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2014年2月20日 (木)

「普天間屋」のテンプレ記事の薄っぺらさ

015
天は我を見放した。浅田ボロボロ!信じられないほどひどい結果。オリンピックは怖い。

さて気を取り直して本題へ。那覇支局ほど変な支局は全国にないかもしれません。 

気分は地方支局というより、異国に来た特派員といったところでしょうか。沖縄は地元2紙の完全独占で、全国紙はかぎりなくゼロです。 

支局さえ2紙の社屋の中にあります。産経なんぞ、社論が真逆な琉球新報の中にあるので、気分は平壌特派員かもしれません(冗談です)。 

また全国紙のシェアはゼロなので、とうぜん読者がいません

読者がいない支局なんて、一体なに?ですが、とうぜんのこととして読者がいないので、情報が集まって来ません。 

記事を出稿する段になっても、本土のデスクが考えた「沖縄らしさ」が要求されるために苦労します。 

地味で時間がかかるルポを書いても、本土のデスクが紙面をくれません。

記者会見に行っても、そんなしゃれた設定をしてくれるような団体はだいたい島のボス然としている官公労か政党と決まっています。

それ以外に取材したくても任期が短いので、なかなか人脈ができません。

仮に出来ても、そこで仕込んだことをそのまま書くと、本土のデスクに「これじゃあ載せられないな」とボツにされます。

なぜなら、ボスが欲しいのは、複雑な島の内情などではなく、社論に合った記事だけなのです。

というわけで、初めから結論が決まっていますから、必要なのは分かりやすい筋書きと書き割りです。

その「劇」には3種類のタイプの人間集団しか登場しません。

まず島を悪くしようと企む悪玉の「日本政府」と、それを裏で操るもっとも「悪い米軍」です。

次にこれに対して雄々しく戦う「怒れる沖縄民衆」です。

基本のテンプレート(ひな型)はこれだけです。この3種類のキャラクターに、手下があり、裏切り者が出たりという多少のドラマがあって「劇」は進行していきます。

ストーリーとしてはいたって単純。

あるところに平和に暮らす島がありましたとさ。そこに悪い「米軍」が攻めてきて、たくさん島民を殺したあとに、「銃剣とブルドーザー」で基地を作って威張っていました。

いつも女の人を手込めにしたり、危ないヒコーキを飛ばしたりしたので、島の人は相談して揃って、「日本政府」の代官になんとかしてほしいとお願いに行きました。

けれど「日本政府」は、「米軍」の代官なので、帰れ、帰れと追い返して相手にしてくれません。

それどころか、「米軍」のご機嫌を伺うために美しい海岸を埋め立てて新しい基地まで作っろうとする始末です。

そこで、島の人はみんなで団結して島ぐるみて戦おうと誓い合いました。

ところがなんと、島のリーダーが金で裏切って寝返ってしまったのです。けれど、こんなことでは島の人の団結は崩れません。

改めて新しい基地を許さず、平和な島を取り戻すまで島の人々は団結して日夜戦い続けていくと誓いあったのでした。(♪音楽高まる)

はい、だいたいこんなところでしょうか。このようなストーリーは表面的には真実を含むが故にそこで止まってしまってはそもそも新聞記者などいらないのです。

ここから掘り下げてジャーナリストとしてナンボでしょう

このテンプレに忠実な例文を欄外に一本乗せておきました。

プロの記者の文章というより、なんか朝日の社説を読み始めた中学生のような作文で、肩に力ばかり入っているわりには、事実の表面をなぜただけで、彼の足を使った取材がまるで見えてきません。

この記事の締めでは、沖縄とはなんにも関係ない祝島の脱原発運動家まで引っ張りだして安倍政権への恐怖を語らせています。

毎日新聞の社論の反安保、脱原発、反安倍のポイントを忠実に押えて書きましたというところでしょうか。

こんなテンプレ記事を書く記者に、私は「テンプレ記者」(テンプラではありませんよ)の称号を奉っておきます。

このようなテンプレ記者に仲井真知事の複雑な苦悩など逆立ちしても理解できるはずがありません。

したがって仲井真知事に象徴される「沖縄の悲哀」など永久に理解できないでしょう。なにせあるのは善と悪が闘う紙芝居だけですから。

去年の暮れ、私は知事と金平キャスターとのやりとりについてこう書きました。

「(金平キャスターは)反戦イデオロギーで裁断して「公約との整合性」を攻撃しただけです。
なんと人として薄っぺらいことか。報道という仕事は、野党と同じではありません。現実の中で苦しみもがく人々を伝えることです。
報道は正義の代弁者ですらありません。矛盾に満ちて、重く生きる人に寄り添うことがその仕事なのではないのでしょうか」
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-8979.html

金平氏のようなベテラン・テンプレが敷いたレールの上を、このような見習いテンプレが追随しているみたいです。

ジャーナリストとして楽といえばこれほど楽なことはないでしょうし、惨めといえばこれ以上惨めなことはないかもしれません。

なにせやっているのことは、ただテンプレの文字を入れ替えているだけですから。

きっとこの記者たちは怖いのだろうと思います。

自分が住み慣れた取材範囲の世界で、聞き慣れた発言だけを活字化にしておけば、摩擦なく数年間を過ごして本土に帰って本社社会部に栄転できます。

なまじ記者魂に火を点けてしまうと、「あんたは容認派だったのか。もう協力じない」などとやられるのがオチです。狭い島社会でそうなったら座敷牢に入ったも同然ですから。

ですから、支局記者同士で飲みながら、「オレらは永遠に普天間屋だなぁ」とこぼし合うのでしょう。

長くなりましたのでもう一回続けます。

                     .:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。

.[テンプレート記事の見本]

■普天間飛行場:辺野古移設着手 「民意無視」に強い反発
毎日新聞 2014年02月02日

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画は、地元の名護市長の反対にもかかわらず、政府が移設方針を変えていない。だが、基地問題にかかわらず、政府が地元首長の反対を押し切って政策を強行するのは異例。国策のためならなりふり構わない安倍晋三政権の姿勢に「民主主義の否定だ」との批判もあり、国と地方のあり方や国策の進め方が問われている。【佐藤敬一】

 「関係法令に従って着実に進めていく」。辺野古移設に反対する稲嶺進市長が再選を決めた名護市長選から2日後の1月21日、小野寺五典防衛相は辺野古移設を進めることを明言。「地元の理解は得られているか」と問われると「県の承認をいただいている」との言葉を連発した。 

 政府は昨年末、沖縄県の仲井真弘多知事から辺野古沿岸部の埋め立て承認を得た。移設に向けてようやく法的手続きを終えることに成功し、長年の懸案に決着を図りたい考えだ。市長権限を駆使して移設を阻止する構えを示す稲嶺市長に対し、埋め立て工事に関する入札を公告し移設作業に着手した。 

 政府の強行姿勢に沖縄では反発が広がっている。県議会と市町村議会が次々と移設断念を求める政府への意見書を可決したのはその表れだ。1月24日に可決した北谷(ちゃたん)町議会の中村重一副議長(60)は「名護市長選で示された民意を無視し、権力で工事を進めようとするやり方は異常だ」と憤る。 

 沖縄は戦後の米国統治時代「銃剣とブルドーザー」で土地を奪われ、基地が造成された。一方、日本政府は地元の理解を重視して基地政策を進めてきた。普天間問題が長く膠着(こうちゃく)状態にあるのもこのためだが、今回の政府の姿勢について、中村さんは「『銃剣とブルドーザー』以上の横暴さではないか」と批判する。 

 不安を抱くのは沖縄に限らない。中国電力が山口県上関町で計画する上関原発に反対する同町祝島の農業、氏本長一さん(63)は「基地問題と原発問題は構図が全く同じだ。民意を無視して移設が行われてしまうと、それが安倍政権の『成功体験』となって原発政策でも強引にやってくると思う」と語る。 

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コメント

この問題は朝日や毎日に限定したテンプラの問題ではないと思います。
読売や産経・日経も沖縄を見るテンプラがありますから。

全国紙の限界じゃないでしょうか?
全国紙と言いながらも実は地方の取材網は沖縄だけでなく他の地域においても貧弱だと思います。
沖縄だけでなく南九州の鹿児島・宮崎・熊本に密着して取材できているとは思えません。

現在は、インターネットで地方紙の記事も意識すれば見ることがある程度は出来ます。震災後の河北新報の記者さんの中には、被災農家を丹念に取材した記事がいくつか有りました。
でも、このような記事は全国紙の記者では書けないだろうなと正直言って思いました。

テンプラではなくてテンプレですね。

かなり以前にコメントした記憶が有りますが、新聞と言っても全国紙ですが、平成15年に発生した十勝沖地震の時「冷夏・台風・地震・一昨年のBSE等三重四重の被害を受け大変困っている」と言うストーリーで記事を書きたいので、そのような酪農家はいないか?と言う問い合わせがありました。

全てでは無いと思いますが、勝手にストーリーを作って、少しでも衝撃的(インパクト)な作文をしたい様です。
実際は現地に行き、住まないと掘り下げた記事は書けないのでは無いでしょうか?

南の島さん。

河北新報(一応東北全体紙)に夢見すぎです。

東北各県に支局がありますが、実際は宮城の記事ばかりで、他県記事は薄く小さい「伝統の祭り」や「伝統農法」ばかりですよ。
ましてや、スポーツ記事なんか極端な仙台偏重です。

今に至る震災記事の連続性など、やはり大手紙とは丸で違いますよ。

他の東北各県の地方紙など論外です。
河北新報同様で地元官公庁や政財界に食い込んでいて、合わせたテンプレ記事しか書きませんから。

「基地が、基地が!」と、さも民意の代表のように書くのは、神奈川新聞くらいしか知りません。


また、我が県もかつてほどではありませんが、1紙と民放全てを同じメディアグループに独占支配されていた県民として、私の一応私感で言わせていただければ、沖縄2紙は異様にもほどがあります。

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