環境破壊が進む沖縄の海岸線
葛西さんすごい!ごめんなさい、ほんとうに銀メダルを取るとは思いませんでした。ほんとうに感激しました。ありがとう!
さて東風様。西海岸にはジュゴンはいないと思われています。辺野古海岸では海草を食べた跡や糞が見つかっています。おそらく回遊のポイントになっているのは確かだと思います。
辺野古現地の人の話だと、現実に見た人は非常に少ないようで、写真などの映像にはないはずです。
政府はジュゴンの生態を調査すると約束しており、建設による海の汚濁など環境保全対策がどのようになされるのかが注目されます。
沖縄においては毎年すごい勢いで島が「拡大」しています。復帰後の37年間だけで2400ヘクタール、東京ドーム約500個分だそうです(国土地理院による)。
これは今話題の普天間基地5個分に相当し、辺野古飛行場部分埋め立て面積160ヘクタール(護岸を含む)の15倍です。
この埋め立て地の県面積に対する率は0.3%(2000年から07年間)となり、ダントツ全国一の埋め立て好き自治体となっています。
「国土地理院は31日、都道府県の市町村別面積を発表した。沖縄県の面積は2012年10月2日~13年10月1日の1年間で0・08平方キロ増加し、2276・72平方キロだった。公有水面の埋め立てによる増加で、全国で7番目に大きかった。沖縄の埋め立て面積は過去25年で最も小さい。
国土地理院沖縄支所によると、1年間の増加面積は那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇の約3個分。県内市町村で面積の増加が最も大きいのは竹富町の0・04平方キロ、次いで沖縄市の0・03平方キロ、糸満市の0・01平方キロと続いた。
県の面積は1988年からの25年間で13・91平方キロ増加し、北谷町とほぼ同じ面積が増加していることになる。」
(2014年2月2日琉球新報)
特に発展が加速する本島南半分では埋め立てラッシュです。
(「沖縄の埋め立てと埋め立て計画-沖縄の渚の現状-)http://www.ne.jp/asahi/awase/save/jp/data/higatagenjyou/index.htm
たとえば、那覇から国道58号線を下ると、ベッドタウンの豊見城には、巨大な豊崎タウンが500億円かけて埋め立て造成されていています。
http://www.toyosakitown.jp/?page_id=17
あまり売れていないということで、計画の杜撰さか問題になっています。
また中部の沖縄市では、南西諸島随一の天然の海草や貝が育つ泡瀬干潟て゛大型干拓事業が進んでいて、反対運動も起きています。
上のGoogle Earthで海上に白く見える巨大な島状の場所が干拓地です。
この泡瀬干潟は、ラムサール条約でも保護することが指定された場所なのにもかかわらず、ここに埋め立てだけて500億円かけて、187ヘクタールの人工島を作りホテルリゾートにする計画だそうです。
2008年には那覇地裁が、訴えを受けて県と市に対して公金支出の差し止めを命じていますが、判決後も工事は継続されています。
この埋め立て工事は、県の答弁では「地元の強い養成による活性化対策」であるとされていますが、県の包括的外部監査で、判決前の07年には「受容予測が甘く計画も抽象的。事業費401億円を投入すべきか検討の必要がある」と指摘を受けています。
反対運動を進めている自然保護団体は、東門美津子市長(社民党)に申し入れていますが、工事は止まる様子はありません。
かつて石垣市の世界有数の珊瑚礁を埋め立てて空港を建設する計画があった時もそうでしたが、観光の最大の目玉である「美ら海」(ちゅらうみ)を潰して観光施設を作るという発想自体がわけがわかりません。
沖縄にとっては観光が主力産業です。その観光の最大の資源は、「美ら海」なはすです。これを破壊して高層ホテルを建てて観光客を呼び込むという迷妄から、沖縄県民はいいかげん醒めたほうがいいと思います。
このように書くと、「ナイチャーが勝手なコトを言うな。自然保護は金にならないさ」という声が返ってきそうですが、それもまた一時代前の発想です。
今はかつてのようなコンクリート護岸ではなく、自然を残して景観と調和した親水型工法が取り入れられた自然護岸が登場してきています。
※親水型護岸http://www.umeshunkyo.or.jp/108/prom/228/page.html
沖縄の海岸線は、このまま放置すればとりかえしのつかない醜い景観になっていくことでしょう。包括的海岸線保全計画のようなものを作る時期です。
このテーマもう少し続けます。
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※参考文献
日本自然保護協会
「泡瀬干潟埋立事業で県と沖縄総合事務局が出した「埋立地用途変更」「計画概要変更」などの申請に対しの意見書」
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/awase/2011/06/post-22.html
※内閣府
「中城泡瀬蓄埋め立て事業」http://www8.cao.go.jp/okinawa/5/58.htm
l※干潟(ひがた tidal flat)世界大百科事典 第2版
河口域や湾の奥部の潮間帯には,川から流れ出た砂泥が堆積し,広く平たんな砂泥地ができる。干潟とは,このような場所が干潮時,海面上に姿を現したものを指す。その成因から,干潟の砂泥は,きわめて豊富な栄養塩類や有機物を含んでいる。それにもかかわらず干潮時には,毎日2回は空気中にさらされるため,酸素が十分に供給され,生物にとって好適な環境をつくっている。 干潟には,ゴカイ類,二枚貝類などが,きわめて豊富にすみつき,コメツキガニなどのスナガニ類も多い。
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管理人様、ありがとうございます。
西海岸のジュゴンは調べたことすらない、調べることもせずに埋め立てているというところでしょうか。サンゴの保全などは話題にも上らないのでしょうか。
埋立ての地図は雄弁ですね。辺野古はGですね。自然保護の観点からは、他の埋立ても同程度のチェックが必要だと思いますし、していないのであれば、以前の普天間の小学校と同じことを感じます。つまり何のために反対しているのかと。
投稿: 東風 | 2014年2月17日 (月) 08時45分