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2014年5月19日 (月)

「美味しんぼ」荒木田准教授の「福島は住めない」論 ドブの中に住んでいるのか?

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「美味しんぼ」に対して小学館が休載対応したそうですが、それに対しては速報しましたので、現物を見てからまた考えます。とりあえず先に進めます。

スピリッツ24号で、「福島は除染しても住めない」というモノスゴイことを発言しているのが、福島大学准教授荒木田岳氏です。

なにせ、身も蓋もなく地元国立大学教員が、ストレートに「福島は住めない」論を展開しているのですからなかなかのものです。

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  (「美味しんぼ」24号 以下同じ 妙にキッパリ断定しているのが荒木田岳氏准教授。なぜか、この漫画はこういう断言タイプ満載だ)

しかし、この人福島県にほんとうに住んでいるんですかね?

福島県は、横に長い地形で、浜通り、中通り、会津地方に別れます。

原子力事故の影響を受けたのは、相双地域を中心とした浜通りと阿武隈山系の一部だけです。

この浜通りですら、当時の風向きや地形で複雑な放射線量の濃淡があるのに、一括して「福島はもう取り返しがつかていまでに汚染された」「人が住めない」はないでしょう。

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となるとまったく「被曝」しなかった会津地方も「人が住めない」ことになります。このようなごく一部の事象を切り取って全体に敷衍するらうな詭弁自体が飛躍もいいところで、到底まともな学者が言うことには見えません。

さて、荒木田氏は漫画と同じことを文章でも述べています。

「原発から60キロ離れた福島市内では、毎時150マイクロシーベルトなんて数字が出るところがあります。信じられますか?今日もその道を子供たちが通学しているんです。
除染するほど住めないと思う。」

この人が「福島市内で150マイクロシーベルト出た、それも通学路だ」と言っている地点は、側溝で、要するにドブです。

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な~んだ、また側溝ですか。失礼ですが、プロパガンダ耐性ができてしまっている私は爆笑しました。いや、これはよくグリーンピースや上杉隆氏がやる古典的手口なんですよ。

上杉氏は郡山市役所前の側溝で計測して、「1.8マイクロシーベルトもある。チェリノブイリでは自主避難区域・緊急除染区域だ。福島、郡山では人は住めない」とやって派手に自爆した故事を思い出します。h
ttp://matome.naver.jp/odai/2135440764968172701

小学館編集はこの有名な捏造事件を知らないのでしょうか。

当時同じ自由報道協会会員だった江川紹子氏は、この時こう書いています。

福島の人たちが、捏造や嘘報道のせいで、相当の迷惑を被っていることがよく分かった以上、それをきちんと潰していくことは、いくら面倒な作業でもしなければならないのだと思った。」
https://twitter.com/amneris84/status/196223429765115906

今回の事件についても、江川氏はこう発言しています。まったく同感です。

Shoko Egawa ‏@amneris84 · 5月13日
福島の人たちは、東電と国によって十分ひどい目に遭っているのに、さらにデマ情報と「あなたの言葉」によって苦しみの追い打ちをするのか、ということを、少し考えた方がいいと思うよ

この側溝に放射性物質が溜まる現象は2011年夏以前から分かっていて、今更取り立てて大騒ぎすることではありません。

こんな分かりきったことをデカデカと20万部も刷って、社運を傾ける小学館の気持ちが分かりません(苦笑)。

あたりまえですが、降下した放射性物質は、屋根や道路面にいったん溜まり、その後に雨で雨樋から側溝、下水施設、あるいは用水路から川へと流れ、最終的には海に流れ出して拡散していきます。

途中の各所では、堆積物として徐々に溜まっていきます。そこでは堆積が重なるために濃度が必然的に高くカウントされることになります。

別に「住めない」福島だけの問題ではなく、小学館のある東京都の下水処理施設ですら同じです。

上図のように、「被曝」した東葛地域のある東葛下水処理場などは2012年3月で未だ1万ベクレル/㎏を超えています。

「原発ゼロの会」の河野太郎氏が住む神奈川県の下水汚泥の線量は、1024ベクレル/㎏でした。(相模川流域右岸処理場2012年1月16日)

児童の通学路だと言っていますが、大丈夫ですかこの人。児童は側溝を這って通学するのでしょうか?あるいは、子供はドブの中で生活しているとでも?(笑)

ちなみに、放射性セシウムはβ線でわずか5ミリていどのアルミ板で遮蔽できてしまいます。

よく騒がれるプルトニウムやストロンチウムなどはα線で、紙すらも透過できません。

この荒木田氏のような人は、「下水汚泥から放射して子供が被曝する」とか言いかねないので、それほど心配だったら側溝の蓋の裏にアルミ板でも張り付ける要求でもするんですな。あんまり意味ないと思うけど。

というのは、汚泥 は非常によく放射性物質をトラップ(※)する物質なのです。土壌の中の粘土質に強力に結着しているために簡単には水に滲み出てきません。
(※トラップ 特定の物質を捕獲して封じ込めること)

ですから、汚泥が放射線量が高くても、用水や川の水には検出されないケースが大部分です。

ではなぜ、側溝を除染しないのかといえば、やっても意味がないからです。そのうち余裕ができたらやるかもしれませんが、除染には優先順位があります。(※除染している地域もあります)

今は、側溝を除染作業で攪拌してセシウムを遊離させてしまうより、天然のセシウム・トラップとして働いていてくれたほうがいいということです。

まずは人の住む住宅とその周辺、学校と校庭、その通学路、集会所などの公共施設が優先なのはあたりまえです。

荒木田氏は「除染などしても福島は住めない」という過激なことを言っていますが、ものには順番があり、側溝、森林などは後回しでも当然のことです。

森林から流れる水についても荒木田氏はいろいろ言っていますが、長くなりましたので次回にしましょう。

それにしてもきっと荒木田氏は、東京は側溝から集まった下水道汚泥から1万ベクレルも出たんですから、「東京はとりかえしのつかないまで汚染されてしまった」「東京は人が住めない」とでも言うんでしょうかね(苦笑)。

                  ~~~~~~

コメントにありました、「国会や官庁を福島に」という案にづいて少し考えてみましょう。遅くなってごめんなさい。

ところで、「使用済み核燃料を地層処分出来る場所が見つかったら、その真上に行政・立法機構を建てるとのコメントで提案を頂戴しましたが、やめたぼほうが無難に思えます。

風評を封じ込めるという気持ちは理解できるのですが、これではかえって「風評」を煽る結果になりかねません。

というのはこのような逆説的方法をとった場合、それが焦点化してしまいます。たとえば30年ちかく前に広瀬隆氏が「東京に原発を」という本を書きました。

もちろん「そんなに安全なら原発を東京に作れよ」、というイヤミです。

絶対に政府は作らないということを前提にして言っているわけで、言い訳に困る政府を見て、「ほらみたことか、原発は危険なのだ」と言いたいのです。

頂戴したコメント案を実行すると、たぶんこれと同じ現象が起きます。

政府がこの移転プランを呑むことはコスト的にも社会的にも絶対ありえませんから、「東京に原発を」ということと同じ効果が現れます。

「ほら、危険を承知で政府は進めているんだ。福島はやっぱり危険な土地なんだ」というリアクションです。

そうなった場合、お気持ちとは真逆な結果になりかねません。

誤解をおそれずに言えば、福島県民の大部分は、(わが茨城県もそうですが)時間と共にいい意味で記憶からフェードしたいのです。

事故から3年、もはやいつまでも「被曝」地として見られること自体が苦痛なのです。

その自然なフェードは半ばまで進んでいました。農産物は安全が確証され、一部避難地域を除いて徐々に安全な福島県が戻ってきつつあった、ちょうどその時でした。「美味しんぼ」が「福島は住めない」「(高濃度放射能汚染で)鼻血が出る」と騒ぎまくったのは。

雁屋氏のような老害か現れたために再び焦点化してしまったのです。

スピリッツ編集部は「低線量被曝を議論する一助に」などと言っていますが、そんなことで現地を取り上げてくれなくてけっこうです。

われわれを静かにしておいてくれないか、それが物言わぬ声の圧倒的意見ではないでしょうか。

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コメント

管理主様、有り難うございますm(__)m

やはり自分の案は駄目でしたか。ここは、粛々と徐染をし、廃炉を進め、そして被曝地と呼ばれている産地の農作物や魚介類を食べ、被災地に旅行に行き、一刻も早く“被災地”や“被曝地”というレッテルを外すことが一番の近道のようですね。

魔法の杖はなく、ごく普通の日常を取り戻す積み重ねこそ、最善の方法のようですね。

播磨さん、またまた横から失礼しますね。

松尾貴史って、「キッチュ」の愛称で80年代後半にはラジオが面白くて人気だったんですがねぇ…。

近年はテレビのコメンテーターとして良く出てますが、知ったかぶりと無責任な出鱈目のオンパレード。
彼もどこで道を間違ったんだか…。

昔は好きだっただけに、大変ガッカリしてます。

山形さん。できたらテーマで投稿ねがえませんか。

失礼します。
セシウムはベータ崩壊→娘核種がガンマ崩壊
ストロンチウムはベータ崩壊→娘核種もベータ崩壊
だったかと。

大筋は管理人様のご意見に賛成なのですが、
「トラップ」になる場所は定期的に除染する
(ある意味効率的に周辺から放射性物質を集めてくれているので、
集塵機のフィルてター交換的に)
のが良いのではないでしょうか?
側溝で寝こそしませんが、子供の頃一時間くらい遊んだりはしましたから、
注意は必要ですよね。
(考え方が間違っていたらすみません)

千葉さん。

確かにセシウム137のβ崩壊後の生成物はバリウム137でΓ崩壊物質ですね。
しかし、セシウム137の半減期30年に比べてバリウム137は数分ですので、現在も当分の将来も追うべきはセシウム137で良いと思います。

また、地域や場所によりますが、今や都市部では通学路等は急速に暗渠化が進んでおり(おかげでウチの辺りは雪捨てが大変になりましたよ)、かつての泥まみれで遊んでいた時代とは違いますし、あとは親や学校でしっかり教育することが大切だと考えます。


最近のニュースでは、福島の甲状腺ガンの割合が話題になりましたが、その割合の解釈に賛否はあれどあれはヨウ素のせいです。
もし「有意差」があったとしたら…明らかに当時の政府の失態もしくは悪意があったせいだとしか考えられません。
この点は私も過去にコメントしていますが、今日の記事でもブログ主が指摘しています。

いずれにせよ、これからも細心の注意を持ってデータ蓄積と治療体制を取らなければなりません。

また、放射性セシウム降下量は、1940年代~60年代が高く、今までゼロだったと主張する方々の意見に反して当時から相当量の食物を摂取していたはずです。

地元国立大学といっても政治経済が専門の,放射線についてはまったくの素人.データによる裏付けもなく,単なる自分の主観だけ.小学館に福島大学准教授という肩書きを利用されただけ.もっとも本人はそれで目立ちたかったんでしょうが....まともな研究者は自分の領域について日々研究を重ねているが,能力のない研究者は専門外に首を突っ込む.福島大学は厳重注意・謹慎処分等も考えれば良いのではないでしょうか?もっとも,学内では,この人の社会的信用は回復できないくらいに落ちたでしょうが.....

>>しかし、セシウム137の半減期30年に比べてバリウム137は数分ですので、現在も当分の将来も追うべきはセシウム137で良いと思います。

セシウムの崩壊後、数分でガンマ線が出るということですから、β線だから簡単に遮蔽できるという言い方は誤解を招くと思います。実際、問題となる空間線量は娘核種からのガンマ線の寄与によるもので薄い板では遮蔽できません。

茨城南部さん。

3ヶ月近くも前の記事ですが、その引用部分は明らかに私のコメントに対してですよね。

だからね、β崩壊部分も含めて、
「調査追跡するならやはりガンマ線源の元で半減期が30年以上のセシウム137でしょ」と、言ってるだけですが…。
反論としては、なんかズレてますよ。

私の間違いなら、是非ご指摘下さい。

何が本当か分からない。けど福島被害があった場所近くに当時いた人の意見だけ信じたい。大袈裟とか説を否定する人達や政府は隠蔽じゃないかとか考えてしまうし、
最近では福島にいた訳じゃないのに真実であると語るやつとか、悪意を感じる。

福島にいても被害がない場所があるように書かれてますがその方たちが、大袈裟に恐怖や不安が形となり

もう福島全体はダメと言っている可能性。
彼たちは被災者とは考えが少し違うということになるかも知れませんね。

ブログ探しても現地の声は聞けなかった。発言してるのはメディアや怪しげな先生方ばかりじゃないですか?

一般人が多いネットではこの件には批判的な声でした。さて、どっちを信じたらいいでしょう

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