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「美味しんぼ」問題  もし鼻血の原因が放射能ならば簡単に止まらない

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(「美味しんぼ」604話5月12日発売24号より。一番下のコマの左が松井医師、右が井戸川氏。このページで井戸川氏は鼻血と被曝を原因づけてしまっている)

「美味しんぼ」で、放射能による過酸化水素で鼻血という興味深い珍説を提唱する松井英介氏が、大阪でも震災瓦礫の焼却で目や呼吸器障害が実に800人も出たと主張しています。

この発生源とされたのは、大阪市環境局焼却場がある舞洲という埋立地の島です。

島内には一切住宅はありません。南にある夢島は開発途中で、ここも人家はまばらです。(下写真参照)

Photo_3                        (大阪市環境局舞洲工場 Google Earth)

さて、この人家のほとんどないエリアのどこで、いつ1000人もの調査をされたのでしょうか。

まぁ、それはひとまず置くとして、当然、調査日は震災瓦礫が搬入されて処分された2013年3月24日から31日までの期間でなければなりません。

では、大阪市環境極舞洲工場の放射線量データを見てみます。(大阪市環境局による)

・大阪市舞洲工場における測定結果(2013年3月24~31日)http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000236566.html

026

・搬入口(プラットフォーム)初日3月24日・・・0.14マイクロシーベルト
・同               最終日 31日・・・0.14
・1号炉1m          初日   24日・・・0.07
・                 最終日 31日・・・0.07
・マンホール1m               初日     24日・・・0.11
・同                                最終日  31日 ・・・0.11

ご覧のようにピクリとも放射線量は変化しません。これで放射能の漏洩があったというなら、どうぞデータ根拠を見せ下さい。

当然です。あの時大阪市が受け入れた震災瓦礫は岩手県のものだからです。岩手県は一関以外一切被曝していませんでした。放射能など出したくても出やしません。

また、受け入れ瓦礫の基準線量は100ベクレルです。これは食品の放射線量基準と同等です。なんなら食べてみますか? 

山本太郎氏は、「食品基準値は瓦礫と一緒なんですよ」などとわけのわからないことを言っていますが、逆です。

先に食品基準値があって、「食べられる」基準にまで瓦礫搬入基準を落としたのです。

大阪で瓦礫搬入反対運動をした人たちは、「北九州市では周辺の子供9人に鼻血が出た」、などということをネットで流しています。http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/3dcd62d9d68708795887451af6fe00d6

別な大阪の瓦礫反対運動のサイトでは、「結核,ウィルス性肝炎、急性呼吸器病等の感染病の増加につながっている」としています。
http://mimislifestyle.blog.fc2.com/blog-entry-42.html

ではこの原因はなんでしょう。この人たちが主張するように瓦礫焼却から出た放射性物質でしょうか。

松井医師は、井戸川氏の話に強引につけ加えて大阪の目や呼吸器症状を出しているので紛らわしいのですが、とりあえず「美味しんぼ」のストーリーの展開に従って鼻血を見ていきましょう。
(※呼吸器症状については次回にお話します)

まず、鼻血が出る原因はいくつもありますが、もし放射性物が原因ならば、それは見分け方は簡単です。

一時に500ミリシーベルトという高濃度で放射線を浴びると、血小板減少症になります。

高い放射線量の場合、発症するかもしれないというような悠長な話ではなく、確定的になります。

広島の被爆者や、チェルノブイリでも応急作業に当たった作業員の多くにその症状が出ています。

その場合、井戸川氏や松井氏はどういうわけか、鼻血だけを取り上げていますが、現実の急性被曝による血小板損傷症は広島などでは、腸管出血による真っ黒な血便、歯茎からの出血が見られました。

これは放射線が血を作る骨髄に達して、白血球や血小板を傷つけるからです。

血小板は血を止める働きをしていますから、これが傷つくと血が止まらなくなります。

鼻のような柔らかい粘膜が破れた場合、血が止まらない症状が出ます

逆に言えば、ちょっと出てすぐに止まった場合は、放射線とは関係ありません

急性被曝による鼻血は、止血剤である血小板自体が減少してしまっているために、かなり長時間鼻血が止まらないことがあります。

松井医師と井戸川氏が言う通り福島で鼻血が多発したというのならば、ぜひこのデータを開示願いたいと思います。

また、白血球が傷つけられれば、抵抗力が弱まっていろいろな感染症に罹りやすくなりなりますので、反対運動している人たちが主張するウイルス性感染の原因になりえます。

松井医師は、放射線量との関わりで鼻血を主張する以上、血小板数、白血球数、赤血球数を検査するのは、イロハのイですので当然お持ちでしょうから、開示ください

聞いたこともない過酸化水素がどうじゃらという自説の開陳など後にして下さい。医師は科学者でもあるからです。まず仮説を並べ立てる前に、データを見せるのが筋ではないでしょうか。

ここまでをまとめてみましょう。

①放射能の被曝により鼻血が出る可能性はあります。その条件は、一時に大量の被曝をしてしまう広島の被爆者やチェリノブイリの応急作業員たちのケース
②その放射線量は500ミリシーベルト以上。「耐えがたい疲労感」が出るのはさらに高く1000ミリシーべルト以上。
③急性被曝によって血小板が損傷し鼻血が止まらなくなる症状が出ることがある
④血小板損傷症による鼻血の特徴は、すぐに止まらないこと
⑤同時に歯茎の出血や真っ黒な血便も出ることがある
⑥血小板と同時に、白血球、赤血球も損傷を受けて減少する

したがって、もし福島で井戸川氏が福島で「大勢の人が鼻血を出している」というのならば

①鼻血が長時間止まらない
②白血球数、赤血球数が減少する

という症状が同時に出ているはずです。

いかがでしょうか。この①~③までの条件に当てはまる方かひとりでもいらしたら申し出て、専門医に診察してもらうことをお勧めします。

真昼の幽霊騒動ではあるまいに、井戸川氏のようにマスコミの前に出て「ほらこの通り鼻血がでています」と言っていても始まりません。鼻血写真の公開もバッチイから止めて下さい(笑)。

行政側は福島県も大阪市も、当時の放射線量データを出しています。今度は井戸川氏と松井医師が、「被曝」と結論づけたデータを開示すべき番です。

蛇足ですが、毎日放射線の高い高空を飛ぶパイロットは、NY-東京間往復で実に200マイクロシーベルトの被曝をしています。

放射能との関連で鼻血が出るなら、コクピットは鼻血まみれなんでしょうね(笑)。

「航空機での移動は地上より高い放射線を浴びる。ヨーロッパで、1万9184例の男性パイロットを調査した。年間被曝量は2-5mSvで累積生涯線量80 mSvを超えなかった。逆にがんなどの健康被害などのリスクは低かった」
航空機パイロットのがん死亡率:ヨーロッパ疫学調査から

もちろん、上記疫学調査によれば、パイロットにガンが多いという報告はありませんし、鼻血が出たというパイロットやアテンダントは聞いたことがありません。

私は、松井医師がデータを出すまで断定的なことは言えませんが、9割9分福島と鼻血の関連性はないと思います。

鼻血はいわば真昼の幽霊なのです。その幽霊を使って福島県を差別するのが「美味しんぼ」です。

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