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2014年4月 1日 (火)

ウクライナ紛争その7 ウクライナ暫定政権の混乱とその先

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米露外相会談がパリで開かれましたが、なんの進展もありませんでした。

ロシアは、ウクライナが憲法を変えて連邦制を認め、東部の自治を拡大すべきだと発言したようです。

もうロシアは東ウクライナまで視野に入れた動きをしています。

「インタファクス通信によると、ラブロフ外相は、米国側との協議が「建設的なものだった」と評価したうえで、ロシア系住民が多く住むウクライナ東部の自治拡大に向けて、ウクライナの改憲を通じた「連邦制」の導入以外に事態打開の道はないとの見解を示した。」
(産経3月31日)

さて、次のウクライナの政治的焦点は、5月25日に予定されている大統領選挙です。

これに欧米が推す暫定政権が負け、IMF支援を拒否する親露勢力が勝利した場合、欧米の目論見はこの時点でお終いです。

欧米はなにがなんでも暫定政権に勝ってもらわねばなりません。そういった中、暫定政権に加わっている「右派セクター」のリーダーだったオレクサンダー・ムージチコが治安部隊に射殺されました。

暫定政権はいままで何度も書いてきましたように、2004年の「オレンジ革命」の勢力であったソロスなどの金融資本がバックにある勢力と、独立後に火事場泥棒で国有財産を盗んだ旧共産党幹部(オルガリヒ)の合体したものです。

ひとつかつてとおおきく異なるのは、ネオナチが「暴力装置」としてこれに加わったことです。

右派セクター」は、多くあるネオナチの中でもひときわ過激で、2月の反政府闘争を一気に内戦状態までもっていった組織でした。

彼は過激なネオナチで、ロシアから指名手配を受けています。いわば暫定政権内のハネ上がりといったところでしょう。(欄外参照)

危険人物が治安部隊に殺されるというのはよくありそうな話ですが、彼が死ぬ前にY ouTubeにアップした「遺言」が波紋を呼びました。(下写真がムージチコ)

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   (写真 YouTube※http://www.youtube.com/watch?v=X-rlNNx82UE

ムージチコは映像でこう言っています。

検事総長室や内務大臣が自分の処分を決定して、自分を殺害するか、捕まえてロシアへ引き渡し、全ての責任をロシアの情報機関になすりつけて非難する段取りになっている

彼の言うとおりなら、射殺を指令したのが他ならぬ検察を握ったネオ・ナチの主流派・スボボダのオレー・マクニスキーだということになります。(欄外参照)

その上、これに承認を与えたのも、同じくスボボダの大物で、次期大統領の有力候補とされているオレフ・チャフニボクだという説もあります。

(写真 アメリカのヌーランド国務長官補(中央)、首相ヤツェニュク(右)、チャフニボク(左)、クリチコ(奥))

ムージチコはAFP(3月29日)によれば、チェチェンでのつながりからイスラム過激派のパイプ役をしていたと見られています。

またソース不明情報では、天然ガスパイプラインを攻撃するという脅迫をしたという噂もあるそうです。

内務省が、パイプラインを「ウクライナでもっとも重要な資産として軍が保護する」命令を発しているところをみると、実際そのような動きがあったのかもしれません。(欄外参照)

この事件はおそらく、EUやIMF、つまりは欧米と協調して彼らの支援と引き換えに要求を呑むべきだという暫定政権主流派と、ロシアのみならず欧米とも対決姿勢を鮮明にする過激派との間の争いです。

そして前者が後者のハネ上がりを排除したと読めます。

2月上旬に、アメリカのヌーランド国務次官補とジェフ・パイエト駐ウクライナ大使とが、ウクライナ野党勢力の今後の人事について相談している電話の会話がYoutubeに流出しています。

この電話で、ヌーランドはこう言っています。

「クリチコが政権に入るのはよい考えではない。経済に関する経験や政治の経験があるヤツェニュクが首相になるのがよい。チャフニボクとクリチコは閣外にいればよい」

結局、このクーデター政権は、このヌーランドの言うとおりのメンバーで組織されました。一国の合法的政権を暴力的に倒し、自分の思う通りの新政権を作るとはなかなかいい根性です。

米国はかつてイラクでありもしない大量破壊兵器て言いがかりをつけたあげく、合法政権を武力で倒し、テロと内戦の地獄に変えたことをまるで総括していないようです。

米国は、IMFの支援と引き換えに、暫定政権内に居すわったネオナチを一掃するように要求しているはずです。

多数のネオナチがいて、しかも治安関係の要職についているような暫定政権は、国際社会の承認をえられないばかりか、ロシアにとって格好の攻撃材料となっています。

戦後、ネオナチ残党を温存し育成して、今回のヤヌコビッチ政権のクーデターに用いたのが他ならぬ米国だったことも暴露されたくはないはずです。

この米国の要求を受け入れて、純正ネオナチでありながら、党名をスボボダ(自由党)に掛け替えたといったセンスを持つプラグマチックな政治家のチャフニボクが、「右派セクター」との権力闘争を決意したという仮説も成り立ちます。

今の暫定政権は、その名のとおり合法性を持っていません。クーデター直後の民衆に拍手で「承認」されたような政権です。

ネオナチと国有財産の簒奪で富を稼いだような連中の野合政権に、統治能力があると思うほうが無理があります。

また東ウクライナのロシア系住民の反発も予想されます。おそらく、各派の民衆や民族が激しい抗争をしていくでしょう。

アレクサンドル・ブーギン(露の国際政治学者)の、皮肉なこの言葉をオバマはかみしめるべきでしょう。

米国が介入すると必ず、アフガンでもイラクでもリビアでもシリアでもウクライナでも、 人々は狂わされ、社会は分断され、国家は瓦解する」(「ロシアの声」)http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_23/270089153/

今回のムージチコ事件はその予兆にすぎません。

                   ~~~~~~~~~

■AFP 3月29日

(前略)3月28日 キエフ/ウクライナ AFP】ウクライナの首都キエフ(Kiev)の国会議事堂前に27日夜、数日前に幹部を警察に射殺されたと主張する極右の民族主義者らが多数結集し、議事堂の窓を割るなどして、アルセン・アバコフ(Arsen Avakov)内相代行の辞任を要求した。

ウクライナでは24日、西部リブネ(Rivne)で警察が極右組織「右派セクター(Pravy Sektor)」の地域幹部、オレクサンドル・ムジチコ(Oleksandr Muzychko)容疑者を逮捕しようとした際に銃撃戦となり、ムジチコ容疑者が死亡した。当局側はムジチコ容疑者が先に発砲を始め、自分の撃った銃弾で死亡したとしている。(後略)

■ロイター3月17日

[キエフ 16日 ロイター] ウクライナ内務省は16日、ガス輸送・配給システムをウクライナ軍が完全な管理下に置き、特殊警備隊に警護させていると発表した。

内務省の声明によると、「ウクライナの最も重要なインフラ(社会資本)資産の安全と円滑な運営を確保する」旨の首相命令が下された。詳細は明らかにしていない。

ロシアは、ウクライナ国内のロシア系住民を保護するため、必要なら軍を派遣する構え。ウクライナの一部メディアは、ロシアの侵略への報復措置として、ロシア産天然ガスをウクライナ経由で西欧諸国に輸送するパイプラインを攻撃する可能性があるとの極右グループの発言を伝えている。

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コメント

失敗に終わったキューバとベトナムばかり有名ですが、
ブラジル・インドネシア・イラン・ニカラグア・パナマ・・・挙げればきりがないほど暗躍してますね。

ソビエトも東欧各国で政権転覆やって、アフガンでコケたわけですが。。。

冷戦崩壊後もアメリカは湾岸戦争を始め、あちこちでやってくれてますから。
さらには9・11以降は「対テロ戦争」との名で壊しまくる。

なんの反省も総括もしない国ですね。
オバマに代わって少しは良くなることを期待してたんですが…。

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