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2014年5月13日 (火)

美味しんぼ 「発狂するぞ」予言つき24号登場! 関係自治体強く抗議

Photo

「美味しんぼ」24号は確かに雁屋氏が予告したとおり、完全に「発狂」状態な内容となっています。(※本日の「美味しんぼ」の切り抜きはすべて24号)

今回「美味しんぼ」は、「除染をしても汚染は取れない」「福島はもう住めない、安全には暮らせない」という決定的とも言える暴言を載せています。

もう逃げられません。ここまで明確に「福島は除染しても住めない」と書いたからには、雁屋哲氏、スピリッツ編集部はもちろんのこと、小学館にまでしっかりと責任を取ってもらわねばなりません。

今回アップしたように、すべての関係自治体からは猛烈な抗議が来ています。

いままで、24号を見てからと態度を保留していた福島県も公式に極めて異例で、かつ冷たい怒りに満ちた見解を公表しています。(欄外参照)

大阪市長の橋下氏は法的措置まで匂わせており、小学館の対応次第では、訴訟に踏み切るかもしれません。(欄外参照)

小学館はおそらくもう出来てしまっている次の25号は、たぶん編集責任から逃げたこんな両論併記での幕引きを考えているはずです。小学館に代わってテンプレートを作って上げましょう。

「多くの貴重なご意見を頂戴いたしまして、それを記載させていただきます。一方雁屋、松井、荒木田、井戸川諸先生からも、この事態についてこのようなご意見がありました」

そして、大阪市は小学館社長宛て抗議文となっていますから、これに対してもこんなところでしょう。

「作者雁屋氏の表現上の問題にいきすぎたところがあったことに関して厳しいご指摘を頂戴いたしました。弊社といたしましては差別や風評を拡げる気持ちはまったく御座いませんが、皆様にご不快の念を与えましたことを深くをお詫び致します」

もし仮に、こんなことでお茶が濁せると思ったのなら、この会社はお終いです。

いつもえらそうにご高説を垂れる大出版社か、リスク管理がゼロだということが分かりました。

大阪市から小学館社長宛てに法的措置を匂わせたこ抗議文をもらう前に、いくらでもやりようがあったはずです。

まず初めに対応に当たったスピリッツ編集部は、いつもの「原発推進派」が騒いでいるていどの甘い認識しかなかったはずです。

ですから「綿密な調査をして」「作者の表現を尊重して」などという木で鼻をくくったようなことを言ってガソリンを投下してしまいました。

そしてそれがやや治まった頃になって、今度はこともあろうに作者の雁屋氏自身が「鼻血ごときで騒ぐな。次回は発狂させてやる」と猛獣のように分別なく吠えて、こんどは大爆発。

ここで一気に関係自治体、省庁、官房長官、大臣まで巻き込んだ社会問題にまで発展したわけですが、それでもなおこの「発狂するぞ」という作者の予言つき24号を出してしまうという鈍感さには呆れ果てます。

ここまでリスクに対して鈍いのを見ると、一部では炎上商法とさえ言われていますが、ほんとうにそうかもしれません。

なにせ自分で逃げ場を燃やして、怒り狂った雁屋氏と心中しようとしているんですからね。雁屋氏が勘違いしていたように、批判の火の手はもはやネット言論だけではありません。

地方自治体政府、そしてこのニュースを扱うほぼすべてのマスコミ仲間からも批判をまんべんなく受ける有り様です。

福島県のプレスリリースを読むと、4月30日に至ってやっとスピッリッツ編集部はこのような申し入れをしていたそうです。

出版社から取材依頼のあった事項
 ・「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか。
 ・鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。
 ・「美味しんぼ」の内容についての意見

これで「美味しぼ」は、福島県に対して一切取材を行っていなかったことが暴露されました。

除染しても福島には住めない」とまで書き散らしながら、福島県にはなんの取材もしていないとは、もはや絶句です。なにが「綿密な調査に基づき」だ!恥を知りなさい。

ここまで来たら両論併記で、「ご迷惑をおかけいたしました」などということでは納まりがつかないでしょう。

小学館さん、もう事態は雁屋氏と編集部だけの問題ではなくなりました。小学館という日本で一、二位を争う大出版社としてしっかりと白黒をつけてもらいましょう。

ところで、この3年間、放射能についてあることないことを煽りまくる「週刊現代」に対して、極めて抑制的だった小学館発行「週刊ポスト」は既に3年前に鼻血に関して放射能との関連を否定する記事を掲載しています。(欄外参照)

さぁ「週刊ポスト」編集部さん、どのように答えるのでしょう。よもや同じ社内だからと頬被りすることはないでしょうね。

ぜひ、ポスト編集部のご意見をお聞かせ願いたいものです。そしてまた後日、「“センセーショナルな報道”の「その後」の追跡」を特集してください。

とまれ、このような被災地・福島県をここまで差別した放射能風評漫画を断じて許してはなりません。もう風評被害はここで完全に断ち切るべきです。

                      ~~~~~~

※追記 スピリッツ編集部のコメントがでています。(欄外参照)

予想どおり「鼻血と疲労感と放射線の影響を断定するものではない」「低線量被曝の議論を深める一助としたかった」とのことです。

こういう言い方はよくマスコミがやる実に汚い手法で、さんざん登場人物に偏ったことを言わせておいて、これはその人が言ったことで、自分たちは中立だと逃げる小手先の術です。

古くは、本多勝一の「中国の旅」で、中国当局が用意した「証人」ばかりの「証言」を一方的に報道し、後に批判されると「あれはそのまま言ったことを書いただけだ」と逃げる方法です。

23、24号で登場する松井英介医師は脱原発運動内部でも、「反原発運動全体への信用性信頼性を著しく棄損する、と申しても差し支えない」人物として相手にされていないような人物です。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/285e91e155388bcf109711e72e742e9f

人もあろうにそんな札付きの人物の主張を延々と掲載して、結論として主人公の山岡と雄山が、「除染ができないのでは福島に住めない」「これが福島の真実だ」と決定的な言葉を吐いているからにはもう逃げられません。

もし編集部が「断定するものではない」という見解を持っていたのなら、別な登場人物にもっとニュートラルなことを言わせる程度の配慮は必要でした。

こんな危機感のなさがさすが天下の小学館です。

スピリッツ編集部さん、こんなことを言っていると、ほんとうに橋下市長に訴えられますぞ。

                ~~~~~~~~~~

(以下 太字は引用者)

■「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号における
「美味しんぼ」について

平成26年5月7日
                                               福 島 県

福島県においては、東日本大震災により地震や津波の被害に遭われた方々、東京電力福島第一原子力発電所事故により避難されている方々など、県内外において、今なお多くの県民が避難生活を余儀なくされている状況にあります。

原発事故による県民の健康面への影響に関しては、国、市町村、医療関係機関、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)等の国際機関との連携の下、全ての県民を対象とした県民健康調査、甲状腺検査やホールボディカウンター等により、放射性物質による健康面への影響を早期発見する検査体制を徹底しており、これまでにこれらの検査の実施を通して、原発事故により放出された放射性物質に起因する直接的な健康被害が確認された例はありません

また、原発事故に伴い、本県の農林水産物は出荷停止等の措置がなされ、生産現場においては経済的損失やブランドイメージの低下など多大な損害を受け、さらには風評による販売価格の低迷が続いておりましたが、これまで国、県、市町村、生産団体、学術機関等が連携・協力しながら、農地等の除染、放射性物質の農産物等への吸収抑制対策の取組、米の全量全袋検査を始めとする県産農林水産物の徹底した検査の実施などにより、現在は国が定める基準値内の安全・安心な農林水産物のみが市場に出荷されております。

併せて、本県は国や市町村等と連携し、県内外の消費者等を対象としたリスクコミュニケーションなどの正しい理解の向上に取り組むとともに、出荷される農林水産物についても、安全性がしっかりと確保されていることから、本県への風評も和らぐなど市場関係者や消費者の理解が進んでまいりました。

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このように、県のみならず、県民や関係団体の皆様が一丸となって復興に向かう最中、国内外に多数の読者を有し、社会的影響力の大きい「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」において、放射線の影響により鼻血が出るといった表現、また、除染をしても汚染は取れない」「福島はもう住めない、安全には暮らせない」など、作中に登場する特定の個人の見解があたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり大変危惧しております

これらの表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、殊更に深く傷つけるものであり、また、回復途上にある本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評を助長するものとして断固容認できるものでなく、極めて遺憾であります

「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」において表現されている主な内容について本県の見解をお示しします。

まず、登場人物が放射線の影響により鼻血が出るとありますが、高線量の被ばくがあった場合、血小板減少により、日常的に刺激を受けやすい歯茎や腸管からの出血や皮下出血とともに鼻血が起こりますが、県内外に避難されている方も含め一般住民は、このような急性放射線症が出るような被ばくはしておりません

また、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書(4月2日公表)においても、今回の事故による被ばくは、こうした影響が現れる線量からははるかに低いとされております。

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また、「除染をしても汚染は取れない」との表現がありますが、本県では、安全・安心な暮らしを取り戻すため、国、市町村、県が連携して、除染の推進による環境回復に最優先で取り組んでおります。

その結果、平成23年8月末から平成25年8月末までの2年間で除染を実施した施設等において、除染や物理的減衰などにより、60%以上の着実な空間線量率の低減が見られています。除染の進捗やインフラの整備などにより、避難区域の一部解除もなされています。

さらに、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんてできない」との表現がありますが、世界保健機構(WHO)の公表では「被ばく線量が最も高かった地域の外側では、福島県においても、がんの罹患のリスクの増加は小さく、がん発生の自然のばらつきを越える発生は予測されない」としており、また、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書においても、福島第一原発事故の放射線被ばくによる急性の健康影響はなく、また一般住民や大多数の原発従事者において、将来にも被ばくによる健康影響の増加は予想されない、との影響評価が示されています。

「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とされますよう、強く申し入れます。

週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について

平成26年5月12日
                                               福島県 

週刊ビッグコミックスピリッツ4月28日発売号の「美味しんぼ」の内容につきまして、県内外の多くの皆様から、出版社に対して県として対応すべきであるとの多くのお声をいただいております。

 「美味しんぼ」において、作中に登場する特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり、県内外の多くの皆様に不安と困惑を生じさせており、県としても大変危惧しております。

 県では、これまで全ての県民を対象とした「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」等により、県民の皆様の健康面への不安に応える取組を実施してまいりました。
 また、県産農林水産物については、「農地等の除染」「米の全量全袋検査などの徹底したモニタリング検査」等により安全性の確保と、正しい理解の向上に取り組み、市場関係者や消費者の理解が進むとともに、観光分野においても、観光客入込数が回復傾向にあるなど、ようやく本県への風評も和らぎつつある状況に至ったところです。

 このような中、「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」の表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります。

 「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れております。

 また、これまでの経過を次のとおり併せてご報告させていただきます。

 4月30日に出版社より本県に対して、「[5月19日発売号]において、漫画の誌面では掲載しきれなかった様々な意見を紹介する検証記事を掲載する」として、次の3点に関する取材又は文書回答を求める依頼があり、さらに、5月1日には[5月12日発売号]に掲載する「美味しんぼ」原稿の送付がありました。

 (出版社から取材依頼のあった事項)
  ・「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか。
  ・鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。
  ・「美味しんぼ」の内容についての意見

 本県においては、上記に対して5月7日に出版社あて以下のとおり県の見解を示し、申し入れしております。

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■平成26年5月12日付:週刊ビッグコミックスピリッツ『美味しんぼ』に関する抗議文について                                                                  平成26年5月12日
株式会社小学館 

代表取締役社長 相賀 昌宏 様                                                              大阪府知事 松井 一郎                                                              大阪市長 橋下 徹 

          週刊ビッグコミックスピリッツ『美味しんぼ』に関する抗議文                      

平成26年5月9日付で貴社宛に、『平成26年5月12日発売予定週刊ビッグコミックスピリッツ掲載の「美味しんぼ」の内容の一部訂正』について申し入れを行いましたが、訂正等の対応をいただけなかったため、次のとおり厳重に抗議いたします。

東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理において受入対象としている廃棄物は、放射性セシウム濃度が100ベクレル/㎏以下のもので、科学的にも安全に処理できることが確認されているものであり、廃棄物処理法の規制を遵守することにより、適正に処理ができるものです。

大阪府、大阪市といたしましては、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理について、国からの要請や岩手県からの要請を受け、岩手県宮古地区の災害廃棄物を受入れることとし、平成24年11月29日、30日の試験処理による安全性確認のうえ、平成25年1月23日から9月10日まで本格処理を行い、処理期間中や処理後においても、放射能濃度や空間放射線量率、その他必要な項目について十分な測定を行い、その結果は府市ホームページにおいて公表しておりますが、測定結果は、全て受け入れの前後で変化はなく、大幅に基準値を下回るもので、安全に処理していることを確認しており、災害廃棄物の受入による影響は見受けられませんでした

また、処理を行った焼却工場の存在する此花区役所、同保健福祉センター、此花区医師会に確認をしましたが、処理中においても、その後においても、作中に表現のある「大阪で受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む多数の住民に眼や呼吸器系の症状が出ている」というような状況はございませんでした。 

事実と異なる貴誌「美味しんぼ」記載の表現は、此花区民をはじめ大阪府民の無用な不安を煽るだけでなく、風評被害を招き、ひいては平穏で安寧な市民生活を脅かす恐れのある極めて不適切な表現であり、冒頭述べましたように、大阪府、大阪市として厳重に抗議するとともに、作中表現の具体的な根拠について是非開示されるよう強く求め、場合によっては法的措置を講じる旨、申し添えます。

福島県双葉町小学館に対する抗議文

平成 26 年 4 月 28 日に貴社発行「スピリッツ」の「美味しんぼ」第 604 話において、前双葉町長の発言を引用する形で、福島県において原因不明の鼻血等の症状がある人が大勢いると受け取られる表現がありました。

双葉町は、福島第一原子力発電所の所在町であり、事故直後から全町避難を強いられておりますが、現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はありません。第 604 話の発行により、町役場に対して、県外の方から、福島県産の農産物は買えない、福島県には住めない、福島方面への旅行は中止したいなどの電話が寄せられており、復興を進める福島県全体にとって許しがたい風評被害を生じさせているほか、双葉町民のみならず福島県民への差別を助長させることになると強く危惧しております。
双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解のみを掲載した、今般の小学館の対応について、町として厳重に抗議します。

■週刊ポスト(小学館発行) 2013年3月22日号
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/662.html

 東日本大震災発生から2年。多くのメディアが被災地・被災者の復興の努力や苦悩を描いている。しかし、メディアが取り組むべき問題は他にもある。大混乱の中で検証不可能な情報が錯綜し、津波や原発事故の苦しみに直面した人々の不安を駆り立てた。そうした“センセーショナルな報道”の「その後」を追跡した──。
 朝日新聞で続いている大型連載「プロメテウスの罠」は、原発事故の真相に迫り新聞協会賞を受賞するなど評判を呼んだが、2011年12月2日付の「第9回 我が子の鼻血 なぜ」は別の風評を生んだ。
〈東京都町田市の主婦、有馬理恵(39)のケース。6歳になる男の子が原発事故後、様子がおかしい。4カ月の間に鼻血が10回以上出た。30分近くも止まらず、シーツが真っ赤になった〉
 周囲の母親たちも同様の症状を訴えており、心配になった主婦は、広島で被爆体験を持つ医師に相談し、〈広島原爆でも同じような症状が起きていたこと〉を説明された。
〈放射能の影響があったのなら、これからは放射能の対策をとればいい。有馬はそう考え、やっと落ち着いた〉
 記事には〈こうした症状が原発事故と関係があるかどうかは不明だ〉とあるが、読者が普通に読めば、「原発から遠く離れた町田市で放射能の影響とみられる鼻血の症例が現われている」――と理解するところだろう。ではその後、町田市の子供たちはどうなったのか。市に問い合わせた。
「当時、放射線量の測定を求める相談は多数ありましたが、具体的な健康不安の相談はそれほどなかった。子供が鼻血を出して心配だという電話は数件あったと覚えているが、いまはなくなった」(同市保健企画課)
 さらに、町田市内の耳鼻咽喉科にも問い合わせたところ、ほとんどは「聞いたことがない」とのこと。唯一、「増えた」と回答した医院があったので、その医師に聞くと、「この時期はアレルギー性鼻炎などの影響で鼻血を出すお子さんは多いんですよ」との説明だった。
 大阪大学サイバーメディアセンターの菊池誠教授は、「本当に鼻血が増えたという報告はないし、鼻血の原因もいろいろあり得る。鼻血や下痢をするほど放射線被曝をしたらそれだけでは済まないはずで、鼻血だけなら被曝とは関係ないでしょう」と説明する。

■スピリッツ24号掲載「美味しんぼ」に関しまして
http://spi-net.jp/

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コメント

これ、もはや編集部どうこうではなく、小学舘の代表が出てきてちゃんと説明しないと収拾つかないでしょう。

スピリッツ売り上げ跳ね上がるんでしょうね。
雁屋氏はこれまでの貢献がなければ即座に打ち切りになるレベル。
あくまで一方的な解釈と無知ぶりを晒し、まともに取材もせずにストーリー上都合の良い入れ知恵で書いてるのは明らか。もう引退すべきでしょう。
安易と無知で、どれだけの人間を傷つけたのか?完全に一線を越えてしまった。福島にはもう住めない?
いやいや普通にたくさん住んでますし、疫学的調査も進んですでに結果は見えてます。


これが壮大な炎上商法だったとしたら、大したもんですが(笑)
いかんせん投下燃料がデカすぎた。

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