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2014年4月28日 (月)

豚の差額関税制度は国内畜産を守っていない

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今回の日米交渉でひときわ目立ったのが豚肉です。宮中晩餐会で羊肉が供されたので、これもTPPへの配慮か、などと言われてましたね。わけないでしょう(苦笑)。

あのフロマンは、今回のマラソン交渉でもしつこくこの豚肉差額関税を叩いたそうです。さすが、敵ながら着眼点はいいですね。こちらの矛盾点を狙っています。

輸入豚肉は「差額関税」制度を農水省は1971年から作っています。

これをマスコミが「安い豚肉に対しての制度」という実にイイカゲンな解説をしていますが、違います。どうしてあの人達はこうも不勉強なんだろう。

たぶん農水省の説明を鵜呑みにしたんでしょうかね。

この豚肉差額関税制度は、まず「基準輸入価格」というものを農水省が設定します。

仮に546円/㎏(2012年現在)だとすれば、それより安い輸入豚肉はこの差額を関税として徴収する仕組みです。

一方基準輸入価格より高い輸入豚肉は一律4.3%の関税をかける仕組みです。

この差額を関税で徴収するというやり方なんですが、裏があります。

豚肉には価格が高いヒレやロースなどの部位と、ももや肩肉などの安い部位がありますが、安いモモなどはハムやソーセージにするために食品会社が輸入しています。

食品会社は安い加工用肉をそのまま輸入してしまえば、差額関税をがっぽりかけられまてしまいますから、なんとか基準価格まで持ち上げて関税を減らそうとして高い部位であるヒレ、ロース肉も一緒に輸入しています

この方法をコンビネーション(組み合わせ)輸入と呼び、どの食品会社もやっている方法です。

すると、どうなるのでしょう?このコンビネーション輸入で一緒にセットで買いこんだ高い部位のヒレやロース肉は、ハムにするのはもったいないので、一般市場に流します。

しかも往々にして、元値が安いので食品会社はダンピングまがいのことをしています。

これが一般のスーパーに並ぶ安い米国産などの豚肉の出所です。これてはかえって国産豚肉の競合相手を量産しているようなものじゃないですか。

なんの国内豚肉の保護にもなっていないことがお分かりになると思います。まったく馬鹿な制度を作ったものです。

長くなりますから、またの機会にしますが、バターの高関税も農水省傘下の特殊法人である「農業産業振興機構」がバター輸入を独占していることから発生しています。

といってもこの振興機構が実際に輸入業務をしているわけてはありません。するのはあくまでも一般輸入業者です。

輸入業者は、2次関税を払った上に、いったん機構に輸入バターを伝票上買い上げてもらい、農水省の定めた806円/㎏の輸入差益を支払わねばなりません。

機構はこのトンネル差益だけで年間11億ももうけています。この一部が補助金として畜産農家に行くのですが、その権限は農水省の天下り省益です。

日本の農産品高関税には必ずといってよいほど、農水省の利権がからまっています。私たち農家にはなんの関係もないことです。

日本の農産物はその高品質と新鮮さで支持されています。関税などによって守られてはいません。

数少ない高関税は、必要があってそうしていることに、農水省が自分の省益を乗せているにすぎません。

私はこのような複雑な仕組みを止めて、従価課税のスッキリした関税方式にしないと、相手国に攻撃材料を与えることなると思っています。

甘利さん、次回の閣僚級交渉では、フロマンに「豚肉差額関税はやめた。全部従価課税だ。文句あっか」と言ってやりなさい。

※お断り 安保第5条について初めにアップしましたか、いいかげんなマスコミ報道が続いているようなので、急遽、豚肉関税と差し替えました。第5条は今週末にアップする予定です。

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コメント

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