オスプレイ「殺人機」神話の崩壊
この7月15日に、オスプレイが関東、北海道まで飛ぶというので、ある八王子に住む某ラジオ・キャスターは真剣な声で「落ちてこないか心配で~す」などと言っていました。
まだこんなオスプレイ危険説を妄信しているのでしょうか。欧米のマスメディアはとうの昔にオスプレイ・スキャンダルから脱しており、おそらく世界のマスコミ唯一の奇現象でしょうな。
常識的に考えても、米軍が乗員の生命が危険にさらされるような「殺人機」を現場に配備すると考えるほうがヘンです。
もしそんなことをすれば、軍のみならず納税者の利益を優先する議会が黙ってはいません。
確かに、オスプレイは新しい分野の新機軸が沢山盛り込まれていますから、当初は開発が難行しました。
機械的ミスだけてはなく、配備当初はヘリのパイロットがヘリと同じ操縦をしてしまって墜落したケースもあります。
しかし今はそれらはすべてクリアされて安全が確立されています。いや、むしろ他の航空機より事故率は低いくらいです。
(図2枚 防衛省 MV-22オスプレイ 事故率について(PDF)
上のグラフは米軍機全体で見た飛行10万時間あたりの事故率です。最少から二番目の名誉のブービー賞なのがわかります。
グラフ中程にCH-46とありますが、これがオスプレイに代わって引退した大型ヘリです。今は沖縄で解体されてスクラップになっています。
沖縄マスコミや基地反対派は、オスプレイ配備反対と主張していましたが、あのまま老朽化が激しく、事故率も高いCH-46のほうが安全でよかったんでしょうかね(苦笑)
上図は米軍全機種の中でのオスプレイの事故率ですが、平均より少ないのがわかります。
よくマスメディアや基地反対派が流しているオスプレイの21年前1991年6月11日の事故映像は、開発初期の試作機のものです。
そもそも試作機は欠点を洗い出すために作るのですが、この事故映像に出てくる試作5号機の事故原因は、機械トラブルでもパイロットミスでもなく、左右のロートレイトジャイロの配線を逆に繋いだという凡ミスだと判明しています。
(画像http://www.youtube.com/watch?v=n3lbKqStvHI)
そして配備されて、運用実績が上がっていくにつれて安全性が高まるわけです。
20年前の試作機の事故映像を未だ流し続けているセンスは、報道というよりむしろプロパガンダです。
またよくある混同に、空軍型のCV-22と、普天間に配備されている海兵隊型のMV-22をゴッチャにしたものが後をたちません。
確かに空軍型はアフガンで事故を起こしていますが、これは空軍型が特殊部隊を運用する特殊作戦機だからです。そのために地表スレスレの飛行をして事故を起こしたようです。
続いて最近、低周波がどうのと共産党ギャルがバカ丸出し発言した静粛性はどうでしょうか。
(図 Final Environmental Impact Statement for the West Coast Basing of the MV-22※リンク切れ)
上図はオスプレイの地表からの距離(フィート表示)と静粛性を、大型ヘリと比較しています。
飛行中は全ての高度でオスプレイはCH-46より5~9dB(デシベル)静かなことがわかります。
これは ヘリコプターがローターから出る特有のバラバラという空気を叩くような音(スラップ音)が大きくします。
これは前のローターの翼端渦が、後方のローターの回転と干渉するために生じています。しかし、オスプレイは飛行高度に達すると一般の固定翼機と同じ飛行をしますからそのようなスラップ音がしないのです。
一説で、大型ヘリより6倍静粛だと言われています。6倍はオーバーでも、それに近い静かさなことは、普天間基地周辺の人たちは既にわかっているはずてす。
反対派は実際に配備されて静かなことにびっくりしたとみえて、とうとう低周波の健康被害などというカルト的なことを言う始末です。
あたりまえですが、そんな医学的根拠はゼロです。お願いですから、そんな非常識なことを言わないで下さい。
このようにオスプレイ問題は、集団的自衛権のように色々な見方があるというものではなく、すべての航空専門家が全員一致でオスプレイの危険性を否定しています。
マスコミや基地反対派は、オスプレイの安全性問題を基地問題や安保問題と意図的に混同して、危険な普天間基地の象徴としてオスプレイをやり玉にあげているのです。
このように反基地と強引にオスプレイを結びつけたために、安全性論議とは無関係に、いつまでもオスプレイ配備反対を言い続けねばならなくなったわけです。
政府は自衛隊にオスプレイ導入を決定し、佐賀空港に配備する予定です。
また海兵隊のオスプレイの訓練は本土各地に分散されて、沖縄の負担を軽減することになっています。
小笠原村は、患者の緊急配送にオスプレイを求めており、その飛来実験が行なわれて成功しました。
(写真 MV22オスプレイで父島に到着し小笠原村民の出迎えを受ける小野寺五典防衛相。左端は森下一男村長=28日午後0時38分、東京都小笠原村 産経新聞より)
沖縄のメディアは治癒不可能な域に達しているから仕方がないとしても、本土のマスコミは少しは頭を冷やして事実を検証してから騒いだらいかがでしょうか。
そしてこのオスプレイ問題を、自分の政治的野心に利用する沖縄の政治家がいました。
それについては次回。
追記
よく「米本国やハワイにおいては、騒音に対する住民への考慮などにより訓練が中止されている」と言う人がいます。
まったくの事実誤認です。米国の反対運動は確かに2カ所ありますが、理由はオスプレイが危険だからではありません。
ニューメキシコ州では、空軍型オスプレイ(CV-22)を含む特殊作戦用輸送機の夜間山岳低空飛行訓練に対してのもので、夜間の低空飛行訓練に反対しているのであって、オスプレイが危険だからではありません。
次にハワイ州ですが、オスプレイによる飛行訓練予定地の一部が、先住民遺跡地区にかかっていたために遺跡保護のための反対運動です。
両者とも航空機一般の飛行に対してのもので、オスプレイの安全性についてではありません。
したがって世界において、沖縄を除いてはオスプレイの安全性問題での反対運動はまったく存在しないのです。
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私、これ爆笑しましたよ。
低周波といっても、この〇良よし子議員って、騒音や振動と電磁波の違いすら理解せず、
「低周波によりペースメーカーの不調を訴える人までいる危険なオスプレイの全国飛来NO!!」
などとツイートするバカですから、しかも共産党を代表して(本人がそう書いてる)
ほんとにそんな人がいるなら、クルマや電車にも乗れませんがな。家電やパソコン、携帯なんて論外。
というか本当だったらペースメーカーが即時リコール対象ですな(笑)
投稿: 山形 | 2014年8月 4日 (月) 19時51分
http://welove9.org/2010/11/post-162.html
変貌する新田原基地
>宮崎県新富町民はF15で難聴になっている被害者もありますが茨城県の貴方には理解できまいて。F15の騒音は茨城県民の貴方には理解できません。ええ茨城には基地がないので言えるのでしょう。私は穏健ですが貴方には怒っています。新田原基地に来て言ってみなさい。ソリックブームが凄いです。
投稿: ラケル | 2014年8月 5日 (火) 01時03分
ラケルさん。そもそもジェット戦闘機最大級のエンジンを2基積むF15と、オスプレイのターボシャフトエンジンを比較すること自体間違っている。ポルシェとハイエース較べるようなもの。
それと私、防音設備を施設庁からしてもらえるような百里基地の近隣住民なんだけど。
おまけに私の実家は厚木基地からわずか数キロの場所で、そこで20年間育った。小学校は二重窓。暑いから開け放しだった。
難聴の子供は小学校にひとりもいなかった。中学校もそうだ。
しかも平時ではなくベトナム戦争当時だった。今など比較にはならない。夜間離発着、早朝エンジンテスト、しかもイーグルよりうるさいファントムだ。
今は30年間百里基地の旋回面直下に住んでいる。年中頭上で旋回していく。よくよく基地にご縁があるとみえる。
うちの村の小中学校は百里基地、(新田原と同じイーグルを運用しているわけだが)から数キロだが、難聴の子供など聞いたことがない。
あまり自分の体験ばかりを絶対視しないほうがいい。
それと、オスプレイはイーグルより比較にならんくらい静かだ。ジェトエンジン2基と、オスプレイのターボシャフトエンジンはまったく静粛性が違う。
つまらない比較をするものではない。
ところで、頂戴したリンク先は9条の会であったが、なるほど、いかにも、やっぱり。
投稿: 管理人 | 2014年8月 5日 (火) 01時48分
ラケルさん。
上から目線で喧嘩腰のお笑いネタ提供ありがとうございます!
簡単な地理も知らず、「9条の会」がリンクですか(そこにちゃんと「百里」って書いてありますが)
百里なんか、F-15と共に老朽化したファントムがバンバン飛んでますし、F-15の比ではない喧しさの米軍のスーパーホーネットも来てますが。
宮崎在住で引き籠っていれば、そんなこと知らないんでしょうなあ。
茨城は、首都防空の要ですよ。
バカでもこうも宗教化すると救いようがありませんねぇ。
あまりにもレベルが低すぎて、お話にもならないお笑いネタでしかありません。
ま、「9条の会」出してきた時点で、あんたアウトですよ。実に面白かった(笑)
ちなみに、先日の「札幌(丘珠)航空ページェント」。
来場者5万。
北海道新聞はじめ各新聞やテレビが「反対派の抗議の声の中を」やって来た!
なんてのは、岩国に初めてオスプレイ陸揚げした時(約30人)より寂しい状態。報道写真は撮り方次第ですね。
現地では規制線を越えて近付く輩が多数出てしまいましたが、いわゆるヒコーキマニアがちょっと暴走して怒られただけ。
デカデカと「反対!幟」で集まってたのは、現地行ったヤツの写真みて数えたら14人。ご年配ですので日陰に避難したり、たまたまトイレに行っていたかも知れないですが、多く見てもせいぜい20人の動員が限界でしたね。
ちなみに、前回の航空ペーシェントではAV-8Bハリアー改が2機きてましたが、それこそ最悪のブラスト騒音を出し、墜落率も圧倒的なんですが…文句があったなんて話はありません。
投稿: 山形 | 2014年8月 5日 (火) 07時54分