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« トリチウム放出は国際条約で認められた計画放出だ | トップページ | 週末写真館 朝もやの川面 »

2014年8月22日 (金)

福島で甲状腺異常は増えていない

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こんなコメントをもらっています。

「また、福島で甲状腺のガン患者が発生したのも増えたのも事実ですよ。事実は客観的な数値によって既に示されているのに、それを事実として認めないのは変だと思うのは、自分だけでしょうか‥?」(SSさん)

このコメントに添付されていた日経の記事はこんなものです。

「東京電力福島第1原子力発電所事故の発生当時に18歳以下だった福島県民約37万人を対象に同県が続けている甲状腺検査が4月から2巡目に入った。これまで50人にがんが見つかったが、発症と事故による放射線被曝(ひばく)との因果関係の有無については結論が出ていない」(日経2014/6/21 )

これと同じような報道は、テレビ朝日の報道ステーション(14年3月11日)もしています。

概要はこのようなものです。
http://matome.naver.jp/odai/2139462857927945501?&page=1
「福島県では原発事故当時18歳以下だった27万人の甲状腺診断調査が行われている。そこで33人の甲状腺がんが発見された。この病気は100万人に1-2人であるとして、33人の発病は福島事故による放射線の影響の可能性があると指摘した」

これに対して政府の環境省環境保健部は、以下のような政府機関としては異例な反論をしています。「
最近の甲状腺検査をめぐる報道について」)

「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップに参加した国内外の専門家からは「原発事故によるものとは考えにくい」とされています。
その理由としては、
・これまでに行った調査によると原発周辺地域の子ども達の甲状腺被ばく線量は総じて少ないこと
・がんが見つかった方の事故時の年齢は、放射線に対する感受性が高いとされる幼児期でなく、既知の知見と同様、10歳代に多く見られたこと、
・甲状腺がんの頻度については、限られた数ではあるが、無症状の子どもに甲状腺検査を実施した過去の例でも同じような頻度で見つかっていること、
等があげられており、本報道で中心的に示された、小児甲状腺がんの潜伏期は最短でも4~5年と言われていることのみを持って判断がなされているわけではありません」

  • また前後して福島県と福島県立医科大学が運営して健康調査を担当する放射線医学県民健康管理センターも反論コメントを出しています。
  • 甲状腺ガンが増加しているなどという調査結果とは真逆な報道を放置できなかったのでしょう。
    http://fukushima-mimamori.jp/news/2014/03/000131.html
  • これに対しても反原発派からは批判が浴びせられ、福島県立医大のデータ隠ぺい疑惑なども一部新聞で報じられ拡散しました。
  • さて、福島事故における小児甲状腺ガンについては、原子力安全委員会から疫学データ(2011年9月5日)がでています。

    甲状腺からの線量率の実測データです。 

    Data201103学習院大の田崎春明教授はこう述べています。

    「バックグラウンドが 0.2 μSv/h 近くあった中での測定であることを思い出すと、高い精度があることは期待できない。 それでも、ゼロをピークに急激に減衰するヒストグラムが得られているのを見ると、それなりに意味のある結果が得られているのではないかと推測される。このヒストグラムによれば、ほとんどの児童の甲状腺からの線量率は 0.05 μSv/h 以下という十分に小さい範囲に収まっている

    これは小児甲状腺ガンが発症するはるかに低い数値です。 

    福島県と他県との甲状腺異常の比較をみます。 

             
    また、環境省も2012年3月には甲状腺疾患についての追加報告を上げています。

    http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16419 

    この報告書冒頭にはこう書かれています。

    「福島県が行う県民健康管理調査の甲状腺検査において、約40%の方に20.0mm以下の小さなのう胞等の所見が認められています。
     こうした小さなのう胞等は精密検査を必要とするものではありませんが、これらの軽微な所見も記録することとした結果、かえって住民の方の不安を招いていると指摘されています。
     このような大規模かつ精度の高い調査は世界初の試みであり、子どもでのう胞を認める頻度や、検査結果に生じうるばらつきについて、正確にはわかっておりません
     こうした状況の中、環境省においても、住民の皆様の理解促進に役立てることを目的に、福島県外の3県の子どもを対象に、県民健康管理調査と同様の検査を実施し、その結果の妥当性について、情報を提供することとしたものです」

    正直に環境省も認めているように、このような「大規模かつ精度の高い調査は世界で初めての試み」であるために、「軽微な所見も記録した」ために不安を取り除くつもりの検診がかえって不安を拡げたことを認めています。  

    このような前提を委細無視して、「急増した」と騒ぎ立てる反原発主義者のために、治療も必要がない親子までが不安に陥れられました。 

    主義主張のためなら方法を選ばなくなってしまった彼らに自制を説いても無駄でしょうが、いいかげんにして頂きたい。 

    報告書の結果は以下です。 

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    「福島県以外の地域(青森、山梨、長崎)において、18歳以下の者を対象に甲状腺超音波検査を行った結果、56.5%の割合でA2判定の者が認められました。
    また、"5.1mm以上の結節又は20.1mm以上ののう胞が認められた者及びA2判定の内容であっても甲状腺の状態等から精密検査を要すると判断された者"(以下「B判定」という。)は福島県民健康管理調査では、約0.7%に認められましたが、三県調査では、約1.0%(44名)に認められました
    (環境省報道発表資料 甲状腺結節性疾患追跡調査事業結果http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17965 

    これを他県(青森、山梨、長崎)と比較します。中坊でも福島県に特に異常が認められないことがわかるはずです。 

    ●対象者:3~18歳の者 4500名程度
    実施期間:平成24年11月~平成25年3月下旬
    調査対象地域:青森県弘前市、山梨県甲府市、長崎県長崎市の3地域
    【結果】

    ”しこり”や”嚢胞”が見つかった割合
    福島県内     ・・・ 41.2% 
    ・長崎・青森・山梨・・・ 56.6%
    二次検査が必要なB判定の割合
    福島県内・・・ 0.6%
    ・長崎・青森・山梨・・・ 1%
     

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             (図 福島県と、青森、山梨、長崎3県の甲状腺検査 日経メディカル) 

    環境省などの「原発推進派」は信じられるかという頑固派のために、共産党系といわれる民医連、勤医協札幌病院、菊水こども診療所の甲状腺検診データをみてみましょう。D10f8a48282522d9909995030772978a・昨年10月まで、小児科では計123人にエコー検査をしました。
    診察のみは8人。
    ・3~9歳が多く、震災時に母親のお腹にいた子どもは2人。
    ・検査希望者は「早く県民検査を受けたい」「検査は受けたが納得できず、再検査を希望」「福島県民ではないが震災後高線量の地域にいたので検査を受けたい」方に大きく分けられます。
    ・エコー検査では、結節と嚢胞をみつけて大きさを計測し、福島県民検査の基準に従ってフォローアップの方針を決めます。
    ・当院小児科での検査ではB判定が2人、C判定はなく、割合としては現時点で報告されている福島県民検査の結果とほぼ一致しています。
    ・地域の差、年齢による差はありませんでした。
     

    これでわかるように、甲状腺異常(のう胞、結節など)は、被曝とは関係なく数千人に1人ていどの確率でよく出る症状で、特に手術なとを行なわないでも治癒できます。 

    見かけ上の数値が増えるのは韓国でも同じであり、米国に至っては12倍といった原因は、もちろん放射能ではなく、単に保険がらみでスクリーニング密度が高くなったからです。 

    このようにいくら疫学データを積み重ねられても、脳内放射能汚染の人々には、冒頭に上げた日経記事や報道ステーション、あるいは「美味しんぼ」を掲載したスピリッツ編集部が使う常套句で逃げます。

    それが、「可能性はゼロではない」「因果関係は明らかではない」という表現です。

    実は9割方データは出揃っていても科学的にゼロとはいえない、ということを逆手にとって「では、ないことを証明してみせろ」という「悪魔の証明」を検査機関に強いるものです。

    結論としてメディアが「可能性はないわけではない」などと荘重にご託宣を垂れれば、受けとる側には強く「その可能性がある」と印象されてしまいます。

    メディアの禁じ手のひとつの印象操作ですが、こういう手口を濫用すればなんでもいえてしいます。

    たとえば、「北極のシロクマが福島事故の放射能の影響で大量死した可能性はゼロではない」(←ホントにホントにそういうデマがあった)みたいなことも言えてしまいます。

    そりゃこんなアホな調査を、福島県だけでも忙しい時期にしないだろうから、「ゼロではない」ですよ(苦笑)。

    第一、自然科学者は簡単に100%とか、0%みたいな絶対的表現はしないものです。

    マスメディアやデマッターとしてはそれで充分に飯の種である不安の種を散布できたのですから、目標は達せられたというわけです。

    国民もこのような常套句がついた報道には、メディアリテラシーの触覚を働かせてほしいものです。

     

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    コメント

    いつも勉強になります。

    お盆まで煩かった方も居なくなったようで。

    2012年WHO調査によると、がん発生中国が突出。肺がんに至っては世界の4割に届く勢い。もちろんアレが原因。(PMなんとか)
    癌が怖いから原発再稼働反対して、化石燃料で癌になるのはいいのでしょうか?
    戦争になるから集団的自衛権反対、戦争反対で領土とられたら、おそらく人の国だからと、原発施設建設、核爆弾設置、環境破壊とされ放題。それでもいいのでしょうか?
    朝日慰安婦ねつ造、南京事件だけでは心もとないと思ったのか、731部隊を持ち出し、細菌兵器の人体実験をしたと日本を貶めようという動きがあるようですが、近年アメリカの資料公開で、まったくの妄想、防疫、給水部隊だったことが判明しています。
    ちなみに現在、日本の水処理技術は世界に貢献しています。先人に感謝するとともに、その努力を次の世代に続けていきたいものです。

    サヨクとは何が楽しくて生きているのでしょうかねぇ。
    お金を儲ける親玉は別として、その下のカモになって
    いるサヨクさん達の事です。

    ありもしない事に恐怖し、お金にならない事に狂走し、
    人からサヨクだと蔑まれ、体よくお金を巻き上げられ
    貧乏になって、家族達にはアイソをつかされ、一生を
    棒にふる。

    そうなっては、ウラメシイ世の中に対して死ぬまで
    愚痴愚痴言い続けるしかなくなってしまう。


    アホンダラ様

    そして開き直れば親玉または日本国からお金を貰って生活できるようになる・・・プロ市民の再生産は恐ろしいですね。

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