環境テロリスト・シーシェパードの誕生その1 当たり屋戦術の創始者グリーンピース
シーシェパードがまたアメコミ的調査捕鯨攻撃をしかけているようです。
なんですか、あの船首にシャチの口みたいなのを描いた船は、バッカじゃねぇか!(笑)
前回はバットマンカーもどきの黒塗りのステキな奴でしたが壊れて、あえなく自沈しちゃいましたね(こんどは失笑)。
(写真 シーシェパードのポスター。もはや2流どこのハリウッド。中央の悪党づらが頭目のポール・ワトソン。目下、国際指名手配中。海賊旗みたいなのが彼らの旗。どこまでもマンガ的だが、やることはエグイ。)
乗っている船はテレビで流されていて、その内容はご想像どおりアメコミ・アクションムービーです。
悪い日本の捕鯨船が鯨を殺しまくっています。哀れ可愛い子鯨も刃に(悲鳴)。
そこに敢然と登場したのがジュリー・ロジャーズひらめかせたシーシェパード!(音楽高まる)
てな調子で、まるでキャプテン・アメリカって調子。視聴率もよろしいようです。
実際、カリフォルニアにはシーシェパードの店なんかあって、シーシェパード・カードも売っていて、カードを使うと自動的に数%シーシェパードの懐に転がり込まれる仕組みです。
まるっきり商売ですが、そのとおり、私はあれはビジネスだと思っています。
ただ、その「商売」の仕方がエグくて、調査船のスクリューを狙ってロープを投げたり、劇薬の入った瓶などを投げ込んだりしています。
「海賊行為」という立派な犯罪行為で米連邦高裁はSS(シー・シェパード)を「海賊」と認定すると判決を下しています。
そのためにケネディ大使は、シーシェパードを内心ひいきにしているらしいのですが、残念ながら大っぴらには支持できないようです。
ちなみに彼女の従兄弟のロバート・ケネディ・ジュニアは、シーシェパードの顧問弁護士をやっているようです。
あの国のリベラルな富豪やスターたちの寄付はハンパじゃないようで、クリスチャン・ベールとか、オーランド・ブルームなどがシーシェパードに寄附しているのがリストアップされています。ファンの方、お気の毒。
というわけで、寄付を集めるには目立たにゃならんというわけで、「アグリー・ジャプ」攻撃に今日も飛び回っているわけです。
さて、あまり知られていないようですか、シーシェパードを作ったポール・ワトソンはグリーンピースの古いメンバーのひとりでした。
彼はグリーンピースから、彼らの「ビジネスモデル」をそっくり盗み、今や本家に並ぶ興隆を見せています。
本家としては面白くないので、本家グリーンピースと、分家シーシェパードの仲は険悪です。近親憎悪とでもいうんでしょうかね。
前の時も、シーシェパードが調査船の位置がわからなくなり、グリーンピース船に問い合わせたところ、にべもなく「だれが教えてやるもんか」と拒否されています。
というわけで、彼らがいかなる団体なのかを知るには、彼らのルーツであるグリーンピースから知る必要があります。
グリーンピースは今やとてつもない巨大な団体になってしまいました。会員290万人、支部数世界41カ国、専従スタッフだけで1万人以上はいると思われます。
立派な多国籍企業といってよいでしょう。まちがいなく世界最大の「環境保護団体」です。
十数年前の一時期、恥ずかしながら私も会員になったことがありました。
しかし、入ってすぐに私が疑問に感じたのは、納めた会費の使途が一切明らかにされていないことでした。
年次会計報告が一般会員には公開されず、単なるニュースレターしか来ないのです。
ニュースレターには、「こんなにグリーンピース大活躍」みたいな宣伝ばかりです。
これは環境保護団体としてはおかしいのではないかと、私は再三にわたてグリーンピース・ジャパン事務局に予算支出内訳を問い合わせたのですが、ナシのつぶてでした。
私はグリーンピースという組織は、なにか人に言えないような大きな「秘密」のようなものでもあるのかしら、と当時思った記憶があります。
結論から言うと、「その人にいえない秘密」とは、80年代から滔々とグリーンピースに流れ込んだ米国財界の日本制裁の世論作りのための金ではなかったかと思います。
初期のグリーンピースは、1975年に「オペレーション・エイハブ」を立ち上げる時まではっきりと反核団体といっていい団体でした。
つまり反捕鯨ではなく反核運動団体だったのです。
その規模も小さく、今のような各国に支部を持つなどというのは夢のまた夢といった小グループだったのです。逆にいえば、本来の運動体としてまっとうだったとも言えます。
この反捕鯨闘争の「オペレーション・エイハブ」で、グリーンピースは年来の抗議船戦術を「進化」させました。
エイハブは、メルヴィルの「白鯨」の船長の名前で、モビィ・ディックと格闘して死んでしまいます。
いいネーミングです。こんな初期グリーンピースのメンバーの叙情性は今でも私は好きです。
ただ、あのエイハブという名は、鯨を勇魚(いさな)と呼び、銛を片手に格闘した日本の鯨捕りにこそふさわしいのですがね。
この時、ポール・ワトソンはまだ下っぱで、大学でのインテリ・ヒッピーが多かった初期メンバーと異質なタイプだったと伝えられています。
貨物船の船員上がりで、ガッシリした体躯に払い下げの戦闘服を着込み、操船に馴れた実務派だったようです。
この肌合いの違いから、後に彼はグリーンピースの中で孤立し、やがてタテゴトアザラシ事件の時に暴力ざたを引き起こして除名されることになります。
それはさておき、彼らはそのときから、ゾディアックという強力なエンジンを搭載した大型ゴムボートを日本の捕鯨船との間に割り込ませ、接触事故を誘うというきわめて危険な戦術をとり始めました。
それまでは調査船と並行して抗議する程度だったのが、「実力行使」に手を染めたのです。
このとき調査船が少しでも舵を誤れば、ゴムボートは上院ごと調査船にまきこまれてしまいます。
実に危険な戦術で、万が一事故が起きた場合、日本側は彼らを「殺した」として国際的批判を浴びて、調査捕鯨も中止に追いこまれるでしょう。
それを狙った戦術だったわけですが、これは相手国が日本だったから取れた戦術です。
もしこれがフランスならば、ウーもスーもなく調査船に乗った特殊部隊員に捕縛されてしまったことでしょう。
実際、後にフランスは目障りなグリーンピースの抗議船を爆破することも平気でしています。
ですから、「平和主義」の日本だと思って初めからなめていなければ出来ない方法だったわけです。やれやれ。
ちなみに、分家のシーシェパードが捕鯨国が日本だけではないのに、執拗に日本ばかりつけ狙うのも一緒で、実際ノルウェイに同じまねをした時は、見事返り討ちにあっています。
さて、彼らの抗議の横断幕は、捕鯨船に対してではなく、ゴムボートを撮影しているテレビカメラに向かって掲げられていました。
つまり、抗議の横断幕は調査船からは何も見えず、映しているテレビカメラにだけ向けていたのです。彼らがどちらを向いて「抗議」しているのかよく分ると思います。
この映像を米国のテレビ局に提供することで、グリーンピースは一躍時代の寵児に躍り出たのです。
これこそが今、シーシェパードの取っている暴力戦術の原型です。
グリーンピース自身は違うと言いますが、言い逃れのしようもなく、非暴力直接行動の原則を逸脱するものでした。
ガンジーやルーサー・キング師、あるいはダライ・ラマ14世などの非暴力直接行動は、抗議の対象に危険を承知で「我が身を投げ出す」ことにより、敵対者をも覚醒させるという方法でした。
しかし、グリーンピースの「発明」したこの戦術は、テレビ宣伝目当ての当たり屋まがいのもので、精神の高貴さとはほど遠いものでした。
そして今や、彼らの分派であったシーシェパードがグロテスクなまでにそれを戯画化してみせています。
しかし、これが受けました。バカ受けしたといっていいでしょう。
1980年代当時、日米経済摩擦を抱えて日本に苛立ちと不安を募らせていた米国民は、「可愛いクジラを殺す残酷なジャップ」に果敢に突撃するグリーンピースの「勇姿」に熱狂しました。
ここからグリーピースの繁栄と堕落がはじまったのです。
つまり、日本だけを標的にして、ジャパン・ディスカウントをする勢力と、「環境保護」を掲げる連中の利害が見事に一致したわけです。
ここに新たな「ジャパン・バシング・ビジネスとしての環境運動」という奇妙な新種が登場したのです。
それがグリーンピースであり、その過激な分派がシーシェパードだったわけです。
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これ、今日もテキサスであったアメリカオリジナルのカーチェイスだったら、即座に逮捕ですよね。
ただの犯罪行為でカネ儲けとは、やることが相変わらず汚すぎる。
海賊に対するオバマとキャロラインのコメントを、是非とも聞いてみたいものです。
投稿: 山形 | 2014年3月14日 (金) 12時14分