたが、多くは閉鎖から数日後には営業を再開しているという」(ロイター同)
この2億3千万人の医療を受けられない底辺労働者層こそが、新型トリインフルの火薬庫なのです。
この階層を調査することなく、病院に入ることができる裕福な特権階層だけを調べて「ヒト・ヒト感染が確認できない」と言っているのが、今の中国当局とWHOです。
真に恐ろしいのは、この地下に潜っている悲惨な農民と民工階層なのです。この当局が公表しない彼らを切り捨てて、中国新型インフルエンザを語るべきではありません。

※参考文献 小室友香「民工の師弟教育について」

 

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再燃した中国トリインフルその2 新型トリインフルが中国でなくならないわけ

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中国は、新型インフルエンザになる可能性のある(というか、私は既になっていると思ってますが)トリインフルをまた再燃させています。
不潔な家禽市場、防疫体制の不備、薬剤の備蓄の不足など多くありますが、最大の原因は医療そのものから見捨てられた人々が、今や固着した下層階級となってしまっていることにあります。
このような社会構造と感染症が一体化した場合、その根絶は社会を変革しないかぎり難しいことになります。

具体例を見てみましょう。

患者は病院にも行けなかったために、兄弟で感染死亡した
比中国では農民戸籍と歳戸籍が分かれていて、農民戸籍は差別的扱いを受けています。しかし、比較的、農民や民工と違って「優遇」されているといわれる都市戸籍の人たちですら病院に行けない人が多いのが中国の実態です。
感染初期に死亡した上海の老人は、病院に行く金がないために薬局で漢方薬を買い、まるで効かないのでもぐりの闇医院にかかりましたが、手遅れで亡くなってしまいました。
同じ症状で子供の兄弟が発症していますから、こちらも同じ感染をしていたと考えられます。

入院費用が払えず家と家財道具を売ろうとした女性患者
2003年のSARSではヒトからヒトに感染が確定したために医療費は無料でした。
しかし、今回の新型トリインフルでは、ヒト・ヒト感染がいつまでも確定しないたために、「個人の衛生観念の問題」で処理されています。(上海など一部では無料化されています。)
南京市で重体になった45歳女性は、集中治療室での費用が1日1万元(約16万円)請求され、10日間の入院しただけで160万円にも達したために支払い不能となってしまっいました。
切羽詰まった家族は貯蓄をとり崩しただけでは足りず、自宅も売却しようとしましたが、「伝染病の家の家など買えるか」と言われて、売れる見通しはたっていません。
この患者女性は、病院には経済的にいられない、かといって自宅にも近隣からいやがられて戻れなくなったわけです。一体今どうしているのでしょうか。
このような病院にかかれない人の数はおそらく統計数字にも現れないような膨大な数(おそらく数億人)に登ると推測されます。

医療保険制度はなきに等しい
中国は型新型は統制経済から、開放改革経済に移行する際に、医療福祉制度を置き忘れてきてしまいました。

というのは、開放改革経済は、安い賃金で外資を呼び込むことを前提にしてでぎあがっていたために、賃金だけではなく、福利厚生などまで一切切り捨てて出来上がっているからです。
かつての統制経済下では、医療、教育、年金は、国家が提供するものでした。
都市部では国営企業が、農村部では人民公社がそれを提供してきました。
しかし、市場経済への移行と共に、人民公社は解体され、国有企業は民営化が進みました。
そしてその後に新たな医療・福祉制度が出来上がらないうちに、患者負担のシステムだけがのさばっていくようになります。

実際には使えない保険制度
「医療保険は2003年から農村にも導入が始まり、11年末までに国民の95%が加入した。ただ、いったん自費で前払いする必要があり、補償範囲も狭く、かさむ医療費をまかなえない。10年のある調査では、過去1年間で保険を使った高齢者は、都市で3・2%、農村で4・3%しかいなかった。」(朝日新聞2月27日」)
前回でも触れたように農村部では医療機関が普及していない上に、農村戸籍にしはられて都市部に出稼ぎに行った農民工には医療サービスは受けられません。そのような民工層だけで2億3千万人もいると言われています。
一方、都市部でも認知度も低く、ほとんどない状態だと言われています。
中国において充実した医療を受けられるのは、専用の病院がある共産党員と、軍病院が付属している軍隊だけのようです。

医療機関も政府支援がない
医療機関にとっても政府の資金援助がないため、中国の病院はその収入源の大半を薬代と検査代で得ています。
それは日本のような医療保険による薬価制度がないために、薬が一番儲かる安定した収入源だからです。医療保険のない薬価をご想像ください。
中国で盲腸になった邦人の話では、入院費用だけで百数十万円請求され、手術代と薬代、検査費用などで、結局数百万円に登ったという話を聞きます。

地方政府、「貧乏人は漢方薬を飲め」
治療費自体が高い上に、下手してトリインフルで隔離病棟に入れられようものなら破産してしまう庶民は、しかたなく市販の「板藍根 (ばんらんこん)」という怪しげな漢方薬にすがる有り様です。
12袋入りの箱が5元(約80円)程度で購入できてお得だとのことです。ただし、新型インフルエンザにはオロナミンCていどの効果しかありませんが。
「上海市中心部の薬局では板藍根の特別コーナーが設置され、40袋入りの箱が山積みに。女性店員は「普段の倍ぐらい売れている」と話した。」(共同通信)
この漢方薬が爆発的に売れだしたきっかけは、「多数の感染者が確認されている江蘇省の衛生当局が4日、地元メディアに対し予防効果があると板藍根を紹介したことだった。上海や南京、広州など全国で購入の動きが広がった」(同)そうです。
地方政府がこんなことを言っているようでは、いかに手に負えない数の患者が各地に潜在しているのかお分かりになるだろうと思います。

運良く病院に入院できても、インフルエンザ検査キットがない
その上この貧弱な医療体制の上に、問題を難しくさせているのが初期診断の難しさです。関西福祉大学・勝田吉彰教授によれば、日本の病院にはどこにでもある簡易インフルエンザ検査キットがないために、新型インフルエンザだと認識されないケースも多かったようです。
結局、運良く前金を払って病院に入院できても、生理的食塩水の点滴や抗生剤の投与をされているうちに亡くなってしまったというケースも多いようです。
※日経メディカルオンライン

http://bylines.news.yahoo.co.jp/dandoyasuharu/20130420-00024492/

中国政府がヒト、ヒト感染を認めない理由は、新型トリインフルが社会矛盾の縮図だからだ
実は中国政府が感染患者を支援しない理由は、このヒト・ヒト感染の確定と絡んでいると私は考えます。
「ヒト・ヒト感染が確認されていない。SARSほど危険な病気ではない」というWHOお墨付きの公式見解がある限り、政府はフェーズ3対応の検査、監視と消毒ていどでお茶を濁すことができます。
しかしいったんヒト・ヒト感染を認めてしまえば、パンドラの箱を開けることになります。

ヒト・ヒト感染を公認すると数十万の人が無償治療を要求することになる
この無償治療には、当然、数十万の人が押し寄せることになるでしょう。
ことに農民戸籍の人たちで発症している人たちは、農村で養鶏や養豚に従事している人たちの中に大勢いて、未だ医療の手が差し伸べられていませんから、一斉に医療支援を要求するでしょう。
そうなった場合、人には金をかけないのが主義の中国において、数千万、いや数億人のワクチンやタミフル要求暴動が起きるでしょう。
それは広範な農民暴動に引火していきます。そして脆弱な習政権を根底から揺るがすでしょう。だから、当局はヒト・ヒト感染を絶対に認めないのです。
 

ひと昔前、日本の社民党は憲法9条を世界に拡める運動をしていました。
賛成です。ぜひ毎年軍事費を11.2%増加させている世界一の軍拡国家・中国に憲法9条を輸出してください。
一緒に、真に貧民の為に戦う「共産党」も。

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再燃した中国トリインフルその1 新型H10N8型鳥インフルエンザで初の死者

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中国でH7N9型トリインフルが再燃しているようです。こんどの震源地は広東省の深圳市(しんせん)のようで、既に香港にまで拡大しています。 

昨年10月以降から今年1月14日までに39人の患者があり、さらに15日に浙江省で12人目が発症しています。 

「上海の日本総領事館の12日の集計によると、香港を除いた中国本土での感染確認者はこれで164人、死者は50人となった。」(産経新聞1月12日) 

このおそらくはこの10倍以上の患者が潜伏しているのが中国の常識ですので、再流行入りは確実だとみられます。なお、昨年7月までの流行では患者135人死者45人でした。 

去年前半の流行と同じで、発症時にタイムリーに抗ウイルス薬で制圧できていません。おそらく、タミフルの治療薬の絶対的備蓄量の少なさと、基礎的医療体制の不備が原因でしょう。

その上に、中国メディアの写真を見ると、未だ生きたままの鶏が家禽市場でなんの規制もなく取引されており、これでは処置なしです。 

トリインフルは家禽と人間との濃厚接触、つまり生体に触ったり、その糞便がついたりすることで感染を拡げていきます。 

ですから、家禽市場という感染ハブ(※)を徹底してウイルス制圧し、家禽を生きたまま市場に入れないことが第一です。それすら出来ない以上、もうお手上げです。 

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         (写真 中国の家禽市場 写真は去年の大流行時のものです。レコードチャイナ)

また、中国特有のなきに等しい医療保険制度でこぼれ落ちる民工や、農民籍の人々は投薬どころか診察すら受けられずが出来ておらず、一気に重篤な症状になっていきます

広東省衛生計画生育委員会の陳元勝主任はこう述べています。 

「高熱といったいわゆるインフルエンザ様症状が出た者及び感染家禽に接触した者が発症から48時間以内にタミフルといったノイラミニダーゼ阻害薬を服用しなければならない。
もし、タイムリーに抗ウイルス薬を服用せず、症状が重症化したら、病院の指導者及び当事者(医師)の責任を追及する」。
 

一体中国防疫当局は、去年の大流行をどう総括したのでしょうか。中国という国には学習能力がないのかと叫びたくなります。 

去年根絶できていない以上、この冬に再流行するのはわかりきったことであり、いまさら基盤的医療体制の整備や医療保険の拡充などは不可能だとしても、最低タミフルの備蓄量だけでも充実させるべきでした。 

それをいまになってなにが「抗ウイルス薬を服用せずに、重症化したら責任を追究する」ですか。 

やくたいもない空母を作ったり、月に探査衛星を着陸させるほど金がダブついているなら、国民ひとりひとりに配るくらいのタミフルは買えるだろうに!

国民を守らない国はもはや国家という名に値しません。 

また、H10N8型鳥インフルエンザの、鳥から人への初の感染者となった73歳の女性が、6日、中国江西省で死亡しました。 

今のところH7N9より弱いようですが、変異しています。今後、より複雑な変異を繰り返して、より強力なウイルスになっていくことが容易に想像できます。 

私の予想どおりトリインフルは排除されたのではなく、ただ中国社会の隅々に潜伏しているだけで、ウイルスは春節で人の移動が激しくてなるこの時期を待っていたのです。 

「中国国内では今月31日の春節(旧正月)を控え、帰省や旅行など国民の移動増に伴い、感染が拡大する懸念も出ている。上海市では、春節から4月30日まで、生きた鳥の売買を禁止する措置を取る。」(読売新聞1月12日) 

おそらく複数の新型ウイルスが潜伏して、猛烈に繁殖を続けているものと思われます。その原因をさぐっていきます。

※感染ハブ ウイルス感染が拡大し、様々な場所に飛び火する感染ネットワークの中心のこと。

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中国、H10N8型鳥インフルで初の死者 45人犠牲の別型こそ危険との指摘も
newsphere.jp 2013年12月19日
 

H10N8型鳥インフルエンザの、鳥から人への初の感染者となった73歳の女性が、6日、中国江西省で死亡した。 

 台湾の疾病管制署(CDC)によると、直接の死因となったのは呼吸不全と血圧低下による急性循環不全だ。女性には重い肺炎、高血圧症、心臓病、筋無力症などの持病があり、11月30日より同地の病院に入院していた。 

 世界保健機関(WHO)の調査によると、女性は生きた家禽などを扱う市場をたびたび利用し、発症の4日前にも訪れていたという。 

【人への感染リスクは低いと専門家の見解一致】
 今後、人への感染が続くことが懸念されるH10N8型だが、もともと、人への感染力はそれほど高くない、というのがCDCの周志浩副署長の見解である。台湾のチャイナポスト紙の記事によれば、同ウィルスはこれまでに日本、韓国、アメリカを含む各国の渡り鳥、家禽からも見つかっており、病原性は低いが、人間が感染した場合、重い症状を引き起こすことがあるという。
 

 とりわけ、人から人への感染力は高くないというのが、現段階での専門家のおおむね一致した見方である。CNNは、中国国家衛生・計画生育委員会が「今回の死亡事例は個別的な症例であり、現時点での分析によれば人への感染の危険性は低い」と発表したことを取り上げている。 

 香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は、中国国有の製薬会社・上海生物製品研究所の研究部門の陳則教授が、2007年にH10N8型ウィルスの分離に成功し、マウスを使った動物実験で哺乳類への感染性があることを証明したと報じる。同教授によれば、ウィルスが人への感染性と哺乳動物間の感染性をもつことは確かだが、人から人へ感染するかは現時点では不明であるという。 

【H7N9型はH10N8型より怖い?】
 専門家らは、H10N8型以上に、中国ですでに拡大の兆しを見せているH7N9型により一層注意することを呼びかけている。
 

 香港大学で公衆衛生学を担当する潘烈文・准教授は、H10N8型による感染が今後拡大していく懸念は少ない、とCNNに語った。一方で、今年3月に中国で最初に報告されたH7N9型は、すでに中国で100人以上、香港で2人の感染者を出している、と警告。H7N9型は重症化しやすく、すでに45人が死亡していることを付け加えた。 

 ウィルスの温床となっている、生きた家禽を扱う市場を閉鎖するべき、と専門家らは口をそろえる。香港の同種の市場では、すでに生きた家畜や家禽が取り扱われなくなってきているが、中国江西省ではいまだに取り扱いが続いている、と香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は報じる。 

 なお台湾のCDCは18日付で中国への渡航情報を「警戒」レベルに引き上げた。 

中国・広東省、H7N9対策会議を開催 関係当事者の責任を追及   

日本新華夏(株)2013年12月18日

 中国・広東省衛生計画生育委員会は17日、人感染性H7N9鳥インフルエンザ対策に関するテレビ電話会議を開き、高熱といったいわゆるインフルエンザ様症状が出た者及び感染家禽に接触した者が発症から48時間以内にオセルタミビル(商品名:タミフル)といったノイラミニダーゼ阻害薬を服用しなければならない。さもなければ、当事者は責任を追及すると明らかにした。中国新聞社が伝えた。

 15日に入って以来、広東省は2日間連続してH7N9鳥インフルエンザウイルスの人への感染例2例が確認された。広東省疾患予防制御センターの張永慧主任は会議で広東省のH7N9型鳥インフルエンザウイルスの拡散情況を報告し、予防対策を打ち出した。

 広東省衛生計画生育委員会の陳元勝主任は、「高熱といったいわゆるインフルエンザ様症状が出た者及び感染家禽に接触した者が発症から48時間以内にタミフルといったノイラミニダーゼ阻害薬を服用しなければならない。もし、タイムリーに抗ウイルス薬を服用せず、症状が重症化したら、病院の指導者及び当事者(医師)の責任を追及する」と強調した。

 タミフルは抗インフルエンザ薬だ。中国工程院の鐘南山氏は先ごろ、「人感染性H7N9鳥インフルエンザへの臨床研究では、発症後5日以内にタミフルといったノイラミニダーゼ阻害薬を服用したら、重症化するリスクを明らかに下げることができる。早急に診断し、早急に治療し、早急に抗ウイルス薬を服用するのは重症例数を減少し、死亡率を下げる最も重要な手段となった。 

 専門家グループは、広東省ではH7N9型鳥インフルエンザの散発的な人への感染確率が高く、特に珠江デルタ地域だと指摘した。

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返還交渉は一国だけではできない 南の島さんにお答えして

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昨日いったんアップして、差し替えた記事です。なんか気が抜けたビールみたいですが、やはり再アップしておきましょう。

稲嶺市長が勝利宣言第一声で、「日本政府の・・・!」とやっておりました。え、稲嶺さん、あなたは自分の国を「日本政府」って呼んでいたのと、ちょっとびっくり。

まぁ、そうかもしれませんね、彼みたいなタイプの政治家にとっては自分の国の政府は「外国政府」みたいなもんなんでしょう。

なら名護市は「外国」か、まぁいいとしますか。しかし、こういう言葉のひとつからでも、稲嶺市長の政治スタンスがわかっておもしろいですね。

さて南の島さん、コメントありがとうございます。
私は沖縄に住んでいたころには、辺野古海岸は近くでしたのでよく行った場所です。思い入れは深いものがあります。
 

今は歳相応に現実主義的になりましたか、それでも美しい大浦湾を思うと身を切られるような思いが残ります。 

しかし、前回の記事ではいっさいの私的感情を排して、できるだけ客観的データを積み重ねたつもりです。また、日本側だけではなく交渉相手の論理も見てきました。

さておっしゃる嘉手納統合案ですが、民主党政権の外相だった岡田克也氏が出した唯一の現実的プランでしたが、実は1990年代後半から幾度か検討されており、一時は日本側はこの案にかなり前のめりになった時期もあったほどです。 

しかし米国側からは以下の理由で拒否されています。 

低速のヘリと高速の戦闘機を管制官が同時に管制するのは負担が大きい 

②移設が実行されれば平時でもヘリ、戦闘機が各々60~70機ずつ訓練を行う飛行場となる。有事には増援などにより2~3倍の機体が集結すると考えられ、それを嘉手納一ヵ所で賄う事は不可能 

③嘉手納は当時から騒音が問題視されており、P-3Cの駐機場を移転したり、防音壁を設置したりしていた。普天間の機体を収用すれば嘉手納、北谷両町にとっては更に劣悪な環境となる。(Wikipediaより)

また1996年7月、在日米軍作戦部は嘉手納統合案の研究に絡めて、普天間の固定翼機を含めた基地機能の移設を目標に据えた技術評価を実施しています。 

その結果、このような規模の収容能力が必要だという結論が出て、日本側に通知されています。

普天間 平時71機 戦時最大230機
・嘉手納 平時108~113機 戦時最大390機

なお、南の島さんは勘違いされているようですが、既に嘉手納には海軍の哨戒機部隊8機が配備されていて、基地は空軍、海軍が共用しています。 

このように常駐機だけを見て判断してはならず、有事の際の収容能力まで計算にいれねばなりません。 

有事の際に、普天間基地がないと有事には実に5倍もの620機もの航空機を収容せねばならないことになり、物理的に不可能です。

現在、SACO合意によりコンクリート製遮音壁が長さ2.3キロ、高さ5メートルにわたって作られています。 

それでもなおかつ、沖縄でもっとも航空機騒音に苦しむのがこの周辺地域です。

もし普天間を併合した場合、現在の嘉手納の常駐機数の倍近い機数を常駐させ、なおかつ有事には600機を越える機体を収容せねばなりません。 

それを考えただけで、周辺地域の負担は言語を絶すると思われます。 

私は、実家が神奈川県厚木基地の進入路から数キロの場所にありましたので、軍用ジェット機の凄まじい爆音と共に幼少期を過ごしました。 

ちなみに今は百里の旋回面直下です。よくよく爆音にはご縁があるとみえます。

沖縄の頃に、友人に「オレの小学校も米軍機が飛ぶと窓がビリビリ振るえたんだぜ」と言うと、「ええ、本土にも米軍基地があるのか」と驚かれたことを思い出します。(笑)

もちろん、あります。神奈川県の国道16号沿いには、那覇から嘉手納に至るくらいの密度で米軍基地が密集していた時期がありますから、いちど沖縄の友人諸君にも見せてあげたいものです。

私のガキ時代の冒険は、基地のフェンスから忍び込んで、スクラップの米軍機の中で遊ぶことでした。

ですから、私の中には沖縄の人に対する共感と共に、「日本の悲惨をすべて沖縄が背負った」みたいな言い方をされると、ちょっと待ってよ、そこまで気負わなくていいんだよ、と言いたくなる時があります。

それはさておき、嘉手納周辺のジェット戦闘機の爆音に普天間までを加えることにはその意味からも反対です。 

機能削減とおっしゃる意味がわかりませんが、併合したり、基地面積を縮小・圧縮すれば、当然基地機能は強化されます

おそらく基地の部隊を削減しながら 統合しろという意味だと思いますが 、KC130給油機部隊はすでに岩国に出ており、鹿屋とのローテーションに入っています。その意味で削減はなされています。

ところで、添付していただいた米国の識者ダニエル・スナイダー氏の意見も読ましていただきました。 

氏によれば、本土の米空軍、海軍の能力の増加で沖縄海兵隊を大幅削減できるとしています。 

スナイダー氏の発想は、空軍の航空優勢と、海軍のトマホーク巡行ミサイル、あるいは無人機からのミサイル攻撃などですべて解決できると考える思想です。 

地上兵力を投入すると、イラク戦争のように4400名もの戦死者を出して社会的批判を浴びたために、アウトレンジから航空機や海軍、あるいは無人機からミサイル攻撃した方がいいという考え方です。 

戦争の無人化、ロボット化を目指す考え方てす。彼のような空軍やミサイル万能思想は確かに米国の一部には根強く存在します。 

しかし現実には、空や遠く離れた海上から発射されるミサイルは、よく目標を確認しないままに発射されたり、発射時と状況が変化したりするために、誤爆が連続する事件が続き、罪なき現地住民を多数殺傷しました。 

そのために国際社会のみならず米国でも強い批判を浴びています。 

このような発想の持ち主を、沖縄基地軽減できるようなことを言っているからといって持ち上げる琉球新聞の記者の見識を疑います。 

なお、南の島さんは辺野古が本島東海岸に面していることを不思議に思っておられるようですが、それは西海岸に適当な候補地がなかったためです。

また、西海岸は発展して人口が急増しているために、仮に移転してもすぐに普天間と同じ問題が生じてしまうからです。ちなみに普天間も西海岸沿いです。 

欄外に今まで検討された候補地を時系列に沿って挙げておきましたのでご覧ください。

かくも大量に存在しており、本島はもちろん、周辺諸島、九州までくまなく調査され尽くしているのがお分かりになると思います。

基地返還交渉は一国だけでできるものではありません。相手国がいるという「関係」の中で行われているです。

日本政府と沖縄という図式に、米国という補助線を引いてみるとまた別な見方ができると思います。

またもう一本中国という別な補助線を引くと、もっと立体的に「普天間」が見えるはずです。

まだ米国は今回の選挙結果を受けても、「やりかたはある」と言ってくれているようですが、今後の建設期間中にあまり反米ナショナリズム闘争が激化すれば、もうやめたいというのが本音でしょう。

いくら「辺野古移転は米国にとってデメリットばかり。善意で協力しているだけだ」と言っても、昨日の毎日新聞みたいに「銃剣とブルドーザーで取り上げられた恨みを沖縄県民は忘れていない」なんて反米意識むき出しの記事を書かれてしまうんですから。

ここで米国がサジを投げたら、普天間はそれこそ正真正銘に永久基地化ですが、まぁそれでもいいって人が沖縄に多いんでしょうね。最近皮肉ではなくそう思うようになってきています。

しかし、そう言う人たちが、一方で「普天間の永久基地化反対」と叫んでいるのですから、私にはこんな矛盾したことを平気で言えることに混乱してしまいます。

つまり、このような主張の人たちは、普天間もダメ、辺野古もダメですから、要するに反安保闘争をしたいのでしょう。

そのためには普天間基地が、反米闘争のシンボルとしてそこにあり続けることがいいということなのでしょうか。

今や、大浦湾の自然保護でもなく、普天間の危険性の除去でもなく、反米ナショナリズム闘争に転化してしまったこの名護市長選以降の流れを、私は憂鬱な視線で眺めています。

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●[資料 普天間移設候補一覧

①嘉手納弾薬庫案・・・農業用ダムと希少生物棲息地のために却下
②嘉手納飛行場統合案・・・本文参照
③キャンプ・ハンセン案・・・工事の難しさと騒音問題で却下
④杭打ち桟橋工法(QIP工法)案・・・米側の攻撃に脆弱との反対で消滅
⑤メガフロート(ポンツーン方式)案・・・米側の台風時の揺れ、橋の通行不能で却下
⑥メガフロート(セミサブ式)案・・・荒天時の変形、クラッドの剥離の危険性から却下
⑦重力着底型プラットフォーム案・・・本土との連絡が船舶なることで消滅
⑧移動海上基地(MOB)案・・・米側の予算削減による研究費削減で消滅
⑨B&R案Mcdermott案、Kværner Maritime/ボーイング案、ベクテル/レイセオン/Nautex案・・・いずれも研究段階て実績がないのて消滅
⑩キャンプ・シュワブ沖人工島案・・・軍・民共用空港を計画。大きな自然破壊で消滅
⑪辺野古沖現行案
⑫馬毛島案・・・駐屯地、航空基地、訓練施設の機能が近接していないため消滅

⑬伊江島案・下地島案・・・充分な面積を確保できない
⑭勝連沖埋立案・・・シュアブ沖案の変形
⑮グアム・テニアン島案・・・米海兵隊のグアムへの移動という虚報から発生し消滅
⑯キャンプ・シュワブ陸上案・・・工法と面積不足により消滅
⑰徳之島案・・・⑪と同じ理由で消滅
⑱長崎県
佐世保、大村移駐案・・・東南アジア地域から遠いため消滅

※その他 ⑲は論外。⑳は代案ではなく政治スローガンなので別とした。
⑲鳩山「腹案」・・・実は存在していなかったため公表されることなく辞任
⑳国外無条件移転案・・・共産党、社民党が主張

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名護市長選 稲嶺現職が勝利 これで普天間固定化の道が半分まで来てしまった

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名護市長選で稲嶺氏が当選したそうです。複雑な心境です。

稲嶺氏陣営が夏前から体制を固めていたのに対して、自民党県連の混乱のために、候補者一本化が選挙戦寸前になるなど大きく出遅れた上に、公明党県連が稲嶺支持に回ったことが響いたようです。

今回の移設容認派の敗北原因は、翁長政俊自民党県連前会長と、翁長雄志那覇市長にあると言っても言い過ぎではありません。

このふたりは、鳩山氏が作り出した「国外・最低でも県外」移設の幻想を使って、執拗な移設反対姿勢を取り続けてきました。

ダブル翁長は平和の崇高な理念があるわけではなく、自分たちが県知事と与党県連会長となり、革新までウイングを伸ばした強大な権勢を構築したいという野望をもっていたからです。

そのために、自民党執行部が沖縄に対して強くでられないと足元を見るや、先の参院選でも自民党の公約とはかけ離れた県独自路線を突っ走ってきました。

翁長那覇市長は、自民党中央の公約に背いて擬似的な「オール沖縄」勢力を作った主役となり、今回の名護市市長選においても末松支援に回るどころか、稲嶺支援に多くの自民党那覇市議を送り込んですらいます

それに対して稲嶺候補は夏前に選挙準備が出来ており、共産、社民、社会大衆、そして本来政権与党である公明党県連への根回しも済んでおり、翁長市長を使って自民党の分断にも成功していました

末松候補側は翁長市長のサボタージュのために秋まで出馬表明が遅れた上に、自民党県連の玉虫色の姿勢に怒った元市長の島袋氏が立候補を表明し、あわや保守分裂選挙の様相すら呈していました。

自民党中央のギリギリの介入でなんとか末松一本化できたものの、あまりにもドタバタが長すぎ、そして遅すぎました。

統一候補も翁長市長の息のかかった末松県議ではなく、名護市長としての実績と知名度もある島袋氏にするべきでした。

自民党は、昨年末になって振興予算の上積みや振興策を立て続けに出しましたが、それもこのような流れができてしまえば、むしろ札束で頬を叩くように受け取られても仕方がありません

このような事態を引き起こした石破幹事長の指導責任は、重く問われるべきです

政府は既に菅官房長官が「粛々と進める」と明言している以上、名護市の「抵抗」を排除して進むことになります。

予想される名護市の「抵抗」は、具体的にはこのようなものになると見られています。

「稲嶺市長は具体的な権限内容は示さなかったが、辺野古沿岸部の埋め立て工事や、基地建設工事における道路や港湾の使用許可などを念頭に、漁港漁場整備法に基づく砂浜への工作物設置申請や、補助金適正化法に基づく辺野古漁港の防波堤・護岸の財産処分などで市長の権限が及ぶことを示唆したものとみられる。」(琉球新報1月10日)

かつての三里塚闘争のようになるという人がいますが、私はならないと思います。

というのは、現地反対同盟に相当するものがなく、辺野古3地区、漁協は完全に容認派が占めている以上、現地建設反対闘争は起こりようがないからです。

稲嶺氏は「民意」の錦の御旗を手にしたものの、稲嶺市政と長年対立を続けてきた現地との溝はいっそうに深まり、再編交付金なとの拒否による市経済の疲弊はいっそう加速していくものとみられます。

稲嶺氏が東海岸地域の活性化の具体的政策を持っていないのはこの4年間で明らかですが、公約である「基地に頼らない地域経済」が今後どのように具体化されていくのかが注目されます。

今後、仲井真知事は「辺野古の申請認可は変わらない」として辞任する考えもないことを示しました。

しかし、もはや問題は仲井真知事以後です。

おそらく11月の知事選挙は、移設反対「オール沖縄」候補と、移設容認候補の一騎討ちになると思われます。

今の流れが続けば、再び移設反対派が勝利し、かくして普天間永久固定化が決定されることになります。

ほんとうにそれでよいのか、私は沖縄の皆さんに何度もお聞きしたいのです。

※本記事は名護市長選の結果を受けて全面的に書き換えました。

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週末写真館 真冬の霞ヶ浦

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辺野古移設問題その2 もうひとりの当事者・米国からみた移設問題

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普天間移設問題を続けます。 

普天間移設問題は交渉事です。あたりまえですが、「交渉」には相手方というのがいます。 

この問題だと、つい沖縄県とは名護市にばかりに目が行きますが、最大の交渉相手はいうまでもなく米国です。 

したがって、この普天間問題は国内問題ではなく、国際交渉でもあるのです。 

この問題に関して交渉の相手国である米国はどう思っていたのでしょう。 

結論からいえば、米国は日本側のドタバタをやや呆れて眺めているというところでしょうか。 

基地を縮小して負担軽減をしたいと言い出すから協力してみればなんと14年も時間がかかり、今度は「国外、最低でも県外」と叫んでチャブ台返しまでする奴が現れ、挙げ句の果てに結局振り出しです。 

もはや状況は絶望的に普天間固定化に向けて走り出していました。本土政府と仲井真知事が解決の時と決断するまでは。 

このようなタイミングを、解決ための「時の時」と呼びます。今解決しないとダメだという天王山のことです。 

まず前提として、そもそも米国は普天間を出て行きたくはないことを理解して下さい。 

よく米軍のために移転計画があるように言う人がいますが、それはまったく誤りです。 

米軍にとって移転するメリットはなにもありません 

普天間基地の性格を考えてみるとそれがわかります。普天間基地は陸軍のキャンプではありません。そうだったのならとっくの昔に移転が完了していたことでしょう。 

普天間基地は、東アジア有事に備えた海兵隊の緊急展開用航空基地なのです。今、私は三つのことを同時に言いました。 

以下分かりやすく整理するために、できるだけ感情を排して箇条書きにしてみます。 

①東アジアを中心とする広域の有事に備えた基地である
有事に際して最初に投入される海兵隊の拠点である
③オスプレイを運用する航空基地である
 

ですから、基地の移設は以下の5つの条件を満たしていなければなりません。
すなわち
 

①紛争が予想される朝鮮半島、台湾、インド洋などに短時間で展開が可能な場所
②海兵隊のもうひとつの投入手段(パワープロジェクション)である強襲揚陸艦の港が近くにあること
③兵員が日常的に駐屯するキャンプがそばにあること
④MV22-オスプレイと給油機KC-130を運用できること
 

また、忘れられがちなことは、単に初動だけではなく
⑤やや遅れて米国本土から応援に駆けつける大量の航空機と兵員を受け入れる基地である
 

17年間、県内、県外のいくつもの候補地が消えたのは、これらの諸条件を満たさなかったからです。 

その中でギリギリなんとか条件を満たしそうな場所が辺野古だったのです。辺野古には他の候補地にない以下の利点がありました。 
(下図参照「週刊オブイェクト」より転載いたしました。ありがとうございます)

Photo

①キャンプ・ハンセンという駐屯地と隣接している
②海岸なので航空事故の危険が少ない
③地元の辺野古地区が受け入れを表明している
 

しかし一方、米国からみればデメリットもありました。 

①辺野古は滑走路が1200m2本であり、普天間の2800mの半分の長さである 

②そのために離発着の機種の制限を受ける。たとえば、普天間基地には離着陸出来たC-5やC-17などの大型戦略輸送機は、滑走路が短い辺野古では使えなくなる 

これでは有事の際に米国本土から応援に来る大量の兵員や装備を運ぶ大型輸送機が使えません。 

おそらく嘉手納基地を利用するという妥協を米国に呑んでもらったものと思います。 もう一項あります。

実戦基地の機能を移動するということ自体が大変である 

かつてのフィリピンのクラーク空軍基地のような完全撤収ならともかく、前線基地としての機能を維持しながら移動するということは、そうとうな技術的難しさを伴います。 

特に今のような東アジア情勢が不安定な時期に基地の引っ越しなどはしたくない、それが米軍の本音です。 

このように見てくると、米国がよくこんな損なことを納得したなと感心するくらいです。 

おそらく、民主党政権末期には、米国はもはや日本政府は解決能力を喪失したという見切りをつけ始めていたはずです。 

いつまで待ってもまとまるどころか、グアム、テニヤンなどというあらぬ空想まででて来る上に、反米闘争の象徴のようになってきたのですから、米国からすればたまったものじゃありません。 

米国からすれば、「もう止めない、この話」というのが偽らざるところでしょう。 

沖縄基地の重要性に象徴される日米同盟という背景がなければ、米軍はとっくにさっさとフィリピンのように立ち去ったはずです。 

では、ここで米国かブチ切れて普天間移設がおじゃんになった場合を考えてみましょう。 

移設反対派の皆さんは大喜びするでしょうが、米国はこれで代替案が完全に消滅したと理解します。 

普天間基地は絶対に必要な基地な以上、宜野湾市のど真ん中だろうがなんだろうが、居続けるしかないことになります。 

100%普天間基地の永久固定化が決定します。最終的かつ完全に、です。 

もはや二度と普天間基地を撤去するということに対しての協力は、米国から得られないでしょう。 

基地はいきなり全部なくなりません。漸進的に粘り強く、危険なものからひとつずつ気長に交渉して返還してもらうしかないのです。 

次に、問題はそれに止まりません。あくまでも普天間基地の代替があってのSACO(※)縮小計画ですから、嘉手納以南の基地縮小計画はすべて凍結されます。 

そして、よくここまで踏み込んだ約束をしたと思われた本土政府の日米地位協定改訂交渉もなくなります 

整理します。今この段階で移設計画が挫折した場合 

①普天間基地は宜野湾市のど真ん中で半永久的に固定化される
嘉手納基地以南の返還計画が凍結される
日米地位協定の改定交渉が凍結される
 

さてこのように見てくると、普天間基地は出て行け、辺野古には作らせない、日米地位協定は改訂しろなどということは空論にすぎないことがお分かりになっていただけたでしょうか。 

これらすべては包括的につながり合って出来ています。交渉というものは゛ひとつを得るためにはひとつを譲らねばならないものだからです。 

全部寄こせでは交渉になりません。たたゴネているだけです。 

ですから、こちらが得ることの軽重をつけねばなりません。なにが大事かのリスク評価をせねばならないのです。 

仲井真知事は県議会でこのように述べています。 

「一番大事なことは普天間基地というのが町の真ん中にあるのを街の外に出そうと危険性をぐっと避けようと、そういうことですから、辺野古であっても町から離れている。
ほとんど海で出たり入ったりするものというのは危険性がぐっと落ちるでしょう。そういうものはあるていど認めざるをえないんじゃないでしょうか」

仲井真知事がいいたかったことは、普天間という最大のリスクを除去するためには,より小さなリスクの辺野古を取らねばならず、それによって日米地位協定や嘉手納以南の移設への道も開けるのという展望です。

それは、今の沖縄の中では即時基地ゼロを唱えるより遥に勇気かいることなのです。

原発もそうですが、即時ゼロとか基地ゼロを叫ぶのは簡単です。

しかし、それでは現実は何も変わりません。 そんなことを受け入れるほどリアルポリティクスは甘くないからです。それは解決案ではなく、政治的スローガンにすぎないのです。

ひとつひとつ問題点を明らかにして解決していく努力をすること、ひとつひとつ基地を返還させていくこと、これが結局は近道なような気がします。

            。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚ 

SACO Special Action Committee on Okinawa(沖縄に関する特別行動委員 会)の略であり、沖縄に所在する米軍施設・区域にかかわる諸課題に関し協議することを 目的として、平成7年、日米両国政府によって設置されました。(防衛省HP)http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/okinawa/saco_final/ 

●[普天間基地と辺野古新規増設の面積比較

・普天間基地面積    ・・・480h
・辺野古新規建設部分 ・・・160h 

辺野古だけで320h基地面積は減少することになります。

また米軍基地は、既に1996年12月に日米合意した沖縄に関する特別行動委員会(SACO)でこのような縮小計画が決まっています。
(沖縄県 「SACO最終報告による米軍施設・区域の返還案」)
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/kichitai/documents/2sho.pdf 

●[在沖米軍基地縮小計画]

・那覇港湾施設 ・・・60h
・牧港補給地域・・・270h
・普天間基地 ・・・480h
・キャンプ瑞慶覧・・・157h
・キャンプ桑江  ・・・70h
・北部訓練場・・・4000h

・縮小面積計 ・・・5037h

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辺野古移設問題その1 「善意」から始まった混乱の道

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沖縄からのニュースを読んでいると、なぜこうなるのかと、ため息が出る時があります。 

仲井真知事は予想を上回るバッシングに会い、辞任要求まで県議会で可決してしまったという記事を読んだ時には、一日暗い気分でした。 

この仲井真叩きに狂奔している人たちに、素朴にお聞きしたいのですが、あなた方は沖縄の米軍基地が縮小することを望まないないのでしょうか?

たぶん、とんでもないと言うでしょう。むしろ米軍基地がゼロになって、平和な沖縄を取り戻すために戦っているのだ 、と。

残念ですが、辺野古移設反対という主張は、私には到底リアルなものには見えません。 

その結果が普天間基地の固定化につながることがあまりに明白だからです。というか、それ以外の結末を、私には予想できないほどです。 

移設反対運動の皆さんは勘違いをしていると思います。その大元は、自分たちが米軍に抵抗して反基地闘争をしているという錯覚です。 

違います。明日に詳述しますが、米軍はこの普天間移設問題に関しては傍観者にすぎません。 

そこで、どうしてこれまで移設の検討だけに17年という長い期間がかかったのか真面目に考えてみてほしいのです。

その理由はあんがい簡単です。米軍はもちろんのこと、本土政府にも急ぐ理由がなかったからです。 

もし、本腰を入れた国策遂行ならば、こんなにテレテレとやっていません。長くても5年間ていどでプランを練り上げ、建設に際しては成田闘争のように機動隊による流血の代執行も辞さずに5年以内で仕上げていたでしょう。 

私は青春期に成田闘争を現場で見ていますから 、国家が本腰を入れた場合の国策遂行の凄まじさは、今の沖縄の比ではないことが肌で分かります。 

普天間移設問題の妙に間延びしたかんじは、決して南方的時間のせいではなく、本土政府のこの問題へのスタンスのせいなのです。 

本土政府の普天間移設の目的は、ひと言で言えば沖縄への負担軽減策でした。 言い換えれば「善意」です。

沖縄戦、異民族支配、基地負担という沖縄県の尋常ならざる苦痛に対しての本土政府の負い目が、この普天間移設の出発点でした。

少なくとも橋本龍太郎首相が、沖縄の痛みを理解しようと努力したことを認めてやるほうが公平というものでしょう。

その意味では、後に登場する鳩山由紀夫氏にも同じような「善意」があったことは認めねばなりません。

しかし移設する対象が陸海空の統合運用を前提とする海兵隊航空基地であったために、問題は真剣に検討すればするほど複雑になりました。 

というのは、陸上の駐屯地(キャンプ)と一体で運用できる距離に航空基地がなければならなかったからです。

後に鳩山氏が迷走した時に、自民党関係者の間では、あんな場所はとうに当たっているぜ、という嘆き節が出たものです。

それはともかくとして、この海兵隊という水陸両用部隊の特殊性のために、自ずと県内に移設場所が限られることとなり、それは負担軽減に名を借りた新たな基地建設ではないかという疑念が沖縄側に芽生えてしまいました

これは本土政府の誤算でした。この説得に本土政府は失敗しています。

いや正確には、長い期間かけた自民党時代のあらゆるパイプを使った説得により、いったんは国-県-名護市-現地・辺野古が一列に容認で並ぶといういわゆる「惑星直列」の時代が短い一時期ありましたが、それは鳩山政権の登場で粉々に砕かれてしまったのです。

鳩山政権がいったん見せた「国外、最低でも県外」という夢の輝かしさは、沖縄に住んだ者でなければ理解できないかもしれません。

そうかできるのか、これを糸口に米軍基地がどんどん縮小するのかもしれないという希望が沖縄の中に生まれたのです。

そうです、それは「基地のない沖縄」という沖縄人なら誰しも一度は見た実現不可能に見えた夢でした。

ところがこの鳩山首相か見せたのは文字どおりの「夢」、白昼夢にすぎませんでした。

1年間の迷走の果てに彼が吐いた台詞は、「ようやく抑止力が理解できた」でした。

まがいなりとも一国の首相が言う言葉ではありません。脱力感と吐き気すらするほどです。

つまり彼は沖縄問題の複雑さを理解して始めたのではなく、ただ素人の思いつきだけで始めたにすぎなかったのです。

この結果、すべてが振り出しに戻り、一瞬にして「惑星直列」は砕け散り、14年間の時計が巻き戻されました。

もはや解答は、人口稠密地帯の宜野湾から過疎地帯の辺野古に移設するしかないにもかかわらず説得不可能な事態になってしまっていたのです。

政府が、いくら3分1に縮小するのだと説明しても、もはや反対運動をしている人たちは聞く耳を持たなくなっていました。

かくして、橋本龍太郎氏の「善意」から始まったこの問題は、鳩山由紀夫氏の「善意」で挫折し、今や沖縄問題から離れて日米同盟の喉に刺さったトゲとなり、両国首脳で話し合われるテーマにすらなっていました。

しっかりとした裏付け計画を欠いた「善意」というのものは高くつくものです。

地獄への道は善意で敷きつめられている」という有名な箴言を思い出してしまいます。

長くなりましたので、もう一回続けます。 

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細川候補 都知事になったら再稼働を認めない、だって!

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細川護熙氏の公約は、「原発の再稼働を一切認めない」そうです。 

失礼ながら、爆笑してしまいました。なにを勘違いしているのです、この御仁。 

広瀬隆氏ではありませんが、東京都のお台場にでも東京原発1号機があって、再稼働問題が持ち上がっているなら「気分」ではわからないではありません。 

しかし、それでもそれを審査するのは規制委員会で、国が再稼働を決定します。 

原発再稼働は国政上の政策実施の問題であって、政府以外が決定を下すことはありえません 

泉田新潟県知事が今もやっているような「フィルターベント反対」のような技術的問題に難癖をつけて「再稼働申請を認めない」というのは、なにかの勘違いをしているとしか思えません。 

知事は地元として県民の安全の観点から意見を述べることがあっても、権限はいっさい与えられていないからです。 

それでもとりあえず泉田知事はまだ柏崎原発の「地元」なのでいいとしましょう。 

県知事が県民の安全を保証するために「意見」を開陳するのは、権限こそないものの広義の意味で県知事の「仕事」の範囲内かもしれないからです。 

しかし、東京都に原発がありましたか?作る予定でもあるんですか? 

あらためて言うのも愚かですが、ありません。東京都は人口稠密な首都ということで原発の立地候補から初めからはずれています 

ですから、「危ない原発」はすべてわが茨城県や福島県、あるいは泉田知事の新潟県にあって、長大な送電線を敷いて東京に運んでいるのです。 

明らかにはなっていませんが、原発の設置場所は、東京から100キロ以上離れていることが立地条件だったはずです。 

万が一原発がシビア・アクシデントを起こしても、急性被爆するのはその地域の住民に限定され、その犠牲において稼ぎだされた時間の間に首都住民は脱出するということです。 

そのリスクを地方に押しつけて、札束で頬を叩いて立地しておきながら、その自覚もないままにザブザブ電気を使ってきた東京都に、なにが「再稼働は認めない」ですか。バッカじゃないでしょうか。 

つまり、そもそも東京都は当事者でなく、したがって当事者でない者には、一般的意見を言うことは出来ても国政に容喙することはできないはずです。 

石原慎太郎元都知事はどうにも好きになれない人物でしたが、唯一福島事後の時に震災瓦礫を真っ先に引き受けるという侠気がありました。 

それに対して、都民の瓦礫搬入反対運動があったはずです。 

まず反対を叫ぶ前に、「今までこんなに危険なものを押しつけてすまなかった」のひとことがあってもよさそうなものです。 

第一、福島県や茨城県は東京より福島事故ではるかに放射能を被っているのです。 

ひと言のすまなかったもなく、わずかのリスクのシェアもしたくないというエゴイスティックな姿勢に、私たち原発立地県の人間はげんなりしたものです。 

繰り返しますが、東京都知事には権限はおろか、再稼働に関して一片の発言権もありません。 

せいぜいが猪瀬前知事がやったような東京電力の1.2%の株主として意見を言うことくらいは出来ます。その程度なんです、「脱原発」で東京都にできることは 

したがって、東京に一基の原発も存在せず、その建設計画もない以上、原発問題は争点たりえません 

東京都知事選挙はあくまでも地方自治体の首長選挙です。地方自治体首長の権限が及ぶ範囲が争点です。 

東京都知事には、できることと、できないことがあります。そのわきまえもなく、最大争点が原発問題といのは勘違いも甚だしい。 

東京都民が原発についての意思表示をしたいのなら、どうぞ国政選挙でやって下さい。 

その場は与えられていたはずで、都民は前回の参院選で、再稼働容認の自民党に多数を与える一方で山本太郎氏を選びました。 

これの延長戦を再び東京都知事選でもやるのは筋違いです。 滋賀県知事の嘉田氏のように国政政党を作るべきです。

もし、仮に細川氏や宇都宮氏が知事になったとしても、なんの権限もない無力さをさらけ出すだけです。

細川氏が原発再稼働反対という「意見」を持つのはまったく自由ですが、それだけのために出馬し、それだけが争点だというのは倒錯です

それを押して東京都がスケールにものを言わせて国政にクチバシを突っ込むなら、かの石原氏や橋下氏と同列になりますよ、と忠告しておきます。 

石原氏は都知事を閣僚と同格に遇するべきであるというのが持論でした。 

この意見は、東京都や大阪府などが国家に準じた特別区となり、国政の指導にも参画させるべきだという考えです。

石原氏はこの考えに基づいて、尖閣を都が購入するという越権行為をしたわけです。

これはこれで討論の余地はありますが、現行の地方自治とは相いれません。

しかし、今の細川氏や小泉氏の言動をみると、当初から石原氏と同様に東京都の特権意識を前提にしているように思われます。 

国政に意見を持つのは勝手ですが、あくまで東京都独自の問題を掘り下げて議論するのが本筋ではないでしょうか。

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続小泉劇場その2 薄氷上の焚き火 電力供給

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今回の脱原発劇場は、元首相連合が目玉のようです。

しかし残念なことには、肝心の彼の「ワンフレーズ脱原発」の中身は眼を覆うほど空疎なものです。

小泉さんは、「即ゼロがいい。その方が企業も国民も様々な専門家も準備が出来る」 と言っています。 

できてませんよ。今の電力供給は薄氷の上で焚き火しているようなものです。

(写真 武豊2号機 遠藤巧 「現場千本ノック」より)

上の写真は3.11以降に無理矢理に再稼働された武豊火力発電所です。激しく老朽化しているのが分かります。

全体に錆が浮き、排気ダクトもツギハギだらけ、まるで壊れたロボットのようです。

このダクトは長年使用していなかったためにこんな状態なのです。それがいきなりの電力不足で、もうスクラップを待っていた発電所はいきなり操業を急がされました。

もはや全面的改修などする時間の余裕もなく、ダクトから火を吹けば応急パッチで塞いでいるような状態です。

このようなスクラップになる予定の老朽火力を再稼働して、どうにか電力供給を続けているのが、今の日本の現状なのです。 

現在の予備電源率は10%を割り込んで、関西電力など去年夏前にマイナスになる可能性すらありました。 

「関西では、大飯原発3、4号機(計236万キロワット、福井県)が今月中旬までに稼働停止した。自社電源のみでは予備率がマイナスになる可能性があったが、他電力会社からの融通などで供給力を積み増し、電力需給が最も厳しい来年2月でも3%を上回る予備率を確保する。」(産経新聞13年9月29日) 

このような電力の予備率が極端に薄い状況で、もし一基の火力発電が大規模故障した場合ブラックアウト(長期広域停電)もありえる状況だといってよいでしょう。

現に、2012年2月3日、九州電力の新大分火力発電所(大分県大分市)のトラブルで計13台の発電機が一時停止し、東京、中部、北陸、関西、中国、四国の6電力会社から計240万kWに及ぶ電力の緊急融通を受けています。 

ところが、この緊急融通した中部電力自身も薄氷状態だったのです。 

「九州電力に電力の緊急融通を実施したこの日、中部電力では予備率が一時的に3.5%まで下がる恐れがありました。供給力に直せば、わずか80万kW程度。これはたとえていえば、ジェット機が海面スレスレを飛んでいるような危機と紙一重の状態です」(武豊発電所所長永崎重文氏)

中部電力には80万kW以上の火力発電機が6基あるが、当日、一つでも故障していたら、ブラックアウト(広域大規模停電)につながりかねない事態であったそうです。

「電気は原発を止めてもたっぷりある」というのは神話にすぎません。もう少し現実をしっかりと見るべきです。

ある電力会社の火力発電所にはそこかしこに、「負けないぞ」という標語が貼られているそうです。

なにが「企業も準備できる」ですか。もうとっくに現場の電力マンは死力を尽くして電力供給を支えているのですよ。

これが「原発ゼロ」の現実です。口で原発ゼロを叫ぶのは簡単です。しかし、どうやって原発が抜けた穴をふさぐのか代案を示して下さい。

今のような綱渡りはいつまでも続きません。代案を示すのが政治家の仕事ではないのですか。

私は、北海道と東北7県を合わせた中規模国家並の電力を食いまくっている東京都にだけは脱原発を言われたくはありません 

他県の火力発電所で生活を支えてもらっていながら、「東京から脱原発を発信」もないものです。身勝手にもほどがあります。 

そこまで原発ゼロをやりたいのなら、東京都各区に一基の火力発電所を建設してエネルギー自給をしてからにしてください。

さて、それにしても細川氏という人は首相在任中に 真夜中に突然記者会見を開いて「国民福祉税7%」と消費税増税をブチ上げ、根拠を問われると「腰だめ」と答えて失笑を買って辞めた隠れもないルーピーです。

あの時は、陰で小沢氏の振り付けどおりに踊ったわけですが、今度は小泉氏が振付師ですか。

おそらく間違って知事に就任してしまえば、1億円不正疑惑を蒸し返されて短期で辞任に追い込まれるのでしょうが。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-c2a3.html
        http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-8f29.html

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続小泉劇場 老人の道楽的政治に国民を巻き込むな

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細川護煕元首相が東京都知事選に出馬するそうです。

佐川急便1億円不正疑惑で政権を投げだした細川氏が、500億円不正疑惑の次の都知事になりたいとはこれいかに、とは思いますが、私は細川氏なんかにはまったく関心がありません。

問題は、現時点では未定ですが、どうやらあの小泉純一郎氏が応援するということです。

これになんと菅直人、小沢一郎の各氏が相乗りするという話ですから、いくら真冬だからといって、よくもこれだけ政界の悪霊キャラを一同に集めたものです。

この人たちがズラっと揃って街宣車に打ちまたがってマイクで叫んでいると、局所的に氷河期に突入するかもしれませんね。

ただし、全員既に「終わった人」だというのが残念です。終わっているのに、当人は終わっていないと錯覚するというゾンビ゙ほどタチの悪いものはありません。

私は、失礼ながら「バイオハザード」のワンシーンを思い起こしてしまいました。小沢氏など似合いすぎて怖い。 倒せるのは元奥さんくらいでしょうか。

それにしても自民党、よくまぁこれほどなめられたものです。

支持するのが落ち目のズンドコ時に、自民党に後ろ足で砂をかけて逃げた舛添氏、対抗馬の応援団には自民党元総裁の小泉氏。

党もなにもあったもんじゃなく、勝手気ままに小泉隠居にいいようにかき回されています。

石破さん、「議論は自由。しかし行動は統一」といっている原則をあのご隠居にも適用しなさいよ。

あの人は有り余る自己顕示欲と、ふつふつとたぎる嫉妬を燃料にして、ひょっとしたら自分を凌ぎかねない「大宰相」の芽をしっかりと摘んでおきたいようです。

そしてまたしても、郵政改革時と同じ論理構築を省いたワンフレーズ・ポリティクスで、今度は「脱原発」都知事選ですって。

彼の発言には法則性のようなものがあるようです。初球はまず直球にきます。

郵政改革ならば、「民間でできることを公務員がやるのか。小さい政府を作れ」と投げ込んできます。

脱原発ならば、初球は「最終処分場がないだろう」ときましたね。

さすが稀代の勝負師、着眼点はいい。事故処理に失敗したくせに、孫正義氏におだてあげられて再エネを叫んだ菅氏とは違って、しっかり内角低めをついてきます。

たしかに間違っているわけではなく、それ自体はウソではないから困ります。いわゆる「ウソではないか全部ホントではない」というクセ球なのです。

郵政職員の場合は、なるほど「身分」は公務員でしたが、郵政事業から給与は出ており税金からはビタ一文出てはいませんでした。

しかしあのように言えば、おおかたの国民は、「あ、そうか郵政事業は税金使ってやってるんだ、それなら民営化したほうがいいじゃないか」と錯覚してしまいます。

それを狙って小泉氏は第2球を、「民間に任せれば公務員は大削減できるのだ。そうすれば国民の税負担は軽減されるのだ」というピンボールを平気で投げてきます。

もはや立派なデマゴギーですが、これをワンフレーズにしてしまって、何百回も電波に乗せて繰り返すのです。

脱原発の場合、さすがに脱原発の具体的政策が浮かばなかったとみえて、蓄電器とか再エネとか新味のないことを口走って、読売から対案がないことを批判されてしまいました。

フィンランドのオンカロでひらめいちゃったらしいですが、オンカロは原発止めるために作ったのではなく、動かすために作ったのです。

このオンカロがいっぱいになる80年後までの時間稼ぎにすぎません。
蓄電技術の件に至っては、ほんとうに調べてしゃべっているかしら。 蓄電技術は割に合わないコスト喰いで、それでなくても割高な再エネに蓄電器をつけたら、法外なコストになります。

腹立ち紛れに、「政治で一番大切なことはまず方針を示すことだ。原発ゼロという方針を政治が示せば必ず知恵のある人がいい案を作ってくれる」と叫びましたが、自民党への影響力は限りなくゼロでした。

そりゃそうです。オレだけはカッコよく正義を叫ぶが、考えることは別な奴がやれ、って言っているんですから、虫がよすぎます。 誰がついていきますか、そんなこと。

かつて細川氏は新進党時代に小泉氏と行政改革研究会なるものを立ち上げたことがありました。そのときの感想を彼はこう漏らしていたそうです。

「小泉さんは、勉強会の中身は他人任せで、もっぱらマスコミに向けてどうやって派手に発表するかばかり気にしていた」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140111-00567477-sspa-soci

まったく正解です。小泉という人はそういう人なのです。あの人は無内容な自分に耐えられる人なのです。あの御仁の頭にあるのは、どうかっこよく国民に写るか、だけなのです。

郵政改革などまったくデタラメな認識で、竹中平蔵氏に「ほんとうは改革する必要がない」と悲鳴をあげさせています。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-5925.html

細川氏はわかっていながら、なぜまたこの人と組むのでしょうか。細川氏は政界の悪霊オールスターズを集めてなにをしたいのか。隠居でロクロを回しているのが長かったのでボケましたか。

それはともかくとして、自民党に波風も立たなかったことが、ひとの何十倍もある彼のプライドをいたく傷つけたようです。

さて、ここで小泉氏の第3球は、お約束の魔球、いわゆる小泉劇場」です。

政策選択をいきなりショーアップされた格闘技に変えてしまうんですから、なんともかとも。

郵政改革劇場では、「守旧派をやっつけろ」というお囃子に乗って、自党内の民営化反対の候補に刺客戦術までとりました。

はっきり言って、自分で自分の率いる党を壊して、意見が違う者を粛清してまわっているんですから異常としかいいようがありません。

馬鹿なマスコミは、「守旧派」自民党ジジィが、若い女性の刺客に次々に倒されるのを見て 大いに喝采を送ったものでした。

まったく泥臭い田舎芝居を見るようですが、善玉対悪玉、変革対守旧、既得権益にしがみつく老人対勇敢な若い女性といった筋書きは、あざとければあざといほど効果的なようです。 

この郵政選挙で小泉さんは自民に大勝を与えます。そしてうんざりするような新自由主義丸出しの5年を越える長期政権が始まるのです。

彼の在任中に中央と地方、正規雇用と派遣社員の間には埋めがたい格差が誕生します。この格差はいまだ埋められていません。

郵政事業はガタガタになり、年間千億もの赤字を垂れ流す事業体に転落しました。

それを作った責任者が他ならぬこの小泉純一郎という男なのですが、不思議と彼には批判がいかず、軍師でしかなかった竹中平蔵氏だけが悪役になるというのはなぜなんでしょうか。

自民党も負けじと進次郎氏を応援弁士に出すという噂もありますからまさに喜劇。

続小泉劇場が一幕の真冬の笑劇で終わることを願います。こんな老人たちの道楽的政治につきあわされる国民こそいいツラの皮です。

長くなりましたのでもう一回続けます。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-1f72.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-26ea.html

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週末写真館 小犬は雪が大好き

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規制委事故報告書  全電源喪失は津波が主因

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原子力規制委員会の福島第1原発事故報告書が出来上がったようです。

これは事故の経緯、影響、復旧状況を調査しているIAEAに対応して、日本政府の公式見解として規制委員会が作成したものです。

特に焦点は、炉心融解を招いた原因であるIC(自動復水器)が機能しなかったのが、全電源喪失のためなのか、あるいは国会事故調が指摘するように「地震による損傷」だったのかという点でした。

国会事故調は、事故時に1号炉建屋内部にいた作業員が「出水を見た」としたことから、これが地震によるものと推測し、耐震構造に問題があったとしています。

もし、この国会事故調が正しいとすれば、規制委員会の作った耐震基準の見直しにまで進み、さらに審査が遅れることが予想されました。

これについて規制委員会の事故報告書は明確に、「現地調査やコンピュータによる再現解析などから、地震による損壊を否定し、出水は「5階の燃料貯蔵プールの水があふれた」(産経新聞1月9日)ことが原因と断定しました。

また1号機の全電源喪失が起きた時間は午後3時35~36分であり、これは津波が襲来した時間の3時36分と合致することも傍証としています。

もし、国会事故調が取る地震による損傷説が正しいのならば、地震が起きた時刻である3月11日午後2時46分に全電源喪失が起きていなければなりません。

しかし規制委員会の調査の結果、津波来襲時刻と同時に停電が起きていることは、津波説を裏付けています。

まだ報告書の詳細は明らかになっていませんが、一時巷に流れた地震による細管の破断などの事態もおそらくは否定されるものと思われます。

したがって、福島第1原発は、ほぼ直下で起きたマグネチュード9という世界最大級の地震に耐えてスクラム(緊急停止)に成功しながらも、送電鉄塔の倒壊とディーゼル非常発電機の冠水による全電源喪失によりIC(自動復水器)が損傷を受けて冷却系が機能せず、炉心融解に至ったというストーリーになります。

また、燃料がなかったにもかかわらず水素爆発した4号炉の事故原因について規制委員会は、「3号機から発生した水素がダクトなどを通じて4号機に流れ込んだ」ためとしています。

これでわが国の公式な福島事故報告書は出揃ったことになります。

最後に出されたこの規制委員会の報告書をもって、いちおう公式の調査は終了し、わが国の福島第1原発事故の公式見解となります。

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福島第1事故で規制委 全電源喪失「津波が主因」 月内にもIAEA報告
産経新聞1月9日

1月9日原子力規制委員会が、東京電力福島第1原発事故を分析した調査報告書をまとめ、早ければ月内にも国際原子力機関(IAEA)に提出することが8日、分かった。

規制委の報告書は「津波が主因で全電源を喪失」となる見込みで、国会の事故調査報告書が指摘した地震による損傷の可能性を否定する記述になることも判明。IAEAは規制委の報告書を受け今年中に包括的な報告書を作成する。(原子力取材班)

 IAEAは現在、5つの作業部会を設置し、事故の経緯や影響、復旧状況について調査している。専門家がたびたび来日しているほか、日本からも規制委の更田(ふけた)豊志委員がIAEAの議論に加わるなどして、事故報告書の作成に当たっている。規制委の報告書は、「日本の公式見解」として活用される見込みだ。

 地事故分析の中で焦点の一つは、1号機4階にあった非常用復水器(IC)が地震か津波のいずれで破損したかだった。ICは原子炉内の蒸気を冷やして水に戻す重要な装置で、震災後から機能せず、炉心溶融(メルトダウン)を招いたとされる。

 すでに公表されている政府や東電など3つの事故調査報告書は地震による破損に否定的な見方だったが、国会事故調は、地震直後に作業員が1号機の原子炉建屋内で出水を目撃したことから、「地震による損傷の可能性は否定できない」と判断。耐震設計の見直しにつながる重大な要因とみられた。

しかし、規制委は現地調査やコンピューターによる再現解析などから、地震による損壊を否定し、出水は「5階の燃料貯蔵プールの水があふれた」との記述にする。

 これとの関連で、国会事故調は施設に大きな損害を与えた津波の到達時刻は平成23年3月11日午後3時37分とし、1号機の発電機は津波到達前の3時35~36分ごろに停止と指摘。規制委は津波の到達時刻は3時36分で、電源設備が停止した時刻と矛盾はなく、津波が原因で全電源喪失に至ったと結論付ける。
 

さらに4号機では、定期検査のため炉心に燃料はなかったため、水素爆発した原因が問題となった。規制委は「3号機から発生した水素がダクトなどを通じて4号機に流れ込んだ」とみなした。建屋に蓄積した水素量は少なくとも約400キロになると初めて試算している。

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バイエタの炭酸ガス削減は机上の空論 ヒデミさんのコメントにお答えして

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ヒデミさん。コメントありがとうございます。 

なるほど。「化石燃料からバイエタに乗り換えた分だけ、化石燃料の消費で増加する温暖化ガスが増加しなかった」ということですね。 

私は何年か前に、バイエタを研究している農業総研の研究者と話したことがあるのですが、バイエタでも排気ガスには、通常の化石燃料と同じように二酸化炭素は含まれているのです。 

ただ、バイエタ燃料を作る原料のトウモロコシやナタネ、サトウキビの生育過程で炭酸ガスを吸って育ちますから、それとオフセット(相殺)されるのではないかという考えです。 

これをカーボン・ニュートラルと呼んでいます。 

どうも環境業界にはオフセットとか、カーボン・ニュートラルとか横文字が多いようで、実は私、この手のCO2マイレージとか、バーチャルウォーターとかいう輸入流行思想には、あらかじめ眉に唾をつけてみることにしています。 

さて、これはなんか変だと農業現場の住人の私は思いました。

この計算では、穀物の生育にかかる機械の排気、あるいは収穫・運搬のための排気などの付帯する副次的要因は捨象されているのです。トラクターやトラックは馬が引いているのかよ、というところです。

たとえば今ヨーロッパは、ナタネをバイエタ原料として大量にカナダから輸入していますが、それは石油を使った船舶でエンヤコラと太西洋を渡ってくるわけです。

これらをバイエタではいっさい「ないもの」として扱っています。おいおい、と思いませんか?

純粋にトウモロコシやナタネの生育時に吸う炭酸ガスしかカウントしていません。こういう発想を世の中では机上の空論と言います。

ちょうど原発が炭酸ガスゼロという場合、実はウランの採掘、運搬、燃料化,原発の建設や運営、そして廃炉作業にかかる排気ガスを考慮に入れていないのと一緒です。

原子力といえば、原発が廃炉や使用済み燃料の処理といったバックエンドに膨大なコストがかかります。

発電コストばかりみているとわからなかった問題ですね。バイエタにもこのバックエンド問題があるんですよ。

バイエタ原料の炭酸ガスを見たいのなら 、このいわばバックエンドにあたるライフサイクル全体でどれだけの炭酸ガスを出しているのかを考えねばなりません。

ですから、種子を蒔くところから始まって生育、収穫、運搬、燃料化、車両走行まで一貫してその「生涯」のスパンで見ないとダメなのです。

カーボンニュートラルという思いつきは、この一部の「生育」という炭酸ガスを吸収する都合のいい部分のみを取り出しているからおかしくなります。

それはどこかの頭のいい人が考えたレトリック、いやトリックだと思います。第一、バイエタ車も二酸化炭素を出して走っているのですから、現実はなにも変わっちゃいません。 

穀物の国際市場価格はなにが変動原因かちょっと考えてみましょう。世界の穀倉の米国やウクライナの収量?それとも中国のバカ食い? 

たしかにそれもあるのですが、実態は原油価格です。穀物相場は原油価格が上昇すると、ガソリンの価格が上昇し、そしてバイエタが上昇します。 (下図参照)

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(グラフ 九州大学大学院農学研究院伊東正一教授による)

のグラフを見ると、原油価格と穀物価格がパラレルに上昇しているのがわかります。 

それはヘッジファンド(投機資金)のハゲタカ共が、それを見越してバイエタの源材料となるトウモロコシにまでホットマネーを注ぎ込んだ結果、トウモロコシ価格が上昇していったからです。 

そしてトウモロコシが上昇すると、 他の穀物相場の大豆、小麦、コメなどにまで波及して穀物相場全体が原油高騰と並行して上昇していきます。

これが世界の食料事情に悪い影響を与えます。

トウモロコシを餌とする先進国の畜産価格、小麦などの高騰、そしてもっともしわ寄せを喰うのは貧困国における穀物価格の上昇です。

チュニジア、エジプトのジャスミン革命の背景には、この穀物相場の上昇がありました。風が吹くと桶屋がもうかるではありませんが、世界的飢餓の大きな原因がバイエタにあるのは確かです。 

まったくとんでもない「地球にやさしい」もあったもんです。
*関連過去ログ
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e331.html

ブラジルではバイエタ生産のためにアマゾンの熱帯雨林を伐採したり、米国ではオガララ帯水層を強制灌漑したために水位が低下してしまいました。これについては後の回で詳しく書きます。 

このようなバイエタ栽培のための開発は、それから生じる炭酸ガスだけではなく、熱帯雨林というかけがいのない「地球の酸素の心臓」を痛めつけています。 

しかし、私は矛盾して聞こえるかもしれませんが、バイエタは今後もっと研究していかねばならない大事な技術だと思っています。 

というのは、地球が温暖化するにせよ、寒冷化するにせよ、石油などの化石燃料は大事に細く長く使わねばならないからです。 

これは地球が寒冷化すると仮定した場合(私はそれに一票入れますが)、温暖化以上に人類の死活問題です。

仮に寒冷期が来たら、あらゆるエネルギー源を総動員せねばならなくなります。同時に節減の技術も極めて重要になります。それは温暖化の比ではありません。 

ですから、石油の使用削減というポリシーそのものは間違っていないのです。ただし、方法論が間違っています。 

バイエタは、要するにエタノール発酵抽出発技術です。 なにも人間や家畜が喰えるものから作る必要などまったくないのです。

バイエタは人間の食と競合するものから作るべきではなく、廃棄物から取り出すべきです。 

なぜなら、食と競合しないのはもちろんですが、廃棄物は無尽蔵だからです。廃棄物をただ燃やしてオシマイなのはあまりに能がなさ過ぎます。

本来のバイエタは、人間が食べない木材チップや、都市ゴミ、食糧残滓から抽出されるべきです。 

そうなった場合、バイエタ技術は21世紀の人類の友になるでしょう。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-8157.html

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バイエタという名の狂気 その1 公共政策を誤らせた地球温暖化人為説

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米国農業はバイオエタノール(バイエタ)政策という病に冒されています。 もはや狂気と呼んでもいいかもしれません。

ブュシュ政権は、自分がアンチ環境派だったにもかかわらず、2007年に始めたバイエタ政策により、バイエタ生産を当時の50億ガロンから一挙に7倍の350億ガロンに生産拡大する政策をとりました。

この目標に掲げた350億ガロンのバイエタを製造するためには実に122億ブッシェル(※)ものトウモロコシが必要となり、今の米国で生産されるトウモロコシ全量をバイエタに回してもまだ足りない馬鹿げた数字でした。

にもかかわらず、このバイエタ政策が単なる努力目標値や期待値ではなく、法的に再生可能燃料基準(RFS)として義務づけられたためにバイエタには多額の投資資金が流入し、今やトウモロコシを作ることは食糧生産ではなくバイエタ生産であるかのような倒錯した構図が生れてしまいました。

バイエタ政策を始めたのが、バリバリの環境派の対立候補であるアル・ゴアではなく、「環境派なんて、ファックだ」と言いかねない(実際似たことを言ってましたが)ブッシュ・ジュニアだったのは皮肉でした。

代々石油利権を後ろ楯にしてにしてのし上がったブッシュ・ジュニアですら、地球温暖化の既定路線からはずれられなかったのですから、その呪縛がいかに大きいかわかります。

そして現在、バラク・オバマは就任演説で、大統領選で現実にある2ツの危機とひとつの妄想訴えました。

2つの現実とは、米国の財政危機と、破綻寸前のぼろ船に例えられている医療保険制度です。

そして私が「ひとつの妄想」と呼ぶのは、他ならぬ地球温暖化対策でした。

80年代以降、IPCCの科学者とそのロビイストたちは、地球温暖化によるハルマゲドンのシナリオを持って議会を飛び回りました。

「14mの水面上昇が来て南太平洋の島々は沈んでしまいますよ」「北極の氷が溶けてシロクマは絶滅寸前です」「カトリーナみたいなハリケーンが毎年来て海岸沿いには住めなくなります」「毎年気候変動による飢饉が来て飢餓が来ますよ」、エトセトラ、エトセトラ・・・。

はっきり言って妄想の類です。

この妄想がIPCCから「9割の確率」で、「世界中の一流の科学者2000名の叡知を集めた」と言われ、米国元副大統領のイケメンに「科学の出番は終わった。これからは政治の出番だ」とまで言われたらこりゃ説得力あったわけです。

この法螺でゴアはIPCCとノーベル平和賞を共同受賞し、オバマもなにもしないでノーベル平和賞もらってました。

閑話休題。

その上、第1期の目玉政策をオバマは、本来先行してやるべき政治課題を医療保険制度ではなく、グリーンニューディールこと包括的エネルギー・温暖化法(2008年11月)に置いてしまいました。

保険業界や医薬品業界の頑強な反対に合うのが予想される(実際2期目にオバマは政府機関の一時停止事態を引き起こしていますが)医療保険制度改革ではなく、パッと華やかで新鮮味のあるエコ政策で実績を上げたかったのでしょう。

オバマは09年1月、政府施設から先行して省エネを実施し、原発を増設する一方で、風力や太陽光、バイエタなどの再生可能エネルギー(再エネ)を倍増させて、約50万人の雇用を増大すると表明しました。

また7870億ドル(約72兆円)にのぼる米国史上最大の景気対策のうちから、年間150億ドル(約1兆4000億)円を投資すると宣言しました。

オバマの目論見では、経済と環境の同時解決という画期的な政策になったはずでした。

こんな税金の使い方をしなかったら、第2期オバマ政権の致命傷になった医療保険制度などずっと前に出来上がっていただろうと言われています。

結局、再エネは景気の回復にも雇用の増大にもつながらず、グリーンニューディールは2期目以前にシェールカス革命に救われるようにして秘かにフェードアウトしていきます。

しかし、フェードしないものがありました。それがバイエタです。

バイエタは、作れば作っただけ再生可能燃料基準法で使用されるのが確実なために消滅するどころか、かえって増大していきました。

ゴアが種を蒔き、ブシュが地ならしし、オバマが育てたバイエタだったのです。バイエタは狂ったように穀物を食い散らしたのです。

放っておいたら全米で生産されるトウモロコシは、皆燃やされて車のガスに消えていったことでしょう。

しかも、これで二酸化炭素が現実になくなるわけではなく、単に穀物の生育期の二酸化炭素消費とゼロサムになるだけ、つまりは単なる数字合わせだというのですらから呆れたものです。

バイエタが盛んなブラジルでは熱帯雨林を伐採して、「地球に優しい」バイエタ農産物を作っています。

この歴代の米国大統領の愚行により、バイエタは米国農業にしっかりと食い込み、全世界の穀物市場が高値に貼りついた結果、多くの人々が飢え、数千万人が貧困に逆戻りしました。

一握りの科学者が世界を巻き込んだ地球温暖化人為的二酸化炭素説は、このように人類に大きな傷跡を残して、そして今もなお人類を支配しています。

これが政策化された場合どんなことになるのか、米国をみると分かります。

次回に続けます。

※ブッシェル(bu)
ヤード・ポンド法の体積単位。かつて穀物を桶に入れて運送したためが由来。日本の米が俵(60㎏)で計算するのと一緒。慣習的単位なので、英米のブッシェルは異なる上に、穀物の種類によっても異なる。
トウモロコシの場合は 1ブッシェルは約14.52kg。

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不機嫌な太陽 その14  海流の心臓は冷えていた

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エジプトで百年ぶりに雪が降ったそうです。

北極周辺の猛烈な寒気が流れ込んだものと思われています。この寒気が寒冷化と関係あるのかどうかわかりませんが、夏と冬の気温差が激しくなり、冬がいっそう寒冷化しているように思えます。

さて何度か書いていますが、地球の気候は、自然環境の変動と、それを打ち消そうとする人為的攪乱要因との綱引きです。 

1940年代から70年代にかけて気候は、寒冷化していました。団塊の世代前後までなら覚えているでしょうが、当時は「氷河期がやってくる」ということをさんざん聞かされたものです。 ドラマ「おしん」などで描かれている飢饉の原因は寒冷化でした。

終戦の年もひどく寒い夏だったことが記録されおり、当時の農業関係者はいかに冷夏と戦うのかが大きなテーマだったのです。 

海洋研究開発機構・中村元隆氏は、NOAA(米国海洋大気庁)や英国気象庁などの過去の観測データを分析しました。 

その結果、1980年ころに温暖化の転機があったことが分かりました。 

中村氏が着目したのは79年2月から3月にかけて、北極に近いグリーンランド海の表面水温です。 

グリーンランド近海の海流の温度は前回述べたように、世界の海流の「起点」です。比喩的にいえば「世界の海流の心臓」にあたります。

この「心臓」の温度が上昇するか、低下するかで世界の海流の気温や、それに連動する大気温度までが変化していきます。
(図 海洋研究開発機構プレスリリース
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20130629/

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上図には74年からの海水温が記録されていますが、79年から一気に上昇に転じているのが分かります。 

このグリーンランド海域の海水温が一気に2度も上昇した結果、周辺の大気の流れに影響が及んで、温暖化へと変化していきます。 

この1979年の変化が、1940年代から1970年代にかけての北半球寒冷化から1980年代以降の温暖化に変わる大きな転換点となった」(海洋研究開発機構プレスリリース) 

北大西洋では、海面水温が約70(±10)年周期で、ほぼ35年ごとの上昇、下降を繰り返し、北半球全体の気候に影響を及ぼす「大西洋数十年規模振動」という現象が知られています。 

この「大西洋数十年規模振動」というのは、グリーンランド近海のフラム海峡経由で北極に還流し、「過去1000年以上にわたって約70年周期で北半球に長周期気候変動をもたらしてきた」(同)と見られています。 

ですから、フラム海峡付近のグリーンランド海域の海水温の変化・変動を調べることで、今世界が寒冷化に向っているのか、温暖化に向っているのかの判定ができるというわけです。

北極の寒気で冷やされた低温・高塩分の海水は、重くなって沈み込み、深層流となって北極海から大西洋に南下します。 

この流れに連動して、暖かい熱帯域の海水が北大西洋の表層を北上するので膨大な熱量が運ばれて、大気温度に強く影響を与えます。 

中村氏は、気候変動シミュレーションの高精度化のための数理モデルに、グリーンランド海を舞台とする変化のプロセスを加えて正確に表現することに勤めました。 

70年当時は、既に二酸化炭素の排出が増えていましたが、「大西洋数十年規模振動」が下降期だったので、温室効果の影響は相殺された形になりました。 

しかし、80年代からは、「振動」が上昇期に転じ、二酸化炭素の温暖化効果も加わっていっそう気温上昇という結果にてりました。 

IPCCは、このうち二酸化炭素ガスだけを原因として捉えて単純化してしまいました。 

この強引な政治的とすら言える二酸化炭素悪玉説により、排出量取引が金融商品化されたり、南北が激しく排出権で争う国際問題にまで発展しました。 

この10年ほど、世界の平均気温上昇は停止し、中村氏によればこの気温の上昇停止は、大西洋数十年規模振動が上昇期から下降期に転じるカーブの頂点にあり、以降は寒冷化に向うためだとしています。

「グリーンランド海と大西洋数十年規模振動の関係に基づいて推測すると、2015年前後にグリーンランド海において1979年に起こったのとは逆の現象が起こると考えられます。」(同)

「79年に起きたことと逆な現象」、すなわち寒冷化が始まる可能性が出てきているのです。

 

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独立行政法人海洋研究開発機構 プレスリリース
中村元隆「北半球の気候変動要因の解明 グリーンランド海の急激な変化がもたらした北半球の気候変化」より一部転載
 

4成果 

気候変化・変動では、平均値がどの程度変わるのかが注目されがちですが、実は平均からのズレがどう変わるのかも人間社会や生態系にとっては非常に重要です(※10)。

例えば日本付近では、1979年以降、8月平均気温の平年値からのブレが大きくなっています(図7)。つまり、毎年8月に期待される「平年並み」の気温から外れる度合いが大きくなり、猛暑や冷夏が起こりやすくなったというわけです。

これらの変化が顕著なのは北緯45度から北ですが、北緯30度付近でもある程度の変化が見られます。また、このグリーンランド海の急激な水温上昇とほぼ同時に、オホーツク海の海面水温が、冬季に限ってではありますが、基本値が大きく下がったことも分かりました。

これはグリーンランド海の通年変化とは違い、大西洋数十年規模振動に伴う季節風の変化による大気主導の変化であると考えられます。 

4.2 考察 

この1979年のグリーンランド海の変化によって大気循環場は北大西洋北部周辺で特に大きく変わり、大気と海洋による北極圏への熱輸送が増加し、北極海から大西洋への海氷輸送は減らされる傾向に変わりました。

この地域・海域では、北向きの海洋熱輸送と北向きの大気熱輸送・風力強制がポジティブのフィードバックを形成しており(※11)、変化が始まると急激に進行する可能性があります。 

実際、北大西洋振動は1970年代中盤冬季に北向きの海洋熱輸送と大気熱・風力強制が強まる正の状態になる頻度が高まっており、これが上記のフィードバックを通じて1979年の急激なグリーンランド海の変化をもたらしたと考えられます。 

さらに、この1979年の変化がアイス・アルベド (氷・雪と太陽光線の反射率)フィードバックの助けをかりて、1980年代以降の北半球の気温上昇と北極の海氷減少を引き起こしたとも考えられます(※12)。

また、同じ力学的要因が大気循環に影響を与えて冬の北半球中高緯度の平均気温に強い影響を与えていることも分かりました。このグリーンランド海の変化による大気力学要因の変化は、北半球の1940年代から1970年代にかけての寒冷化、そして1980年代から2000年代前半にかけての温暖化の気温変化の傾向とも一致しており、1980年代以降の北半球冬季温暖化は、この力学要因の変化が大きな要因となっている可能性が考えられます。 

4.3 北半球長周期気候変動 

また、このグリーンランド海の急激な変化は、大西洋数十年規模振動に伴う大きな変動のタイミングを決める鍵であった可能性があります。

実際、長周期GSSTIは大西洋数十年規模振動指標の変遷を10年~15年先行して同様な長周期変遷を示しています(図4)。

この10年~15年の時間差は、グリーンランド海を通過した水温変動シグナルが大西洋熱塩循環流に影響を与えて、そのシグナルが大西洋数十年規模振動シグナル(基本的に北大西洋平均水温)に現れるのに要すると推定される時間とほぼ一致しています。

このことからも、グリーンランド海は北半球の長周期気候変動・気候変化に重要な役割を果たしていると推測できます。 

4.4 総論 

本研究で見出されたグリーンランド海と大西洋数十年規模振動の関係に基づいて推測すると、2015年前後にグリーンランド海において1979年に起こったのとは逆の現象が起こると考えられます。

最近10年ほどの地球温暖化停滞の傾向は、大西洋数十年規模振動の周期から推測される傾向と一致しており、北大西洋振動が強い負の状態になる頻度が高くなると、上記のフィードバックが働いて数年間で北半球寒冷化へ移行する可能性もあり、今後は北大西洋近辺の変動を注意深く観察する必要があります

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不機嫌な太陽その13 地球気候を大きく左右するもの

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仕事がら、まったく平常どおりの仕事のまま正月が終わってしまいました。

死ぬまでに一度くらいは、元旦にお屠蘇など飲みながら箱根駅伝でも見たいもの。おっとと、新年早々愚痴になってしまいました。

さて、今年もやはり気象変動についてからの年開けです。

人為的二酸化炭素説は案外新しくて、30年ほと前の80年代から唱えられたものです。

それまでの科学者たちの意見は、地球の気候変動はいくつもある複数の自然の要因や周期が複雑にからまりあって、影響を与え合って変動しているのだと思っていました。

それを一気にひっくり返して「人為説革命政権」を作ったのがIPCCだったわけですが、とりあえずこの二酸化炭素人為説はあまりにも「常識」なので、ちょっと脇に置いて、考えてみましょう。

おおざっぱに言って、地球の気象変動は3種類に分けられます。
大きな自然の周期から並べると

長期的な周期・・・数万年サイクルの地球の自転軸の傾斜角、地球と太陽の相対位置のズレ(太陽からの離心率)・ミランコビッチ・サイクル

中期的周期・・・数百年から1000年規模の太陽活動(太陽放出エネルギー)の減少による極小期、宇宙線の照射量、火山活動など

短期的周期・・・100年以内の数十年規模の大西洋数十年規模振動など

①、②に関してはそのうち余裕があれば触れたいと思いますが、直近の③の短期的周期を探っています。

二酸化炭素温暖化説でも、重要視されたのは海水温の上昇でした。なぜなら、海水温は、その上に拡がる大気の温度にまで大きな影響を与えるからです。

二酸化炭素温暖化説では、対流大気圏の組成の変化による海面温度上昇や大気湿度の上昇があると主張しています。

そしてその結果、海水面上昇や、北極圏の氷が溶ける現象が出たと説いています。つまり、大気温が上昇して、それによって海水温が上がったという仕組みです。

ここから、アル・ゴア氏などが主張した地球温暖化による大規模災害の発生が言われるようになったわけです。

しかし、この説には疑問符がつきます。仮に大気温による気温が上昇していたとしても、海水が外気温で温まるまではかなりの時間を要します。

実際その海を流れる風の強さや温度、海流の寒暖は、大気温より早く水温に現れるのです。

考えてみればそうでしょう、普通お湯を沸かそうとすれば、鍋に水を張って下からコンロに火をかけます。

外からドライヤーでブンブンやる人はまずいません。ドライヤーでお湯を沸かそうというのが、二酸化炭酸による海水温上昇説です。そうとうにムリを感じませんか。

多くの海洋研究者は実測の結果、大気の温度変化と海水温度は比例せずに、ズレて発生すると言っています。あくまで海水温上昇が先行するのです。

このようなことから、海洋気象学者たちは、海流の温度変化に着目しています。それが去年の前回のグリーンランド周辺海域の海水温調査なのです。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-b917.html

グリーンランドに着目するのは、ここが全地球規模の海流の「心臓」だからで、世界の海流はここを通って北極海に入り、冷やされて南下していきます。

昨年も転載した図がわかりやすいのでもう一回載せておきます。

大西洋を起源とする全球規模の熱塩循環流

(図 独立行政法人海洋研究開発機構 ・JAMSTEC 中村元隆「北半球の気候変動要因の解明 グリーンランド海の急激な変化がもたらした北半球の気候変化」より)

この海域の温度は30年から40年サイクルで周期し、温暖化と寒冷化を繰り返すことが分かっています。前回の変化は80年代初めの温暖化でした。

そして今また、それから40年たって寒冷化の周期に入ろうとしていると専門家は見ています。

海洋研究開発機構 (JAMSTEC)中村元隆氏は、「間違いなく寒冷化に転換している」徴候と判断しています。

一方、最近の太陽表面は、驚くほど「穏やかな状態」が続いており、黒点の数が20世紀のどの時期よりも少なくなっているからです。 

2008年から始まった観測単位であるサイクル24(第24太陽活動周期)は、過去250年間で観測された最弱なものだからです。

NOAA(米国海洋気象庁)の観測データでも、11年から再度活発化トレンドに向かうかと思われた黒点数が、また13年を境にして下降に戻ったことが分かります。

前回のダルトン極小期は1800年から20年間続いて小氷河期を招きました。

この極小期は200年サイクルといわれていますから、ちょうど現代がその時期に当たります

つまり太陽活動からみても寒冷化のサイクルに入っており、「いつ極小期が来てもおかしくない」状況です」。(東京大学宇宙線研究所・宮原ひろ子特任助教)

このように短期的な気象変動を司る海流や、中期的周期を決定する太陽エネルギーの放射量は、ひとつの予想に辿り着きます。

それは、現代の常識ともなった地球温暖化ではなく、真逆の地球は不機嫌に冷え始めているのではないでしょうか。

思えば、地球温暖化人為説をハンセンが発表した80年代は、自然的要因も寒冷期から温暖期に転換する変わり目でした。だから、大きな説得力をもって支持されたのです。

まだ寒冷期が続いていたそのわずか10年前の70年代には、人々は氷河期が来るのではないかと脅えていたものでした。

今後、寒冷化、温暖化、いずれの気候に転換するのか、予断を捨てて注視する必要があると私は思います。

私は多少の温暖化なら、寒冷傾向を打ち消してくれるので大歓迎ですが(笑)。

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週末写真館 初春の日の出

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改めまして、新年明けましておめでとうございます。
いつのまにかカメラが趣味になってしまいました。
毎日飽きずに湖の岸辺の同じ場所に行き、同じ時刻に登る旭を撮るという生活を続けています。
私にとって、ポットに詰めたミルクティを飲みながら、じっと旭が登る湖面を見つめているのは至福の時間です。

いい写真が撮れた時は、ちょうど釣りのようなものでシャッターを押した瞬間に手応えがあります。
ぱっとしない写真だなと思うとPCに転送もしないで、いつまでもカメラの中のまま。

今年も下手の横好きの写真館をご笑覧下さい。

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新年明けましておめでとうございます

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新年明けましておめでとうございます。  

本年もよろしくお願い致します。

皆様より旧年中に賜りましたご厚情に謹んで感謝申し上げ、新たな年のご健勝とご清栄、ご多幸を心よりお祈りします。

平成26年元旦 

※来週月曜6日から平常更新になります。

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