• 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014
  • 20250114-011659
  • 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719

« 週末写真館 森と湖の朝 | トップページ | 再エネだけオリンピック村が運営できるかマジに考えてみた その1 »

2014年2月 3日 (月)

脱原発陣営が統一できなかった段階で勝負はついている

039

次の日曜日に脱原発が「争点」となった、というか、なりそこなった都知事選が行われます。 

新聞各社の予想によれば、2位、3位が細川、宇都宮候補となることでしょう。番狂わせはないと思います。 

すると、おそらくこのような言い訳が脱原発運動の皆さんから出てくるはずです。 

両候補が統一していれば勝てた。両候補の票を足せば1位になっていた。だから脱原発はやはり民意なのだ」というものです。 

なりませんよ。なぜなら、統一候補が不可能だったということこそが、今の脱原発運動の負の体質そのものだからです。 

宇都宮候補は共産党色が強い人物です。彼の主張は彼独自の味付けがされていますが、基本は100%共産党の方針と一致しています。 

共産党が組織候補としなかったのは、「元日弁連会長」「サラ金と戦った熱血派」の肩書ほうが、浮動票が多い大都市部では集票効果があるからです。

現在の貧困格差社会を作った元凶である小泉氏と、それと闘ったことが金看板の左翼系人権派弁護士が組めるはずがありません

そもそも自民党支持層にも多く存在する脱原発の考えを持つ都民を取り込む気ならば、宇都宮氏のような党派色が強い人物を選ぶはずがありません。

その意味で、革新陣営はこの都知事選は初めから自民VS共産という古い図式の上で戦う戦略だったのです。

ところが、突然湧いて出た小泉氏によってこの図式が崩れてしまい脱原発派は、意図しない分裂選挙に追い込まれました。

ですから、そんな宇都宮陣営が小泉自民党元総裁と妥協できるはずがないのです。 

逆にその小泉氏には、本来は立派な反党行為をしているのですから、舛添氏と同じ除名になってもおかしくないのですが、「今の安倍-石破にオレが切れるはずがない」という読みがありました。 

この辺の読みは勝負師・小泉翁は並の政治家よりはるかにしたたかです。 

とは言っても、共産党陣営と組んだとなると話は別です。選挙後に自民党も小泉氏を除名するしかなくなるでしょう。 

彼個人としては除名されても勲章くらいに思う人ですが、いくら彼でも進次郎氏の将来の芽まで摘む気にはなれないはずです。 

そもそも、もし後継者が人質に取られていなければ、彼は細川氏のような老耄を山中から引っ張りださずに、自分みずからが出馬したはずです。 

ですから、小泉氏も宇都宮氏もギリギリの政治的読みで闘っているわけで、「統一」などできる道理がないのです。 

山本太郎氏は、「脱原発陣営を一本化できなかったことは残念だ」と言っているようですが、そんなことは初めから無理なのです。 

もし両陣営ともに納得できるカリスマ的脱原発候補がいたのならば、この都知事選の結果は違ったものになったかもしれませんが、あいにくそのような人物は今の日本にはいなかったのです。 

菅直人氏がもてはやす吉永小百合さんあたりなら、あるいはなぁと思わないではありませんが、いややっぱり団塊の世代くらいしか票が集まらないか(笑)。 

ですから、脱原発陣営が、主張や背景を別にして統一できなかった段階で、勝負はあったのです。 

ところで、よく東京新聞や朝日新聞は、「脱原発が6割の民意だ」と言いますが、それは正確ではありません。 

アンケートの仕方に「脱原発」と「原発容認」の中間項が設定されていなかったから、このような脱原発6割などという結果が出たのです。 

その中間項とは、「化石燃料依存から脱却し、社会に十分な代替エネルギーを生産できるようになるにつれて徐々に原発廃止」というような、1980年にスウェーデンでなされた国民投票の選択肢です。 

ちなみに、スウェーデンの国民投票結果は以下です。
①反原発開発、10年以内の原発全廃止・・・39.7%
化石燃料依存から脱却し、社会に十分なエネルギーを再生可能エネルギーで生産できるようになるにつれて徐々に原発廃止  ・・・58%
③無記入                       ・・・3.3%
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6d50.html

我が国でもし現時点で世論調査するなら、このスウェーデンの結果とよく似た②の中間派が多数を占める結果が出ると予想できます。 

100%脱原発を即時実現せよという神のような要求ではなく、ひとつひとつ危険因子を取り除いていく地道な努力が必要です。

それは「原子力には大きなリスクがある」ということを大前提にして、危険度の高い原子炉から随時廃炉にしていき、その間に代替エネルギーを社会のエネルギー基盤の一翼を担えるまで成長させることです。 

その置き換わっていくスピードに合わせて原子炉を永久に停止させていくべきで、その間に廃炉や使用済み核燃料の処分についてもいいアイデアが生まれてくるでしょう。 

そしてそれには時間がかかるということを覚悟して下さい。 

しかし今の脱原発派を見渡すと、原発を長期間かけて減らしていこうと考える現実的な人たちはいられなくなっています

直ちに原発ゼロをスローガン的に掲げる硬直した人たちばかりが運動の中心を占めていて、そんなことを言い出せば、「放射能が怖くないのか。自民党の再稼働に賛成するのか」と一喝されるのがオチです。

もはや脱原発運動は、かつての護憲反安保運動のようにイデオロギーと化してしまっているのです。だから、大部分の国民はついていけません。

もし小泉氏のようないちおう「保守」の政治家が(私は違うと思っていますが)、現実的な脱原発政策を提示していたならば、また展開は違っていたはすです。

ところが、小泉・細川両氏ときたら「政策は別な賢い人が考えろ」ですから話になりません。

一方はガチガチ、一方は中身からっぽですから、なんともかとも。

このように、まったく踏み込んだ議論がなされなかった「脱原発選挙」は、脱原発の具体的政策内容の貧しさを満天下にさらけ出して終わったということになりました。

考えてみれば、脱原発派はこの3年間「放射能は怖い」という感情論から一歩も出ず、証拠とデータに基づく政策を手探りでも作っていこうとすることを怠ってきた運動だったのですから、これも当然の結末かもしれません。 

« 週末写真館 森と湖の朝 | トップページ | 再エネだけオリンピック村が運営できるかマジに考えてみた その1 »

原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

共○党って、地方の首長選挙に候補者を立てるのが多いのですが、結局のところ2位3位となり、その2位3位の得票数を足すと1位の票より多い・・・なんてことは往々にしてあります。
見方を変えれば、野党的候補の邪魔をして、共倒れするのが得意なようですね。
今回も管理人様が指摘するように、そんな結果に終わるような気がします。
無党派層がどう投票行動するかによりますが、投票率が低くければあまり影響しないのではないでしょうか?

管理主様が書かれた沖縄のこと、原発のこと、そして都知事選に関する記事、管理主様の失望感が痛いほど伝わってきます。

今回の都知事選、実に面白い主要候補が揃ったのでは。管理主様がおっしゃったようにたたいま電気が足りているのは、電力会社の作業員の献身的な働きがあるからで、彼等にこのまま綱渡りをさせていいのでしょうか?

舛添・田母神の両候補は原発再稼働という答えをだしてきました。では、細川・宇都宮の両候補はまともな代案をだしていません。これでは話になりません。

自分は、原発の代替エネルギーは火力発電以外有り得ないと思っています。問題は、最新火力発電所が足りない(だから、早急に火力発電所を増設しないといけません)。火力による大気汚染をどうやって抑えるか(石炭火力はクリーン・コール発電のみにし、あとは天然ガスタービン発電、そして芋チップ火力発電にするのが適当かと)。そしてなんといっても燃料費価格をどう押さえるのか。

脱原発とは、火力発電をいかに環境と経済に負担をかけず、安定した供給を行うのかという問題だと自分は思っているのですが、何故脱原発派は火力には言及しないのでしょうか。

私は「消去法」で選んで、舛添さんしかいないのかと…

なんせ他が論外でしょう。
面白い顔触れどころか、極めてお寒い都知事選挙だとおもいます。


播磨さん、イモ発電にご執心ですね。
私はよく分かりませんのでなんともいえませんが、現実的に古い化石燃料の大規模火力の代替になるのかは、疑問に思ってます。

 都知事選のさまざまなプログを見ましたが、一番すばらしいと思いました。事実を色眼鏡をかけず、客観的に見て、考え、判断をされる方だと思いました。
 私は原発はなくす方向に持って行くことには賛成ですが、①政情不安の中東の有限の化石燃料に依存している②代替エネルギーを確立中③既に出来上がっている原発の活用④原発事故の主因は予想を超える津波によること等を考慮すると即原発廃止は疑問です。今回の津波で大勢の人命を失いました。原因は大津波がくるかどうかわからないのに対策に個人・行政ともに金をかけることを嫌ったためです。誰も自業自得だとは言いません。天災だ、災難だと。原発即ゼロの運動家及び支援のマスコミは人命が大事なら津波、地震対策等の必要性をなぜ大騒ぎしないのでしょうか。都民の大勢の方はそこにいかがわしさを感じているから、今回の選挙で大きな争点にはなっていないのではないかと思います。今後も楽しみにしています。

ご無沙汰しています。
都知事選も明日が投票日。選挙の度いつも気になるのは都市部の投票率の低さです。
都知事選挙は、当選1名なので当選者の投票率もそれなりに高くなるのでしょうが、五人区などは得票率五%未満で当選なんて事もあり得る訳で投票率が低ければ支持率2~3%で当選してしまう。
それで国民の代表なのかなと。
何も考えないで流されて投票する愚かな投票も困りますが、オリンピック見るのに忙しくて選挙に行かないなどと言わないで、ちゃんと考えて、しっかり自分の意思で投票してほしいものてす。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 週末写真館 森と湖の朝 | トップページ | 再エネだけオリンピック村が運営できるかマジに考えてみた その1 »