キャロライン・ケネディ大使閣下に見る白人リベラルの傲慢とは
キャロライン・ケネディ米国大使閣下は、史上もっとも人気のない米国大使になりそうです。来るやいなや、「失望」したり「非人道的」で怒ったりお忙しいことです。
彼女は、わが国の沿岸のイルカ追い込み漁を非人道的といって非難しました。
彼女はこう述べています。
Deeply concerned by inhumaneness of drive hunt dolphin killing..USG opposes drive hunt fisheries.
(米国政府はイルカの追い込み漁に反対し、イルカが殺される追い込み漁の非人道性を深く懸念している)
いきなり、「米国政府は」ときましたか。「失望」発言でもそうですが、まだ来たばかりで最初から任地の国民を叱りっぱなしの大使というのも珍しいですね(苦笑)。
さすがケネディ王朝のプリンセス、目線が違う。なんかいそうだなぁ、こういうタイプの女性教師。
大富豪の家の出で、大学は超一流、おまけに美人でと天が二物も三物も景気よくやっちゃったが、いい性格だけはくれなかった、という人。
で、お嬢様、田舎の新任の学校に来ると気に障ることばかり。
え、イルカ食べるの野蛮人!戦争神社(←ホントに米国リベラルでこう言う人います)に参拝するって信じられない極右!もういや!先進国の常識教えてやるわ!ってなとこでしょう。
そうそう、この人、オバマの大の支持者だったのですが、オバマがあまり屁タレなんで、「がっかりしたわ。もっとリベラルかと思った」とのたまうたような人です。
他国、しかも自分の任地の沿岸漁や食の伝統もなにひとつ知らないで、いきなり叱りつける態度、鼻持ちならないなぁ。
こういう言われたかすると、私なんぞ、ええそのとおり、ワシらイルカは食いますが、非戦闘員20万人の頭の上に平気で核兵器は落としたりするようなことはしませんよ、と言いたくなります。
大使閣下、お約束どおりオバマ来日の折りには、ぜひ大統領閣下を広島にお連れください。
大使の肩書を押し出して、のっけから「合衆国政府はイルカ漁に反対しています」ときたもんだ。
日本の田舎町の極小規模のイルカ伝統漁をつかまえて、「合衆国政府」と超大国の看板で迫って来るというやり方、大使閣下、権力の使い方間違ってますよ。
さて、数年前に、和歌山県のイルカ漁を撮影した映画"The Cove"がアタデミー賞を受賞しました。
私はまだ観ていませんが、太地漁協から猛烈な反発を喰っています。
隠し撮りをしたり、太地の海が水銀汚染されているかのようなひどい表現をしたり、、捕獲方法が残酷であるかのような誇張した演出手法が地元の人々の反発を招きました。
このてのハリウッドの政治的なプロパガンダにはときおりうんざりさせられます。これが今のシー・シェパードの調査捕鯨への襲撃と一対であることは間違いありません。
私がかつてパタゴニアへの公開質問書の第2項に、米国の先住民の沿岸捕鯨もシーシェパードは襲撃したが、それをパタゴニアは肯定するのか、と問うたのは、この和歌山の太地の伝統的沿岸捕鯨を念頭においた質問でした。
もし、これを否定するとなると、当然のこととして年間400頭ていどのイヌイットによるホッキョクグマやイルカなどの捕獲も否定されていくことになります。
つまりは、海洋哺乳類や極圏に住む哺乳類は聖域であり、いっさい人間が触ってはならない、ということになります。
大型海洋哺乳類は、海洋で食物連鎖の頂点にいます。したがって、頭数の淘汰が自然界ではかかりにくいことになります。
となるとどうなるのか?鯨類が食べる大量の食料としての食物連鎖下位生物が減っていくことになります。
今、手元に資料がありませんが、大型鯨類の食する量は膨大なものです。その為に他の魚類の繁殖が圧迫されています。
また、大型鯨類自身も食料が不足して、群れの中でストレスを溜めていくことが観察されています。
そのことにより、大型海洋哺乳類自身も群れを維持していくことが難しくなります。
では、このような自然界の食物連鎖を正常に維持するにはどうしたらいいのでしょうか。方法はそう多くはありません。
人間が生態系に一定のルールの下で介入することです。
一定の科学的なルールを作って人為的なコントロールをすることで、食物連鎖の機能を正常に保つことかできます。これを資源生物学と呼びます。
今、わが国の調査捕鯨はその資源生物学的データを採取するためであって、商業捕鯨をしているわけではありません。
グリーンピースは鯨肉が市場に出ていると批判していますが、日本人は捕獲した鯨を食べもしないで捨てるなんてバチ当たりの真似が嫌いなだけですよ。
この調査捕鯨はIWC(国際捕鯨委員会)が認めたものでまったく合法です。これすら禁止すれば、大型海洋哺乳類の生態系の実態解明ができなくなります。
たとえば日本でいえば北海道のエゾジカの淘汰などがその例になります。エゾシカは可愛い動物ですが、捕獲を禁止されているために急増してしまい、環境キャパシティを越えてしまいました。
結果として、シカも食糧不足になり飢えた個体が多数目撃されるようになります。また樹木や農産物への被害がひどく林業や農業に多くの害を出しました。
今、一定数を人為的淘汰をすることで、正常な頭数に戻す試みが数年前から始まっています。
私自身が関わった例では霞ヶ浦の外来魚ハクレンの捕獲がありました。ハクレンは藻を食べる大型種ですか、湖の閉鎖的生態系では食物連鎖上位のために増える一方でした。
増えすぎても、日本人の嗜好にいま一つ合わないために減るということがありません。漁網が破られたりする被害が頻発しました。
そのために市民と漁民が協力してハクレンを捕獲してバランスを保つ活動が行われました。
このように自然界は放置することが最善ではなく、適切な人為的なコントロールによってバランスが保たれるケースがあります。
今の反捕鯨白人諸国は、いままで自らが鯨類を絶滅寸前にまで追い込んだことを都合よく忘れ、日本人にその原罪のすべてをなすり付けることで、「可愛いイルカを食べるな」と叫んでいます。
「賢くかわいいイルカを守ろう」で済めばいいのですが、「日本人は残酷だからイルカやクジラを食べる」というような醜悪なジャパン・ディスカウント(日本の地位低下)に転化させたのが、この映画やシーシェパードたちです。
かつて鯨の肉を食べようともせず、鯨油のみを絞ってボイと捨てて絶滅寸前に追い込んできたのは誰であろう、今、反捕鯨諸国の連中、なかんずくアメリカ人ではなかったのですか。
一方、私たち日本人は一物全体として鯨を余すところなく食しました。
肉はもちろん、サエズリといわれる舌も、果てはヒゲすらも文楽の操り糸として利用し尽くしたくらいです。
日本人は、鯨を「勇魚」(いさな)として敬って捕獲したからこそ、その生命のすべてを自らのものとする文化をつくりあげたのです。
キャロライン・ケネディ大使、価値観の違う「非人道的な」蛮地にいるのはおつらいでしょうから、どうぞ早めに母国にお帰りなさい。
中国の防空識別圏や度重なる領海侵犯についてはひと言も発言せず、わが国に来て数か月で「失望」している大使などは日米友好の妨げになるだけです。
大使閣下、今や、スウィート・キャロラインじゃなくて、ビター・キャロラインですな。
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コメント
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過去、最も鯨を殺してきたのはズバリ、アメリカです!
幕末にペリーの黒船で鎖国していた日本を開国させたのも、捕鯨基地が欲しかったアメリカです。
そして、動きが遅くて最も捕り安く大型で脂肪が多くて、銛が抜けても沈まずに浮き上がるので回収が容易だから…とセミクジラに付いた名前の英語名が「Right whale」(都合の良い鯨)です。
それこそ人間のエゴでしょうに。
日本は、ナガスクジラ類(ニタリクジラ等)、やや小型のミンク鯨に特化してました。もちろんIWC発足後も。
すでに、20年前には捕鯨とは何の関係の無いアフリカ内陸国などを巻き込んで機能不全となりましたが、調査捕鯨は認められていたんですが…。
キャロラインは、それも「失望」なんでしょうか?
つまるところ、グリーンピースから分派した過激派シーシェパードを支持すると。
局地のイヌイットはもちろん、ソロモン諸島のイルカ漁には何て言うんでしょうね?
大使として発言が軽すぎる上に、相手国の食文化も何も理解しようとしない。
オバマ支援論孝行賞人事でありながら、親の七光りで不満ばかりのキャロラインさん。さっさとお帰りになってはいかがでしょう。
化けの皮は、とっくに剥がれてます。自身の言動で。
今後の日米友好関係を続けたいなら、ね。
ちなみに、本人も知らぬ頃に人気のあった親父さんのJFKは、実務では無能そのものでしたよ。
投稿: 山形 | 2014年3月 6日 (木) 11時41分
すいません、書き忘れたので。
20年ほど前に、日本の捕鯨母船に海外メディアを入れたことがありましたが、
骨から切り落とす肉まで大事に利用するところまでカメラ入れてましたが、海外メディアは「ひどい!野蛮すぎる!」ばかりでした。
どの口で言ってるのやら。
牛や豚ならいいのかと。
クリスチャンには理解出来ないんでしょうし、日本=野蛮を宣伝したいのと、米豪の畜産業界がやっただけでしょう。
ちなみに、海洋資源の脅威としては、調査の出来ているヒゲクジラ類よりも、アカボウクジラ等の食用にならない大量の歯クジラの生態に謎が多く、
文句あるなら、アメリカなりオーストラリアなりが、ちゃんと調査してみせろ、と。
どのみち、畜産業界の犬になるのがせいぜいでしょうが…。
投稿: 山形 | 2014年3月 6日 (木) 12時11分
本当にウンザリします。ただ、小ブッシュ政権もオバマ政権も、どういうわけか極端に無能な手合いが政権中枢に入り込んでいるのがやたらと目立ちます。これってアメリカの衰退と関係あるかもしれませんね。
因みに『ザ・コーヴ』で自分が一番許せない連中は、『コーヴ』の監督やスタッフ、スポンサーのシー・シェパード達もさることながら、「言論の自由を守れ」とアメリカ人に媚び倒した日本人、田原総一郎たちです。
投稿: 播磨真悟 | 2014年3月 6日 (木) 16時22分
いつから米国大使は我が国の政治将校もとい植民地の
高等弁務官と化したのでしょうかねえ。
投稿: | 2014年3月14日 (金) 19時58分
いやいや。クジラ肉の消費量みなよ。ほとんど食べてねーぞ。イルカ肉なんて寿司のように食べる頻度ある?ないだろwww
投稿: | 2015年10月10日 (土) 16時49分
キャロライン洋子が万倍マシですね
投稿: | 2016年3月16日 (水) 20時58分