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2014年7月15日 (火)

小泉翁の妄執「原発ゼロ」の嘘 その4 ただいま「原発ゼロ」の舞台裏

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小泉翁は、「即ゼロがいい。その方が企業も国民も様々な専門家も準備が出来る」 と言っています。

なぁ~にが「ゼロがいい」だ、まったく。 

今の電力供給は薄氷の上で焚き火している状況だと知っていて、この人言っているのかね。

脱原発派がよくいう台詞に、「電気はジャブジャブ余っている。足りないというのは電力会社の陰謀」というものがあります。

さて、ほんとうにジャブジャブ余っているんでしょうか。

新エネルギーで現実的に供給体制に入っているものは、再生可能エネルギー以外にありません。現実的には化石燃料のみによって電力供給がなされています。  

止まっている原発の代わりとなる電力は、今まで稼働を止めていた旧型火力発電所を再稼働したものによって補われています。 (図 電気事業連合会資料 
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上図は2004年から13年までの電源構成比のグラフですが、一番下の紫色の原子力と、緑色の石炭、ピンクのLNG、オレンジ色の石油の推移を較べて下さい。

・原子力              ・・・2004年・29.1%⇒現在ゼロ
・火力(LNG、石油、石炭の計)・・・2004年・60.1%⇒現在88.3%

なんと88.3%が化石燃料です。わが国は今やリッパな化石燃料大国です。

原子力施設の利用率の推移も押えておきましょう。かつて定期点検以外の停止を除いて6割台使われて原子力施設は2013年度で2.3%、現時点でゼロです。(図 同上) 

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ぜんぜん使っていないわけですが、年間に維持コストだけて一基500億円かかります。とんだ金喰いです。

燃料コストの推移を見ましょう。203年度に2.0%だったものが、2013年度には4倍の7.7%に登っています。10年間で4倍です。(図 同上) 

その原因のひとつは、原油のこの間の急激な上昇しです。

2003年にバレル約40ドル台だった原油は、2013年には3倍の110ドルに上昇しています。

100ドルを超えたら危険ゾーンと呼ばれていますが、イラク情勢の悪化でこの傾向には歯止めがかかりません。
(図 Wikipedia)
 

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このように、日本は今や約9割を化石燃料に依存するCO2大国に生まれ変わってしまったと言っていいでしょう。  

では発電現場はどうなっているのでしょうか。下の写真は3.11以降に無理矢理に再稼働された武豊(たけとよ)火力発電所です。

ジョッキーのような名のこの火力発電所は、激しく老朽化しているのが分かります。

 (写真 武豊2号機 遠藤巧 「現場千本ノック」より) 

全体に錆が浮き、排気ダクトもツギハギだらけ、まるで壊れたロボットのようです。 

このダクトは長年使用していなかったためにこんな状態なのです。それがいきなりの電力不足で、もうスクラップを待っていた発電所はいきなり操業を急がされました。 

もはや全面的改修などする時間の余裕もなく、ダクトから火を吹けば応急パッチで塞いでいるような状態です。 

このようなスクラップになる予定の老朽火力を再稼働して、どうにか電力供給を続けているのが、今の日本の現状なのです。  

現在の予備電源率は10%を割り込んで、関西電力など去年夏前にマイナスになる可能性すらありました。

「関西では、大飯原発3、4号機(計236万キロワット、福井県)が今月中旬までに稼働停止した。自社電源のみでは予備率がマイナスになる可能性があったが、他電力会社からの融通などで供給力を積み増し、電力需給が最も厳しい来年2月でも3%を上回る予備率を確保する。」(産経新聞13年9月29日)

このような電力の予備率が極端に薄い状況で、もし一基の火力発電が大規模故障した場合ブラックアウト(長期広域停電)もありえる状況だといってよいでしょう。 

現に、2012年2月3日、九州電力の新大分火力発電所(大分県大分市)のトラブルで計13台の発電機が一時停止し、東京、中部、北陸、関西、中国、四国の6電力会社から計240万kWに及ぶ電力の緊急融通を受けています。  

ところが、この緊急融通した中部電力自身も薄氷状態だったのです。

「九州電力に電力の緊急融通を実施したこの日、中部電力では予備率が一時的に3.5%まで下がる恐れがありました。供給力に直せば、わずか80万kW程度。これはたとえていえば、ジェット機が海面スレスレを飛んでいるような危機と紙一重の状態です」(武豊発電所所長永崎重文氏)

中部電力には80万kW以上の火力発電機が6基あるが、当日、一つでも故障していたら、ブラックアウト(広域大規模停電)につながりかねない事態であったそうです。

今年の夏は、 停電にならないための電力供給余力は3%以上必要とされるが、関西電力は1.8%、九州電力は1.3%しかない状況です。

東電などからの支援で乗り切る予定ですが、見たように火力発電所は、老朽化していつ事故が発生し、停電が起きてもおかしくありません。

いったん停電となれば工場の製品はオシャカになり、病院の重症患者に死者が出るでしょう。そんな状況でも「原発ゼロ」だけが大事なのでしょうか。

「電気は原発を止めてもたっぷりある」というのは神話にすぎません。もう少し現実をしっかりと見るべきです。 

ある電力会社の火力発電所にはそこかしこに、「負けないぞ」という標語が貼られているそうです。 

なにが「企業も準備できる」ですか。もうとっくに現場の電力マンは死力を尽くして電力供給を支えているのですよ。 

これが「原発ゼロ」の現実です。口で原発ゼロを叫ぶのは簡単です。しかし、どうやって原発が抜けた穴をふさぐのか代案を示して下さい。 

今のような綱渡りがいつまでも続くわけではないと、なぜ小泉翁のゆるい脳にはわからないのでしょうか。

■リアエルタイム電力需給
・関西電力http://www.kepco.co.jp/corporate/energy/supply/denkiyoho/

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コメント

何故そのようなギリギリの状態にも関わらず、国や電力会社は積極的に節電を呼びかけないのかが不思議でなりません。

神奈川都民さん。3.11から3年たって、既に国が節電を叫ぶ段階から、業界団体や企業が自主的にやる所にきています。

単なる節電=エコという理念的なものではなく、ハンパない電気料金値上げのためにやらないと減収減益になるからです。

「昨春の関電管内の電気料金値上げも影を落とす。昨夏に22年比で15%節電した平和堂は「節電しても逆に支払う電気料金は増えた。一層進化した形での節電が必要になっている」と強調した」(産経7月2日)

小売業界以外でも節電は社命で全力で取り組んでいるようです。

管理人さま
お返事ありがとうございます。
確かに企業が減収減益を免れるために全力で節電に取り組んでいるのは分かるのですが、一般家庭にその深刻さがどれだけ浸透しているのかが疑問です。もちろん家計を苦しめるので節電している家庭も多いとは思いますが、コストが高いから節電するという意識はあっても、電力量がギリギリだから節電するという意識は震災以降薄れて来ていると感じているのは自分だけでしょうか。周囲にいる反原発派に「全然足りてるから平気だよ」なんて言われるとそんな気がしてなりません。個人的には人間はすぐに忘れる生き物なので、一定の節電キャンペーンは継続したほうがいいと思っています。

そうですねえ。
武豊火力2号機は、40年以上、経っていて、本来は、すでに、解体されて、更地になっているはずだったんですが、排気煙突の底には、高さ2mくらい、煙突の内側の鉄板のさびの山が、堆積していて、清掃、補修、メンテナンスを、慌てて行って、稼動させたようですね。

正直、西名古屋火力、碧南火力4号機なども、よく故障していますので、電力供給としては、不安定のようですね。

一応、中電としては、新潟の火力発電所と、知多第2、新知多などと、古い発電所を、LNGを燃料とする新型火力発電所に、改築することで、当面、再稼動が、難しい浜岡原発の発電量を、当面、まかなう予定で、2017年までは、ぎりぎりの発電量で、何とか、やりくりして、2017年完成予定のLNG燃料の新型火力発電所に切り替える予定で、動いています。
今のところ、カタールからLNG供給を受ける長期計画には、なっていますが、イラクやイスラエルなど、中東情勢で、LNGが、手に入らないとなったら、アウトになるか、それまでに、ロシアが、LNGを、売ってくれるかですね。

一応、知多沖には、LNG大型タンカー専用桟橋が、ありますので、LNGが、安定供給されれば、なんとか、発電できますし、西名古屋へも、海底パイプケーブルで、LNG供給は、出来ますので、西名古屋の1号機から4号機も、改修が終われば、フル稼働できそうです。

ただし、2017年以前は、いつブラックアウトするかどうかは、解りませんね。

今のところ、浜岡原発を、廃炉にする予定は、なさそうです。

つまり、一応、将来、使う原発であれば、決算書上は、資産ですので、借り入れが有利ですし、もちろん、津波防波堤の拡充は、運転していなくても、絶えず燃料棒を、冷やしていないと、いけませんので、廃炉が決まっても、燃料棒を、キャストに入れて、移動させるまでは、ずっと安定冷却が、必要ですので、防波堤の増し積みは、ひつようですしね。

まあ、電気代は、消費税同様、どんどん値上がりするようです。

お邪魔します。

反原発利権=石油利権、太陽光発電利権、左翼利権

小泉は利権の手先である。

郵政利権が不完全に終わったので、もう少し
彼らに奉仕せよということだろう。
進次郎はまだ使えない。
いずれにせよ小泉一族の繁栄を約束されている。

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