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2014年2月26日 (水)

米国の目論見は2国間交渉で日本の譲歩をもき取ることだ

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予想どおりというか、予想するまでもなくTPPシンガポール会合は失敗に終わりました。お互い得ることのない会合をどこまでやっても一緒です。

日本はなんとか多少の妥協をしてでも、4月のオバマ訪日に花を添えたいと思っていたようですが、米国がゼロ回答なので、どうにもなりません。

そろそろ、オリジナルTPPだけ残して、もう止めようよ~っどこかの国が言い出しませんかね。

さてフロマン通商代表のUSTRはなぜこんなに強面なのでしょうか。

彼は、議会の反対で伝家の宝刀のTPA(大統領貿易促進権限)を剥奪されていますから、空元気しかないはずなのに。

前回説明しましたが、TPAがないと一本一本妥結した貿易交渉案件を議会に通さねばなりません。

おそらく過半数は哀れ討ち死にとなり、せっかく外国を脅しあげて成果を持ち帰っても批准されるかどうか分からないわけです。

もう少し説明すれば、TPPには二面性があるためにおかしなことになっているのです。

TPPは外交交渉なのか、それとも内政問題なのでしょうか?

日本ではTPPは本来農業とも、はたまた医療問題とも、あるいは保険ともぜんぜん関係のない外務省が主管しています。

外務官僚を支えるために各省庁からスタッフが派遣されていますが、テーブルの真ん中にいるのは外務省官僚です。

これは、TPPが外交案件であるからです

しかし、ちょっとおかしくありませんか。たとえば、日米同盟を話し合うというなら外務省が主管になるのはわかりますが、TPPの議題は、やれ農業関税がどうしたとか、保険システムがどうしたとか、国の公共事業に外国企業を入れろとかいうように純粋に国内問題ばかりなのです。

外交案件は、相手国がいることですから当然のこととして守秘義務があります。

たとえば沖縄返還協定に秘密条項がついていたと大騒ぎになりましたが、あれは外務省としては当然で、相手国があるのですからこちらが勝手に秘密条項を公開してしまうわけにはいきません。

またそれがなぜ秘密条項になったのかについても、国民に外交交渉の経過を公開することなどしたら、国際社会は二度と日本を信じなくなります。

しかし、TPPは国民生活と直結したことばかりで、交渉経過を知らなければ国民は自分の生活を守ることができなくなります。

ところが、TPPは交渉経過どころか、なにを討議しているのかすら秘密に出来ます。

会議場に入れるのは首席交渉官ともうひとりだけで、交渉内容は完全に守秘義務つきのブラックボックスの中ですから、国民は妥結して国会に批准を求められて初めて全貌を知ることになります。

その時は、日本政府は外国と交渉妥結しているわけですから、批准されないとなると日本政府は赤ッ恥で、国際社会の笑い物になります。 まぁ、それでも私は反対しますがね。

というわけで、TPPは秘密の爆弾作りみたいな交渉なのです。

もちろんこの問題は、自国の主権にことのほかうるさい米国では大問題になっています。

米国は他国の主権を平然と冒すことで有名ですが、自国の主権は1㎝も譲らないことでもまた有名です。

そんな米国が、外国で米国内の産業に打撃を与える可能性がある外交交渉をUSTRが秘密でやっていると分かったものですから、オクラホマの上院議員はストローハットを叩きつけて怒り、デトロイト選出議員はクラクションを鳴らして「冗談じゃない」と叫んだわけです。

というわけで、米国史上最弱の皇帝であるオバマ氏は、与野党を問わずそこかしこから攻められまくっています。

ついでにミシェル夫人にも離婚を突きつけられているようで惨憺たるご様子です。

しかたなしにオバマ氏はTPA(大統領貿易促進権限)を与えずに、大学時代の同窓生に因果を含んでTPP交渉に送り出したわけです。

たぶんこんなことをホワイトハウスで言ったのでしょう。

「な、マイク、もうお前しか頼れないんだよ。TPAはやれない。議会が強硬に反対しているからだ。TPPはもうラチがあかないかもしれない。だから、せめてあの生意気なアベの日本を締め上げて成果を出すだけが、オレの政権の延命の道なんだ。頼んだぜ、マイク」 (←もちろん想像です)

こうなったら、フロマン通商代表が取れる道はひとつ。TPPにかこつけて、それとは別枠で日本を陥落させることしかありません。

もしそれが成功すればオバマのメンツも保てます、ひょっとしたら難航極めるTPP全体の突破口 になれはめっけもんです。(ならんならん)

本来日本は、そんなことはTPP全体会合でやろうといえば済むはずですが、加盟時に米国の同意を得るために2国間協議をしてしまったという悪習慣がそのまま残っています。

オバマ氏は、米国が安保で日本を一方的に「守ってやる」と勘違いをしているようですから、安保をダシにしてなんとか2国間交渉で日本の譲歩を取り付けたいようです。

ですから、オバマ-安倍会談での「互いに聖域がある」という合意は反故にして、今になって関税ゼロを主張するというご乱心に及んだわけです。

米国のやけくその戦略は、日本をTPP会合とは別に2国間で譲歩をもぎ取ることなのですから、それに乗る必要はまったくありません。

困っているのは米国のほうで、わが国はちっとも困っていません。

米国は、あの手この手で日本を揺さぶるでしょうが、TPPにおいて日本は一切妥協する必要はありません。

あまりに無体を言うなら、自民党の公約どおり、「脱退も辞さず」を実現して下さい。

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TPP、関税など対立解けず=大筋合意先送り―閣僚会合・声明「早期妥結目指す」
時事通信 2月25日

 シンガポール時事】日米など12カ国がシンガポールで開いた環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は25日、4日間の日程を終え閉幕した。関税をはじめとする市場アクセスなどで各国の対立を解消できず、目標とした大筋合意を見送った。閉幕後に発表した共同声明では「可能な限り早期に交渉を妥結させる」との決意を確認するにとどまり、期限は示さなかった。
 声明は「最終合意へさらなる前進を果たした」と交渉の進展を強調する一方、現状では「妥結に相当の努力が必要」と認めた。次回会合の日程も決まっておらず、交渉が長期化する可能性が強まった。
 甘利明TPP担当相は閉幕後に記者会見し、今回の会合について「次に向けて良い前進があった」と語り、交渉全体の進展状況を「70~80%」と説明した。
 交渉全体の行方を左右する日米の関税協議に関しては「誠心誠意、合意に向け努力している」と述べ、コメなど農産物重要5項目や自動車分野を重点的に進める姿勢を強調した。

■『甘利発言に異論続出=「TPP譲歩」を批判-自民農林族
時事2月18日

 甘利明TPP担当相が環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐり、米国に譲歩案を示す考えを表明したことに関し、自民党の農林族議員から異論が続出した。18日午後の党農林関係合同会合で、中谷元農林水産戦略調査会長が「交渉前に所管大臣が余計な発言をして、(交渉を)統率できるのか」などと批判。出席議員から大きな拍手が起きた。

会合では、重要農産品5項目の関税維持を求めた国会決議と発言の整合性を問う声や、「(5項目のうち)コメや砂糖を守って、牛肉、豚肉を差し出すのか」といった発言が出た。経済産業省出身で、官僚時代に対米交渉の経験がある斎藤健農林部会長は「米国は、日本を押しまくれば最後は降りると考えている」と指摘した。
 政府でTPP交渉を担当する渋谷和久内閣審議官が会合に呼ばれ、「皆さんの意見を大臣に伝える」と釈明に追われた。」

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コメント

オバマ大統領も今頃「阿部の野郎、シット!ちっとも言うこと聞きやがらねえ」とか歯軋りしてそうですね。

日本側も4月の訪日前に一定の目処をつけたいなどと言ってますが、ただの社交辞令ならいいんですが。
今更無理してお土産持たせる必要もないんだから。

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