STAP細胞事件について
え~、ひさしぶりにブーイング゙が沢山;聞こえて参りました。だからあんたは、若い女に弱いという声が四方から聞こえてきます(汗)。
この事件でよくゴッチャになって論じられるのは、私が問題として取り上げた理研という組織の問題と、小保方氏の論文自体に対する批判です。
実はそれは別な次元の話なのですが、小保方氏側が弁護士を立てての不当解雇闘争もどきに持ち込むような構えのために、いっそう混乱してしまった様な気がします。
私もしっかりとそのあたりを切り分けて考えていなかったと反省しております。
私は前回書きましたように、理研が小保方氏の聴取を一回しかしていないのをみると、早すぎた公表と早すぎた幕引きに疑問をもたざるをえませんでした。
その意味で、私は彼女の立場に対しては同情的だったと言っていいと思います。
ただし、彼女の主張する内容に関しては、調べれば調べるほど、私自身これはかばいきれないな、という気持ちがしてきたのも事実です。今日はその辺を。
さて、 ネーチャー誌の目をすり抜けた疑惑が一気に暴露されたのは、既存の科学界からではなく、11jigenや「、世界変動展望」というブロッガーからの指摘からでした。
自分でもブログやっておきながら、改めて今の時代だなぁと思います。5年前までならありえないことでした。
改めてネットというのはスゴイ力を持つに至ったという思いと同時に、このようなネット時代において、私はかねがね論文のデータ捏造はありえることだと思っていました。
なんせ、簡単ですからね、コピペは。一瞬です。
たとえば、この間やってきたウクライナ紛争でも、ソースはほぼひとつでありながら、そこから出てくる玉石混淆の未確認情報がなんの検証もされずに、次々と拡散していくのを妙に感心して見ていました。
コピペした引用元を明示しないので、あることころまで行ったらもう事実として情報の一人歩きをしています。
今回のSTAP細胞問題でもコピペしたほうもデジタル、暴いた方もデジタルでした。
考えて見れば、こんな時代に自然科学が影響を受けないわけがないのです。というか、ある意味で人畜無害な(失礼)人文科学系より誘惑は強いのではないでしょうか。
となるといっそうのこと、不正とセーフのラインを見極めるのが難しかったと思います。
今回の小保方氏の「悪意の捏造」が、彼女が会見で述べていたような比較対象を明示するため「見やすくするためにした」ていどのものなら、それは「未熟」で済まされる問題でしょう。(甘いか)
いわばイエローカードで、訂正しておきなさいよ、次にやったらアウトですというていどです。
ところが問題は、その研究の根幹部分が極めてあいまいな点です。ほんとうにSTAP細胞現象はできたのだろうか、という本質的部分が危ういのです。
言ってみれば、ここがダメならデータ偽造もクソもなく壊滅なわけで、彼女は自分の科学者生命どころか、日本の科学界の信頼性を見事ぶっ壊してくれたことになります。
残念ですが、小保方氏びいきの私が見ても、今の段階ではSTAP細胞が存在する可能性は低く、よく言ってあげて誤認ないしは勘違い、下手をするとやはり「捏造」という線が濃くなっています。
藤沢数希氏によれば、小保方氏がネーチャー誌に発表したSTAP細胞(※1)論文はこの3種類によってできています。
http://blogos.com/article/84142/
1. Oct4-GFPの発現(※3 Oct-4陽性反応)
2. テラトーマ(※2奇形腫・ガンのようなもの)
3. キメラマウス(※4同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が 混じっている個体)
この3ツの実験にデータに不正があった場合、それは実験の根幹に関わることであり、単なる「見やすくするため」という小手先の言い逃れが効かないのです。(欄外参照)
たとえば、下のテラトーマの画像は、STAP細胞の実在を裏付ける重要な証拠ですが、これを小保方氏は「研究会で使ったパワーポイントの図をまちがって使ってしまった」と言ってしまっています。
この部分はいわゆるチャンピオン・データと呼ばれていて、論文の中核をなす部分です。これを取り違えることなどあるはずがないというのが、多くの自然科学者の意見です。
また、共同執筆者の若山照彦氏が論文取り下げに同意した理由は、小保方氏から送付されたSTAP細胞と称するものが、実は後に第三者機関の調査でES細胞(受精卵からとった幹細胞)のマウスのものだったということが分ったからです。
小保方氏は、実験の根幹に関わるキメラマウスの実験に関して、実験サンプルを故意か偶然か間違えて送ったということになります。
つまり小保方氏は、ネーチャー論文のテラトーマ写真を「取り違え」、かつ、キメラマウス実験で使用したSTAP細胞を「すり替えた」二重のすり替え疑惑が濃厚となったのです。
これが今まで彼女の指導的役割をしていた若山教授までもが、小保方氏の実験そのものに疑問をもつに至った契機でした。
藤沢氏などの自然科学系の論者の話をまとめると、今回の事件はおそらくこんな経緯ではなかったかと思われます。
①「200回発現した」ということは、1週間に1回の発現となり不可能。200回成功したと言っているのはOct4-GFPの発現で、これをSTAP細胞だと誤認した。
②しかしOct4-GFPは発光するが、万能細胞ではないから、テラトーマやキメラマウスもできない。
③小保方氏はこの「功績」で、理研の発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井氏によってユニットリーダーの地位についた。
④彼女はその重責に応えるべくかつて所属していた若山研究室のES細胞を流用して実績作りをしてしまった。
⑤このような流用が重なり、整合性がなくなることに反比例して、理研首脳部の期待値も高くなり、ネーチャー誌に発表した論文では、博士論文の中で使ったテラトーマの画像を画像加工して発表してしまった。
⑥データの信憑性に疑惑が出て、若山氏が送られてきたサンプルを調査したところES細胞であったために、論文の撤回に賛成した。
この藤沢氏の意見は、現時点においてかなり真実に迫っていると考えられます。
私も過程はまるで逆なのに、結論だけは微動だにしないのであります(笑)。
小保方氏に残された道は、もはや第三者を加えた検証チームに自らも加わって再現実験をする道しか残されていません。
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※1 STAP細胞 「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)細胞の略称。(略)哺乳類(ほにゅうるい)の体細胞に外部から刺激を与えるだけで、未分化で多能性を有するSTAP細胞に変化するというもの。これまで発見されたES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)といった多能性細胞と比較して作製法が格段に容易であり、またこれらの細胞にはない胎盤への分化能をも有することで、今後、再生医療等への貢献の可能性が大きいと期待された。」
(葛西奈津子氏による)http://kotobank.jp/word/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E
以下、藤沢数希氏の解説による
※2 テラトーマ実験 「マウスの皮下に万能細胞を注入すると、それは様々な組織に無秩序に分化するため、ある種の奇形腫ができる。これが細胞が万能性を獲得したひとつの有力な証拠になる。
キメラマウスは、別のマウスの初期の胚に、調べたい万能細胞を注入して、マウスの成体を作ることである。これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。
これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。注入した細胞が、確かに様々な組織になっていることが直接確かめられるので、万能性を証明する強固な証拠となる。」
※3 Oct4 「幹細胞の自己複製と密接に関連しているタンパク質である。ちなみに、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、Oct4など4種類のタンパク質を合成する遺伝子(ヤマナカファクターと呼ばれている)をすでに分化した体細胞に注入して初期化することにより万能細胞を作り出しているのだ。Oct4発現とは、細胞内にこのタンパク質ができていることを示し、それは万能細胞であることの必要条件のひとつになる。」
※4 キメラマウス 「別のマウスの初期の胚に、調べたい万能細胞を注入して、マウスの成体を作ることである。これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。
これは一卵性双生児の反対で、ひとつの体に両親が二組いる成体ができる。注入した細胞が、確かに様々な組織になっていることが直接確かめられるので、万能性を証明する強固な証拠となる。」
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管理人さまの記事に、同意ですね。
正直、小保方氏の説明だけで、科学的な反論として、理解し、納得された方は、理科系の人間であれば、ゼロでしょうね。
ただ、実験ノートに、けちをつけた理研側は、毎日、実験ノートのチェックを受けてるはずなら、その理研関係者は、実験ノートが、何冊あって、本当に、200回以上も、成功したとか、しないとかは、明白に、理解しているはずだし、実験ノートの書き方が、第3者にトレースできない云々も、ありえないはずで、つまり、小保方氏の実験ノートは、理研が、しっかり監理できてなかったことになりますね。
さらに、109系統のねずみを、妊娠させ、F1を作り出すとか、例えばハーバードからES細胞を持ち込むとか、そこらへんになると、1人で、全部やりとげたのか?非常に疑問です。
小保方氏が、科学的反論をしないのは、理研サイドも、そこに触れないで、幕をひきたい思いがあるのではと、思ってます。
初期109系統と作成キメラマウスの作成法の検証や、遺伝子解析、山梨大学から受け取ったラットのDNAと、成功したSTAPのDNAを、解析すれば、
何らかの細胞の混入があったかどうかも、わかるはずだと思えるのですがね~。
小保方氏より、副センター長が、何を指示したのか、知りたいところです。
せめて、小保方氏が、潰れても、若い研究者が、育つ環境は、国内に残してほしいものです。
投稿: りぼん。 | 2014年4月14日 (月) 14時59分