鮨と晩餐会の裏での攻防事情
どうも諸情報を総合すると、米首脳会議の裏でTPP交渉の息詰まる押し合いがあったようですね。
23日夜、鮨をつまみながら、オバマは米国の落し所をかなり細かい数字を出して安倍に言ったようです。
そうか、あのにこやかに見えた夕飯の席上で、そんな仕事をオバマはしていたというわけです。
一方安倍は、それをただちに「この線で交渉しろ」と甘利担当相に命じます。おそらく下のような漏れ伝わる数字に近いものが示されたと思われます。(※この数字は新聞情報を総合したものですが、未確認です。念のため)
・牛肉 ・・・関税は現行38.5%を豪並か、ギリギリ譲っても10%以上。
・豚肉 ・・・現行4.3%をやや下げるが、安い豚肉にかけられている差額関税は維持。
・乳製品・・・現行脱脂粉乳218%、バター360%は維持。ただし低関税輸入枠を増やす。
・コメ ・・・死守。せいぜいが低関税枠の増加。
・麦 ・・・現行小麦252%、大麦256%は死守。ただし米国からの無関税枠は増やす。
・砂糖 ・・・現行砂糖328%、サトウキビ583%を死守。
ここで再び甘利-フロマン交渉が再開しますが、不調。
この報告を受けたオバマは、なんと翌日の宮中晩餐会の席で、安倍に近づき、「今夜中に結論を出させよう。コーヒーがいるかもな」とささやき、再びの甘利-フロマン会議。
フロマンはほんとうにスタバのコーヒーを持って現れたそうです。甘利さん、生涯で一番うまくないコーヒーだったことでしょう(笑)。
またもや徹夜の甘利-フロマン交渉があるわけですが、ところがフロマンはどのような指示をオバマから受けているのかわかりませんが、まったく頑として譲らない。
フロマンは、「このていどの譲歩しかでないなら、日米共同声明は出ないな」と、共同声明をカタに居丈高に攻めて来たようです。
フロマンは焦点を、豚肉の基準価格と自動車の安全規格に絞ったようです。
日本の自動車市場は開かれている」と主張する甘利に対して、フロマンは「米車が売れないのはお前らのこの規格のせいだ」とも言ったそうです。
おそらく甘利も、米国の自動車と自動車部品の関税撤廃くらいは言ったと思われます。もしそれすら言わないなら、単なる「本土決戦」でしかありません。
最後にはフロマンは今まで基本合意した別の事項まで蒸し返して暴れたそうです。とうぜのこととしてまたまた決裂。
日本側の公式発表では「大筋合意の道筋が見えた」とのことですが、それは何がデッドロックなのかはっきりしたていどのことです。
日本側から見れば、最大のデッドロックはフロマン自身でしょうに。
まぁこれで、なんとかまとめたいという日本側と、まったく一歩も譲れない米国という図式がはっきりしました。
自動車の安全基準などは、菅官房長官が言うように譲りようがないので、もうひとつの豚肉の基準価格を廃止すれば、かなり歩み寄れるでしょうが、ほんとうにこれでいいのかということを国民が議論せねばおかしいのです。
ところが、TPPは今までなんどとなく指摘してきているように、外交交渉のためにブラックボックスです。
今出ている「情報」も、甘利担当相がいっさいの取材を拒んでいるために、TPPを進めたい経済産業省と止めたい農水省が流すリーク情報を、賛成反対の立場で憶測する様相を呈しています。
そのうちUSTRの広報誌インサイドUSトレードが都合いい情報を流すことでしょうから、もはや藪の中です。
いずれにせよ、二国間交渉が妥結して初めて国会批准の段取りとなって国民に内容が分かるようなことに、国と国民の生活を託していいものでしょうか。
そう考えると、フロマンの頑迷さに感謝せねばならないのかもしれません(苦笑)。
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コメント
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投稿: maillot equipe de france coupe du monde 2014 | 2014年5月24日 (土) 16時51分