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2014年7月21日 (月)

小泉翁の妄執「原発ゼロ」の嘘 その7 太陽光の衝撃的なまでに低い発電能力

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3.11直後には広い層に共感をもたれていた脱原発運動ですが、いまや真面目に代替エネルギー論議することすらしなくなりました。 

なぜなら、現実には9割弱が化石燃料に依存する国になっているにもかかわらず、代替は再生可能エネルギーで「決まり」だからです。

小泉翁はこう言っています。

「今こそ原発をゼロにするという方針を政府・自民党が出せば一気に雰囲気は盛り上がる。そうすると、官民共同で世界に例のない、原発に依存しない、自然を資源にした循環型社会をつくる夢に向かって、この国は結束できる 」
(ハフィントンポスト 2013年10月2日

なるほど、わが国では、2012年7月の再エネのFIT(全量・固定価格買取制度)が施行されて以来、太陽光発電を中心として再エネ発電設備の導入は飛躍的に伸びました。

2011年度~2013年度における再エネの伸び
・発電設備容量 約2000万kW⇒約3000万kW 約1000万kW増加(下図参照)

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                  (図 資源エネルギー庁)

すごい伸びです。これは20年先まで世界一の高額(42円)で買い取るというベラボーな制度が出来たために、太陽光発電ブームが起きたためです。

同じ再エネでも設備投資が多大で、建設まで時間かかる水力や風力の伸びは低調ですから、太陽光だけの特殊なブームが起きたと分かります。

では、再エネが「発電設備容量」が5割も伸びたのですから、実際の発電量も同じくらい伸びてなければなりません。これがエネルギー源の常識です。

実際に火力や原子力の場合100万キロワットの発電所を作れば、作っただけ発電量は伸びます。

しかし、いとも簡単に再エネはそのエネルギー源の常識を逸脱してくれます。

●2011年度~2013年度における再エネの発電電力量の増加率
・1.4%→2.2% 0.8ポイント増加(下図参照)

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  (図 同上)

発電設備容量というその発電所の設備が発電可能な理論値は伸びても、それに伴って実際の発電量は伸びません。これが再エネが他の電源と大きく異なる点なのです。

ここを知らないで、小泉翁などの脱原発派はムード的に再エネを代替エネルギーの基幹に据えようとしています。

では、日本最大級の太陽光発電所はどこか知っていますか?東電・浮島発電所扇島発電所がです。

浮島と扇島両太陽光発電所の概要は以下のとおりです。扇島は浮島の約2倍の規模です。 

Photo

(川崎市と東京電力が共同で運営する2つの太陽光発電所の概要。出典:川崎市、東京電力)

浮島と扇島発電所で合わせて最大出力は定格で2万kWていどです。

柏崎刈羽原発7基は、いずれも110万kWから135.6万kWですから、敷地面積が計34ヘクタールもあるにしては、桁違いに低い発電量です。ま、敷地面積は、出力と関係ないか(笑)。

ちょっと発電量を比較してみましょう。おとと、その前によくある勘違いを説明しておかねばならぬ。

今、私は「定格で2万kW」と書きましたが、この意味が分かりますか?

既存の発電所の発電能力を表す「(定格)出力○○kW」の単位は何も書いてありませんが、これは「毎時」です。

なぜkWh(キロワット毎時)で表記しないかといえば、火力や原子力は年間、止めない限りはずっと同じ定格出力を維持することが可能だからあえて書く必要がないのです。

しかし、再エネで言う定格出力は、ここが違うんですね。あくまでもこれだけ発電が可能ですというスペックにすぎません。

だから東電は正直に、これが最大発電量ですという意味で「最大出力」と表記しています。

もっと正直になるなら、時間によって発生したエネルギーの量が違うのですから「kWh」(キロワット毎時)で表記したほうが親切でしょう。

再エネはすべからく、「その瞬間」に発生したエネルギー量なのです。これが決定的に他のエネルギー源と異なるところです。

たとえばこうです。

・潮汐発電[満潮と干潮の海水面の高低差で発電]・・・満潮、または干潮の一日数分から数十分間だけ
・風力発電[風力によってプロペラを回して発電]・・・風が吹いている時だけ
・太陽光発電[太陽エネルギーで発電]・・・太陽が出ている時だけ

とまぁこういうことですので、太陽光発電所に「定格○○kW」と表記してあっても、それに1年間をかけて年間発電量として考えてはダメなわけです。

というわけで、この浮島・扇島発電所のデータを見る場合、上図の「最大出力」の下にある「実績」が大事なのです。

ああ、メンドクさー。けどこれに騙されて、そうかメガソーラー発電所か、100万ワットだぁ、などと思ったら大間違いで、実績はうたい文句の8分の1から10分の1程度です。

前説が長くなりましたが、ここで改めて太陽光発電所の能力検定をしてみましょう。

・浮島・扇島太陽光発電所の1年間の発電量実績・・・2315万kW(ただし、扇島は想定値)
・柏崎原発1号機1日の発電量           ・・・3013kW

誤植ではありません。太陽光は1年、原発は1日が単位です。

ですから、浮島・扇島太陽光発電所の1年の発電実績は2基で2315万kWですから、柏崎1号機の1日の発電量3013kWの約16時間分ていどの量にすぎません。

あざといようですが、もう一回書きます。

浮島・扇島太陽光発電所の1年間の発電量=柏崎原発1号機の16時間分の発電量

トリビアですが、世界で最大のメガソーラー発電所はどこでしょうか?

それは米国のモハベ砂漠で計画されている40万キロワットなのですが、この稼働率は砂漠なのにもかかわらず2割ていどなので実質10万キロワット程度の発電能力しかありません。  

これは通常サイズの天然ガス・コンバインドサイクル火力発電所1系列の4分の1ていどでしかありません。 

原発と比較するのは気が進まないのですが、あえてしておけば超巨大メガソーラーとて新鋭火力発電所1基の10分の1ていどの能力しかないのです。  

これではジャンボジェットのエンジン1基分も出力できません。しかもそれは瞬間最大出力時であり、朝や夕方、曇りや雨ではほとんど発電しません 

そして太陽光は既に発電転換率の理論的限界値まで達してしまっているため、今後の伸び白がありません。  

つまり、太陽光発電はいかに脆弱で気まぐれな電源かと言うことです。私は太陽光は原発の代替ネルギーとしてはもっとも不適格だと思っています。 

小泉翁には壮絶なまでの発電能力の差があることを知ってから、代替エネルギーは再エネだと言ってほしいものです。

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

私の住んでる小さな地方都市でも、極小規模な
太陽光発電設備をよく見かけるようになりまし
た。ヘタすると田舎の農家の宅地程も無いよう
な設置面積です。こんなモノが日本全国に続々
と作られているみたいですね。

バカ高い値段での買い取り保証制度を、政治的
に原発絶対イヤ派の隆盛を利用してネジ込んだ
のはミエミエです。買い取り資金として又々増
税されてゆきますね。政商は大儲けです。

でも、そんなに上手くいくかしら?猫の額程の
土地面積しかない太陽光発電設備は見るからに
貧相で、バカ高い買い取り料金がなければ、ま
ったく投資資金を回収できそうにありません。

財政破綻に近づくと、霞ヶ関はシレーッとして
買い取り価格を無慈悲に下げるでしょう。財務
省は893そこのけで押し切ってきます。その時、
エネルギー保存の法則を強制的に学習させられ
て、多くの太陽光発電は破綻です。

太陽光発電先進国ドイツも顔が真っ青になって
います。比較的製造コストの安い中国の太陽光
発電パネルメーカーまでがツブれている現在で
す。こんなダメな政策しかできないとは、さす
が私が有権者の国ですわ。

初めまして
いつも興味深く拝見させていただいております

前から気にはなっていたのですが最大出力のKWと電力量のKWhは違うものです。
他のものに置き換えるとすると自動車でいう時速(km/h)と移動距離(km)の関係に近いものがあります。

ちなみに1kwhの電力量をえるためには、1kwの出力で1時間連続して運転しなければなりませんし、3,600kwの出力なら1秒です。

なので最大出力にkwhを使用することはないのです。

更新頻度が多くいつも楽しみにしています。さて、柏崎原発1号機1日分の発電電力量は3013万kWhではないでしょうか?3013kWhとなって万が抜けているように思います。

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