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2014年6月13日 (金)

集団的自衛権から地域集団安全保障体制へ

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集団的自衛権の議論が煮詰まってきたようですが、かんじんの本質的議論には至ってないようです。

個別的自衛権か、集団的かとか、地球の裏側までついていくのかとか、その範囲はどこまでとかなどといった観念的議論は、私にはどうでもいいことで、ほとんど無意味なものだと思っています。

なぜなら、自衛権に個別も集団的も本来なく、そんなカテゴライズをしているのは唯一日本のみの現象であって、そのような「神様も聞いていない神学論争」にふけっているのは、世界広しといえども日本だけだからです。

日米安全保障条約第5条には、前に見たように(※欄外関連記事参照)既に集団的自衛権は書き込まれており、それを締結しながら国内的理由から行使しなかっただけにすぎません。

もし安全保障の組み方が一国のテーマに上がるとすれば、米国、ロシア、中国、インドなどの核保有国のように一国単独で安全保障が可能なのか、あるいはヨーロッパのような地域の多くの国と集団的安全保障体制を組むのかに別れることです。

結論から言えば、わが国はいうまでもなく前者ではない以上、後者の地域的集団的安全保障体制を目指していかねばなりません。

このことによって、今反対派から批判されている「米軍について地球の裏側で戦うのか」といったような、狭く米国の利害との関係のみで視点を固定させる必然がなくなります。

さて、よく外交・軍事分野で使われる言葉に「抑止力」という言葉かあります。簡単にいえば「思い止まらせる力」のことです。 

戦争をしかけられるのを防ぐ力のことだと、一般的には解釈されています。しかし、もうひとつ別の意味もあります。 

その反対に、「自国が戦争をしかけることを思い止まらせる力」のことです。

イヤな言い方をすれば、「ビンの蓋」論です。日本が戦前のよう突出しないように、押し込めておくという意味で、米国の一部で使われ続けてきました。

私は、集団的自衛権を持つことによって、戦前型の世界を敵に廻して戦ってしまい国を滅ぼした悲劇を再現することがなくなるのではないかと思っています。 

大戦の反省から、世界にはいくつもの戦争を未然で防止する仕組みができました。そのひとつが国連憲章で謳われている集団的自衛権です。 

反対派の人たちにはなにか誤解があるようですが、集団的自衛権は、戦争を防止する仕組みであって、戦争を仕掛ける仕組みではありません 

NATO諸国は、一国の侵略に対して加盟国全体で対処するという自動介入条項を持つと同時に、加盟国が勝手に侵略することも不可能な「共同制裁」の仕組みも持っています。 

私は、このNATOが今の時代のもっとも完成された集団的自衛権システムだと思っています。 

ドイツは55年とかなり早い段階に加盟し、ドイツが三度欧州を戦火にさらすことがないことを周辺国に「誓約」をしました。 

外務省HPによればNATOはこのような任務をもつとされています。

NATOの任務
・「集団防衛」、「危機管理」及び「協調的安全保障」がNATOの中核的任務。
・NATOは、いかなる国も敵とはせず、加盟国の領土及び国民の防衛が最大の責務

集団的防衛に関しては、NATOがある限り、その加盟国に対する攻撃は加盟国全体への攻撃と見なされます。

NATO条約第5条
「NATO締結国(1カ国でも複数国でも)に対する武力攻撃は全締結国に対する攻撃と見なし、そのような武力攻撃に対して全締結国は、北大西洋地域の安全保障を回復し維持するために必要と認められる、軍事力の使用を含んだ行動を直ちに取って被攻撃国を援助する」

条約締結国に対する武力攻撃は、国連憲章第51条に言う集団的自衛権の行使が明文で規定されているのです。 

だからこそ、ロシアはポーランド、ハンガリーという旧ワルシャワ条約諸国がNATOに加盟したことに強い衝撃を受けているのですし、ここでまたウクライナまでNATOに加盟する事態をなんとしても阻止したいのです。 

いったんウクライナに加盟されてしまえば、ウクライナ領の切り取りは、NATO全体への挑戦となってしまうからです。 

逆に、NATO加盟国がかつてのナチス・ドイツのように一国の利害で戦争を開始することもまたや可能になりました。 

ひとつの加盟国の勝手な軍事行動は、共同で制裁の対象になるからです。 

このように、集団的自衛権を持つことは大きな防衛上の抑止力であると同時に、「縛り」のための抑止力でもあるのです。 

次に「協調的安全保障」(cooperative security)は、冷戦終結後にNATOのミッションに加えられた最も新しい安全保障概念です。 

冷戦後は米ソが核兵器を大量に抱え込んで、互いに核のMAD(相互確証破壊)という文字通りマッドな仕組みでにらみ合っていました。 

冷戦以降この仕組みは大きく変化します。 

米ソの親分のタガからはずれた世界には、民族紛争、宗教紛争、領土紛争、麻薬取引、兵器の拡散、飢餓などの問題がいっせいに噴出しました。 

このような問題に対処するには、かつてのような国家間軍事同盟では難しく、国境を越えた広い地域での包括的な協力する仕組みが必要になったのです。 

一方、アジアにおいては中国との冷戦期以来の構造がなくなったわけではないために、「ハブ&スポーク」と呼ばれる米国と各国が各個に結びついた二国間同盟が残されています 

その意味で、日本の集団的自衛権が認められたとしても、欧州のような集団安全保障体制は構築されていないことになります。 

これが、今の集団的自衛権論議でかまびすしく叫ばれている「米国の戦争」に巻き込まれるのではないかという疑念を、反対派に持たせている原因です。 

ところで、アジアにおいて唯一、このNATOに似た協調的集団安全保障システムを持つ国家連合があります。 

それが1994年にASEANによって、東アジアの安全保障協議の場としてASEAN地域フォーラム(ASEAN Regional Forum. ・ARF)です。 

残念ながら、ASEANをベースにした発展途上国、新興国連合のためにさまざまな制約があって限界はありますが、このASEAN地域フォーラムこそが、今アジアに唯一存在する、最も進んだ協調的安全保障体制なのです。 

私は、日米同盟、米豪同盟、米韓同盟などの二国間同盟をこのようなASEAN地域フォーラムとリンクさせて再編することが、アジア地域での平和を維持しつつ「米国の戦争に巻き込まれる」不安を解消する道ではないかと思っています。 

まずはしっかりと安保条約第5条の集団的自衛権を習熟してから、日米同盟をさらに一歩進めてアジア・オセアニア諸国との協調的安全保障に進んだらどうでしょうか。 

日米安保強化でおしまいではなく、その先を見通した議論をすることで、「護憲か否か」といったカビか生えたイデオロギー対立の言論空間にはまらず、より柔軟で現実に則した安全保障論議が出来ると思います。 

またそのことによって、米国の戦争に巻き込まれることを抑止し、あるいは日本が単独でかつてのような戦争が出来ない「縛りの抑止力」を持つことができるのではないでしょうか。

しかし現実には、アジアにおいては、欧州のような共通の宗教、政治体制、価値観の共有があるわけでもなく、軍備も貧弱です。

この間の中国の何かに憑かれたような軍事的進出の前に、海軍力どころか満足な沿岸警備艇すら足りないのが現状です。

これがネックで、現実のARFはNATOにはるか及ばないレベルで、一国ずつ個別撃破されるようにして中国の露骨な膨張政策に浸食されていっています。

本来、域内で中軸となるべき先進国は日本だけといっていい状況にもかかわらず、そのわが国もごの体たらくで、未だ「個別的自衛権か、集団的か、その線引きは」などという不毛な議論に止まっているような状況です。

その本質的原因は、わが国の政治が米国のみとの安全保障にのみ足を取られて、「その先」に視線を伸ばしていないからです。

ARF(名称は変わるでしょうが)が日本、オセアニア地域も包括し、米国とリンクするNATOのような新たなアジアにおける包括的地域安全保障体制を構想すべき時期が始まっているのではないでしょうか。 

何も変えないことが平和なのではなく、どこをどのように変えたらもっと侵し、侵されない地域平和体制につながるのか具体的に考えていくべき時です。

※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-e0a4.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4732.html

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-7303.html

                     ~~~~~~~ 

※参考資料 「東アジアの安全保障と多国間協力」 参議院特別調査室松井一彦

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コメント

現実的には、米国オヤブンに付いて行くしか選択肢はありませんわね。良いオヤブンじゃないけど。

オヤブンは、日本シャテイに核を持たせて一家独立させるつもりなどサラサラなくて、このまま貢がせ続けるのが一番の国益です。シャテイはずっと子分のままです。

ズバリ中国(属国含む)・ロシアが仮想敵国ですが、敵国が核兵器を持っている以上、持たざるシャテイには核抑止力など発生しません。日本単独では、有事にはボロカスに足腰立たないまでブチのめされます。(あっけなく無条件降伏)

シャテイにさせられているのですから、オヤブンに加勢してもらうのは当然の契りです。オヤブンには核も大量にあります。

で、オヤブンがピンチの時、シャテイが「暴力はイカンでしょ、平和が一番。オヤブンの為に死人が出るなんてアホくさいわい」と傍観してていいのか?と言う話。

いいと思いますが、そうすると破門され次回は「お前、ひとりでやってみいやぁ!ワシは知らんけんのう、好きなようにしんさいやぁ」と放置され、シマを失うでしょう。

答えは、結論から帰納法的に導くべきで、アーダコーダと弁証法的に文学的な理想・希望から導くべきではありません。時間のムダです。戦争は、誰かが確実に死ぬのです。仕方ないとは言いませんが現実です。それなら、出来るだけ死者を出さなくてすむような方法や作戦を、現実的に練るしかありません。

よその組にナメられようものなら、オヤブン・シャテイが一家として猛烈な反撃を喰らわせる、そのような体制にしておかないとシマは盗られてしまい、愛も平和もヘッタクレもありません、取り付くシマもありません。


http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014061200784
過激派首都北方に迫る=政権無力、国際社会に危機感-イラク

イラク北部のモスルやティクリートなど主要都市を陥落させ、首都バグダッドに向かって南進するイスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」は12日、新たに首都北方90キロの町ドゥルイアを制圧した。AFP通信が伝えた。

>イラク危機とBBCは報道していますが日本のメディアはワールドカップ一色で危機感がありません。イラク危機で石油価格が上昇しました。石油ショックの再来も有り得ます。農業にも大打撃です。北海道の冬はどうなるのか?死活問題です。

アホンダラさん。やはりこういうコメントが来たかというかんじですが、私は理想論は安全保障にとって毒だと思っています。
かねがね外交に理念はいらないと極言したりもするくらいです。

ですからあなたが言う米国の核の傘はいまや破れ傘同然で、おそらくオバマは中国が仮に第2砲兵を使った場合、その報復はしないと考えています。
また尖閣においても同様に支援することはありえないと思っています。

その意味で、あなたのおっしゃることはかつての常識であって、今おっしゃるような「オヤブン・シャテイが一家として猛烈な反撃を喰らわせる」ような安全保障が可能か、それが今後中長期的に維持できるのかと考えた場合、そうとうに無理です。

その意味では米国「親分」はまったくやる気なしの学校秀才で、ひと頃は中国とのG2論にすら傾いたほどです。
今はややそこから離れていますが、いずれにせよオバマは極めて頼りない、やる気の見えない、引きこもりの青白い坊やです。この男の政権が2年間ある以上、米国の没落は規定事実になりかかっています。
あのような薄っぺらい人物が2期も大統領の座にあったのは世界の不幸でした。

もちろん現状において傾いた「親分」とのご縁は大事にする必要がありますが、独自のアジアの包括的安全保障体制を、あくまで日米同盟とリンクさせて考えていく必要があります。

現状では、その手前のまたその手前でしょうが、議論ていどは必要だと思って書いたつもりです。「文学的理想主義」なつもりはいささかもなかったつもりです(苦笑)。

ラケル様。まったくそのそのとおりです。ウクライナ紛争で既に、原油価格や飼料などの資材価格は高値に貼りついています。

米国はシェールガス革命以降、中東原油への依存を急激に減らす方向にシフトしており、オバマはイラクへの再介入を拒否するでしょう。
その場合、遠からずイラクは宗教紛争の内乱に突入するか、イスラム原理主義国家がもうひとつできることになります。

私もラクル様と同様極めて心配しています。原発はこの数年動いて数基でしょうし、原油価格とスライドして天然ガス価格は上昇しますから、エネルギーの手当てをしておかないと、この冬が怖いというのは同感です。

現実的には、ロシアの天然ガスを現実化するしかないでしょうね。

管理人さん。

乱文、失礼しました。

私は、管理人さんに向けて書いたのではなくて、
こちらにも湧く左翼ならぬサヨク思想の方々に向け、
彼等の夢のような理想が語られる前に、先制口撃を
かけたつもりだったのですよ。

長期的には、良くないオヤブンから離れて、アジア
のシマはアジアの国々で協調するのがベストであり、
管理人さんの主張されるとおりです。

でも、いかんせん現在はアジア諸国は中国を除くと
チュー坊です。育ち盛りではありますが、一家をか
まえる実力をまだ持っていません。

今日明日にも起こり得る軍事衝突に対しては、破れ
傘を使うしかないのですが、現実にはそれすらも出
来ない体たらくです。法的運用の問題から、稼働で
きる原発を動かせないのと同じ構図です。ダメな理
由ばかりつけて、今必要な行動が取れないでいます。

外交も、厚労省と無能さの一、二位をあらそう省庁
の外務省では、アテにできずにますます軍事衝突の
現実味を帯びます。

地政学的にみても沖縄近海は、中国にとって正門前
に建つ他人の土地家屋です。ダンプを突っ込ませて
所有者を追い出すのは、不思議でもナンでもない。


アホンダラさん、すいません。わかりました。


集団的自衛権についてたいへん勉強になりました。

安倍さんはインド、インドシナ半島、北朝鮮、モンゴル、ロシア、豪州と中国を囲むように外交されてます。

NATOのような、早期に地域集団安全保障体制が構築されることを希望します。

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