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2014年2月14日 (金)

2月8日大雪の日の太陽光発電所の発電状況とドイツ市民の声

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先日の東京都知事選挙が大雪だったというのも、なんともな巡り合わせでした。

穏やかな5月あたりだったら、また違った結果が出たかもしれません。

雪だから低投票率というだけじゃなくて、都民はこんな酷寒の雪の日にもし電気が足りなくなったらどうするんだと秘かに心配したはずです。

東電の現在の供給状況は東電HPでご覧いただけます。(欄外参照)

この2月8日はあの大雪の日です。太陽光はまったく発電していないのが分かりますね。

また、他社からの受電が614万キロワットももらってなんとか凌いでいるのがわかります。

東電の自社電源のうち原子力だけで総発電量の約4割に当たる1,449万6,000kWありますから、これがゼロになったことの打撃は計り知れないいでしょう。

よく安易に再エネで代替したら大丈夫という人がいますが、日本最大のメガソーラーである東電・浮島・扇島太陽光発電所の1年間の発電量の実績は2315万キロワットですから、1日の発電量にすると天気がよくてもわずか6.3万kWにすきません。

火力がこの日108万キロワット発電して供給を維持していますが、再エネは17分の1ていどにすぎません。

したがって、今東電管内、中でも東京都の電気の供給は、薄氷状況だということが言えます。この日などはおそらく予備率3%を切ったのではないでしょうか。

こういうことを書くと、福島の事故を忘れたのかとか、東電を許さないゾというような感情論が必ず出てきますが、客観的データは知っておいたほうがいい思います。

ですから、もし、他社の火力発電が一基でも故障した場合、東京都にも影響が出ます。というか、大都市だけにもっとも大きなダメージが出るでしょう。

このような原発ゼロの状況を、代替エネルギーの確保が満足ではないまま続けて大丈夫なのか、不安定な再エネに任せて大丈夫なのか、というのが素朴な考えだと思います。

このような素朴だが、ごくまっとうな都民の考えが反映されたのが前回の都知事選の結果だったといえます。

さて、このような電力供給の不安定を日本より一足先に味わっている国民がいます。ドイツ人です。その偽らざる声を聞いてみるのも悪くないでしょう。

フランクフルター・アルゲマイネ紙は、ドイツの新聞です。(※追記 中道右派゛あるいは保守系という話もあるようなので、日本の新聞との比較した部分は削除しました。)

日本のこれらの媒体は脱原発懐疑の声をほとんど載せませんが、ドイツのほうは公平に伝えているようです。

そこに載った読者の声がありますので転載しておきます。なかなかわが国には聞こえてこないドイツの庶民のメルケル脱原発政策への声です。

そこに寄せられた投書にはドイツ市民の本音が赤裸々に語られています。

日本のメディアはなぜこういう普通の人の意見を伝えずに、いつもテレビ・新聞に出るのはメルケル氏の支持者か、意識の高い富裕層ばかり。これじゃあ実態は分かりませんよ。

ちょっと解説をしておけば、この投稿の中で「エコロビーに任せるべきではない。「プロの判断を仰ぐべきだ」という部分がありますが、メルケル氏がエネルギー関係者を完全にシャットアウトして、宗教家や教育関係者などで作った「倫理委員会」で脱原発を決めたことを指します。

また州政府がガス発電所を作ろうとしたが、再エネのFIT(全量固定価格買い取り制度)に阻まれて参入する国内企業がなく、結局ロシア企業に依頼することになりそうだ、という話もでてきます。

これもわが国で発送電分離などの電力自由化政策をFITと同時に行った場合ありえることです。

邦訳がぎこちなかったので、一部内容を変えずに手を入れてあります。名無しだとなんですので、勝手に仮名をつけてみました。

                        ~~~~~

●ハンスさん・エネルギーシフトの失敗は日毎に明らかになるばかりだ。ドイツの電力は限界で、電気代の値上がりもひどい。
なにより雄弁に失敗を物語るのは、プロパガダを叫ぶ奴がほんの小さな成功に大騒ぎして、プロジェクトの成功を声高に語っている。たまたま天気に恵まれて、ほんの少しフランスに輸出しただけだというのに。


●クルトさん・私の知る限り、2011年にフランスから輸入した電力は約18000GWhで、輸出は140GWhだ。
これは輸入超過なんてレベルではなく、130倍もの差だ。だがドイツの政治家とメディアは、エネルギーシフトに疑いを持たせる数字は語ろうとしない。

●ペーターさん・バイエルンではすでにエネルギーシフトは破綻している。原発の半分を停止したため、電力はチェコとオーストリアからの輸入頼み。
州政府はガス発電所を建設しようとしているが、自然エネルギー優先政策のせいで採算が合わないとドイツ企業は撤退し、今はロシアのガスプロムと交渉中。外国頼りで不安だ。
しかも新規発電所の稼働は残りの原発の稼働停止に間に合わないとくる。

●クララさん・エネルギーシフトなんていうのは、素人をその気にさせるためのコピーにすぎない。ドイツは輸出工業立国であり、安くて安定した電力はその命綱だ。
ドイツの存亡に関わる重大な問題をエコロビーに任せるべきではない。プロの判断を仰ぐべきだ。

●ルドルフさん・かつてのドイツは一流の電力産業と一流の原発を有し、安くて安全な電力を生み出していた。だが政治家のゲームに滅茶苦茶にされてしまった。本当の悪夢はこれからだ。

●ジョゼフさん・つい最近までエネルギーシフトを熱く語っていたやつらはどこに隠れたんだ?天候次第では停電してたんだから仕方ないか。
巨額の税金をつぎこんだのに風力と太陽光発電は見込みの2割しか発電せず、そのくせ電気代は去年から2割増しだ。そろそろバカなことはやめるべき
時だ。

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

揚げ足とりになってしまうかもしれませんが
発電電力量の単位はkWではなくkWh(キロワット時)ではないでしょうか

名無し様。
厳密にいえばそのとおりです。
再エネはキロワット時(kWh)と表記すべきです。それは天候によって左右され、その一瞬一瞬の気温、風向きにすら影響を受ける性格だからです。だから定格出力といっても、火力や原子力のように一定の出力を維持できる電源のようにキロワットと書くのは間違いで、キロォット時と表記すべきです。

しかし、通常、東電すらも発表時にはその単位を書き分けていませんので、今回煩雑なのでキロワットで統一しました。これについては関連記事で詳述していますのでよろしかったらご覧ください。※http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-cf07.html

ドイツでフランクフルター・アルゲマイネはどちらかと言うと保守右派と見られています。
CDUなどを選ぶ人が読むので日本で言ったら産経か読売といったところではないでしょうか。
朝日毎日をドイツで例えるのなら南ドイツ新聞でしょう。
Guene(緑の党)層の大学生にフランクフルター・アルゲマイネ読むかと聞いたらabsolut nicht(ありえない)と言った答えが。
通りすがりで失礼しました。

名無し様。ありがとうございます。当該部分は日本の新聞との比較をやめて修正いたしました。

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