空気が悪い那覇に鉄道が通る
那覇って県外の人は南洋の静かな田舎町、裏通りにはサンシンの音が漂い、なんてイメージがあるかもしれませんが、いやなかなかそうでもないのです。
那覇市自体は30万人ていどですが、那覇広域圏とでもいうべきエリアがど~んと拡がっているので、朝、国道58号線の渋滞にひっかかろうものなら、東京の渋滞なんぞ物の数ではありません。
4年ほど前に沖縄を再訪した時にはそれがもっと酷くなっていました。那覇空港から市内までが渋滞し、うっかり国際通りになどに入ろうものならまるで駐車場状態です。
タクシーを国際通りで降りて、平和市場の裏のガーブ川沿いの農連市場あたりにたどり着くと、やっとああ帰ってきたぜぇ~という気分になれました。
ガーブ川は我部川というのがほんとうの名前なんですが、ガーブと呼んでいます。
こ汚い川ですが、この近くを徘徊して、オバーのマチヤグワをのぞき、そこらへんの大衆食堂でテビチなどをしゃぶって裏町散歩するのが、私の沖縄観光なのです。
ここから壺屋まで歩き、できるだけ国際通りには出ないようにしています。だって沖縄県民ですら、「あれは国際通りではないさ、臭い通りさ」というくらい排気ガスかすごいんですよ。
那覇に勝つのは、北京、バンコックかカトマンズくらいですね。
地方というのはえてしてそうなんですが、車社会の極です。一家に一台なんて可愛いものではなく、ひとり一台くらいないと仕事も生活もできません。
東京のような重厚な鉄道網を持つ地域の方には感覚的に分からないでしょうが、鉄道がないために出勤はすべてひとりずつ車に乗るのですから非効率な上に、環境によろしくないのは言うまでもありません。
といっても、多くの県庁所在地には鉄道が通っていて、駅が街の中心なのですが、沖縄はそれがありません。
那覇市及び那覇市周辺では人口増加が著しく、2010年は那覇都市雇用圏人口は約80万人、うるま市以西で106万人ですから、ここに鉄道がないというほうが無理があります。
ですから、鉄道駅があれば分散するはずの街のヘソが国際通りという一本道に集中してしまい、朝夕の渋滞が日常になります。
渋滞解消でモノレールを作ったようですが、なんかハンパで、おまけにのろいんだな、これか。
戦前は軽便鉄道もあったようですが、戦火で破壊され、その後の米軍統治ですっかりアメリカ流自動車社会になじんでしまったために、そもそも県内で沖縄縦断鉄道を作れという機運がいっこうに盛り上がりませんでした。
基地があるからと言う意見もありますが、私が見る限り充分に通すスヘースはあります。
もし、米軍基地に引っかかって四の五の言うなら、「悲願の鉄道を通す邪魔をするなぁ!」とそれこそ「オール沖縄」で戦えばいいのです。
鉄道建設をすれば建設業も儲かるし、駅を中心としてショピングモールもできるし、観光客にも便利だし、なにより那覇とその周辺地域を空気汚染から解放できて、いいことづくしだと思います。
なぜ作らないと思っていたところ、とうとう出ました!
沖縄県も2013年6月に那覇と名護の鉄道計画を出したのです。
上図は沖縄県が立てた「鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進について」(2013年6月5日)、という文書に載っているものです。※http://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/kotsu/kokyokotsu/h24train.html
那覇空港駅から沖縄県庁・浦添市・宜野湾市(普天間)・うるま市・恩納村を経由して名護市に至る鉄道路線計画です。
できたら辺土名まで通して欲しかった。ヤンバルは名護で終わりではないですよ。第2次計画で是非お願いします。
路線延長は約69キロメートル。最高時速100キロメートルの電車を走らせて、那覇空港と名護市を約58分で結ぶといいます。モノレールとか、戦前の軽便鉄道と違って本格的鉄道です。
しかも、鉄道の新路線計画にありがちな需要込みをかさ上げもなく、控えめな受容予測でもなんと単年度で黒字可能というのですから、嬉しい。
これができれば、那覇のベッドタウンの浦添や宜野湾まで数十分の通勤が可能になります。
すごいぞ。もし出来たなら、その時は沖縄に必ず乗りに行きます。鉄道の車窓から見える東海岸、ああ夢だなぁ。駅弁もつくらないかなぁ。
■写真 バナナの花です。やや不気味。
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