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2014年4月

安保条約第5条を読むその1 米国は単に条約を適用しているにすぎない

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オバマの最大の手土産だと言われている「尖閣は安保条約5条の範囲内である」という発言についてもう少し考えてみましょう。

この原文はこうです。

Our treaty commitment to Japan's security is absolute, and Article 5 covers all territories under Japan's administration, including the Senkaku Islands.
日本の安全保障に対する米国のコミットメントは絶対的であり、(日米安保条約)第5条は尖閣諸島を含む日本の施政権下にあるすべての領域を対象としている。

さて、このommitmentですがどう訳しますか。確約する、約束する、といったところでしょうか。

マスコミの報道ぶりを見ると、「これで尖閣防衛の大統領の言質が取れた。よかった、よかった」というものばかりです。

あの朝日新聞ですら、「安全保障分野に限れば、首相は大統領から、ほぼ望み通りの「お墨付き」をもらったということなのだろう」(朝日新聞4月25日)と書いています。

「お墨付き」という言い方に、悔しさがにじんでいますね(笑)。

せっかく喜びや悔しさに水を差すようですが、オバマ自身記者会見でCNNの質問に答えて、「これは別に新しい合衆国政府の決定ではない」と言っています。

原文はこうです。
This is not a new position, this is a consistent one. There's no shift in position. There's no "red line" that's been drawn. We're simply applying the treaty.
これは新たな立場ではない。米国の立場は一貫している。米国の立場には変更はなく、これでレッドライン(武力行使への一線)が引かれることはない米国は単に条約を適用しているにすぎない

Data

                           (写真ブルームバーク)

そのとおりで、オバマの言うとおりオバマ政権の閣僚は今まで同様な発言をしてきました。

ケリー国務長官は、岸田外相が訪米した2013年3月22日に同様の発言をしていますし、ヘーゲル国防長官も4月29日にこれも訪米した小野寺防衛大臣にそう発言しています。

また既に2012年11月29日に、米国上院も同様の議決で確認しています。(欄外参照)

かといって、合衆国大統領が記者会見の席上で公式に発言したことは、中国に対しての政治的意味は大きく、日本の得点であることは確かです。

ただし、そう手放しで喜べることなのかが問題です。このオバマの発言が、「尖閣に上陸した中国に対して米国が有効な軍事的支援をしてくれる」と善意で解釈していいのでしょうか。

残念ながら、おそらくそうはならないのではないか、というのが私の考えです。

では改めて、オバマが「米国は単に条約(第5条)を適用しているにすぎない」と述べた日米安保条約第5条を読んでみましょう。

実は、第5条は外務省の「主要規定の解釈」の中でも「中核的な規定」とされている部分です。(条項とその私の解釈は色で照応させました。)
※外務省「規定の解釈」については欄外参照
※安全保障条約全文
http://www5b.biglobe.ne.jp/~USPinfom/anpo1.htm

日米安全保障条約 第五条 
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域におけるいずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。 」

ARTICLE V
Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes. Any such armed attack and all measures taken as a result thereof shall be immediately reported to the Security Council of the United Nations in accordance with the provisions of Article 51 of the Charter. Such measures shall be terminated when the Security Council has taken the measures necessary to restore and maintain international peace and security.

まずひとつ目のポイントは、この第5条の適用範囲が日本の施政権下にある領域としていることです。

これはこの条約が、日本施政権下に対する攻撃を想定して作られているという大前提を指します。

あたりまえですが、これは米国領土に対するものでも、米軍一般に対する攻撃ではないことに注意し下さい。

その上で、これに日米が「共同対処」できるのはいずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め」るとしています。

「共同対処」とは、この条約が軍事同盟な以上、とうぜん軍事的反撃のことてす。

この部分で「いずれか一方」としていることに注意してください。「いずれか一方」という文言は、日本だけに限らず米国に対する攻撃も含むということです。

つまり、そもそもこの条文は今議論となっている集団的自衛権が前提となっているわけで、集団的自衛権が認められなていないとするならば、この条約の核心であるこの第5条自体まったく意味がないことになります。

したがって、第5条は日本の「平和及び安全」に対して日米が共同で行動している条件下で、「どちから一方」すなわち米軍が攻撃されているにもかかわらず、自衛隊がそれを傍観するような事態をそもそも想定していていないと考えるべきです。

なぜなら、日本防衛のために戦っている友軍が攻撃されているのに傍観するような非道義的状況を条約で認めてしまえば、条約そのものが成り立たないからです。

これは常識的問題です。日本を助けに来ているのに攻撃を受けても自衛隊が無視したなら、誰がこんな奴を助けるか、普通に考えれば分かることです。

そして、第5条条文冒頭にあるように、これはあくまで日本の施政権下に対する条約の限定下におけるものです。

したがって、個別的自衛権の範疇であって、集団的自衛権反対論者が言うように、何も米本土や、米国の戦争に世界の果てまで米軍に従って戦争しろという義務が出来るというような極端なことを第5条は言っているわけではないのです。

あくまでこの条約が、「(日本の)平和と安全を危うくする」事態に対する条約であって、世界の安全保障一般に対しての条約でない以上それは当然です。

特定秘密保護法案の時もそう思いましたが、反対派の人たちはあの時は、「戦前の特高警察が復活する」とか、「自由な演劇も禁止される」「空を飛ぶ軍用機を写したら逮捕される」という妄想に近いことを言っていましたが、どうしてそんな極端な想定をするのでしょうか。

今回の集団的自衛権論議は、あくまでも尖閣という「日本の施政権の下」にある領土に対しての攻撃に対してという第5条の範疇内の、権利と義務を明示するための議論をしているにすぎません。

権利とは、米国のコミットメントであり、義務とは共同対処している友軍をも防衛するということです。

集団的自衛権に賛成でも反対でもかまいませんが、まずは第5条を読み込んでから議論すべきです。

オバマは、このことをはっきりさせるために来日したのであって、今後集団的自衛権論議が、空中戦ではなくこの第5条をめぐってなされることを国民として希望します。

これについてもう少し続けます。

■写真 わが愛犬タロー。まだ幼かった頃。わがワンコながらなんという可愛らしさ。性格もいい。ただ惜しむらくはややノータリン。

                  ~~~~~~~~~~~

■2012年11月30日NHKニュース

中国が領有権を主張している沖縄県の尖閣諸島について、アメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲内であることを明記した条項を、現在、審議中の国防権限法案に盛り込むことを決めました。
これは、アメリカ議会上院の本会議で29日に全会一致で可決されたものです。
追加されることになった条項では、東シナ海はアジア太平洋地域の各国共通の利益に関わる海域で、アメリカは領有権に関して特定の立場をとらないが、尖閣諸島は日本の施政下にあり、第三国の一方的な行為によって、この認識が変わることはないとしています。
そのうえで、日本の施政権が及ぶ地域に対して、アメリカは日米安全保障条約の第5条に基づいて、防衛義務を有することを確認すると明記しています。
これはオバマ政権の立場を基本的に追認したもので、国防予算の大枠を定める国防権限法案に追加条項として盛り込まれたことで、厳しい対立を続けるオバマ政権と議会が、この問題では足並みをそろえることになります。

■日米安全保障条約(主要規定の解釈) 外務省HP

第5条は、米国の対日防衛義務を定めており、安保条約の中核的な規定である。
 この条文は、日米両国が、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対し、「共通の危険に対処するよう行動する」としており、我が国の施政の下にある領域内にある米軍に対する攻撃を含め、我が国の施政の下にある領域に対する武力攻撃が発生した場合には、両国が共同して日本防衛に当たる旨規定している。
 第5条後段の国連安全保障理事会との関係を定めた規定は、国連憲章上、加盟国による自衛権の行使は、同理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの暫定的な性格のものであり、自衛権の行使に当たって加盟国がとった措置は、直ちに同理事会に報告しなければならないこと(憲章第51条)を念頭に置いたものである。

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鮨と晩餐会の裏での攻防事情

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どうも諸情報を総合すると、米首脳会議の裏でTPP交渉の息詰まる押し合いがあったようですね。

23日夜、鮨をつまみながら、オバマは米国の落し所をかなり細かい数字を出して安倍に言ったようです。

そうか、あのにこやかに見えた夕飯の席上で、そんな仕事をオバマはしていたというわけです。

一方安倍は、それをただちに「この線で交渉しろ」と甘利担当相に命じます。おそらく下のような漏れ伝わる数字に近いものが示されたと思われます。(※この数字は新聞情報を総合したものですが、未確認です。念のため)

・牛肉  ・・・関税は現行38.5%を豪並か、ギリギリ譲っても10%以上。
・豚肉  ・・・現行4.3%をやや下げるが、安い豚肉にかけられている差額関税は維持。
・乳製品・・・現行脱脂粉乳218%、バター360%は維持。ただし低関税輸入枠を増やす。
・コメ  ・・・死守。せいぜいが低関税枠の増加。
・麦  ・・・現行小麦252%、大麦256%は死守。ただし米国からの無関税枠は増やす。
・砂糖 ・・・現行砂糖328%、サトウキビ583%を死守。

ここで再び甘利-フロマン交渉が再開しますが、不調。

この報告を受けたオバマは、なんと翌日の宮中晩餐会の席で、安倍に近づき、「今夜中に結論を出させよう。コーヒーがいるかもな」とささやき、再びの甘利-フロマン会議。

フロマンはほんとうにスタバのコーヒーを持って現れたそうです。甘利さん、生涯で一番うまくないコーヒーだったことでしょう(笑)。

またもや徹夜の甘利-フロマン交渉があるわけですが、ところがフロマンはどのような指示をオバマから受けているのかわかりませんが、まったく頑として譲らない。

フロマンは、「このていどの譲歩しかでないなら、日米共同声明は出ないな」と、共同声明をカタに居丈高に攻めて来たようです。

フロマンは焦点を、豚肉の基準価格と自動車の安全規格に絞ったようです。

日本の自動車市場は開かれている」と主張する甘利に対して、フロマンは「米車が売れないのはお前らのこの規格のせいだ」とも言ったそうです。

おそらく甘利も、米国の自動車と自動車部品の関税撤廃くらいは言ったと思われます。もしそれすら言わないなら、単なる「本土決戦」でしかありません。

最後にはフロマンは今まで基本合意した別の事項まで蒸し返して暴れたそうです。とうぜのこととしてまたまた決裂。

日本側の公式発表では「大筋合意の道筋が見えた」とのことですが、それは何がデッドロックなのかはっきりしたていどのことです。

日本側から見れば、最大のデッドロックはフロマン自身でしょうに。

まぁこれで、なんとかまとめたいという日本側と、まったく一歩も譲れない米国という図式がはっきりしました。

自動車の安全基準などは、菅官房長官が言うように譲りようがないので、もうひとつの豚肉の基準価格を廃止すれば、かなり歩み寄れるでしょうが、ほんとうにこれでいいのかということを国民が議論せねばおかしいのです。

ところが、TPPは今までなんどとなく指摘してきているように、外交交渉のためにブラックボックスです。

今出ている「情報」も、甘利担当相がいっさいの取材を拒んでいるために、TPPを進めたい経済産業省と止めたい農水省が流すリーク情報を、賛成反対の立場で憶測する様相を呈しています。

そのうちUSTRの広報誌インサイドUSトレードが都合いい情報を流すことでしょうから、もはや藪の中です。

いずれにせよ、二国間交渉が妥結して初めて国会批准の段取りとなって国民に内容が分かるようなことに、国と国民の生活を託していいものでしょうか。

そう考えると、フロマンの頑迷さに感謝せねばならないのかもしれません(苦笑)。

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豚の差額関税制度は国内畜産を守っていない

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今回の日米交渉でひときわ目立ったのが豚肉です。宮中晩餐会で羊肉が供されたので、これもTPPへの配慮か、などと言われてましたね。わけないでしょう(苦笑)。

あのフロマンは、今回のマラソン交渉でもしつこくこの豚肉差額関税を叩いたそうです。さすが、敵ながら着眼点はいいですね。こちらの矛盾点を狙っています。

輸入豚肉は「差額関税」制度を農水省は1971年から作っています。

これをマスコミが「安い豚肉に対しての制度」という実にイイカゲンな解説をしていますが、違います。どうしてあの人達はこうも不勉強なんだろう。

たぶん農水省の説明を鵜呑みにしたんでしょうかね。

この豚肉差額関税制度は、まず「基準輸入価格」というものを農水省が設定します。

仮に546円/㎏(2012年現在)だとすれば、それより安い輸入豚肉はこの差額を関税として徴収する仕組みです。

一方基準輸入価格より高い輸入豚肉は一律4.3%の関税をかける仕組みです。

この差額を関税で徴収するというやり方なんですが、裏があります。

豚肉には価格が高いヒレやロースなどの部位と、ももや肩肉などの安い部位がありますが、安いモモなどはハムやソーセージにするために食品会社が輸入しています。

食品会社は安い加工用肉をそのまま輸入してしまえば、差額関税をがっぽりかけられまてしまいますから、なんとか基準価格まで持ち上げて関税を減らそうとして高い部位であるヒレ、ロース肉も一緒に輸入しています

この方法をコンビネーション(組み合わせ)輸入と呼び、どの食品会社もやっている方法です。

すると、どうなるのでしょう?このコンビネーション輸入で一緒にセットで買いこんだ高い部位のヒレやロース肉は、ハムにするのはもったいないので、一般市場に流します。

しかも往々にして、元値が安いので食品会社はダンピングまがいのことをしています。

これが一般のスーパーに並ぶ安い米国産などの豚肉の出所です。これてはかえって国産豚肉の競合相手を量産しているようなものじゃないですか。

なんの国内豚肉の保護にもなっていないことがお分かりになると思います。まったく馬鹿な制度を作ったものです。

長くなりますから、またの機会にしますが、バターの高関税も農水省傘下の特殊法人である「農業産業振興機構」がバター輸入を独占していることから発生しています。

といってもこの振興機構が実際に輸入業務をしているわけてはありません。するのはあくまでも一般輸入業者です。

輸入業者は、2次関税を払った上に、いったん機構に輸入バターを伝票上買い上げてもらい、農水省の定めた806円/㎏の輸入差益を支払わねばなりません。

機構はこのトンネル差益だけで年間11億ももうけています。この一部が補助金として畜産農家に行くのですが、その権限は農水省の天下り省益です。

日本の農産品高関税には必ずといってよいほど、農水省の利権がからまっています。私たち農家にはなんの関係もないことです。

日本の農産物はその高品質と新鮮さで支持されています。関税などによって守られてはいません。

数少ない高関税は、必要があってそうしていることに、農水省が自分の省益を乗せているにすぎません。

私はこのような複雑な仕組みを止めて、従価課税のスッキリした関税方式にしないと、相手国に攻撃材料を与えることなると思っています。

甘利さん、次回の閣僚級交渉では、フロマンに「豚肉差額関税はやめた。全部従価課税だ。文句あっか」と言ってやりなさい。

※お断り 安保第5条について初めにアップしましたか、いいかげんなマスコミ報道が続いているようなので、急遽、豚肉関税と差し替えました。第5条は今週末にアップする予定です。

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週末写真館 土浦まちかど蔵 

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どうにか押し返した日米首脳会談

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最悪の場合は腹を括らねばという思いで正午の日米首脳会談の会見中継をにらんでいた農業者は多かったのではないでしょうか。私もそのひとりでした。

NHK6時のニュースによれば、フロマンUSTR代表は閣僚級会議で、「そんな程度の妥協しかできないのなら、共同声明は出せないな」とまで言ったそうです。

やれやれ、毎度のことながらこの人ときたら・・・。

私は最悪の場合、日本側は「大きな視点に立って」という政治的な妥協が図られる可能性が高いと見ていました。その意味で安倍首相と甘利大臣は、よく踏ん張ったと評価します。

甘利さんも体調不良のところをフラフラになりながら、このマラソン交渉を乗り切ったのだと思います。夕方の顔色など黒ずんでいました。少しお休みください。

一方、オバマ大統領にとっては、日本で天皇から首相までの蕩けるような「おもてなし」をしてもらい、リニアのライセンス料無料のお土産までもらって、日本に実を取られたという気分でしょう。

Imp14042422490003p1     (写真 宮中晩餐会で日本の最強外交兵器の「攻撃」を受けるオバマ大統領 産経より)

今回、首脳会談の裏で戦われていた甘利-フロマン交渉において、最終的には日米交渉の焦点は日本側が死守したい農業5品目関税と、米国の自動車安全基準の2点に絞り込まれていたと思われます。

日本が出したオファーはたぶんこのようなものだったと思われます。

牛肉  ・・・関税は現行38.5%を豪並か、ギリギリ譲っても10%以上。
・豚肉  ・・・現行4.3%をやや下げるが、安い豚肉にかけられている差額関税は維持。
・乳製品・・・現行脱脂粉乳218%、バター360%は維持。ただし低関税輸入枠を増やす。
・コメ  ・・・死守。せいぜいが低関税枠の増加。
・麦  ・・・現行小麦252%、大麦256%は死守。ただし米国からの無関税枠は増やす。
・砂糖 ・・・現行砂糖328%、サトウキビ583%を死守。

おそらく、日本側はフロマンの「すべてノー」に屈したら、4月増税も加わって政権が潰れるという危機感を持っていたはずです。

たとえば焦点になったはずの牛肉では、20年ていどの最大幅の猶予期間を設けた上で、輸入量が増加した場合の安全装置であるセーフガードをつけて、少しでもオージー水準前後で妥結したかったと思われます。

ちなみにオージーとのEPA妥結内容は
・牛肉関税・・冷凍品35%から18年かけて19.5%に引き下げ
・      ・・冷蔵品15年かけて23.5%に引き下げ
・過去5年間の輸入量水準を超えた時に38.5%に戻すセーフガード

一方、米国側は、これ以上交渉が停滞するなら日本市場でオージービーフに先行されてしまうという危機感と、秋の中間選挙を前に安易な妥協もできないというアンビバレンツな立場を、日本側に読まれたという焦りがあったのは確かでしょう。

またもうひとつの焦点になっている自動車ですが、菅官房長官の会見では日本側は安全基準を楯に取っているようです。

自動車問題は、つまるところ米車が右ハンドル仕様を改めないために起きています。

欧州も含めて今や右ハンドル一色になっている国際環境を無視して、一部の郵便車を除いて左ハンドルしか作らないという米国の唯我独尊ぶりが祟っています。

失礼ながら、今や左ハンドルが好きな日本人は、所ジョージくらいなもんです(笑)。

一部のアメ車マニアしか喜ばない車しか作れなくて、非関税障壁もないもんです。

あとは左側通行用になっているヘッドライトの変更や、バックミラーの曲率(アメリカは望遠レンズ)、キーレスエントリーの周波数の変更を行なえばいいだけです。

もし日本側が譲るとすれば、登録時の排ガス再テストでしょうか。現行だと高い料金が必要なので、これの簡素化はあり得るかもしれません。譲ってもそのていどです。

日本車が米国市場でどれだけの血と汗の苦労をしたかに較べれば、バカみたい簡単なことばかりです。もうそれだけの力がデトロイトに残っていないということなのでしょうか。

そんなに日本に売りたければ、日本国内に工場作りなさいと言いたいですね。

というかお願い、世界でも最も目の肥えた日本の消費者に買いたい車作って。

というわけで、オバマは宮中晩餐会に見送られて複雑な心境で、パククネが待つ韓国に今日発ちます。

というわけで、わが国は、辛勝しました。

         ~~~~~~~~~~~~~~

日米、大筋合意至らず=TPP2国間協議
時事通信 4月25日(金)7時57分配信

 甘利明TPP担当相は25日朝、東京都内で記者会見し、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日米2国間協議の現状について「進捗(しんちょく)はあるが、大筋合意というわけでない」と述べた。

日米、声明保留し神経戦=TPP大筋合意へ難航 
時事通信 4月24日(木)21時36分配信 

 環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日米の2国間協議は難航し、安倍晋三首相とオバマ米大統領による首脳会談後も共同声明を発表できない異例の展開となった。日本の政府・与党内には、TPPで米国が納得する成果がなければ声明の発表凍結もあり得るとの警戒感さえ浮上。双方は大筋合意に向けて神経戦を続け、日本側関係者からは「共同声明を人質に取られた」との声も上がった。

 両首脳は会談後の共同記者会見で、中国へのけん制を念頭に、TPP交渉の妥結がアジア太平洋地域に占める「戦略的な重要性」を強調した。安倍首相はそれを踏まえて「大きな観点から判断していきたい」と述べ、米国との2国間協議を重視する考えを示した。

 ただ、同時に「国会決議をしっかりと受け止め、国益にかなう最善の道を求めていく」とも指摘。コメや牛肉・豚肉など農産物重要5項目の関税維持は容易に譲らない姿勢もにじませた。これに対しオバマ大統領は「日本は農産品、自動車分野で市場の開放度が制限されている。今こそ解決すべきだ」と、日本の歩み寄りを強く促した。

 交渉の早期妥結を目指す点で、日米は一致する。ただ、個別の内容に踏み込むと、安易な妥協が許されない国内事情を共に抱え、柔軟な構えで交渉に臨むのは難しい。首脳会談や閣僚による再協議でも着地点に達することができず、交渉の出口を探る折衝が行われた。 

【TPP】米国仕様車の認証要求 ブレーキなどの安全・環境基準 日本慎重、障害に

産経4月18日

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の日米協議で、米国産自動車の日本輸出に関し米国内で使っているメーターや制御性能などの仕様を日本でも認めるよう米側が要求していることが17日、分かった。24日の日米首脳会談で目指す日米協議の大筋合意に向けた障害となりつつあり、豚肉や牛肉の関税とともに閣僚交渉で対立している。

 米側は、日本の自動車に関する安全基準や環境基準を「参入障壁」とし、規制緩和を要求。米国内で生産した自動車で使っている安全基準に関わる数値や名称を、日本でも認めるよう主張している。ブレーキなど自動車の制御に関する基準も認証するよう求めていて、基準変更に慎重な日本と対立している。

 米側は、国内仕様の安全基準を日本に認めさせることで、輸出に際して日本の安全基準に合わせる手間や改造コストを圧縮できるため、より安い価格での販売が可能になる。

 一方、政府は交通事故防止のために設けた国内の安全基準を緩和した結果、事故が増える事態を懸念し、反対姿勢をとっている。

 政府関係者は「農産品関税よりも妥協点を見いだすことが難しく、最後まで協議は難航する」と指摘。自民党の石破茂幹事長は17日のBS朝日の番組収録で、日米協議について「まとまらなければいけないが、国益を損ねて重要産業を壊滅させてまでまとめる意味はない」と強調した。

オバマ大統領、「尖閣の安保適用を明言」 
CNN4月24日

東京(CNN) 日本と中国が領有権を主張している尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡り、読売新聞は23日、オバマ米大統領が同紙の書面インタビューで、尖閣諸島は「日米安全保障条約第5条の適用範囲内にある」と明言したと伝えた。

オバマ大統領は読売新聞が提出した中国が領有権を主張する尖閣諸島についての質問に答え、「我々は、これらの島々の日本の施政を阻害するいかなる一方的な試みにも反対する」と述べた。

尖閣諸島を巡っては、クリントン前国務長官から2010年と13年の日米外相会談で同様の発言があったものの、現職の米大統領が日米安全保障条約の適用を明言したのは初めて。同領土を巡る衝突が起きれば米国が軍事介入する姿勢を示唆した発言といえる。

オバマ大統領はまた、中国と「直接かつ率直に取り組んでいく」との方針を示した。さらに「紛争は脅しや威圧ではなく、対話と外交で解決する必要がある」と強調した。
これに対して中国外務省の秦剛報道局長は、「米国は真実を尊重し、一方の側に立つことなく、言動に注意を払い、平和と安定を保たなければならない」と強調した。

日本政府が12年に尖閣諸島を国有化したことをきっかけに中国では激しい反日運動が起き、両国間の緊張は一気に高まった。中国の船舶や航空機が尖閣諸島への接近を繰り返し、日本が戦闘機を緊急発進させる事態も起きている。米国は同諸島の領有権に関して中立の立場を維持する。
一方、米マサチューセッツ工科大学の国際関係学者、テイラー・フラベル博士は、尖閣諸島に対する米国の政策に変化はなく、それを伝える人物が新しくなったにすぎないと指摘している。

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バイエタという名の狂気その3 米国穀物はGMが常識

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昨日一回アップして、「オバマ歓迎記事」に差しか替えたものを再登板します。

米国農業はバイエタという狂気に冒されて、いっそうおかしくなっていきました。ただこの患者は至って自分が健康だとうぬ惚れているから困ったものです。

米国農業を見ていると、素朴な疑問が湧いてきます。

なぜ、あんなに穀物の輸出にシャカリキになっているんだろう?
なぜ、遺伝子組み替え(GM)が病的に好きなんだろう?

その理由はあんがい簡単です。問題がつながっているように、答えもつながっています。

まず、穀物は栽培に手がかからず大面積ができるので完全機械化・自動化が可能です。

米国農業は、日本農業のようにチマチマと多品種栽培をしません。単一の品種をドバッと作ります。

映画「フィールドオブドリームス」で見たような地平線の向こうまで延びるトウモロコシ畑、果てしなく延びるイチゴ畑、東京ドームなん十個分のブロッコリー畑・・・。

かつて、米国の農民と話をしたことがありましたが、その老農夫は冗談のようにこう言っていました。

「わしはヨイヨイになっても電話一本かけられたら農業を続けられるんだ。ふひゃふひゃ」

電話一本で飛行機屋に種をどこそこに撒け、農薬をいつに撒けと命じればオーケーなのです。

そして収穫はメキシコ人が巨大コンバインで刈り入れすればお終いです。農業というより、一種の工業ですね。

人の手はまったく触れません。だからこそ大規模化が可能だったわけですが、、それだけに農薬代の重圧が経営を苦しめていました。

トウモロコシの茎の中にいるアワノメイガなどの害虫を駆除する農薬散布に、その都度ベラボーな金がかかっていました。

それを解消したのが、害虫が茎を食べると死んでしまうという「夢の」種子、遺伝組み換え(GM)です。

もはやGMなくしては米国農業は成立しないのです。米国の穀物生産はGMにほぼ制圧されました。

しかしこのGMの安全性は未だ保証されていません。ヨーロッパでは多くのGM種子が禁止されています。わが国も認めていません。

健康被害に対しての疑惑が払拭されていないかです。

さて、NHKスペシャル「世界同時食料危機」(08年10月17日)で、米国穀物協会幹部のぶったまげる発言がありました。

この幹部はこうサラリと言ってのけたのです。「小麦は我々が直接食べるので遺伝子組み換え(GM)にはしない。大豆やトウモロコシは家畜の餌だからかまわないのだ。」

小麦は自分が直接食べるからGMを使わないが、大豆、トウモロコシは家畜だからいいだって! そうか、それで分かりました。

私より上の世代は、給食でトウモロコシパンを食べさせられたとボヤいていましたっけ。

めちゃマズイかったとか。ついでに、私も飲んだ脱脂粉乳は、コロ(子豚)のエサです。

ありがたくも米国が戦争で作りすぎた家畜のエサを、「ニッポンの坊やたち、おなかが減ったろう。さぁ、ブタの餌をお上がり」と優しく恵んでくれたわけてす(苦笑)。

いや、違った。有償でした。

ひがむわけではないんですが、同時期のドイツには小麦を供与しています。

私たち日本人はいうまでもなく大豆はありとあらゆる方法で食べる伝統的穀物です。味噌、醤油などがない日本の食卓など考えられません。

しかし、この米国穀物協会幹部は、ニンゲンが直接食べたら危ないから米国では使わないとチャラッと言ってのけたのです。

わが国は米国農務省(USDA)も認めるように、日本人こそ世界最大の1人当たりのGM摂取量が多い国民なのです。

わが国の穀物はどこから来ているのでしょうか。
・大豆     ・・・90%が米国
・トウモロコシ・・・90%が米国
・小麦    ・・・60%が米国

うちGMの占める割合(モンサント・ジャパンHPによる)
・穀物・油糧穀物輸入量合計・・・約3100万トン
・うちGM作物の輸入量   ・・・約1700万トン
GN比率            ・・・54.8%

GM輸入量の1700万トンという数字は、わが国のコメ生産量が約850万トンですから、実に2倍に相当します。

これが米国穀物協会幹部に言わせれば、ヒトの食用には適さないと言っていることになります。

この幹部の言うとおり、米国ではほぼ全量に近いGMシェアを持つトウモロコシ、大豆に対して、小麦のGM品種は認可されていません

しかしどっこい、実はモンサント社は秘かにGM小麦を作っていたのが2013年にオレゴン州で見つかっていますから、ズルイ米国政府vsもっとずるいモンサントということになります。(バカめ)

それにしても米国のなんという二重基準、二枚舌!

このような米国人が絶対食べないGM穀物を食べさせられている日本人は、これを拒否できるかといえば不可能です。

理由は簡単。代替がないからです。わが国の小麦自給率は11%、大豆に至っては6%です。

その理由は日本人が安いものしか買わなくなったために、生産が壊滅したのです。

一方EUは頑としてGM作物を承認していません

2014年まで承認凍結しただけではなく、EU域内のオーストリア、ブルガリア、フランス、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、ルクセンブルク、ポーランドの6カ国はGM作物を制限どころか禁止作物にすらしています。

EUが承認したモンサントのGMトウモロコシ品種「MON810」は、2014年まで承認凍結となり、更新の可能性はないと言われています。

他にも、EUは米国からWTO提訴されて敗訴しながらも、いまなお成長ホルモンを使った米国とカナダの牛肉の輸入を認めていません。

このような断固たる食の安全に対する姿勢をEUが貫けるのは、EUで牛肉95%という高い自給率が背後にあるからです。

ただ安いだけで自国の農業自給をすり潰してしまったわが国は、米国から「ヒトが食べないようなもの」を押しつけられても、唯々諾々と沈黙するしかないのです。

そしていま薄皮一枚で防衛しているこの安全基準やGM表示義務すら、TPPで無防備になろうとしています。

食の根幹部分は多少コストがかかろうと自立防衛できる基盤がなければなりません

それがなくなると一挙に他国に蹂躙されてしまいます。安全補償はただ高い安いというデフレ的基準で計れるものではないのです。

※参考文献 「食の戦争」鈴木宣弘

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オバマ来日 安倍首相、愛国者なら日和るな!

040
オバマ大統領が明日来日します。正直、なんだかなぁという感じです。なにしにくるんでしょうかね。

オバマは日米友好一般で来るのではありません。それは彼がミシェル・オバマ夫人を同行しなかったことからも分かります。

国賓待遇の大統領に夫人が同行した場合、外務当局は「夫人用プログラム」を作って、やれ古都散歩だとか、お茶のお点前などというものを用意します。ブッシュ・シニアが来た時がそうでした。

そのために訪日プログラム全体がスイートになってしまいます。

もし日本の友好関係を取り付けるのが目的ならば、オバマは中国でやったような夫人と娘を1週間でも「人質」に差し出すことを厭わない男です。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-6fdb.html

夫人と娘を同行しないということはオバマの訪日目的が極めて事務的ということを物語っています。

目的は間違いなくひとつ。膠着しているTPP交渉の突破口を、日本でこじ開けることです。

そのためにオバマは、今フロマンUSTR代表に粘れるだけ粘らせて一杯にまで上げている交渉ハードルを、首脳会談でちょっとだけ「譲って」みせて、首脳間の「高度な政治的判断」で妥結に持ち込む考えです。

残念ながら、今の流れでは、安倍首相はこれに抗すことが出来るか、極めて微妙な状況です。

安倍首相は先日こう述べています。

「日本と米国という大きな経済が、そして自由と民主主義、市場主義経済の価値を理解している2つの国がリードして新しいルールを作ることに大きな意味がある。もっと大きな視点でTPPをみる必要がある」(ロイター4月17日 欄外参照)

なんですか?この「(数字にこだわらない)もっと大きな観点とは」?

政治家がこういう政治的言い回しを使い始めると、「政治的判断」で妥協される可能性があります。極めて危険な徴候です。

政治家は、TPPについて明確な具体論を示すべきです。国民にとって、なにがTPPをやれば得か、損かを明示すべきなのです。

それを今更、交渉のどん詰まりに来て、「大きな視点で」などという言い方で逃げないでほしい。

巷間伝えられるように、牛肉関税をオーストラリアを凌ぐ10%以下で妥協する可能性かありえます。これを堤の一穴にされたらたまったものではありません。

さて、読売新聞によれば、オバマは「尖閣は安保第5条の適用範囲」という発言をしたようですが、第5条には「相互の国の憲法の制限内で」という注釈つき文言が付帯しており、これによれば大統領が戦争権限を行使したとしても、60日以内の議会の承認が必要です。(欄外参照)

今の内向きの米国が、中国と軍事的に事を構えるという可能性は、ウクライナを見れば分るように、限りなくゼロと言っていいでしょう。

また東ウクライナ情勢が爆発し、NATO軍とロシア軍との軍事衝突といった事態になった場合、米国には東アジアで軍事力を行使する力量はありません。

つまり、「第5条の範囲内」と大統領か言ったことは意義あるものの、残念ですがリップサービスにすぎません。

たちは、オバマと安倍が、銀座でなにを喰ったのかではなく、TPPの安易な妥結を警戒する必要があります。

何度も書いてきていますが、米国はTPP交渉において何ひとつ身銭を切っていません。

彼らの言う「妥協」とは、自分たちの法外な要求を少し負けてやった、ありがたく思え、というふざけたものだからです。

※お断り  当初、シリーズ3回をアップしましたが、オバマ訪日とTPP問題が長くなりすぎたために、明日に回しました。

■写真 ちょっと前が盛りでした。蝋梅(ロウバイ)。まさに香水のようなかぐわしい香がします。

■[東京 17日 ロイター] -安倍晋三首相は17日に都内で講演し、交渉が佳境を迎えた米国との環太平洋経済連携協定(TPP)妥結に意欲を示した。緊張関係が続く中国については、「力による現状変更にチャレンジしている」と強くけん制。23日から訪日する米オバマ大統領と日米同盟の重要性について確認する考えを示した。

その上で、来週のオバマ大統領との会談で「アジア太平洋地域の平和と繁栄、安定に貢献する日米同盟ということを2人で強調したい」と述べた。

このほか安倍首相は法人税について、日本企業が世界で競争していることや、外国企業が対日直接投資をする際の判断要素になっていることなどを念頭に、「改革に取り組まないといけない」と語った。

関係改善の兆しが見えない中国については、経済的な結びつきの強さに言及する一方、ウクライナ問題を引き合いに出し、「東シナ海、南シナ海で力を背景とする現状変更にチャレンジしている」と発言。「中国が責任ある国家として平和的な台頭をしていくよう、多くの国々で促していく必要がある」と語った。

その上で、来週のオバマ大統領との会談で「アジア太平洋地域の平和と繁栄、安定に貢献する日米同盟ということを2人で強調したい」と述べた。

■ロイター4月17日 安倍首相TPPについて、「日本と米国という大きな経済が、そして自由と民主主義、市場主義経済の価値を理解している2つの国がリードして新しいルールを作ることに大きな意味がある」と指摘。

オバマ大統領の訪日を来週に控え、ワシントンで甘利明経済再生・経済財政政策担当相とフロマン米通商代表部(USTR)代表が大詰めの協議をしていることに触れ、「数字にこだわることも重要だが、もっと大きな意味があるという高い観点から、最終的に良い結果を得て妥結を目指していきたい」と語った。

■米大統領「尖閣に安保適用」…書面インタビュー
読売新聞2014年 04月23日

【ワシントン=井上陽子】米国のバラク・オバマ大統領は21日(日本時間22日)、国賓として23日から訪日するのを前に読売新聞の単独書面インタビューに応じた。
 オバマ氏は、中国が挑発行為を続ける沖縄県の尖閣諸島について「日米安全保障条約第5条の適用範囲内にある」と述べ、歴代大統領として初めて安保条約の適用を明言した。集団的自衛権の行使容認に向けた安倍内閣の取り組みを全面支持する考えも表明した。
 集団的自衛権の行使容認について、米大統領が支持を表明したのは初めて。
 オバマ氏は回答で、「国際的な安全保障に対するより大きな役割を果たしたいという日本の意欲を、我々は熱烈に歓迎している」と述べ、「安倍首相を称賛する」と語った。「国連平和維持活動(PKO)も、日本の参加拡大により恩恵を受けるだろう」とも指摘し、首相の唱える「積極的平和主義」に期待感を示した。「私の指揮の下、米国は(アジア太平洋で)日本のような同盟国と緊密に連携し、再び主導的な役割を果たしている」と述べ、アジア重視の「リバランス(再均衡)」政策を自らの主導で進めていると強調した。

■日米安全保障条約 第五条 
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。  前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。 」

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バイエタという名の狂気 その2 飢えと格差を拡げるバイエタ

014

近親者が重体になったために、広島まで付き添いに行っておりました。

90歳にもなる独居の年配者のために、病院にもご迷惑をおかけしました。

さすが、全国指折りの医療先進県・広島。病院での治療だけではなく、予後の地域ケアなど万全の手配りを頂き、感謝に耐えません。

私は、さすがくたびれましたね(笑)。

急遽、今までアップが遅れていた記事をかき集めて自動アップをかけざるを得なかったのですが、いやー、校正ができなかったので、ミスタイプの山。広島から見ていて、冷や汗かいてました。

さて気を取り直して、バイエタ生産の急増はなにを米国農業にもたらしたでしょうか?

まず、影響はトウモロコシの輸出に現れました。06年にはバイエタ生産と輸出量が並び、翌07年にはバイエタが追い越しています。

そして今や貿易量をはるかに上回り、トウモロコシ生産全体の約3割までもを占めるまでになっています。
(下図参照 柴田明夫「水戦争」)Photo

食糧生産には倫理が問われる場合があります。

サトウキビの搾りかすや木材チップといった人類の食糧と競合しない資材をバイエタ化するなら許せます。

事実、わが国ではこのような産業廃棄物や食糧残滓を使ったバイエタが実用段階に達しています。これがバイエタの王道ではないでしょうか。

しかしそのまま食べられる、あるいは家畜の飼料となる貴重な食糧を全体の3割も燃料として燃やしてしまってどうする、と思います。

私はこの穀物によるバイエタ生産は、エコに名を借りた犯罪行為だと考えています。

本来人の口に入るべき穀物が燃料となるために、慢性的食糧危機にある発展途上国では穀物高騰が起きています。

1912年8月には、国連食糧農業機関(FAO)のダシルバ事務局長は、「(米政府が)対応を誤れば、(世界的な)食糧危機を招きかねない」と警告を発しました。

ダシルバ事務局長によれば、FAOは米政府に対して穀物価格の高騰を押えるためにガソリンのバイエタ使用量を義務づけている再生可能燃料基準(RFS)の適用を一時停止するように求めています。

米国の穀物生産者は広大な畑を、トウモロコシ、小麦、大豆などの作物を相場をにらみながら選択して生産しているために、バイエタの価格が再生可能燃料基準で高くなって転作する者が増えた結果、他の品目の生産が減り、価格がこちらもつり上がりました。

つまり、バイエタによりこんな穀物相場の玉突き現象が起きたのです。

・バイエタ生産のためにトウモロコシに偏った生産シフトが起きた
・他の穀物の作付けが減少し、国際市場価格全体をを吊り上げた
発展途上国の穀物相場を押し上げ、穀物の分配の不均等を招いた
発展途上国で飢えと格差が開いた
・先進諸国においても、トウモロコシを飼料とする畜産業界の飼料価格高騰を招き、食品価格を押し上げた

12年7月には上院において超党派でバイエタ使用基準の停止を求める書簡を米環境保護局(EPA)に送りました。

しかし現状では、EPAは「農務省と協働で状況を注視する」と慎重姿勢にとどまっており、農務省サイドも「再生可能エネルギー投資に打撃になる」として同じく使用基準の見直しには腰が引けているようです。

このように地球温暖化人為説は提唱者の思わぬところで、人類全体の食に暗い影を落としているのです。

■写真 土浦の老舗佃煮屋さん。霞ヶ浦の回りは佃煮屋がいっぱいあります。こんなレトロな建物が楽しい街です。

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バイエタという名の狂気その1 オバマの妄想

056

バラク・オバマは第1期就任演説で、大統領選で現実にある2ツの危機とひとつの妄想訴えました。 

2つの現実とは、米国の財政危機と、破綻寸前のぼろ船に例えられている医療保険制度です。 

そして私が「ひとつの妄想」と呼ぶのは、他ならぬ地球温暖化対策でした。

80年代以降、IPCCの科学者とそのロビイストたちは、地球温暖化によるハルマゲドンのシナリオを持って議会を飛び回りました。

「14mの水面上昇が来て南太平洋の島々は沈んでしまいますよ」「北極の氷が溶けてシロクマは絶滅寸前です」「カトリーナみたいなハリケーンが毎年来て海岸沿いには住めなくなります」「毎年気候変動による飢饉が来ますよ」、エトセトラ、エトセトラ・・・。 

はっきり言って妄想の類です。

この妄想がIPCCから「9割の確率」で、「世界中の一流の科学者2000名の叡知を集めた」と言われ、米国元副大統領のイケメンに「科学の出番は終わった。これからは政治の出番だ」とまで言われたらこりゃ説得力あったわけです。

この法螺でゴアはIPCCとノーベル平和賞を共同受賞し、オバマもなにもしないでノーベル平和賞もらってました。

閑話休題。

その上、第1期の目玉政策をオバマは、本来先行してやるべき政治課題を医療保険制度ではなく、グリーンニューディールこと包括的エネルギー・温暖化法(2008年11月)に置いてしまいました。

保険業界や医薬品業界の頑強な反対に合うのが予想される(実際2期目にオバマは政府機関の一時停止事態を引き起こしていますが)医療保険制度改革ではなく、パッと華やかで新鮮味のあるエコ政策で実績を上げたかったのでしょう。

オバマは09年1月、政府施設から先行して省エネを実施し、原発を増設する一方で、風力や太陽光、バイエタなどの再生可能エネルギー(再エネ)を倍増させて、約50万人の雇用を増大すると表明しました。 

また7870億ドル(約72兆円)にのぼる米国史上最大の景気対策のうちから、年間150億ドル(約1兆4000億)円を投資すると宣言しました。

オバマの目論見では、経済と環境の同時解決という画期的な政策になったはずでした。

こんな税金の使い方をしなかったら、第2期オバマ政権の致命傷になった医療保険制度などずっと前に出来上がっていただろうと言われています。

結局、再エネは景気の回復にも雇用の増大にもつながらず、グリーンニューディールは2期目以前にシェーガス革命に救われるようにして秘かにフェードアウトしていきます。

しかし、フェードしないものがありました。それがバイエタです。

米国農業はバイオエタノール(バイエタ)政策という病に冒されています。 もはや狂気と呼んでもいいかもしれません。

ブュシュ政権は、自分がアンチ環境派だったにもかかわらず、2007年に始めたバイエタ政策により、バイエタ生産を当時の50億ガロンから一挙に7倍の350億ガロンに生産拡大する政策をとりました。

この目標に掲げた350億ガロンのバイエタを製造するためには実に122億ブッシェル(※)ものトウモロコシが必要となり、今の米国で生産されるトウモロコシ全量をバイエタに回してもまだ足りない馬鹿げた数字でした。

にもかかわらず、このバイエタ政策が単なる努力目標値や期待値ではなく、法的に再生可能燃料基準(RFS)として義務づけられたためにバイエタには多額の投資資金が流入し、今やトウモロコシを作ることは食糧生産ではなくバイエタ生産であるかのような倒錯した構図が生れてしまいました。

バイエタ政策を始めたのが、バリバリの環境派の対立候補であるアル・ゴアではなく、「環境派なんて、ファックだ」と言いかねない(実際似たことを言ってましたが)ブッシュ・ジュニアだったのは皮肉でした。

代々石油利権を後ろ楯にしてにしてのし上がったブッシュ・ジュニアですら、地球温暖化の既定路線からはずれられなかったのですから、その呪縛がいかに大きいかわかります。

バイエタは、作れば作っただけ再生可能燃料基準法で使用されるのが確実なために消滅するどころか、かえって増大していきました。

ゴアが種を蒔き、ブシュが地ならしし、オバマが育てたバイエタだったのです。バイエタは狂ったように穀物を食い散らしたのです。 

放っておいたら全米で生産されるトウモロコシは、皆燃やされて車のガスに消えていったことでしょう。 

しかも、これで二酸化炭素が現実になくなるわけではなく、単に穀物の生育期の二酸化炭素消費とゼロサムになるだけ、つまりは単なる数字合わせだというのですらから呆れたものです。 

バイエタが盛んなブラジルでは熱帯雨林を伐採して、「地球に優しい」バイエタ農産物を作っています。 

この歴代の米国大統領の愚行により、バイエタは米国農業にしっかりと食い込み、全世界の穀物市場が高値に貼りついた結果、多くの人々が飢え、数千万人が貧困に逆戻りしました。 

一握りの科学者が世界を巻き込んだ地球温暖化人為的二酸化炭素説は、このように人類に大きな傷跡を残して、そして今もなお人類を支配しています。

これが政策化された場合どんなことになるのか、米国をみると分かります。

次回に続けます。

※ブッシェル(bu)
ヤード・ポンド法の体積単位。かつて穀物を桶に入れて運送したためが由来。日本の米が俵(60㎏)で計算するのと一緒。慣習的単位なので、英米のブッシェルは異なる上に、穀物の種類によっても異なる。
トウモロコシの場合は 1ブッシェルは約14.52kg。

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週末写真館 桜満開

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脱原発に向う親エネルギー政策?

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4月11日に政府産業競争力会議が「エネルギー基本計画(2014年版)」を提出しました。
エネルギー基本計画 - 資源エネルギー庁 - 経済産業省

よく脱原発派のマスコミからは、原発をベースロード電源にしているからけしからんと批判されています。

マスコミはいつもながら不勉強で「ベースロード電源」の意味を、基幹的電源くらいに意訳しているのです。

「ベーロード電源」は、電気工学用語集によれば「1日の負荷曲線の中でベース部分を分担するもので、一定の電力供給を可能にし、優先して運転される電源のこと[です。

ですから、一定量を常に発電し続ける電源ならばなんでもいいわけで、実際この計画案では、石炭、地熱、水力も「ベースロード電源」に組み込まれています。

私が読んだ限りでは、「流行」を多少取り入れたくらいで、特に大きな変化はないのではないでしょうか。

再エネやスマートグリッドは、やはり書きたいでしょうね。私からみればそんなことよりやるべきことは山積していると思うのですが、まぁこれはトレンドというやつだと納得しましょう。

むしろ受け身で「原発推進」と取られたくないという暗い意気込みすら感じます。

たとえば、従来の計画と異なり、電源比率を明示しませんでした。これは原子力22%などと書くと、マスコミから袋叩きに合うのがイヤだったからでしょう。

また原発再稼働も一緒で、「規制委員会が安全と認めた場合」と丸投げです。なにかしらの方針を出すかと思ったのですが肩すかしでした。

肩すかしといえば、核燃料サイクルは注目していたのですが、「推進しつつ柔軟に」だそうで、なにを言いたいのかわかりません。(苦笑)

要は、世論の動向を見ながらやりますということでしょうね。

ところで私はこの計画を読んで、かねてからこれか最もリアルな脱原発の方法だと思われる段階的フェードが現実になったと実感しました。

今直ちにすべての原発をゼロにするというのは、かねてから繰り返し書いてきているように空論にすぎません。

代替エネルギーが、天然ガス、石炭しかない以上、そんなことをすれば、わが国のエネルギー・インフラはコスト上昇に耐えられません。

そのことは何度か書いたので置くとして、段階的フェードさせるためにはどうしたらいいのでしょうか。

まず、原発の寿命(稼働年数)を何年にするのかを、タイプごとに明確に定めておくことです。

民主党政権は、原子炉等規制法の改正で、原発の寿命を一律40年としましたが、それでいいのか、専門家がしっかりとした基準を明確化すべきです。

今のまま40年なら、2010年代から続々と廃炉になります。

20年代には半分になり、30年代には8基となるため電源比率で10%を切るはずです。

私の感想をいえば、ちょうどいいくらいですね。

また、原発の新規建設の基準も明確にせねばなりません。これは新しい原発を建てる場合を想定するのかしないのかです。

今や、新規の場所に建てるというのは難しいでしょう。現実にあるとすれば、新型のより安全な新型炉に切り換えることです。

いわゆるリプレイス(置換)です。これも認めないとすると、いつまでもGEマークⅠを使っていろということになります。

このように、意図したわけではないでしょうが、この計画は段階的フェードを目指しているようにも見えます。本心はわかりません。

決まっていないで先のばしがほんとうのところでしょうか。

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台湾太陽花運動

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4月10日に、24日間占拠を続けていた台湾学生が静に退去し、いちおう台湾の「太陽花学生運動」は収束をみました。

彼らは議事堂を掃き清めたのちに、待ち受けた多くの市民の温かい拍手に包まれて退去していきました。

「台湾の学生による立法院(国会)議場占拠は24日目の10日に学生が退去し、一応の収束を見せた。争議の発端となった「中台サービス貿易協定」の審議は大幅に遅れる可能性がある。」(毎日新聞4月10日)

この学生の議場占拠は、台中サービス貿易協定に反対するもので、世論調査でも国民の51%が賛成するなど、多くの国民の支持を集めました。(写真Wikipedia)Photo

その理由は台中サービス貿易協定の中味をみれば分かります。

台中サービス貿易協定は、金融、広告、印刷、レンタカー、「通信」、宅配、娯楽施設、スーツ施設、映画、韓国、旅行、内装工事、老人ホーム、卸売、小売、運輸、美容室、クリーニング、オンラインゲーム、果ては葬儀まで対象となった、おおよそ考えつくすべてのサービス分野全体が対象です。

そして台湾は全面的に中国にサービス市場を開放する、これが協定の内容です。

え、書き落していないかって思われました?「台湾と中国は市場を開放する」ではないかって。

あ、そうでしたね。確かに間違えていました。「台湾と中国福建省は市場を開放する」でした。(地図Wikipedia)

福建省の位置

赤く塗ってあるのか福建省、その東側の島が台湾です。

中国は台湾を「国」としては当然認めておらず、単なる「省」として考えています。ですから、本来は台湾と中国「全土」が対象となるべきなのに、省と省の相互開放という形に固執しています。

中国政府は一貫して、台湾を国とは認めておらず、いつか「解放」してやる気でいることがこれでわかります。

中国はそれでいいとしても、台湾政府はそれを認めてしまうということは、台湾がひとつの「省」でしかないことを認めたも同然になります。

これては台湾の馬英九総統は、自らをただの省長だと認めたも同然で、これでは早く中国に侵攻してくれと頼んでいるようなものです。

実際、この協定の中味を見るとまさにその通りてす。

たとえば、いちばん危険だと批判されているのが報通信分野の「開放」です。

この協定が発効すれば、台湾は中国にインターネットなどの分野を全面開放することになります。

中国のネット業界は共産党によって完全に情報統制されています。中国のテレビ手も外国放送は見れますが、政府に都合の悪い部分になると容赦なくバチっと真っ暗になるという分かりやすい統制をしてくれます。

インターネットは当局の監視下に置かれていて、フイルタリングで政府批判しようものなら摘発対象となります。

試しに中国の検索エンジンで、「天安門事件」と打ち込んでご覧なさい。なにも出ませんから。

象徴的事件でグーグル検閲事件があります。

グーグルは当初、 中国当局からの検閲を認めていましたが、グーグルへの検閲に止まらず、中国の人権活動家などメールアカウントまで侵入するなどのことが相次いだために、個人情報の保護という基本的ポリシーが遵守できないとして撤退に踏み切りました。

ですから、今中国国内で営業しているネット販売業者は、米国の法人であろうとこの中国の情報統制を容認しているわけです。

もしこの協定が結ばれたら、事実上台湾は中国政府の情報監視下に入ります。おそらくは、台湾の国家機密もだだ漏れとなると言われています。

一方、台湾はこの協定で何を勝ち得たのでしょうか。

台湾も福建省のみにネット業の支店を置くことは可能です。しかし、台湾側の出資は55%以下に制限され、数々の中国国内法の統制や検閲を受けることになります。

中国当局が、あっさりとネット環境を「開放」するはずがないのは、世界最大手のグーグルと同じです。ましてや台湾ごときの業者に、と中国政府は思っているはずです。

この中台サービス貿易協定はひとり台湾だけの問題ではなく、わが国か抱える問題にも重なる点が多くあります。

                 ~~~~~~~~~~~~

■台湾の学生側集会に首相、対話は決裂 立法院占拠
朝日新聞3月23日

台湾の立法院(国会)を学生らが占拠して5日目となった22日、江宜樺(チアンイーホア)行政院長(首相)が周辺で行われている集会を訪ねた。江氏は学生側が求めた中台サービス貿易協定の取り下げに応じず、対話は決裂。江氏は改めて記者会見し、学生に議場退去を求めた。

 学生側は対話の条件として協定取り下げなどを求めたが、江氏は「協定は台湾に有益」として拒否。このため、学生側は十数分ほどで話し合いを打ち切り、馬英九(マーインチウ)総統が直接話し合いに応じるよう求めた。占拠は違法との立場から江氏は議場には入らなかった。

 江氏は記者会見で、学生らの熱意を認めつつ、民意を代表する最高機関である立法院の占拠は許されないと強調。議場を占拠して要求受け入れを迫る学生らの手法を厳しく批判した。一方、立法院周辺には学生らを支援しようと連日数万人が集まっている。(台北=鵜飼啓

■太陽花學運・ひまわり学生運動
2013年6月21日、馬英九政府は突如、中国と「両岸(台湾、中国)サービス貿易協定」に調印したことを発表した。この協定はこれまで国民に全く説明されておらず、不透明なまま調印に至っている。また協定の中には台湾の社会経済に大きな衝撃を与えるだけではなく、国家の安全をも及ぼす内容が含まれている。

こうした不透明なまま調印されたこの協定に国民の疑問の声が高まる中、馬政府は、与党・国民党が立法院(国会)で過半数を握っているのを頼りに、2014年3月17日に一方的に協定の審議を打ち切り、強行採決した。このことから多くの国民の不満を招いた。

さらに国民の不満と要求が政府に伝わらないまま、3月18日の夜、学生の不満は頂点に達し、国会に突入、そして占拠に至った。国会が学生に占拠されることは前代未聞のできことであり、その後多大な一般市民と学生の支持を得た。これが太陽花學運(ひまわり学生運動)の概要である。http://himawariundo.wix.com/himawariundo

台湾:議場占拠に世論51%支持 対中政策への警戒心背景
毎日新聞 2014年04月10日

 台湾の学生による立法院(国会)議場占拠は24日目の10日に学生が退去し、一応の収束を見せた。争議の発端となった「中台サービス貿易協定」の審議は大幅に遅れる可能性がある。馬英九政権の対中政策への警戒心を示した世論のうねりは、政権にとって重い足かせとなり、今後の中台協議の進展にも大きな狂いが生じてきそうだ。

 抗議運動はシンボルの花から「太陽花学運(ヒマワリ学生運動)」と呼ばれた。学生たちがヒマワリの花を手に議場から出てくると、集まった多くの支持者が拍手を送った。

 昨年6月に中国と調印した同協定は、医療や金融など中国が80分野、台湾が64分野の市場を開放する。台湾より中国の開放度が高く、台湾に有利な要素もあり、経済界の期待も大きい。馬政権は協定が発効しなければ「国際的信用を失う」と強調し、台湾が目指す環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)加盟にもこの協定は必要だと理解を求めている。

 一方、強力な中国資本によって台湾のサービス業が打撃を受けるとの指摘もある。議場占拠という違法行為にもかかわらず、世論の支持を得た背景には、協定により巨大な中国の経済力にのみ込まれるとの住民の不安感があり、運動を契機に一気に広がった。

 今年2月には中台閣僚級会談が開かれた。馬総統の今秋の北京・アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席や、中台首脳会談実現の可能性も報じられた。中国と経済交流を進展させつつ、政治面では中国に対し一定の距離を置いてきた馬総統のスタンスが、任期が残り2年余となり、揺らいできたのではないかとの警戒感が高まりつつあった。

 その結果、学生側の「民主主義を守る戦い」との訴えは、馬政権の対中政策への不信感を持つ世論の支持を集めた。テレビ局の世論調査(3月24日)では「支持」が51%に上るなど各種調査でも5割前後に達した。

 学生側はネットを駆使して支持を呼びかけ、大量の支援物資や支持者が集まった。3月30日には総統府前などで「50万人」(主催者発表、警察当局は約12万人)の抗議集会に発展。この世論の心理を政権が見誤って対応が遅れ、事態拡大を招いたとの批判もある。

 また協定に反対する一部の急進的勢力の間には議場退去への不満がくすぶっており、審議内容次第では再び混乱を招く恐れもある。

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TPP 米国がこれほどまで頑強なわけ

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バラク・オバマ大統領は、大学時代のダチだったフロマンUSTR(米国通商代表部)代表を使ってゴネまくっているようです。

オバマは、国内の経済財政問題に有効な手だてを打てず、 シリアでの赤恥、ウクライナでの火遊びの失敗と失政の連続でこのままだと11月の中間選挙では歴史的大惨敗必至と言われています。

かつての支持層だった都市リベラル層からは愛想を尽かされ、伝統的保守層からも失笑される存在にすらなってしまいました。

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合衆国海軍の原子力空母には、歴代の顕彰される大統領の命名するしきたりがあるのですが、ロナルト・レーガンは実在する巨大空母、オバマはボロボートといったありさまです。

なぜロバかって、まぁご想像どおりです。

オバマは既に立派なレームダックというかレーム・ドンキーです。

だからこそ、今のオバマは国内雇用改善のためにTPPをなんとかモノにしたいと焦っていると思われます。

3月末のオランダ核セキュリティ・サミットでは、安倍首相との会談で、他に沢山話すことがありそうなものなのに、核問題などそっちのけでTPP交渉の推進一色だったそうです。

やれやれ、もはや妄執の類ですね。だからこそ4月24日の首脳会談は「国賓で行ってやるから、お前が折れろ」というのがオバマの言い分なようです。

現在の状況は漏れ伝わるところでは、2月のシンガポール閣僚会合では、発展途上国と米国の対立で座礁

それではエライさん同士角つき合わせても仕方がないので実務者レベルでなんとか打開の糸口を、ということで開かれた3月の事務方交渉もみごとに物別れ

ならば搦手から攻めてみようということで、日豪EPAで米国も 関心を持つ牛肉関税を引き下げ、代わりにオージーの自動車関税を締結と同時にゼロとして、米国にプレッシャーをかけてみようということになりました。

いちおう日豪EPAをまとめてみると
・牛肉関税・・冷凍品35%から18年かけて19.5%に引き下げ
・      ・・冷蔵品15年かけて23.5%に引き下げ
・過去5年間の輸入量水準を超えた時に38.5%に戻すセーフガード

評価は難しいところですね。15年から18年という猶予の幅をどう読むかです。むしろ牛の畜産農家にお聞きしたいところです。

ただ交渉自体とすれば、オージーが車を作っていないことを考えると引き分けといったところでしょうか。

なぜか妥結を急ぐ日本側としてはこの日豪EPAの成果を引っさげて米国のフロマンを迎撃したかったわけですが、さすがは我らの裸のマッチョ・フロマン。

すごい「妥協案」を引っさげてきました。なんと言ったと思います。「関税撤廃にこだわらず、 一桁台ならいい」(爆笑)

もう私は笑いましたね。米国の「妥協」とは、こんなていどです。

オレは前にこっちは全部ノーだが、お前は全部イエスと言えと言った。今度はオレが折れてやる。オレはノーだが、お前はちっとくらいはノーと言っていい」。ありがたや(笑)。

すごいね。米国の「妥協」って、あいかわらず自分は全部ダメだが、相手国への要求を少し負けてやる、なんですよ。

フロマンの交渉って、相手を殴り倒すことだと思っているようです。交渉とは互いに譲りあって落し所を探ることじゃなかったのですかね。

そもそも日豪合意の冷凍牛肉19.5%ですら国会決議に反するのに、それよりもさらに低い一桁台ですって。話になりませんね。

オージーの半分以下にしろということなど論外。バッカじゃないか、頭を冷やせ、フロマン。

たとえば米国は、自動車関税で、「トラック」に分類されたSUV車になんと未だ25%という法外な関税をかけています。

SUV車というのはスポーツ多目的車のことで、ジープ・グランドチェロキー、フォード・エクスペディションといった米車が日本で競争力を持つ数少ない分野です。 

もちろん競争相手は多く、トヨタ・ランドクルーザー、英国ランドローバー・レンジローバー、独ベンツGLクラスなどの強力なライバルかひしめき合っています。

これらライバルに25%もかけているのですから、米国っていつから発展途上国になったのでしょうね。

ちなみに日本は自動車関税ゼロです。

ついでにこんな状況なのに、安倍首相はどうも24日の日米首脳会談までまとめたいという思いが強いようです。

哀れ、舌癌から退院したばかりの甘利大臣は、16日に訪米して交渉を詰めてくるといいます。なにをどう詰めるのでしょう。見物です。

自民党内は農水議員のみならず、半数以上の議員がカンカンになっています。

11日に農林水産戦略調査会、 農林部会、農林水産貿易対策委員会が緊急の合同会議を招集しました。

TPP交渉における 国益を守り抜く会を開催し、国会決議や党の公約を逸脱するものは絶対に受け入れられない、少なくとも日豪の合意がレッドライン( ぎりぎりの越えられない一線)であるとする決議」(山田としお参議院議員メルマガによる)をしたそうです。

ちなみに山田議員によれば、石破幹事長も 「日豪で決めた内容をさらに下回るものなど、豪州との信義に反し、 徹底した日本への不信を生む。国内では自民党は嘘つき政党だ とする非難を生む、とんでもないものだと怒り心頭」だそうです。

まさに石破さんの言う通りです。こんな傲慢極まる米国のヤクザまがいの要求に屈したら、今後日本は関税交渉はできなくなります。

百歩譲って日本がこの米国要求を丸呑みしても、USTRはTPPがらみの交渉で、一括承認手続きができる「大統領貿易促進権限」(TPA)がありません

ですからこの弱い権限しかないからこそ、ゼロでなければイエスと言わないというフロマンの強硬無比な姿勢か生まれているわけです。

そもそもTPP交渉に関しては、オバマの与党民主党すら全米自動車労組などの反対で敵に回っていますから、11月中間選挙まではTPAが議会から与えられる可能性はゼロです。

だからこそ、オバマにとって、議会がTPAを出すしやすく材料が必要なのです。

だから、従来のネゴシエーターではなく、クライアントの利害第一の弁護士のフロマンを送り込み、非妥協的に重要5品目に関して関税撤廃を主張し続けているのです。

にこれでわが国が折れなかった場合でも、「日本の頑強な保護主義政策のためにTPP交渉全体が挫折した」と喧伝できます

おそらく、オバマはもうTPP失敗の後の言い訳まで考えて動いているのです。

これに関しては TPP交渉に事前加盟交渉時に自動車関税で譲ったことが悔やまれます。

あれで、オバマは安倍は脅し上げれば、首脳合意の重要5品目も譲ると錯覚したのでした。

この強硬姿勢に負けると、「政治判断」ひとつで日本は牛肉関税をオージー並の10%台まで下げる可能性もなしとは言えません。

オバマ来日までが山場です。日本政府が安易な妥協をしないように、警戒しましょう。

                 ~~~~~~~~~~~~

■日米TPP協議継続…牛肉関税10%前後攻防か
読売新聞

2014年04月11日

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡り、甘利TPP相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表が10日、東京都内で最終日となる2日目の閣僚協議を行った。                            

 甘利氏は協議終了後、記者団に「一定の進展はあったが、まだ相当な距離感はある」と説明した。フロマン氏も「いくらかの前進はしたが、重要な点において、かなりの隔たりが残っている」と述べた。

 焦点である牛肉の関税について、米国側が現在38・5%の日本の税率を限りなくゼロに近い水準に引き下げることを求めたのに対し、日本側は20%前後に引き下げる考えを示した。

 両国の意見の隔たりは大きく、今週末まで事務レベルの交渉を続ける方針を確認し、閣僚協議を終えた。甘利氏が来週にも訪米し、フロマン氏と再協議する可能性がある。交渉関係者の間では、最終的な着地点として、両国の主張の中間となる10%前後の攻防になるとの見方が浮上している。

■【ワシントン=斉場保伸】環太平洋連携協定(TPP)交渉妥結に向け、甘利明TPP担当相は十五日、米通商代表部(USTR)のフロマン代表とワシントンで会談した。会談後の記者会見で甘利氏は「農産品分野などについて両国の立場の隔たりを狭めることの重要性で合意した」と述べ、農産物の関税の扱いなどで依然として隔たりがあることを明らかにした。

会談は予定よりも三十分オーバーし、二時間半に及んだ。甘利氏は「話し合いが膠着(こうちゃく)状態になっていたが、(対立点を)収れんさせていく手法について共通認識を持てた」と成果を強調した。

 しかし、具体的な中身についてはこの日の会談で決着しなかった。甘利氏は「個別の品目の話もした。具体的な着地点が確定したわけではない。こういう方向で今後双方が各論に踏み込んでいこう、ということにした」と説明した。二十二日から始まるシンガポールでの閣僚会合に向け、事務協議を進める方針だ。

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熊本県でトリインフル発生 疑われる韓国からの「もらい」感染

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熊本県多良木(たらぎ)町の養鶏場で鳥インフルエンサ(トリインフル)が発生し、同じ所有者の養鶏場2カ所の11万2000羽が殺処分されました。
※農水省プレスリリース
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/140413.html

同時に、家畜伝染病予防法に基づいて、「二つの養鶏場からそれぞれ半径3キロ圏内を鶏や卵の移動制限区域に設定。3~10キロ圏内を搬出制限区域とした。域内にある47戸の約44万1000羽が対象となる」(毎日新聞4月13日)

非常に早い処置で早期に家畜保健衛生所(家保)に届け出た養鶏農家と、迅速な処分をした熊本県家保に敬意を表します。

さて、わが農場にも家保の緊急点検が来るとのお達しで、全国の同業者の皆さんはピリピリしているはずです。

まだ、H5型としか発表されていないので断定的なことはいえませんが、高い確率で韓国由来のものだと思われます。

もし今後の検査てH5N8型ならば、韓国からの「もらい感染」ということになります。
※追記 H5N8型で、遺伝子的に韓国の同型ウイルスと99%同じだと発表されました。4月23日)

実は、今までもひんぱんに韓国経由の海外悪性伝染病を頂戴している九州や山口などでは、今年1月から警戒レベルを引き上げていました。

わが国がトリインフルを感染する場合、中国、台湾、韓国の3カ国が発生国となって、それが渡り鳥か人によって感染を持ち込みます

今回は中国、台湾は発生が伝えられておらず(あるかもしれませんが)、韓国での大発生が伝えられているのみです。したがって火元は韓国だと言っていいでしょう。

韓国では、その後もウイルス検出が20農場で相次ぎ、殺処分されたアヒルやニワトリなどは250万羽を超える」(産経2014年.2月.16日)

近年の韓国と日本の発生状況を見てみましょう。

2007年1月、韓国でH5N1型発生
同年2月、宮崎県清武町(現宮崎市)でH5N1型発生・16万羽殺処分

2010年12月、韓国でH5N1型発生 
2011年1月以降、宮崎県新富町、川南町、延岡市で感染が確認され、最終的に大分市、鹿児島県出水市にも広がり、九州の計15カ所で103万羽近くが殺処分。被害額は宮崎県だけで91億円 

2014年1月、韓国でH5N8型発生1090万羽殺処分(下図参照)
同年4月、熊本県でH5型発生11万2千羽殺処分(進行中)

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             (図 農水省・韓国の鳥インフルエンザ発生状況)

このように、わが国のトリインフルはほとんど法則的に韓国が発生するとその数か月後に発生していることが分かります。

原因は韓国が世界で最もひどい家畜伝染病大国だからてず。それに並ぶ国は、その隣の中国のみです。

2011年には、牛、豚の口蹄疫とトリインフルが同時発生し埋却処分された牛と豚だけで100万頭という途方もない数に登り、時価補償額だけで6000億ウォンを超えました。(※1ウォン=0.1円)

ワクチン接種費用だけで数十億ウォン、防疫装備とスタッフ動員にも数千億ウォンの費用がかかっています。

韓国政府関係者ですら、直接被害額は1兆ウォン、景気低迷など間接被害まで合わせれば金額はその数倍に増えるとみています。

にもかかわらず、その教訓が生かされず常に統御不能の大発生を繰り返しています。

防疫意識が低いと言えばひと言で済みますが、その原因として考えられることをあげてみます。

冬場特有の対策のとりにくさ。冬場は消毒液が凍結してしまう。消毒液は気温20度で使用を前提としているために、寒さで消毒液が散布できなくなってしまった。

また道路や車両のタイヤに消毒液を散布すると、スリップ事故を起こしやすくなる。また消石灰も散布後の積雪で、効果的が落ちてしまう。

②日本に伝播する春には感染症が苦手とする紫外線が強くなっているが、韓国の場合冬で日照時間が短く、積雪のために紫外線が地表に届かず、ウイルスの死滅がしにくい

ですから、いったん春になってウイルスは感染拡大を止めますが、実は各地に潜在して常在化しています。

もはや、口蹄疫、トリインフルなどは土着化ウイルスとなっているとみたほうがよさそうです。

家畜生体や糞の闇流通が存在しているために根絶が困難。

④韓国ではアヒルの水辺飼育が盛んで、ここから水鳥を経由して日本に伝播する。
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上の写真を見ると、日本の畜産家や防疫関係者のやめてくれーという悲鳴が聞こえます。このような飼い方は、中韓に特有で、わが国では見られません。

今回の韓国のトリインフルの発生の中心はアヒルでした。ここから水鳥を介してわが国に伝播したことは確実です。

「野鳥では16地点(クムガン河口地域の両岸2地点を含む)において10種(カイツブリ1件、トモエガモ10件、ヒシクイ4件、オオバン1件、マガモ5件、マガン2件、オオハクチョウ1件、コガモ2件、カルガモ1件、ダイサギ1件)および種不明の糞便、飼7件の35件で高病原性のH5N8亜型のウイルスが検出されている。」
(「韓国でのトリインフルエンザの状況について」日本野鳥の会2014年3月26日更新)
http://www.wbsj.org/activity/conservation/infection/influenza/infl20140131/

もちろん野鳥の会が言うように、野鳥は原因ではなく被害者です。

わが国もまた被害者です。韓国がいつまでも杜撰な家畜伝染病対策しかとっていないことにより、東アジアは世界有数の家畜伝染病地帯になってしまっています。

これだけ一定の地域で伝染病が繰り返し猖獗を極めた場合、ウイルスは農場内部のトリ類だけではなく、そこて飼われている豚や犬という哺乳類に感染します。

通常は、このような種を超えた感染はありえないのですが、変異したトリインフルは種の壁を飛躍し、ヒト感染をひき起こします。

中央日報(14年3月25日)によれば、。韓国でもそのような哺乳類への感染が確認されています。

「農林畜産食品部(農食品部)によると、鳥インフルエンザ発生農家を対象に犬・豚の感染について調べている中、扶余の農家で飼われている犬11匹に鳥インフルエンザ抗体(H5)が確認された。犬の体に抗体があるというのは、鳥インフルエンザに感染した後に治ったということだ」。
http://japanese.joins.com/article/368/183368.html

おそらく韓国では、中国と同じように哺乳類の豚、あるいは犬などを媒介にしてヒト感染が既に潜在していると考えたほうが自然でしょう。

今回の熊本への感染伝播は球磨川が近いところから、おそらくは水鳥が原因でしょう。しかしほんとうに怖いのは、ヒトによる持ち込みです。

野鳥は防鳥ネットで防げますが、ヒトは消毒しか防ぐ術がないからで、必ず相当数は防疫ラインをかいくぐるからです。

幸か不幸か、今、中韓とは距離がある関係なのが救いです。韓国さん、もう少し真剣に家畜防疫に取り組んで下さい。ほんとうに迷惑です。

                   ~~~~~~~~~~

多良木町で高病原性鳥インフルエンザ 県内初
熊本日日新聞
   2014年04月13日

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県は13日、多良木町の養鶏場で鶏が大量死し、このうち2羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスH5型を検出したと発表した。国の機関で遺伝子型を詳しく検査する。国内の養鶏場での発生確認は2011年3月の千葉市以来3年ぶり、県内では初めてとなる。県は感染拡大を防ぐため、関係する養鶏場の鶏の殺処分と防疫対策を、自治体職員や自衛隊員ら約千人態勢で進めている。

 県によると、多良木町の養鶏場では肉用鶏(ブロイラー)5万6千羽を飼育。11日から13日朝までに約1100羽が死んでいるのが確認された。12日午後に通報を受けた県が簡易検査した結果、10羽のうち6羽が陽性で、その後の遺伝子検査でも2羽で陽性を確認した。

 このため県は13日、この養鶏場と、経営者が同じ相良村の養鶏場の2カ所で計11万2千羽の殺処分を開始。相良村分の5万6千羽は処分を終えた。多良木町分の処分も14日中に終える見通し。

 処分した鶏は敷地内に埋却し、16日までに作業を終える計画。両養鶏場から3キロ以内(5戸、4万3千羽)の区域では、鶏や卵の移動を全て禁止。10キロ以内(42戸、39万8千羽)の区域では、域外への搬出を禁止した。

 県は13日、防疫対策本部会議を開き、本部長の蒲島郁夫知事が「初動が最も大事。封じ込めに全力を挙げてほしい」と指示した。感染防止に向け、人吉球磨地域の11カ所に車両消毒ポイントを設置。100羽以上を飼育する県内養鶏場を調査し、14日午前の時点で異常がないことを確認した。

 農林水産省は小里泰弘政務官を熊本県に派遣。蒲島知事と会談した同政務官は、予算措置も含めて必要な支援を行う考えを伝えた。

 また県は14日未明、陸上自衛隊第8師団(熊本市)に災害派遣を要請。同師団の人員約200人が養鶏場への消石灰輸送や鶏の殺処分を支援している。

 H5型には低病原性もあるが、県は鶏が大量死したことなどから高病原性と判断した。

 県によると、県内の養鶏場(3月末現在)はブロイラー104戸(388万5千羽)、採卵鶏130戸(325万5千羽)。県は「感染した鶏の肉、卵が市場に出回ることはない。食べて鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染することも報告されていない」としている。

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STAP細胞事件について

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え~、ひさしぶりにブーイング゙が沢山;聞こえて参りました。だからあんたは、若い女に弱いという声が四方から聞こえてきます(汗)。

この事件でよくゴッチャになって論じられるのは、私が問題として取り上げた理研という組織の問題と、小保方氏の論文自体に対する批判です。

実はそれは別な次元の話なのですが、小保方氏側が弁護士を立てての不当解雇闘争もどきに持ち込むような構えのために、いっそう混乱してしまった様な気がします。

私もしっかりとそのあたりを切り分けて考えていなかったと反省しております。

私は前回書きましたように、理研が小保方氏の聴取を一回しかしていないのをみると、早すぎた公表と早すぎた幕引きに疑問をもたざるをえませんでした。

その意味で、私は彼女の立場に対しては同情的だったと言っていいと思います。

ただし、彼女の主張する内容に関しては、調べれば調べるほど、私自身これはかばいきれないな、という気持ちがしてきたのも事実です。今日はその辺を。

さて、 ネーチャー誌の目をすり抜けた疑惑が一気に暴露されたのは、既存の科学界からではなく、11jigenや「、世界変動展望」というブロッガーからの指摘からでした。

自分でもブログやっておきながら、改めて今の時代だなぁと思います。5年前までならありえないことでした。

改めてネットというのはスゴイ力を持つに至ったという思いと同時に、このようなネット時代において、私はかねがね論文のデータ捏造はありえることだと思っていました。

なんせ、簡単ですからね、コピペは。一瞬です。

たとえば、この間やってきたウクライナ紛争でも、ソースはほぼひとつでありながら、そこから出てくる玉石混淆の未確認情報がなんの検証もされずに、次々と拡散していくのを妙に感心して見ていました。

コピペした引用元を明示しないので、あることころまで行ったらもう事実として情報の一人歩きをしています。

今回のSTAP細胞問題でもコピペしたほうもデジタル、暴いた方もデジタルでした。

考えて見れば、こんな時代に自然科学が影響を受けないわけがないのです。というか、ある意味で人畜無害な(失礼)人文科学系より誘惑は強いのではないでしょうか。

となるといっそうのこと、不正とセーフのラインを見極めるのが難しかったと思います。

今回の小保方氏の「悪意の捏造」が、彼女が会見で述べていたような比較対象を明示するため「見やすくするためにした」ていどのものなら、それは「未熟」で済まされる問題でしょう。(甘いか)

いわばイエローカードで、訂正しておきなさいよ、次にやったらアウトですというていどです。

ところが問題は、その研究の根幹部分が極めてあいまいな点です。ほんとうにSTAP細胞現象はできたのだろうか、という本質的部分が危ういのです。

言ってみれば、ここがダメならデータ偽造もクソもなく壊滅なわけで、彼女は自分の科学者生命どころか、日本の科学界の信頼性を見事ぶっ壊してくれたことになります。

残念ですが、小保方氏びいきの私が見ても、今の段階ではSTAP細胞が存在する可能性は低く、よく言ってあげて誤認ないしは勘違い、下手をするとやはり「捏造」という線が濃くなっています

藤沢数希氏によれば、小保方氏がネーチャー誌に発表したSTAP細胞(※1)論文はこの3種類によってできています。
http://blogos.com/article/84142/

1. Oct4-GFPの発現(※3 Oct-4陽性反応)
2. テラトーマ(※2奇形腫・ガンのようなもの)
3. キメラマウス(※4同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が 混じっている個体)

この3ツの実験にデータに不正があった場合、それは実験の根幹に関わることであり、単なる「見やすくするため」という小手先の言い逃れが効かないのです。(欄外参照)

たとえば、下のテラトーマの画像は、STAP細胞の実在を裏付ける重要な証拠ですが、これを小保方氏は「研究会で使ったパワーポイントの図をまちがって使ってしまった」と言ってしまっています。

この部分はいわゆるチャンピオン・データと呼ばれていて、論文の中核をなす部分です。これを取り違えることなどあるはずがないというのが、多くの自然科学者の意見です。

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また、共同執筆者の若山照彦氏が論文取り下げに同意した理由は、小保方氏から送付されたSTAP細胞と称するものが、実は後に第三者機関の調査でES細胞(受精卵からとった幹細胞)のマウスのものだったということが分ったからです。

小保方氏は、実験の根幹に関わるキメラマウスの実験に関して、実験サンプルを故意か偶然か間違えて送ったということになります。

つまり小保方氏は、ネーチャー論文のテラトーマ写真を「取り違え」、かつ、キメラマウス実験で使用したSTAP細胞を「すり替えた」二重のすり替え疑惑が濃厚となったのです。

これが今まで彼女の指導的役割をしていた若山教授までもが、小保方氏の実験そのものに疑問をもつに至った契機でした。

藤沢氏などの自然科学系の論者の話をまとめると、今回の事件はおそらくこんな経緯ではなかったかと思われます。

①「200回発現した」ということは、1週間に1回の発現となり不可能。200回成功したと言っているのはOct4-GFPの発現で、これをSTAP細胞だと誤認した。

②しかしOct4-GFPは発光するが、万能細胞ではないから、テラトーマやキメラマウスもできない。

③小保方氏はこの「功績」で、理研の発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井氏によってユニットリーダーの地位についた。

④彼女はその重責に応えるべくかつて所属していた若山研究室のES細胞を流用して実績作りをしてしまった。

⑤このような流用が重なり、整合性がなくなることに反比例して、理研首脳部の期待値も高くなり、ネーチャー誌に発表した論文では、博士論文の中で使ったテラトーマの画像を画像加工して発表してしまった。

⑥データの信憑性に疑惑が出て、若山氏が送られてきたサンプルを調査したところES細胞であったために、論文の撤回に賛成した。

この藤沢氏の意見は、現時点においてかなり真実に迫っていると考えられます。

私も過程はまるで逆なのに、結論だけは微動だにしないのであります(笑)。

小保方氏に残された道は、もはや第三者を加えた検証チームに自らも加わって再現実験をする道しか残されていません。

                 ~~~~~~~~~~

※1 STAP細胞 「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)細胞の略称。(略)哺乳類(ほにゅうるい)の体細胞に外部から刺激を与えるだけで、未分化で多能性を有するSTAP細胞に変化するというもの。これまで発見されたES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)といった多能性細胞と比較して作製法が格段に容易であり、またこれらの細胞にはない胎盤への分化能をも有することで、今後、再生医療等への貢献の可能性が大きいと期待された。」
(葛西奈津子氏による)
http://kotobank.jp/word/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E

以下、藤沢数希氏の解説による

※2 テラトーマ実験 「マウスの皮下に万能細胞を注入すると、それは様々な組織に無秩序に分化するため、ある種の奇形腫ができる。これが細胞が万能性を獲得したひとつの有力な証拠になる。
キメラマウスは、別のマウスの初期の胚に、調べたい万能細胞を注入して、マウスの成体を作ることである。これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。
これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。注入した細胞が、確かに様々な組織になっていることが直接確かめられるので、万能性を証明する強固な証拠となる。」

※3 Oct4 「幹細胞の自己複製と密接に関連しているタンパク質である。ちなみに、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、Oct4など4種類のタンパク質を合成する遺伝子(ヤマナカファクターと呼ばれている)をすでに分化した体細胞に注入して初期化することにより万能細胞を作り出しているのだ。Oct4発現とは、細胞内にこのタンパク質ができていることを示し、それは万能細胞であることの必要条件のひとつになる。」

※4 キメラマウス  「別のマウスの初期の胚に、調べたい万能細胞を注入して、マウスの成体を作ることである。これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。
これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。注入した細胞が、確かに様々な組織になっていることが直接確かめられるので、万能性を証明する強固な証拠となる。」

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週末写真館 懐かしい街

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土浦は茨城県第2の街です。
今は発展する隣のつくば市との合併話が上がるなど地盤沈下が続いていますが、ほかの街に真似できないものがあります。

それが古い商都の家並みです。
かつて醤油づくりや、湖を使った物産の流通の要として栄えました。
その名残が街のいたるところに残っています。
その中心がこの蔵の街です。

古いボンネットバスに、土蔵、社の一角の路地に入ると、私たちの世代が坊主刈りにしてもらったような床屋さんが今でも残っていました。

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沖縄の新鉄道 素晴らしいがトンネルばかり

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この稿はだいぶ前に書いたのですが、またウクライナ情勢が動けば未来永劫ボツになりそうなので、今のうちアップしておきます(笑)。

私は鉄道も好きなので、これで予定の2033年には80歳だが必ず行くぞ、と堅く決意してもう一回沖縄県の報告書を読み直してみました。

すると、ちょっと待てよという点がゾロゾロと出てきました。

まず、最大の難点はおい、全体の7割がトンネルだとぉ!地下鉄みたいものを「観光立県沖縄」に通しちゃうの、と悲鳴。

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        (:沖縄県「鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進について」

上図は新鉄道案の断面図。ギザギザの黒い線は標高を示し、赤い太線はトンネルだそうです。

ほとんど全線赤線だらけ、つまりトンネルというわけで、これでは沖縄に来てもトンネルばり見ることになります。

路線の予想図を見ると、戦前に作っておくべきだった、とつくづく思います。

戦前にあった軽便鉄道の路線は、戦火で破壊されて未完成のまま終わりましたが、当初は那覇-名護間を結ぶ予定でした。

戦前は2路線あって、赤線が沖縄県営鉄道て、青線が沖縄軌道です。もし、この鉄道路線が残っていたなら、戦後の沖縄の復興も大きく違ったと思います。

今回軽便鉄道の規格でも残っていれば、用地買収がまったく違ったものになったはずです。

さて新たな構想は、那覇近辺は用地買収が困難なので、初めから地下に潜ってしまいます。

また、名護側も沖縄の脊梁山系にぶつかるためにこちらもトンネルとなり、ほぼ全線地下鉄みたいなものになりそうです。

ちょっと待って!そんなモノ作ったら観光客は乗りませんよ!「美ら海」を楽しみに来た観光客が、なにが悲しくて地下鉄で移動するんですか。(悲鳴)

どうも、この計画案は地元利用者を主体に考えられているようで、それはそれでスッキリしてはいるのですが、あまりにももったいない。

計画書によれば、既存の道路も利用するとあります。ならば、地下部分はせいぜい那覇市内だけにして、跡は既存道路の直上を高架で通したらいいではないでしょうか。

実際、茨城の新線であるつくばエックスプレス(TX)は多くの区間を高架にしています。高架のほうが山岳トンネルよりはるかに技術的にも簡単であり、工期も短縮できるはずです。

第一、はるかに眺めが素晴らしいはずです。高架の位置から見る万華鏡のように刻一刻変化する「美ら海」、考えただけでぞくぞくします。

この計画は大変によく出来ています。

たとえば、今まで沖縄の大規模事業にありがちな過剰な需要見積もりもなく、工事も既に実用化されて運用されている鉄輪式リニアを使うことなど技術的にも考え抜かれていて好意がもてます。

しかし、あまりにも夢がないというか、観光にくるナイチャーのことも考えてほしいものです。

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あえて言う がんばれ、小保方晴子!

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私も昨日は午後1時から釘付けでした。もちろん小保方晴子氏の記者会見です。

まずは、やつれたせいか綺麗になった。初めは視線がやや定まっていない気がしましたが、受け答えはしっかりしていました。

実は私は、ひとつだけ願望がありました。泣くな、ということです。彼女はこの間ありとあらゆる個人的誹謗中傷を浴びてきました。

おそらく私でも、あれだけの個人的攻撃を頭から浴びたら、入院どころかお寺さんのご厄介になりますね。

やれ、力がありそうな上司には媚を売っていた。副センター長のS氏とは男女の仲だった・・・。

どうでもいいだろう、そんなこと!お前ら科学をなめとるのか、というのが私の憤懣でした。

くだらねぇ。科学者の世界も嫉妬に満ち溢れているということがよく分かりました。

だからこそなおさら、彼女が間違っても「女の武器」である涙を流したら負けだと思っていました。

私が会見で泣いてもシャレにもなりませんが、若く美しい女性の涙は武器です。だからこそ、封じるべきだと思っていました。

彼女は泣きましたね、やや残念ですが。

「自分はこの研究を続けたい」というところで、初めて涙の堰を切らしてしまいました。それまでも涙は溜まっていましたが。

しかし厳しい目で見ていた私も、あれは仕方がないと思いました。

心血を注いで世に問うた研究を、このような不条理な形で潰されることに、彼女は全身で怒っていたはずです。

さて、ここで改めてこの騒動を見直して見ましょう。

まず、STAP細胞が存在するのか、しないのかが学問的焦点なはずです。科学者のみならず、国民も皆それを知りたい。

ところが論点は、いつしか論文の荒探しに転化していました。

写真の切り貼りや転用が問題視され、理研の調査委員会はそれを「悪意ある捏造」とまで決めつけました。

実はこれは危機管理上一番やってはいけないといわれる、「現場責任者への責任転嫁」です。彼女は私大卒だから、女だから、若いから・・・。

組織的な責任を問われないために、小保方論文のミスをチェックせず、STAP細胞の再現性の確認も理研はしませんでした。

未熟だとさんざん言われていますし、それは彼女自身が会見で何度も認めていましたが、そのような年代の小保方氏をユニット・リーダーという重要な地位につけたのは、他ならぬ理研自身なはずです。

そのいわば任命責任を理研は自らに問わないのでしょうか。世界的発見として浮かれていたのは、他ならぬ理研ではありませんか。

ノーベル医学賞候補とまで言われたSTAP細胞の発表に対して、理研の首脳陣がなにひとつ関知しないわけがありません。

いやむしろ理研首脳部の意志によって作られた思惑によって進められていたはずです。

なぜそもそもあの時期に慌ただしくSTAP細胞を発表したのかは、その1月という発表時期をみれば容易に想像がつきます。

理研は年間予算844億円、うち9割が国庫補助によって成り立っています。しかも近年は「特定国立研究開発法人」を狙っていました。

それが故に、国からの予算の増額を期待して拙速にぶちあげねばならなかった都合は、理研の体質にこそありました。

そのために通常行なわれるべき論文のチェックなどという基本中の基本を飛ばし、彼女に割烹着を着せてみたり、研究室を黄色く塗るという愚かな話題作りに奮闘したわけです。

それはあくまでも理研という巨大研究機関の利害であり、小保方氏が格好の広告塔だったからにすぎません。

ところが、一転してボロが出たとなるや、慌てふためいて幕引きを図りました。

最初は単なるミスだと調査もせぬうちから片づけてしまい、火が回ってくるや第三者機関でもない調査委員会なるものをデッチ挙げて、一切を小保方氏の「捏造」と決めつけました。

成功すれば会社の手柄、失敗すれば現場責任者が悪い。

ふざけるのもいいかげんにしていたきたい。これが日本最高峰の研究機関のやることですか。理研はトカゲの尻尾切りをしただけです。

小保方氏へのどこからリークされたのか分からないようなスキャンダルは、あんな人物だから「捏造」に手を染めたのだ、という世論形成をしました。

この印象操作によって小保方氏は、国民から稀代の悪女、野望のためには男に取り入る女と印象されたのは事実です。

彼女は自分の所属する組織から利用され裏切られ、果ては「捏造」とまで言われて科学者生命を失う寸前です。

ちょっと待ってほしい。「捏造」とは、語源由来辞典によれば「無から有を生むこと」です。ほんとうにそうなのでしょうか?

本筋はあくまでも「STAP細胞が存在するのか」という一点です。

その論証の過程で、確かに彼女は大きなミスをしましたが、比較した細胞写真を貼ったにすぎず、それは論述の結論になんの影響もないはずです。

そして元々このSTAP細胞は仮説にすぎないことです。

もし、STAP細胞がないという主張があるなら、そのような論文を書いて「ネーチャー」にでも投稿すればいいのです。

まだあるかないかわからない「仮説」に対して、論証過程のミスを取り上げて「ない」と決めつけるが如き態度はまったく科学的ではありません。

今や国民的関心になってしまったSTAP細胞はあるのか、その一点で争って頂きたい。

小保方氏が万人監視の下に作成に成功すれば勝ちです。何回かの猶予も含めても、200回できたと豪語するのですから、再現実験をするべきです。

理研が再現実験に彼女を加えないというのはどう考えてもおかしい。

彼女が既存の万能細胞を紛れ込ませる可能性があるなどと言っている人もいますが、そのようなことは第三者を入れた再現チームを作って、実験過程をすべて無編集で撮影し続ければ済むはずではないですか。

小保方氏も、今持っている生データを理研の組織外の科学者にすべて開示して判断を仰ぐべきです。

小保方氏に批判的なメディアは科学的データが会見に出ていないと言っていましたが、なにをおっしゃる。

まるでトンチンカンな文科系の質問をして、人民裁判になりそうだったのはメディアのほうではありませんか。

次は科学者を中心とした会見にすればいいだけです。

それで終わりにしませんか、このような先がある科学者を潰すようなまねは。

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ウクライナ情勢再び緊迫

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東ウクライナのドネツク、ルガンスク、ハルコフで、ロシア系住民が暫定政権への「反乱」を開始しました。Photo

(地図 時事)

米国務長官のケリーは露のラブコフ外相に、「ウクライナ東部の町で起きていることは自然に発生したとは思えない。ウクライナ政府が、ロシアの支援を受けた組織的な動きだと主張していることをアメリカは注視している」と述べたそうですが、天に唾するということはこのことでしょう。

別にロシアの方を持つつもりはありませんが、今回のウクライナ紛争で、ヤヌコビッチ前政権と野党との合意ができそうなたびにそれを暴力的に破壊したのは、明らかに「右派セクター」やスボボダのようなネオナチです。

そして、どこがとは言えませんが、このネオナチ勢力に資金提供していた外国勢力があります。証拠はありませんが、A国(あえて名を秘す)でしょう。

まだ暫定政権も発足しないうちから国務次官補が「閣僚指名」をしているのですから、状況証拠は真っ黒です。

A国たちは、合法政権が暴力で打ち倒されるのを放置しておきながら、今になって「ロシアの支援」もないものです。

Photo_2   (写真 親露派住民に占拠されたドネツク庁舎 時事)

今の暫定政権には、治安部門を中心に多くのネオナチが存在するのはいまや誰もが知っていることです。

ロシア系住民の脳裏には、大戦中のバンデーラなどのウクライナ民族主義者によるロシア人狩りはいまだ記憶に生々しく残っているはずです。

5月の大統領選によって、ユーリ・ティモシェンコなどの親EUの大統領が選出されるのが決定的なです。

ティモシェンコは国内では有名な国有財産の簒奪者で、ジョージ・ソロスが裏についているという人物で、ウクライナGDPの3割(!)も懐に入れていたという話すらあります。

東ウクライナの多数派であるロシア系住民は、いまだ合法政権はヤヌコビッチ大統領と考えていますから(法的にはそのとおりですが)、大統領選そのものを認めていません。

今回のように「ドネツク人民共和国」の樹立を一方的に宣言し、ロシアに対して平和維持軍の派遣を要請し、プーチンはそれに応えて東ウクライナ全域に軍を進攻させることもありえます。

ちなみにドネツクはヤヌコビッチの地元です。彼はウクライナ語よりロシア語が得意なように、アイデンティティは「ロシア人」なのです。

彼のような人々が住む地域こそが東ウクライナ諸州なのです。

今後、東ウクライナの住民は、今までと逆な構図で、そっくり同じ戦術を取るでしょう。つまり、徹底した暴力闘争による政権奪取です。

欧米は、2月にキエフにおいてそれをまったく座視し、あろうことか彼らの政権奪取を承認してしまいました。

今やオバマやメルケルには、彼らを道義的に批判する権利はありません。

そのツケを払わされるのは欧米の番だとプーチンは考えているはずです。

NATOのブリードラブ最高司令官が述べるように、「ウクライナへの「侵略」命令を受ければ「3~5日で目標達成が可能」(「読売4月3日)でしょう。

※一度別な記事をアップしましたが、緊急性を考慮して差し替えました。

               。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚

■RussiaToday

「デモ参加者らは「キエフでの不法な政権」が、抑圧政策と反対派に対する迫害を終わらせるように呼びかけた、とイタールタス通信が報じた。
 彼等は自己決定権を尊重するよう要請し、クライナから独立するためのクリミア式の国民投票を要請している。
抗議者らはロシア国旗を持ち、ロシア!ロシア!」と叫び、キエフ政府からドネツク知事に
新しく任命されたセルゲイ・タルタに対し「出て行け」と叫んでいた。
抗議者らによって「ファシズムの根絶行動」としてナチ熱狂者の人形が焼かれた。
これはウクライナの2月のクーデターで重要な役割を果たしたネオ・ナチ過激派の存在に
鑑みてなされたものだ。
人々はそれから巨大なロシア国旗を掲げながら、政府庁舎の中心地域に移動していった。
政府庁舎の玄関前で親ロシアデモ隊が警官の楯を奪ったりして警察との衝突が起きた。」

ウクライナ東部 「共和国」宣言相次ぐ
NHK
4月8日 5時02分

ウクライナ東部では、議会の建物を占拠しているロシア系住民らが相次いで「人民共和国」の樹立を宣言するなどウクライナからの独立も辞さない動きが広がり、暫定政権側は強制排除の構えを示すなど緊張が高まっています。

ウクライナ東部のドネツクでは、ロシア系住民で作るデモ隊が議会の建物の周りにバリケードを築いて占拠を続けており、7日州議会議員とは別の住民140人を集めて独自の議会を開きました。
そして、ウクライナからの独立を示唆する「ドネツク人民共和国」の樹立を一方的に宣言し、来月11日までに共和国の樹立の賛否を問う住民投票を行うことを決議しました。
また「暫定政権からわれわれを守れるのはロシア軍による平和維持部隊だけだ」として、ロシアのプーチン大統領に対して必要に応じて部隊を派遣するよう要請しました。
建物の周りでは、夜になっても大勢のロシア系住民が炊き出しをするなどしてデモ隊を支援しています。
また東部のハリコフでも、議会の建物を占拠していたロシア系住民のデモ隊が独自に議会を開催して「ハリコフ人民共和国」の樹立を宣言するなど、ウクライナからの独立も辞さない動きが広がっています。
これに対し、暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は「ロシアがクリミアのシナリオを繰り返そうとしている」と述べてロシアの関与を指摘したうえで、デモ隊を強制排除する構えを示すなど緊張が高まっています。

米「事態の悪化を懸念」

ウクライナ東部でロシア系住民らが議会の建物の占拠を続けていることについて、アメリカのホワイトハウスのカーニー報道官は7日「ウクライナ国内で事態が悪化していることを懸念している」と述べました。
そのうえで、デモ隊の中には報酬を受けている人や地元の住民でない人がいる証拠があるとしたうえで「ロシアがウクライナへの圧力を強めている結果だ」と非難しました。
また、アメリカ国務省のサキ報道官は、ケリー長官とロシアのラブロフ外相が7日、電話で会談したことを明らかにしました。
このなかでケリー長官は「ウクライナ東部の町で起きていることは自然に発生したとは思えない。ウクライナ政府が、ロシアの支援を受けた組織的な動きだと主張していることをアメリカは注視している」と述べたということです。
そのうえでケリー長官は「ウクライナをこれ以上、不安定にすれば、ロシアはさらなる代償を支払うことになる」と述べ、事態が悪化した場合にはロシアに対する制裁を強化する方針を伝えたということです。
米ロ両国は、今後10日以内にウクライナとEU=ヨーロッパ連合を含めた4者で集まって、ウクライナ情勢について協議する方針で合意したということです。

■NATO軍司令官が警告

【ブリュッセル=工藤武人】北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のフィリップ・ブリードラブ最高司令官は2日、ウクライナとの国境付近に集結している約4万人ともされるロシア軍部隊に関し、ウクライナへの「侵略」命令を受ければ「3~5日で目標達成が可能」と述べ、強い懸念を表明した。

ロイター通信などに語った。同司令官は、露軍部隊が「大規模かつ非常に有能で、臨戦態勢にある」と分析。「極めて憂慮している」と危機感をあらわにした。(読売)

■NATOが警告、ロシア軍は極めて高い即応能力
4月2日 ブルームバーグ

北大西洋条約機構(NATO)首脳部は2日、ウクライナとの国境付近に集結しているロシア軍は高い即応能力を備えているとし、国境を越えて侵攻すれば「歴史的な過ち」を犯すことになると警告した。

ウクライナ東部との国境沿いには最大4万人の部隊が配備されており、ロシアがウクライナの東部や南部に居住するロシア系住民を保護するとの名目で侵攻する構えだとの懸念が高まっている。ロシアのプーチン大統領は国営メディアを味方に付け、ウクライナ政府が反ロシア過激派の影響を受けており、ロシア系住民への迫害を防止する措置を十分に講じていないと公言している。

NATOのラスムセン事務総長はブリュッセルで2日間にわたって開かれた加盟国の外相理事会を終えて、「ロシアはウクライナとの国境沿いの部隊を非常に大きく増強している」と発言。「こうしたロシア軍の即応能力は非常に高いことも分かっている」と述べた。

ロシアはこれより先、ウクライナで過激派勢力がロシア系住民を抑圧しているとして、同国にこうした勢力の武装解除を要請。ウクライナ南部クリミアの実効支配、およびクリミア住民投票後の併合に至るまでに公にした主張を繰り返した。ウクライナ政府はロシア系住民が危険な状況にはないとして、ロシアの主張を否定している。

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ウクライナ紛争の背景その2 スターリンの大飢餓

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東ウクライナの2都市で親露派住民による庁舎占拠がありました。(欄外参照)

5月の大統領選挙までこのような事件は頻発すると思われます。今立候補予定の2候補は共に親欧米側候補で、親露派は立っていません。

むしろ、親露派はウクライナ全体の統治より、東ウクライナの自治権拡大・ロシア編入へと向っているようです。

これはクリミアをみれば予測がついた事態ですが、問題はむしろ暫定政権内ネオナチが握る治安機関がどのように出るかです。

彼らには先日の「右派セクター」のムージチコ射殺事件のように、欧米から厳しい抑制要求が出ているはずですが、予断を許しません。

親露派が、ネオ・ナチがつい数か月前までしていたような過激な反政府暴力行為におよべば、ウクライナ紛争第2幕が始まることになります。

さて本題に入ります。

かつての大戦で、日本軍を「解放軍」として迎え入れた東南アジアの独立運動家がいたように、ウクライナのみならず東欧、北欧の諸国ではアチス・ドイツを歓迎する動きがありました。

ウクライナにおいては、独立運動家の多くはSS(ナチス武装親衛隊)「ガリツィア師団」、別名「SSウクライナ師団」に入隊しています。

たしかにウクライナ・ナショナリストには、独自に国家社会主義的思想を持っていたことは確かですが、それだけがナチスに走らせた理由ではありませんでした。

ウクライナは1922年に、スターリン統治下のソ連の一共和国に編入されます。

当時、ソ連は革命直後の内戦が終了したばかりであり、国庫は見事にからっぽでした。そのためにぜがひでも輸出して外貨を稼ぐ必要があったのです。

外貨を稼ぎ、重工業化を進めるというのが、当時のスターリンの強い意志でした。そのためにもっとも手っとり早い外貨獲得手段として目をつけられたのが、ウクライナの穀倉地帯だったわけです。

ここでスターリンが取った手段が、悪名高い飢餓輸出です。

これはその名の通り、洗いざらい強制的に徴発して輸出に廻すことです。

1930年代、GPU(国家政治保安部)は強権的にウクライナの農業集団化を実施します。「集団化」とは、土地を農民から奪い、コルホーズ(共同農場)に一元化することです。

この集団化の過程で共産党は、村の指導者層は「富農」として処刑し、農地を手放すことを拒否する農民は「反革命」「人民の敵」というレッテルを貼って、これも処刑するか、家族もろともシベリア流刑に処されました。

このときにGPUは、ウクライナ民族主義者、知識人、自由主義者を根こそぎ逮捕し、「人民の敵」として処刑するか、ラーゲリ(強制収容所)送りとしました。

まさに悪鬼の所業というにふさわしいでしょう。

また、共産党の官僚たちは点数稼ぎのために、徴発の水準を恣意的に高くしたために、ノルマ達成が困難な村が多く出ました。

そうでした。このノルマという言葉も元はと言えば、そのスターリン主義の時代に使われた忌まわしいロシア語です。

豊穣な穀倉地帯であったウクライナもみるみるうちに疲弊し、農民に不満が鬱積していきます。

たとえば、集団化と強制徴発政策を共産党官僚の言う通り実施すれば、農民自身が食べる麦も残らず、翌年の種籾すら食べてしのぐ状況がどの村にも現れます。

穀物の取引さえ禁じられたために、農業地帯の街には餓死者が増加していきます。

しかし、農産物は共産主義体制の下では、農民の私有物ではなく「人民の財産」とされ徴発ノルマの不達成はラーゲリ送りを意味しました。

畑に落ちた落ち穂を拾ったばかりに流刑地に家族もろとも10年間の流刑に処せられた例すらあります。

飢えのあまりエンバクなどの飼料用穀物を食べた農民は、「人民の財産の悪用」として流刑にされました。

「都市から派遣された労働者や党メンバーから構成されたオルグ団は空中パトロールで畑を監視し、農場にはコムソモール(共産青年団)のメンバーが見張りに送り込まれ、肉親を告発すれば子供にも食物や衣類やメダルが与えられた。
党の活動家達は家々を回り、食卓から焼いたパンを、鍋からカーシャまでも奪っていったと言われる。食料を没収された農民達はジャガイモで飢えをしのぎ、鳥や犬や猫、どんぐり、イラクサまで食べた。」(Wikipedia)

「スタニッツァ・ボルタフスカヤという人口4万人の村は、食料調達に応じる事が出来ず、村の住民が丸ごと追い立てられ、男性は白海・バルト海運河建設へ、女性はウラルのステップ地帯に送られ、離散を余儀なくされた。」(同)

その上、逃散しようにも1932年に国内パスポート制度が始まり、移動は原則禁じられました

中世の農奴ですら、生きるための穀物は得ていたのですから、まさに共産主義という名の狂気です。、

「ウクライナ人たちは強制移住により、家畜や農地を奪われたために家畜を奪われ、穀物を収奪されたことによる死亡者は、400万人から1,450万人と言われ、400万人の出生が抑制された」(Wikipedia)とされています。
(※飢餓による死亡者数は複数の説が存在します)

その上、スターリンはこの大飢餓の責任をウクライナ共和国政府に押しつけました。

そのためにウクライナ・ソヴィエト政府主席以下多くのウクライナ人が、スターリンによって処刑されるか自殺する運命となります。

また、スターリンは国外の亡命ウクライナ人に、「祖国建設のための帰還」を呼びかけました。

しかし彼らに待っていたのは「人民の敵」「帝国主義のスパイ」という罪状でした。スターリンは自由主義的思想を根こそぎにしたかったのです。彼らもまた処刑されるか、強制収容所送りとなります。

このような想像を絶する政策的大飢餓と国民抑圧を歴史的に探すとすれば、このスターリン時代と、それをモデルにした毛沢東の大躍進時代、更にそれを模倣した金日成の時代があります。

ウクライナ政府は独立後、この大飢餓をホロドモールと呼び、ウクライナ人に対する絶滅政策であったとしています。

このような時代を背景にして、国がそのまま巨大な強制収容所と化しました。

このウクライナ人の怒りが、ウクライナ独立への運動へと転じたのも当然のことです。

とりわけ穀倉地帯であった西ウクライナは、この反ソ、反共感情の高まりの中で、ナチス・ドイツの侵攻を迎えたわけです。

ウクライナ民族主義者は歓喜してナチス・ドイツ軍を迎え、積極的にドイツ軍支配地域からの兵士の徴募に応じたのです。

しかしナチスもまた、ウクライナ人を含むスラブ系民族全体を劣等民族として考えており、ウクライナ民族主義者たちは、利用された後に切り捨てられることになります。

そうとうに端折っているのですが、長くなりそうなので、今回はこのくらいに。

                    ~~~~~~~

【4月7日 AFP】ロシア系住民が多数を占めるウクライナ東部の2都市で6日、親ロシア派の活動家らが、警察の規制を突破し、行政庁舎を占拠した。

ドネツク(Donetsk)では、市内の広場で2000人が参加し行われていた集会から、100人近くの活動家が離脱して行政庁舎を占拠、ロシア国旗を掲げた。

ハリキフ(Kharkiv)でも、数十人が警察の規制を突破して行政庁舎に侵入。窓からロシア国旗を突き出して掲げると、庁舎を囲んだ約2000人の群集からは歓声が上がり、「警察は市民の味方」とのシュプレヒコールが起きた。親ロシア派が庁舎に侵入した後、警官隊は群集の強制排除はせず、庁舎から50メートルほどの距離へと離れた。

またルハンシク(Lugansk)では、数百人のデモ隊が先週逮捕された親ロシア派活動家15人を釈放させるために地方保安局施設への侵入を試み、警察は催涙ガスの使用を強いられた。

3都市で起きた衝突は、2月22日にビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領を退陣に追い込んだ親欧州派の暫定政権が直面する途方もなく大きな課題を改めて示すこととなった。

ウクライナ東部では、数か所の地域が、5月25日予定のウクライナ大統領選挙で、ロシアへの編入の是非を問う住民投票の同時実施を求めている。一方で、大統領選での最有力とされる2候補はともに、欧州との連携を強化し、長く続いてきたロシアへの依存関係を絶つ意向を表明している

ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ウクライナ南東部のロシア系住民の「保護」を誓約していることから、同地域での情勢不安は、ウクライナ政府と西側諸国の間で、ロシアが軍隊をウクライナ東部地方に展開するかもしれないとの懸念を引き起こしている。(AFP)

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ウクライナ紛争の背景その1 ガリツィア地方とウクライナ民族主義

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ウクライナ紛争について9回に渡って書いてきましたが、追加補足いたします。

第6回で私はこう書いています。
「旧ソ連は傘下の共和国を案外平等に扱っています。欧米の植民地のような収奪はせずに、むしろ産業を拓殖していたわけです。」

この部分は、東ウクライナ、つまり「小ロシア」と呼ばれた東ウクライナの工業化に対してはおおむね正しいと言えます。

ただし、穀倉といわれる西ウクライナに関してはそれは当たりません。順を追ってご説明します。

まず私が、引っかかったのは、「なぜ西ウクライナに反露感情が根強く、ネオナチの拠点にすらなっているのだろうか?」という疑問からでした。

いくつかのキイワードがあります。おもいつくままに挙げてみましょう。「ガリツィア地方」(※)、「ホロドモール」「スターリン」「ナチス・ドイツ」・・・。

ご存知の方も多いでしょうが、近代ウクライナと隣国ポーランドは大国の勝手な領土拡大欲によって、まるでサッカーボールのようにあっちに蹴られたり、こっちに蹴られたりしてきました。

今なにかと話題を提供しているガリツィア地方がある西ウクライナは、かつてハプスプルク帝国(ハンガリー・オーストリア二重帝国)の版図でした。

下の図で見ると、黄色に塗った部分がガリツィア地方です。(図Wikipediaより)

Photo

ウクライナ全体から見ても特殊な地域で、宗教的にも他のウクライナが東方正教会なのに対して、カソリックの一派であるユニア派に属しています。

さて、この地域は、このハプスプルク帝国が崩壊した後18世紀から第2次世界大戦まで、ポーランド領となりました。

ところが、ヒトラーとスターリンの独裁者間の密約によって、ポーランドはナチス・ドイツとソ連に分割され、民族分断と強制移住による悲劇を生み出しました。

このガリツィア地方もその時の分割の結果により、ソ連領ウクライナであった東、南、中部ウクライナと統合されて、今のウクライナの版図になります。

こう見るとまさに大国の狭間で、国土を寸断され、チェスの駒のようにいじられまくった東欧の悲劇が見えてきます。

このガリツイア地方はその中でも、ひときわ独立の気風が強く、既に18世紀のハプスブルク帝国時代から独立運動が始まっています。

第2次大戦が勃発し、1939年にヒトラーがポーランド侵攻を開始すると、それに呼応して反露、反共でヒトラーと共闘することになります。

その時、ウクライナ民族主義者を率いたのがステファン・バンデーラです。

今やバンデーラ主義(バデーロフツィ)とすら言われて、ウクライナ民族主義、いや有体にいえばウクライナ・ネオナチの思想的カリスマになっています。

Photo_2 

(左端がバンデーラ、右端がスボボダのチャフニボク。右上の黄色の三本指がスボボダのシンボル・マークのひとつ)

バンデーラが抵抗したのは初めはポーランドの同化政策とソ連に対してでしたが、ナチスドイツの侵攻と共に、その矛先をロシア人とユダヤ人に向けます。

ウクライナ民族主義者が目指したのはウクライナ人の独立国家でしたが、結果として彼らが成したのはユダヤ人虐殺でした。

バンデーラの率いるウクライナ民族主義者組織(OUM-B)は、スラブ民族とユタヤ民族を劣等民族と位置づけて多くのポグロム(ユダヤ人虐殺)とポーランド人虐殺を繰り返します。

こうしたウクライナ親ナチ勢力は、ナチス・ドイツの敗北と共に崩壊しますが、まだ悲劇は終わったわけではありませんでした。

ヒトラーがソ連との戦争に敗北すると、ガリツィアに戦車で乗り込んで来たのはスターリン・ソ連でした。

ソ連は西ウクライナを奪い、東、中央、南ウクライナ地方すべてを武力併合します。

この時、ガリツィアの宗教であったカソリックは捨てさせられ、ロシア正教が強制されました。

そしてとうぜんのように、未だかつてない規模の独立運動への大弾圧が襲いました。

この稿続けます。

ガリツィア【Galicja[ポーランド]】                     

ポーランド東部・東部から西ウクライナ地方にかけての地域をさす歴史的名称。ウクライナのリボフ,イワノ・フランコフスク,テルノポリの諸州を含み,ポーランドでは南東部15県が含まれる。18世紀末から第1次世界大戦まではポーランド領とみなされたが,第2次大戦後カーゾン線によってポーランド領とソ連領(現ウクライナ領)に分割された。

北はマゾフシェ平野からポレシエ地方,ウクライナのボリンスカ低地に接し,南はカルパチ山系ベスキド山地斜面で囲まれる,南北300km,東西700kmにわたる範囲の地方である。

( 世界大百科事典 第2版の解説)

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週末写真館 椿と桜の春

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桜と椿は同じ季節に咲きます。同じように春のまだ肌寒き風の中で、盛りを謳歌します。
ただ違うのは、椿はポロっと落ちるまでじつに命が長い。
そのためか、椿は桜に較べていまひとつ珍重されません。
椿からは椿油が採れますし、より生活のそばにいる花なのですが、残念。
桜は、そんな椿の心を知ってか知らずか、艶やかに咲き誇り、そして春風に散っていきます。

春です。ウグイスの下手な唄が聞こえてきます。
この唄の音節が長くなる頃、田植えが始まります。

 

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国連科学委員会 (UNSCEAR)福島事故報告

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国連科学委員会 (UNSCEAR)が福島事故の報告を提出し、承認されました。いろいろな風説がまだ止まないようですが、まずはご一読ください。

今、一部のマスコミで甲状腺ガンの増加が報道されています。今、そのことに対しての逐次批判はしませんが、安易なチェルノブイリとの比較は止めたほうがいいでしょう。

チェルノブイリは不幸なことに、放出された放射線量自体がはるかに大きい上に、事故後に被曝した放射性物質を大量に含んだミルクを児童が飲んだために通常地域の約10倍の甲状腺ガンが発生しました。

これについて政府の内閣府・低線量被ばくのリスク管理によるワーキンググループ報告は、事故後の11年秋にロシア科学アカデミーの研究者であるミハイル・バロノフ氏などを招請して調査を行っています。(※)

                。。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

※バロノフ博士証言 抜粋

「1986 年以来25 年が過ぎました。私たちは、今、公衆衛生上のどのような損害がチェルノブイリ事故によって引き起こされたか知っています。損害のほとんどが、1986年5 月に、汚染された地域で生成された、放射性ヨウ素を含んだミルクを飲んだ子どもの高い甲状腺癌発生率に帰着しました。不運にも、当局と専門家は、この内部被曝の危険から、適時、十分に彼らを保護することに失敗しました。

福島では、子どもが2011 年3 月から4 月にかけて、放射性物質を含むミルクを飲まなかったことにより、この種の放射線被ばくは非常に小さかったといえます。このため、近い将来あるいは、遠い将来、どんな甲状腺疾患の増加も予想できません。

チェルノブイリ周辺の放射性セシウムに晒された地域の居住者の長期被ばくがどのような影響を与えたかについて、25 年間にわたる細心の医学的経過観察および科学研究は、ブリャンスク地域の人口における特別の疾患の増加を示しませんでした。
また、最近、最も権威のある国際的な専門家により行われた、ベラルーシ、ロシアおよびウクライナにおけるチェルノブイリ事故の健康影響の評価でも同様でした。」

■甲状腺がん、福島は他県並み 環境省の比較調査
共同3月28日

 環境省は28日、東京電力福島第1原発事故による福島県の子どもの健康影響を調べるため、比較対象として青森、山梨、長崎の3県の子どもの甲状腺がんの頻度を調べた結果を発表した。「対象者数が違うので単純比較はできないが、福島と発生頻度が同程度だった」としている。

 環境省は2012年11月~13年3月、青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の計4365人を対象に、甲状腺の結節(しこり)などの有無を調査。福島と同様の56・5%に当たる2468人に5ミリ以下のしこりなどが見つかったほか、44人に5・1ミリ以上のしこりなどが見つかり、2次検査が必要と診断されていた。

福島原発事故によるがん増加「予想せず」、国連科学委が報告書
ロイター4月3日

ウィーン 2日 ロイター
-原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は2日、2011年の福島第1原子力発電事故の影響に関する報告書を発表し、被ばくによって今後がんの発生が増加することは予想しない、と指摘した。

ただ子どもについては、がんのリスクが高まる可能性もあるとした。同委員会は報告書で「福島第1原発事故による被ばくで、がん発生率の明確な増加は予想しない」と指摘し、同事故では1986年のチェルノブイリ事故に比べ、放出された放射性物質の量が少なかったと説明。また、迅速な住民避難など事故後の当局による対応が、事故の影響によるがん発症率の増加を抑えたと評価した。

■国連広報センター
http://www.unic.or.jp/news_press/info/7775/

原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)報告書:福島での被ばくによるがんの増加は予想されない

プレスリリース 14-023-J 2014年04月02日

一方、子どもの被ばくについては、理論的には将来的に甲状腺がんを発症するリスクが高まった可能性が低いながらもあると指摘。そうした可能性がある子どもの数は1000人以下と推計した。.                 

福島での被ばくによるがんの増加は予想されない国連報告書

最も高い被ばく線量を受けた小児の集団では甲状腺がんの低いリスクがある

ウィーン、2014年4月2日(UN Information Service)- 本日新たに、2011年の福島第一原子力発電所事故が起こった後もがんの発生率は安定したレベルを保つ可能性が高いとする国連報告が発表された。 「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルとその影響」と題された当該報告書は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)により作成された。

報告では、福島原発事故の結果として生じた放射線被ばくにより、今後がんや遺伝性疾患の発生率に識別できるような変化はなく、出生時異常の増加もないと予測している。

その一方、最も高い被ばく線量を受けた小児の集団においては、甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にあり得ると指摘し、今後、状況を綿密に追跡し、更に評価を行っていく必要があると結論付けている。甲状腺がんは低年齢の小児には稀な疾病であり、通常そのリスクは非常に低い

「人々が自身や自分の子どもの健康への影響を懸念するのは当然のことである」とUNSCEARの議長、カール=マグナス・ラルソン氏は述べ、「しかし、本委員会は、今回の評価に基づき、今後のがん統計に事故に伴う放射線被ばくに起因する有意な変化が生じるとは予想していない」との見解を示している。

これらの解析結果は、様々な集団(小児を含む)の被ばく線量の慎重な推定と放射線被ばくを受けた後の健康影響に関する科学的知見に基づいている。

解析によれば、対象とした集団のがん発生率への影響は小さいと予想されるとし、これは日本の当局側が事故後に講じた迅速な防護措置に拠るところが大きいとしている。

委員会は、報告された作業者の被ばくについても解析を行い、また、一部の作業員の被ばくを独自に評価した。委員会の評価は、報告された線量と概ね一致したが、事故の初期段階での被ばくについては不確かさが残っている。「本委員会は、がんや他の疾病の識別できる増加は予想されないと結論を出している」と、本評価の議長であるウォルフガング・ワイス氏は述べている。

委員会は、また、陸上および海中の生態系への放射線被ばくの影響を評価し、影響があるとしても、いずれも一過性のもので終わるとみている。

海中の生態系については、植物相と動物相が影響を受ける可能性は、原子力発電所に隣接する海岸域に限定され、長期的に影響が及ぶ可能性はごく小さいと予想された。

UNSCEARについて

1955年に設置された原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、電離放射線源のヒトの健康と環境への影響を広範に検証することを目的としている。UNSCEARの評価は、各国政府や国連機関が電離放射線に対する防護基準と防護のためのプログラムを作成するための科学的基盤となっている。

世界中の80名以上の著名な科学者が、福島第一原子力発電所の事故に伴う放射線被ばくの影響を解析する作業に取り組んだ。彼らがとりまとめた解析結果は、2013年5月に開催された委員会の年次総会で、27の加盟国により、技術的かつ学術的に精査された。科学者らは全員、本評価に参加するにあたり、利益相反の有無を申告することを義務付けられた。

UNSCEAR事務局は、国連環境プログラム(UNEP)が所管している。

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ウクライナ紛争その9 オバマの屈辱的人質外交

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わが国ではまったくといっていいほど報道されませんでしたが、大統領夫人・ミシェル・オバマは子供たちと共に3月19日から一週間、エアフォース・ワンを使っての中国旅行をしました。

国費で観光旅行するのかと、米国内でもさんざんですが、アメリカ人には東洋のポイントが分かっていないようです。

いや観光じゃない「外交」だというならば、今までの米国では考えられないとんでもなく屈辱的なもののはずです。

なぜって?

まずミシェル女史が訪中したこの期間中(3月23日~26日)、彼女の旦那は核セキュリティサミットで、習になんとかロシア批判に加わってくれと懇願していました

ミシェルの訪中は表向き、習の訪米時にミシェルが欠席したことの埋め合わせということのようですが、わけはありません。

中国はピッタリと習夫人の彭麗媛を張り付けて下にも置かないおもてなしです。

下の写真で習の隣で出迎えているのが夫人の彭麗媛で、有名な歌手ですが人民解放軍少将という肩書を持っています。(写真gettyimages)

この中国の大歓迎ぶりには裏があります。大国のファーストレディが来たからなどと思っては、中国を分かったことになりません。

中国は歴史的伝統として、古来より人質文化がある国だからです

わが国でも江戸時代まで大名の夫人や子息は江戸から出られませんでしたね。あれと一緒です。

秀吉などは自分の母親まで家康に差し出して、大阪に来るように求めた故事もあります。

秀吉は家康に大阪に来ることを懇願する、つまり自分の権力を承認してほしいという政治的要求の代価として母親の命を差し出したわけです。

中国にこのウクライナ紛争の時期に、オバマが女房子供を差し出せば、習はその政治的寓意をすぐさま理解したはずです

中国という国は、古代から何も変わっていない「生きている古代国家」なのです。

事実、近藤大介氏によれば、中国外務当局者はこう言っていたそうです。

「パンダ外交というより、古代中国で頻発していた『人質外交』のように受けとめている。春秋戦国時代の中国においては、王や諸侯が隣国に自らの子供を預けることが行われた。『もしわが国が裏切ったら自分の子供を殺しても構わない』というわけだ。
今回、オバマ大統領は中国に対して、まさに『人質外交』のカードを切ってきた。これはオバマ大統領からの『中国との友好関係構築は本気だ』という強いメッセージと受けとめた。

オバマは人質文化のある中国に対して、「大事な頼みごと」があるこの時期に夫人と子供を政府専用機で送りつけました。

それはこれが米国の公式的外交だと言っているわけです。このオバマの「外交」が含む意味を書簡調に翻訳してみましょう。

拝啓 習総書記閣下
アメリカ合衆国は、中華人民共和国に対して、大統領夫人と子供たちを送った。わが国の誠意を汲んで頂きたい。
もしわが国が裏切ったと貴国が思われたのなら、人質は殺してもかまわない。ぜひわが国の衷心からの依頼であるウクライナ問題で、わが国が望むロシア非難に同調していただきたい。
合衆国大統領バラク オバマ拝

ミシェルさん、分かって行ったならスゴイなぁ。悪いこと言わないがら、大統領辞めたら、こんな男とさっさと別れなさい(笑)。

一方、米国務省が白々しく言うところの、「世界で一番重要な同盟国」ニッポンは同時期、オバマが国賓で来るのこないの、短いからもう1日でも居てくれなんて健気に頼んでいたのですから、涙が出ます。

オバマがどちらを向いて外交をしているのか、これを見てよく分かったでしょう。

ミシェル夫人の訪中は、中国に媚を売ることですから、とうぜんのこととしてかの国の人権問題に一切ふれない対応をしました。

ひょっとしてりべラル弁護士のミシェルさんならと淡い期待をしていた中国人権派は、いたく失望したようです。

「中国の人権活動家たちは最近、米国のオバマ政権に対する不満を高めている。歴代米政権と比べて、中国の人権や民主化問題への言及が少ないだけではなく、ミシェル・オバマ大統領夫人(50)が今月、中国を訪問した際、四川省成都市のチベットレストランで食事をしたことについて「チベット問題で中国の演出に協力した」とショックを受けた人が多い。」(産経3月30日)

人権派には気の毒ですが、オバマ夫人は習という超大国の「皇帝」に叩頭しにきた敵国皇后なのです。

習が用意したスケジュールは、まさに中国皇帝のプレステージ(威信)を見せつけるものでした。

初日の午後には黒い豪華な中国古来の衣装に身を包んだ彭麗媛「皇后」に案内されて、一般観光客をすべて締め出した皇帝の宮殿を堪能させました。(上写真参照)

政治的寓意は露骨なまでに明らかですね。

世界の中心、すなわち「中華」はどの国なのか、そしてその中華帝国の富と権力を独占しているのが誰なのか、を見せつけたのです。

この女房子供を人質に出してまでご機嫌を取ろうとするオバマは、ロシアをなんとか非軍事的方法で政治的に包囲しようと必死でした。

オバマは習にも核セキュリティ・サミットで、対露制裁に参加するように求めたようですが、人質のかいもなくもちろん習は拒否したようです。

中国は、当初米国からあったとされているプーチン説得の依頼を受けるそぶりを見せながら、結局国連のクリミアの住民投票無効議決には棄権しました。

それどころか、共産党外交機関紙の環球時報などは、まだミシェル女史が中国にいる時期に平気で、「クリミア併合は国際正義だ」と書いているのですかから、オバマも馬鹿にされたものです。

オバマではなくオバカですな。おそらく歴代でこれだけの外交オンチデ、米国をガタガタにしたのは同じ米国民主党のカーターくらいでしょう。

「中国政府の曖昧な態度に対し、共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は19日付の1面トップに「クリミア、家に帰ってきた」と題するロシア寄りの長文記事を掲載。元駐露武官、王海運少将の「ロシア支持は国際正義への支持だ」という趣旨の寄稿も載せた。」
(産経新聞3月20日)

中国にとって、今回のクリミア紛争は二立背反になりかねない問題でした。

クリミアの分離独立を認めるということは、ウィグルやチベットの分離独立にもつながりかねず、オバマ米国を取り込み、G2支配をめざす習としてはあっさり賛成することはできなかったはずです。

かといって、国連安保理でロシア一国だけが非難を浴びるという構図も、中露同盟にも含みを残したい中国としては避けたい。

だから棄権という中立を保つことで巧みに避けたわけです。

もう一点、習の個人的動機もありました。

というのは、近藤氏によれば、習が世界でもっとも尊敬している政治家がプーチンであり、ほとんど片思い状態だそうです。

習はプーチンを師としているのです。プーチンのように、15年間にわたって強権をもって大国を統治したいようです。

よりにもよってこんな人物にオバマはプーチン説得を依頼したわけですから、外交オンチにもほどがあります。

ホワイト・ハウスには中国専門家がひとりもいないか、逆に揃いも揃って中国の息がかかっている者たちなのでしょうか。私は後者のような気がしますが(笑)。

つまり、今の中国は米国とロシアの中立を保つ顔をして、どちらが高く自分を買うのかを計算高く見ているといたところでしょうか。

中国にしてみれば、今ロシアを露骨に支持することは、南沙諸島や尖閣問題で既に国際的非難を浴びている中で、「力による現状変更」を厭わない国として、ロシアと同列に並べられる構図は避けたかったと思われます。

棄権ということでロシアに対して貸しを作り、後に自ら膨張政策をした場合、ひとつよろしくといったところでしょうか。

「中国政府系シンクタンクのロシア専門家は「中露は外交交渉をしているはずだ。プーチン氏が釣魚島(尖閣諸島の中国名)で中国を支持すれば、中国もクリミア問題でロシアを支持すると表明するだろう」と話している。」(同)

こうして習は、オバマとプーチン双方に「貸し」を作ったとほくそ笑んでいると思われます。

それにしても、G7にはプーチンと互いにファーストネームで呼び合い、年に5回も首脳会談をしている政治家がいたのですが、オバマははなから視野になかったようです。

誰ですって、もちろんうちの国の首相ですよ(爆笑)。

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ウクライナ紛争その8 西欧はクリミアを差し出し、ロシアと融和した

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どうやら欧州側とプーチンとの間で、暗黙の「合意」が成立したようです。

フランスAFP(4月1日)がウクライナの「事態が緩和に向かいつつある新たな徴候」を配信しています。

「ドイツのアンゲラ・メルケル首相府も、31日にロシアのウラジーミル・プーチン統領からメルケル氏に電話があり、軍撤退について個人的に連絡を受けたと発表している。ただしそれ以外の詳細については明かしていない。
フランクワルター・シュタインマイヤー独外相は、ロシア軍の一部撤退を「事態の緊張が緩和しつつあることを表す小さな兆候」とする見方を示した。」

またウクライナ東部に展開していたロシア軍の一部が、撤退を開始したようです。

「ウクライナ国防省参謀部の報道官はAFPの電話取材に対し、「ここ数日、ロシア軍が徐々に国境付近から撤退しつつある」と伝えた。同報道官は、撤退した兵士の数や国境地帯に引き続き駐留している部隊の規模については確認できていないとしている。米国と欧州連合(EU)は先に、ロシアの突然の増派で3万~4万人の部隊が同域に展開していると推定していた。」(同)

また、プーチンはAFPによれば28日にオバマに電話会談を申し入れたそうです。

どのようなことを話合ったのかは判明していませんが、おそらくメルケルに伝えたと同様のことを言ったと想像できます。

AFPは、20日ほど前に「クリミア差し出しウクライナ救うか」(3月11日)という記事を掲載しています。
http://www.afpbb.com/articles/-/3010152

この記事には何人かの欧米専門家の予測が出ていますが、冒頭に結論としてこのような、ある意味衝撃的な予測が述べられています。

「世界の指導者たちが、決して認めはしないが、嫌々受け入れざるを得ないかもしれない、ウクライナ危機の醜悪な解決策──それは、ウラジーミル・プーチン露大統領にクリミアを差し出すことで、ソ連崩壊後のロシアの力を復興させた全能の指導者として覚えられたいというプーチン氏の野望を十分に満たし、残りのウクライナ領土に手を出さないことを願う、という方法だ
 このような宥和政策は、バラク・オバマ大統領に対する米国内の批判勢力にとっても、プーチン氏の好戦的姿勢を目の当たりにし自国の安全を懸念する東欧の旧ソ連構成諸国にとっても、受け入れられるものではないだろう。」

「英ロンドンにある王立国際問題研究所(チャタムハウス、のジェームズ・ニクシー氏は「プーチン大統領がこれ以上、進むことはない」と反論する。「その可能性は非常に低い。彼(プーチン)はすでに欲しかったものを手に入れたからだ」。米経済専門テレビ(CNBC)に出演したニクシー氏は「クリミアは失われた」と語った。クリミアは落ちた」

メルケルやオバマは、電話会談においてプーチンに対して立場上原則的なことを述べるにとどまったでしょう。

すなわち、「実力による現状変更は認めない」「ウクライナの住民投票及びロシア編入は無効である」という虚しい言葉です。(下図ロイター3月22日)

ウクライナ分裂の危機

プーチンはウクライナ国境線に5万の軍を進めることで、いつでも国境から東ウクライナ全域の線(上図赤線)まで進攻可能であることを事実として示しました。

そしてこれを阻むには、もはやNATOの軍事力の全面行使しか選択肢がなく、それは史上初めてのNATO軍とロシア軍との局地的戦闘となり、その趨勢しだいではウクライナにおける戦術核の応酬になるという決意です。

その決意が欧米の指導者のただひとりもないのを見抜いた上で、プーチンが示したブラフ、恫喝です。

プーチンは、オバマやメルケルにこう言ったのです。

「俺はかまわない。最後のカードをめくってみようか」

欧米側の歯ぎしが、フランスAFPの行間から透けて見えるようです。

ウラジーミル・プーチン露大統領にクリミアを差し出すことで、ソ連崩壊後のロシアの力を復興させた全能の指導者として覚えられたいというプーチン氏の野望を十分に満たし、残りのウクライナ領土に手を出さないことを願う、という方法だ。」(同)

プーチンは、「クリミアをもらう代わりに、ウクライナ領土には手を出さない」という見返りに、今の暫定政府を暗黙で認め、次の5月のウクライナ大統領選を注視するでしょう。

もちろんプーチンのことですから「注視」するだけではなく、ウクライナ国内の「ロシア統一党」グループをあらゆる方法で応援し、東ウクライナ全域で確固たる「ロシアの影」を見せつけようとします。

そしてその後は東ウクライナ住民による連邦制要求へと歩を進めることでしょう。そこまでくれば、その先はクリミアの再演が始まるだけです。

すべてがプーチンの思惑通りです。欧米は一敗地にまみれたのです。

プーチンは、冷戦の敗者として平和が、戦争という言葉の裏書きがあって初めて成立することを知っており、それに対して欧米のかつての勝者たちは、その教訓をあっさりと忘れてしまっただけなのです。

観念的核軍縮を唱え、パシィフィズム(平和主義)に酔って、ノーベル平和賞を取った男は、実に高い代償を払わされたのでした。

このクリミア「割譲」は後世の歴史教科書に乗る事件となることでしょう。

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農業関税は世界最低クラスだ

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毎度のことですが、TPP交渉になるとマスコミはなぜか農業関税だけを取り上げます。

まるで、農業界との公約で農業重要5品目を死守しているからTPPが妥結しないのかという錯覚かうまれそうです。

いままで再三再四取り上げてきましたように、まったく違います。

米国がTPPで牛肉や豚肉の関税を言い募って来るのは、これがわが国の攻め口だと思っているからで、米国のほんとうの狙いは保険や医療分野などです。

おそらく今回も、農業外の分野についてそうとうに突っ込んだことを交渉しているはずです。

ただ、自民党が選挙公約として重要5品目という形で農業関税を死守することを誓ったために、それだけがクローズアップされているだけです。

まずは「そこからですか」という所から見ていきます。

下に、主要国の農業関税のグラフを載せておきます。資料は1999年とやや古いのですが、特定国同士のFTA・EPA関係にない限り、そう大きな変化はないはずです。

一目でわかるように日本は平均11.7%で、下から2番目の優等生です。そもそも、工業製品輸出国が保護関税国であるはずがないでしょう。

唯一米国には負けていますが、これは、米国が特異な輸入消費大国だからです。

関税はその国特有の事情があるので比較すること自体がナンセンスなのですが、どうしても比べるのなら、国の面積や生活レベル、工業化水準が近いEUでしょう。

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                       (図 鈴木宣弘氏による)

EU平均は19.5%で、ノルウエーなどは実に127%です。新興国はインドが124.3%、ブラジルの35.3%など軒並み高間税で農業をガードしているのがわかります。

これでも日本の農産物関税が突出して高いというなら、なにを見てそう言っているのか論拠のデーターを教えてほしいものです。

よく情緒的に、わが国の農産物の関税がバカ高いので、消費者は世界一高い食糧品を食べさせられているというデマを言う者が絶えませんか、冗談ではありません。

野菜、鶏卵、果樹などの主要農産物の多くは無関税か平均3%以下。ほとんど関税に関してはノーガードだといっていいでしょう。

そういえば、放射能風評時に、「高関税でヌクヌクとしていたくせに、今は放射能の農産物を出荷するのか、TPP賛成!輸入食糧を食べさせろ!」と叫んだバカがここにも押しかけてきことを思い出しました(笑)。

それはさておき、逆に高関税のほうが例外にもかかわらず、この「例外」ばかりがマスコミで取り上げられるためにこんなミスリードが生まれています。

私は、小麦などの国が買い上げて統制したり、豚肉のような差額関税を作って貿易を歪めるのには反対ですが、必要な関税はすっきりとプラスする従価制度にして残すべきだと思っています。

そうでもないとまた、あのマッチョのフロマンに叩かれますよ。

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ウクライナ紛争その7 ウクライナ暫定政権の混乱とその先

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米露外相会談がパリで開かれましたが、なんの進展もありませんでした。

ロシアは、ウクライナが憲法を変えて連邦制を認め、東部の自治を拡大すべきだと発言したようです。

もうロシアは東ウクライナまで視野に入れた動きをしています。

「インタファクス通信によると、ラブロフ外相は、米国側との協議が「建設的なものだった」と評価したうえで、ロシア系住民が多く住むウクライナ東部の自治拡大に向けて、ウクライナの改憲を通じた「連邦制」の導入以外に事態打開の道はないとの見解を示した。」
(産経3月31日)

さて、次のウクライナの政治的焦点は、5月25日に予定されている大統領選挙です。

これに欧米が推す暫定政権が負け、IMF支援を拒否する親露勢力が勝利した場合、欧米の目論見はこの時点でお終いです。

欧米はなにがなんでも暫定政権に勝ってもらわねばなりません。そういった中、暫定政権に加わっている「右派セクター」のリーダーだったオレクサンダー・ムージチコが治安部隊に射殺されました。

暫定政権はいままで何度も書いてきましたように、2004年の「オレンジ革命」の勢力であったソロスなどの金融資本がバックにある勢力と、独立後に火事場泥棒で国有財産を盗んだ旧共産党幹部(オルガリヒ)の合体したものです。

ひとつかつてとおおきく異なるのは、ネオナチが「暴力装置」としてこれに加わったことです。

右派セクター」は、多くあるネオナチの中でもひときわ過激で、2月の反政府闘争を一気に内戦状態までもっていった組織でした。

彼は過激なネオナチで、ロシアから指名手配を受けています。いわば暫定政権内のハネ上がりといったところでしょう。(欄外参照)

危険人物が治安部隊に殺されるというのはよくありそうな話ですが、彼が死ぬ前にY ouTubeにアップした「遺言」が波紋を呼びました。(下写真がムージチコ)

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   (写真 YouTube※http://www.youtube.com/watch?v=X-rlNNx82UE

ムージチコは映像でこう言っています。

検事総長室や内務大臣が自分の処分を決定して、自分を殺害するか、捕まえてロシアへ引き渡し、全ての責任をロシアの情報機関になすりつけて非難する段取りになっている

彼の言うとおりなら、射殺を指令したのが他ならぬ検察を握ったネオ・ナチの主流派・スボボダのオレー・マクニスキーだということになります。(欄外参照)

その上、これに承認を与えたのも、同じくスボボダの大物で、次期大統領の有力候補とされているオレフ・チャフニボクだという説もあります。

(写真 アメリカのヌーランド国務長官補(中央)、首相ヤツェニュク(右)、チャフニボク(左)、クリチコ(奥))

ムージチコはAFP(3月29日)によれば、チェチェンでのつながりからイスラム過激派のパイプ役をしていたと見られています。

またソース不明情報では、天然ガスパイプラインを攻撃するという脅迫をしたという噂もあるそうです。

内務省が、パイプラインを「ウクライナでもっとも重要な資産として軍が保護する」命令を発しているところをみると、実際そのような動きがあったのかもしれません。(欄外参照)

この事件はおそらく、EUやIMF、つまりは欧米と協調して彼らの支援と引き換えに要求を呑むべきだという暫定政権主流派と、ロシアのみならず欧米とも対決姿勢を鮮明にする過激派との間の争いです。

そして前者が後者のハネ上がりを排除したと読めます。

2月上旬に、アメリカのヌーランド国務次官補とジェフ・パイエト駐ウクライナ大使とが、ウクライナ野党勢力の今後の人事について相談している電話の会話がYoutubeに流出しています。

この電話で、ヌーランドはこう言っています。

「クリチコが政権に入るのはよい考えではない。経済に関する経験や政治の経験があるヤツェニュクが首相になるのがよい。チャフニボクとクリチコは閣外にいればよい」

結局、このクーデター政権は、このヌーランドの言うとおりのメンバーで組織されました。一国の合法的政権を暴力的に倒し、自分の思う通りの新政権を作るとはなかなかいい根性です。

米国はかつてイラクでありもしない大量破壊兵器て言いがかりをつけたあげく、合法政権を武力で倒し、テロと内戦の地獄に変えたことをまるで総括していないようです。

米国は、IMFの支援と引き換えに、暫定政権内に居すわったネオナチを一掃するように要求しているはずです。

多数のネオナチがいて、しかも治安関係の要職についているような暫定政権は、国際社会の承認をえられないばかりか、ロシアにとって格好の攻撃材料となっています。

戦後、ネオナチ残党を温存し育成して、今回のヤヌコビッチ政権のクーデターに用いたのが他ならぬ米国だったことも暴露されたくはないはずです。

この米国の要求を受け入れて、純正ネオナチでありながら、党名をスボボダ(自由党)に掛け替えたといったセンスを持つプラグマチックな政治家のチャフニボクが、「右派セクター」との権力闘争を決意したという仮説も成り立ちます。

今の暫定政権は、その名のとおり合法性を持っていません。クーデター直後の民衆に拍手で「承認」されたような政権です。

ネオナチと国有財産の簒奪で富を稼いだような連中の野合政権に、統治能力があると思うほうが無理があります。

また東ウクライナのロシア系住民の反発も予想されます。おそらく、各派の民衆や民族が激しい抗争をしていくでしょう。

アレクサンドル・ブーギン(露の国際政治学者)の、皮肉なこの言葉をオバマはかみしめるべきでしょう。

米国が介入すると必ず、アフガンでもイラクでもリビアでもシリアでもウクライナでも、 人々は狂わされ、社会は分断され、国家は瓦解する」(「ロシアの声」)http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_23/270089153/

今回のムージチコ事件はその予兆にすぎません。

                   ~~~~~~~~~

■AFP 3月29日

(前略)3月28日 キエフ/ウクライナ AFP】ウクライナの首都キエフ(Kiev)の国会議事堂前に27日夜、数日前に幹部を警察に射殺されたと主張する極右の民族主義者らが多数結集し、議事堂の窓を割るなどして、アルセン・アバコフ(Arsen Avakov)内相代行の辞任を要求した。

ウクライナでは24日、西部リブネ(Rivne)で警察が極右組織「右派セクター(Pravy Sektor)」の地域幹部、オレクサンドル・ムジチコ(Oleksandr Muzychko)容疑者を逮捕しようとした際に銃撃戦となり、ムジチコ容疑者が死亡した。当局側はムジチコ容疑者が先に発砲を始め、自分の撃った銃弾で死亡したとしている。(後略)

■ロイター3月17日

[キエフ 16日 ロイター] ウクライナ内務省は16日、ガス輸送・配給システムをウクライナ軍が完全な管理下に置き、特殊警備隊に警護させていると発表した。

内務省の声明によると、「ウクライナの最も重要なインフラ(社会資本)資産の安全と円滑な運営を確保する」旨の首相命令が下された。詳細は明らかにしていない。

ロシアは、ウクライナ国内のロシア系住民を保護するため、必要なら軍を派遣する構え。ウクライナの一部メディアは、ロシアの侵略への報復措置として、ロシア産天然ガスをウクライナ経由で西欧諸国に輸送するパイプラインを攻撃する可能性があるとの極右グループの発言を伝えている。

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