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再エネFIT制度、今や投機屋と詐欺師の巣に

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東日本大震災から3年目を迎え、いまだ復興の途上にある被災地の皆様に心から応援の言葉を送ります。

この震災と津波は、多くの悲劇を生みましたが、同時に人間の崇高さも沢山教えてくれました。

あえて今、ひとり上げるとすれば宮城県三陸町防災担当職員だった遠藤未希さんです。

彼女は津波の来襲から町民を救うために、最後の最後まで放送で呼びかけ続けて自らも津波に呑まれて亡くなりました。

彼女は24歳、半年後に結婚を控えたいちばん幸福な時期でした。

このような人々がどれほど沢山いたことか。私たちはあなた方を誇りに思います。本日午後2時46分黙祷を捧げます。

震災や原発については今後も、さまざまな形で記事の中で触れていきたいと思います。
がんばれ、東北!

                      ~~~~~~~~

安倍首相はこのほど打ち出したエネルギー基本計画で再生可能エネルギーについて、「3年程度導入を最大限加速する」という表現で期限を切りました

これはあまりに実効性の薄い再エネの実力を見切ったものです。

太陽光は最大のメガソーラである浮島発電所の発電実績は1年稼働して、柏崎刈羽原発1号機のわずか15時間分ていどでしかありません。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-cf07.html

到底ベース電源の資格などないことは明白です。そのようなことはヨーロッパの先駆例で既にあきらかなのにもかかわらず、脱原発=再エネという誤った固定観念から開始してしまいました。

今後、太陽光から洋上風力などの方向にシフトすることは必至だと思われます。

そのうえ、菅元首相が強引に始めた固定価格全量買い取り制度(FIT)は、今や投機屋と詐欺師の巣になりかかっています。

まず、出るべくして出たFITがらみの不祥事からみていきます。

「国が普及を進めてきた再生可能エネルギー業界に2月14日、ついに経済産業省の“メス”が入った。再生エネルギーで発電した電気を電力会社に一定価格で買い取ることを義務づけた固定価格買取制度(FIT)の認定を受けたにもかかわらず、運転を始めていない太陽光発電約670件について、認定取り消しを検討すると発表したのだ。前代未聞の事態の背景には、「いくらでもズルができる」と業界関係者が明かす制度の致命的な甘さがあった。」(産経3月8日)

この制度の根本的欠陥は、その買い取り価格が、あまりにも常軌を逸して高いことでした。

民間による参入奨励のために、買電価格を42円などという価格にすれば、ケーキに群がる蟻のような人達をひきつけるのはあたり前です。

しかもいったん42円と決まれば、20年間固定価格というボーナス付きです。

ドイツをまねしたものですが、かの国でもボロボロなのによくもこんな欠陥制度を議導入したものです。

結果、わが地域にもチラシにまで、「高価借り上げ!太陽光発電用地急募!」という広告が頻繁に入るようになり、今まで資材置き場だった場所にはフェンスが張られ、「太陽光発電事業用地」と書かれた看板が立つようになります。

この42円買い取りは初年度限定だったために、まさに異常な新規参入があり、それが次年度で38円に下がると、その勢いは止まるどころか、3年目になればもっと下がる、今年度中にといっそう駆け込みで加速する有り様です。

これで、肝心の再エネが伸びればまだ我慢もできるでしょう。ところか、実態はかけ離れたものでした。

「実は国が認定した設備容量は2249万キロだったが、実際に運転を開始したのは382.7万キロワットで、2割にも満たないことが経産省の調査で判明。しかも、認定から1年以上たっても土地・設備を確保していない業者が全体の3割に上っていることも分かった。(同)

呆れてモノが言えません。公称249万キロワットに対して国が支援している枠に対して、実際に運転を開始しているのはたった2割!悲惨といんうより、もはやお笑いです。

これはいったん用地を確保して申請さえしてしまえば、10桁の認証登録番号を貰えて、いわば「席が取れる」からです。

いったん席を得てしまえば、いつまで発電しろという縛りがないわけですから、寝かせておいて「席」を他人に転売するなどということが頻発しました。

もちろん多額のサヤをつけてです。合法ですが一種の詐欺です。脱法ハーブではありませんが、脱法再エネです。

また転売こそしないまでも、太陽光パネルはどんどん中国製が流入して安くなっていますので、もっと安くなるまで待とうという業者も大量に出ました。

さすが、経済産業省もまずいと思ったのか、制度を厳しく運用するという方針に転換しました。もし、民主党政権がいまだ続いていたならば、これすらも行われなかったでしょう。

このように再エネ、なかでも太陽光発電の欠陥が初年度からさらけ出されたことになりました。

もう少し続けます。

                        。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚

■甘かった再生エネ電気買取制度 業界関係者「いくらでもズルができる」
産経ビジネス13年3月8日

3割の業者は1年経っても土地・設備すらなし!

 「現行制度だと、いくらでもズルができる」。関西で太陽光発電事業を行う関係者は、FITについてこう指摘した。

 FITは、コストの高い再生可能エネルギーの育成を目的に、平成24年7月に始まった制度。初年度は利益を確保しやすい高めの買い取り価格が設定され、太陽光なら1キロワット時当たり42円(10キロワット以上)で20年間買い取る-という好条件が設定された。

しかも、業者が新規参入しやすいようにと、土地や設備を事前取得しなくても計画認定は受けられる。結果、翌年10月までに新たに稼働した再生エネの発電設備容量は585万2千キロワットで、導入前と比べて約3割増えた。

 この大半を占めるのが主力の太陽光(非住宅)だ。だが、実は国が認定した設備容量は2249万キロだったが、実際に運転を開始したのは382.7万キロワットで、2割にも満たないことが経産省の調査で判明。しかも、認定から1年以上たっても土地・設備を確保していない業者が全体の3割に上っていることも分かった。

 国の認可事業に、なぜこのような事態が起きたのか。理由は、買い取り価格設定の方法にあった。

 パネルが値下がりするまで…

 FITでは、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る価格は、再生エネルギー事業者が設備の認定を受けた時点の額が最長20年間にわたって適用される。このため、1キロワット時当たり42円という「高値」が設定された初年度には、土地や設備の取得の前に「ひとまず認定」を目指す業者が続出。翌25年度に価格が約38円に値下がりすると、業界内では「早め認定が必須」とのムードが高まり、さらなる“駆け込み認定”が相次いだ。

認定業者が増えれば、設備投資に必要な太陽光パネルはニーズが高まり、価格も当然上がってしまう。認定いつ運転を始めてもいいことになっている業者側としては、設備投資費を抑えるにはパネルの値下がりを待ってから購入するのが得策だ。このため、当面事業を始めるつもりはいが、将来性に期待してとりあえず認定を受けた-という業者も後を絶たない。

 政府はようやく認定取り消し作業を進めようとしているが、前述の関係者は「制度に穴があったのに、政府はずっと放置していた。認定を受けてすぐに事業を開始した参入業者が損をしてしまう不公平な構図だ」と厳しく批判する。

 土地争奪戦はさらに過熱?!

 だが、四季の気候変動が激しく土地の狭い日本では、「事業を進めたいが、適当な土地が見つからない」という事業者も、少なからず存在するという。

制度開始後は、孫正義社長率いるソフトバンクが京都市内でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の運転を開始するなど、業種を問わず参入企業が殺到。“太陽光バブル”に沸く一方、水面下では発電所建設用地の争奪戦が繰り広げられた。

 太陽光発電には広大な土地が必要で、自治体などから借りるケースが多い。当然、好条件の土地には複数の企業が殺到することも多く、ある業者は「狙っていた土地があったが、他社に競り負けて獲得できなかった」と打ち明ける。国の認定を受けなければ銀行から設備投資資金を借りられないなど、資金繰りのため認定を急ぐケースもある。

 太陽光発電事業を調査する独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究員は、「国内でメガソーラーを置ける土地は今後さらに減少し、企業間の土地争奪戦が過熱する恐れが高い」と懸念する。

NEDOは26年度から、海や池、湖上に水上メガソーラー(大規模太陽光発電所)を陸上と同コストで設置する国内初の技術開発に乗り出しており、水上を新たな導入場所として開拓する方針だが、水上のコストは陸上より3割も高いのが現状だ。

 東日本大震災以降、再生可能エネルギー普及促進に“前のめり”で取り組んできた日本政府。だが、普及のためにと甘く設定した制度は、その信用性すら揺るがしかねない問題を顕在化させた。FITはあり方そのものを今一度再考すべき時を迎えている。

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コメント

どうやら、来年度から32円まで下げて、洋上風力と価格が逆転する方向で進んでいるようですね。
太陽光発電の適地は、日照時間の長い南国が多いですし、送電網の問題もありますから、進んでいるのはコンビナートのある用地が多いようですね。
また、風光明媚な別荘地だった場所を私鉄が将来の開発予定地としてバブル崩壊後に「塩漬け」にしてた土地に、今は太陽光パネルがズラッーと並んでいたり…。
それでも笑ってしまう広大な0.1メガソーラーとか。

雪国や被災地でもあちこちに官民がパネル並べてますが、人口減少で開発が滞った土地や、工場誘致予定地や元々古い火力発電所があった場所が目立ちます。


今日は鎮魂の日です。
いつかは必ず来るであろう首都直下地震や南海トラフの危険性が連日報道されていますが、その時に一人でも多くの人命が助かることを願ってやみません。

投稿: 山形 | 2014年3月11日 (火) 06時28分

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