• 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014
  • 20250114-011659
  • 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719

« 週末写真館 嵐の後  | トップページ | 小泉翁の妄執「原発ゼロ」の嘘 その4 ただいま「原発ゼロ」の舞台裏 »

2014年7月14日 (月)

小泉翁の妄執「原発ゼロ」の嘘 その3 イエスかノーか以外にも答えはある

044
月夜の晩になると山本太郎氏に変身してしまう奇病に罹ってしまった小泉純一郎翁について書いています。

これは物事が、「推進」か「反対」かの二色にしか見えなくなるという可哀相な奇病です。

世の中そう単純じゃないはずですが、いい歳こいた老獪な政治家が突如、過激派の山本クンに変貌するのですから参ります。

核廃棄物の最終処分について、翁はこう言います。

「最終処分場の選定について、『ゼロにすることを決定してからでなければ、国民の協力は得られない。再稼働し、これからまた核のゴミが増える段階で、処分場をつくるのに協力してほしいでは、住民の協力は得られない』とも語り、政治決断を行うにも『原発ゼロ』方針の明確化が不可欠だとの認識を示した」
(ロイター2014年7月7日)

「原発ゼロ」じゃなきゃ、最終処分もダメ」というわけですが、これでは首相官邸前の同年配の人達と同じレベルです。

では、かく言う小泉翁が政権に6年もいた時に最終処分地問題がどうなっていたかといえば、何もしていませんでした(苦笑)。

いや、「処分地を探すふりをしていた」のですからいっそうタチが悪い。

そもそも小泉翁は現役総理の時は、郵便局と経世会をテッテイ的に破壊するのと、米国にシッポを振ってイラクに自衛隊を送りだすのに夢中で、原発問題なんてまったく関心ありませんでしたしね。

政府は、認可法人「原子力環境整備機構」(NUMO)を作って最終処分地に適した場所を探すというふれこみで、なにか「やっているふり」をしていたのです。

地層処分する技術はいちおう「確立」されています。4重もの天然、自然バリアーで封印します。  

実験施設としては幌延深地層研究センター、瑞浪超深地層研究所があり、地層処分や深部地下環境に関わる研究が実施されています。  

ただし、いずれも実験施設であって、現実の処分施設の候補は現れていないのが現実です。というのは問題が「保管期間」賀余りに長いからです。  

核廃棄物処分はこのようなプロセスで考えられています。   

・[第1段階中間貯蔵施設・・・高レベル放射性廃棄物は、深地層埋設処分される前に、30年から50年間の中間貯蔵される。
・[第2段階深地層埋設処分・・・埋設地選定・施設建設から数10年から100年間の操業(廃棄物の搬入)された後に、施設はコンクリートで封印されて作業は終了する。
・[第3段階埋設地周辺の管理・・・埋設地域は長期にわたり継続看視される。  

とまぁ、書けば簡単なのですが、放射性物質は無害化するまで数万年以上の時間がかかります。  

第2段階ていどまではとりえず100年(それでもスゴイですが)ですから、情報の受け渡しは可能でしょう。  

しかし、小泉翁が言うように施設を封印した後の数千年、数万年の保証できる者などひとりもいません。   

仮に1000年としても、わが国など平安時代まで遡り、米国など国自体が存在していませんからね(笑)。  

これだけの超長期間、こんなブッソウなものを埋めて果たして大丈夫かということです。これが決定打がないままに徒に時間だけすぎた最大の理由です。  

このような停滞状況を初めて真摯に向かい合ったのが日本学術会議の提言(高レベル放射性廃棄物の処分について(回答) - 日本学術会議)でした。

こちらはオンカロが小泉効果で有名になる半面、 ほとんど世間には知られていないのが残念です。 

おおよその骨子は以下です。  

① 高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直
② 科学・技術的能力の限界の認識と科学的自律性の確保
暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築
④ 負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性
⑤ 討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性
⑥ 問題解決には長期的な粘り強い取組みが必要であることへの認識
 

日本学術会議は、いままでの政府が固執してきた地層埋却処分を、到底受け入れられないものをにしがみついて時間を無駄にしたと批判しました。 

その上で、我が国で万年単位で安定した地層を探すのは困難であり、当面は最終処分という「言い訳」にしがみついているのではなく、現実を直視して数十年から数百年ていどの「暫定保管」というモラトリアム処分に切り換えることを提案しました。 

日本学術会議の「回答」でこう述べています。 

暫定保管という管理方式は、いきなり最終処分に向かうのではなく、問題の適切な対処方策確立のために、数十年から数百年程度のモラトリアム期間を確保することにその特徴がある。」  

保管終了後の扱いをあらかじめ確定せずに数十年から数百年にわたる保管を念頭に置く。」  

「暫定保管は、回収可能性を備え、他への搬出可能性があるため、そうした可能性が開かれていない最終処分と比較すれば、施設立地にあたって、より説得力ある政策決定手続きをもたらす可能性がある。」 

このように日本学術会議は、このモラトリアム期間に新たな技術進歩があったり、社会的なコンセンサスが取れた場合、いつでもそれを取り出すことができる方式としました。 

そしてもう一点きわめて重要な提言もしています。  

それは際限なく核のゴミが出続けるのではなく、こう提唱したのです。

暫定保管できる許容量に合わせた核のゴミの排出量を定め、それに合わせて原発発電量を決めるべきである」 

いわばフィンランド方式とでもいうのか、入口=発電需要からだけから考えるのではなく、出口=暫定保管量から発電量を決めていくという総量規制の考え方は説得力があります。  

安倍首相は、2013年衆議院本会議で地層処分について、こう答弁しています。

「20年以上の調査の結果技術的に実現可能と評価されている」と指摘し、「それにもかかわらず処分制度を創設して10年以上を経た現在も処分場選定調査に着手できない現状を真摯に受け止めなければならない。国として処分場選定に向けた取り組みの強化を責任もって進めてゆく」 

いままで曖昧にされ続けてきた地層処理を改めて宣言したものです。  

ただし、もし首相がほんとうに「真摯に受け止めて」いるなら、今までのやり方を根本的に改めねばなりません。 

おそらくは、国有地に暫定保管し、プルサーマルなどで短縮したりして数十年の時間を稼ぎながら、その間核変換技術(※)などの消滅処理技術によって半減期を圧縮するなどの方法がとられると思われます。 

この核変換技術はわが国での研究は進んでおり、実現可能な技術だと考えられています。これが完成すれば、大幅に保管期間を圧縮できます。  

問題はむしろ保管場所でしょうが、この「回答」にもあるように長い時間かけてステークホルダー(利害関係者)との話し合いをする以外方法はないでしょう。  

ただ、保管期間が数十年に圧縮された場合は大きく可能性がでるのでは、と思います。  

もし、小泉翁がフィンランドから学んでくるなら、この新たな処分方法が完成するまでのモラトリアム期間確保のための保管と、それに合わせた総量規制という2本柱を持ち帰るべきでした。

小泉翁は、根本的解決が今ないからすべてを否定するという反対派特有のオールオアナッシングの発想になっています。これでは、解決の糸口が見えるはずがありません。

というか、そもそも解決は「原発ゼロ」以外ないと決めてかかっていますから、議論の余地を自分で閉ざしているのですが。

イエスかノーか以外にも答えはあるのです。

 

 

:                  ;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+  

核変換 人工的に核種変換を起こす技術の事を核変換技術と言う。特に高エネルギーかつ長寿命の放射性核種を含む高レベル放射性廃棄物を、比較的短い時間で低レベルの放射性物質にすることを目指す研究が行われ、消滅処理とも呼ばれていた。  

■日経新聞12年8月23日  

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分方法について、日本学術会議が抜本的な見直しを求める提言をまとめたことが23日明らかになった。地中深くに埋設するのではなく、地上や地下に一定期間保管した上で技術開発を進めて、最終処分法を新たに決めるべきだとしている。今後の原子力政策の議論にも影響を与えそうだ。   

 学術会議は24日に報告書を正式決定し、来週にも内閣府の原子力委員会に提出する。原子力委は提言を受け、見直し方法の議論を始める方針。  

 使用済み核燃料を再処理・再利用する核燃料サイクル政策を日本はこれまで推進してきた。それでも処理後に高レベル放射性廃棄物が出るため、数万年にわたって地中深くに埋めて最終処分する計画だった。ただ候補地が決まらず、計画は停滞している。  

 学術会議は廃棄物を「暫定保管」している間に、高レベル廃棄物の毒性を下げる研究などを優先して進めるほうがよいと判断した。  

 原子力委は2010年9月、国民の理解が進まない最終処分法をどう説明すべきかについて、科学者の集まりである学術会議に提言を依頼。ただ、昨年に福島原発事故が起き、学術会議は「現在の枠組みに無理がある」と判断。依頼内容を超えて最終処分のあり方にまで踏み込むことにした。  

 政府は将来の原発依存度などのエネルギー戦略の見直しを進めている。仮に原発依存度をゼロにしても、既に出た高レベル廃棄物の最終処分は不可欠。「核のごみ」問題で事実上行き詰まっていた現行政策を見直すかどうかも今後大きな焦点となる。

 

« 週末写真館 嵐の後  | トップページ | 小泉翁の妄執「原発ゼロ」の嘘 その4 ただいま「原発ゼロ」の舞台裏 »

原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

2001年の熱病に侵されたような暑い夏を思い出しますが(当時、私も熱狂したのが恥ずかしい)、

小泉さん得意のワンイッシューですね。
イエスかノーか!?
ゼロかイチか!?

世の中そんな単純なデジタルではないことは、本人がよく分かってると思うのですが…。そのやり方で成功してきた御仁ですから、悪い癖が出たとしか…。

現職時代に、総理経験者は口を出すべきでは無いと言っていたご本人が、もう関係者では無いのだから、さっさと隠居しなさいよ!と。

自分の無知をカバーする竹中や飯島みたいな独自のブレインが、今でも誰かいるのでしょうかねぇ?
まさか細川?ないない(笑)

満月近くになると、○核派の入れ知恵が暴走するように、洗脳されたのでしょうか?
あまりにも愚かしい。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 週末写真館 嵐の後  | トップページ | 小泉翁の妄執「原発ゼロ」の嘘 その4 ただいま「原発ゼロ」の舞台裏 »