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2014年8月28日 (木)

速報 吉田証言政府公表 「逃げてはいないではないか、逃げたんだったら言えと」

098

福島第1原発所長だった吉田所長の政府事故調への聴取全文が公表の予定ですが、NHKが入手してこれを報じています。
(※初回アップ時に公表とすべってしまいました。訂正します)

これで産経、共同に次いでNHKの報道3社による検証が揃ったわけで、このクロスチェックにより、朝日新聞の「9割の所員 命令違反で逃亡」という報道が歪曲報道であったことが改めて実証されたことになります。

朝日新聞の「9割が所長命令に違反して逃亡した」という説は、吉田証言の以下の部分のみを前後の状況から切り離してしまいます。

すなわち当時大事故に巻き込まれた福島第1原発職員と下請け作業員700名の置かれた状況です。まとめてみます。

①3月12日、1号機水素爆発
②3月14日、3号機水素爆発
③所員は、海水注入や建屋に突入といった戦いを不眠不休で継続
④構内か高線量になってきたために、放射線遮断機能を持つ重要免震棟に700名全員が退避した
⑤700名のうち9割は、庶務、総務、経理などの事務系で、女性も多く含まれていた。東電職員以外の下請け労働者も多く存在した。

構内に避難場所として唯一放射線を遮断することのできるのは重要免震棟だけでした。ここに全員が避難し、対処作業にあたったのです。

しかし、ここも危険な状況が迫っていました。

①重要免震棟近くの2号機の爆発の予兆があり(※実際数時間後に爆発する)、重要免震棟も決して安全とはいえなくなっていた。
②構内は最大で1万1930マイクロシーベルト/時という高線量になっていた
③700名という大人数が既に震災後5日間も重要免震棟に避難していたために、備蓄の防護服、マスク、食糧、水、トイレなどのライフラインが限界に近づいていた。
 

当時の吉田氏は、福島第1原発所長として2つの責任を抱えていました。

①過酷事故に対応する緊急対処グループの現場責任者
②約700名の女性、事務職、下請けまで含んだ人々の安全管理責任者
 

つまり彼は、おそらく世界中の誰ひとりとして体験したことのない巨大原子力事故の緊急対応指揮を執りながら、一方で700名もの人々の職員・労働者の生命を守っていたのです。

そして、吉田氏は彼と死を共にしてくれる者69名を選び、残りの非運転系の事務職、下請け作業員に退避命令を出します。

福島第2原発への風向きとルートを確認した後に、総務班長に対して事務員、女性の人達約630名に退避命令を下しました。

線量の低い場所を探して退避だ。なければ2F(第2原発)に向かえ。風向きは大丈夫だ」(共同記事)

この中には妊娠していた女性の運転員も含まれていました。彼らは残留を志願した決死隊と泣きながらの別れをして、命令に従って福島第1を後にし、福島第2へと向いました。

また同時に、吉田氏は下請け協力企業に対しても丁寧にこう言っています。

今までの対応、ありがとうございました。もうお帰りいただいて結構です。途中で道路が陥没しているところもあると思います。十分、気を付けて避難してください

このような状況背景から、朝日新聞はただひとことだけを恣意的に切り取ります。

南側でも北側でも、線量が落ち着いているところで一回退避してくれというつもりで言ったんです」
(朝日新聞5月20日)

これだけを読むと確かに朝日のいうとおり「構内避難の命令を下したが、職員は命令違反して逃げた」と受けとれないことはありません。まさに狡猾な歪曲と印象操作です。

朝日新聞はこのような解説の地の文をつけて、1面ぶち抜きの大スクープに仕立て上げます。

「高線量の場所から一時退避し、すぐに現場に戻れる第一原発構内で待機」
「その後異常でないことを確認できたら戻ってきてもらう」ことが吉田所長の「命令」であり、これに背いて福島第二に避難したのは重大な命令違反だと見なしている。」(同記事)
「構内の線量の低いエリアで退避すること。その後異常でないことを確認できたら戻ってきてもらう。」(同上)
 

これに対して今回NHKは改めて、吉田氏の肉声とでもいうべき声を報じています。

これがこの史上最悪の巨大事故に立ち向かって死んだ吉田昌郎という男の遺言です。
(欄外参照)

何をばかなことを騒いでいるんだと、私は一言言いたいんですけれども、逃げてはいないではないか、逃げたんだったら言えと」
現場は逃げたのか、逃げていないだろう。これははっきり言いたいんです。逃げろなんてちっとも言っていないではないか」
「最後の最後、ひどい状況になったら退避しないといけないけれども、注水だとか、最低限の人間は置いておく。私も残るつもりでした。例えば事務屋とか、いろんな方がいらっしゃるわけですから、そういう人は極力、より安全なところに行ってもらうということをしないといけないとは思っていました

もうこれ以上付け加えるべき言葉はありません。朝日新聞、刮目して読みなさい。そして己の所業を恥じるがいい。

ここに至って、もはや朝日新聞は逃げることは不可能になりました。あなた方は、詐欺的方法によって守らねばならない自らの「正義」とやらの価値を疑うことです。

報道も含めて、社長の謝罪会見をすべき時です。

騙した国民と、朝日新聞が汚した700名の現場職員たち、そして誰より国と所員を愛した故吉田昌郎という類稀な人間に対して! 

本日は記事を差し替えて、報道全文を転載いたします。なお読みやすくするために随時改行してあります。

※NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140825/k10014075991000.html:  

※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-b7c3.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-f908.html
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http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-ab8a.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-aaf8.html
 
              

朝日新聞5月20日

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吉田元所長の証言記録が明らかに

NHK 8月25日

東京電力福島第一原子力発電所の事故当時、現場で指揮をとっていた吉田昌郎元所長は、過酷な状況のなかで、次々と緊急事態への対応を迫られました。
吉田元所長は、何を考え、どう判断していたのか。
政府の事故調査・検証委員会が聴取した、延べ28時間、400ページに及ぶ証言記録が明らかになりました。

「逃げてはいない」

福島第一原発の事故当初の3月15日、東京電力が現場から撤退しようとしていると一部で指摘されたことについて、吉田元所長は「何をばかなことを騒いでいるんだと、私は一言言いたいんですけれども、逃げてはいないではないか、逃げたんだったら言えと。

現場は逃げたのか、逃げていないだろう。これははっきり言いたいんです。逃げろなんてちっとも言っていないではないか」と述べ、強い不快感を示しています。

そのうえで、吉田元所長は「最後の最後、ひどい状況になったら退避しないといけないけれども、注水だとか、最低限の人間は置いておく。私も残るつもりでした。例えば事務屋とか、いろんな方がいらっしゃるわけですから、そういう人は極力、より安全なところに行ってもらうということをしないといけないとは思っていました」と述べています。

さらに、2号機が危機的な状況にあったことを踏まえ、当時の細野・総理大臣補佐官に電話で「プラントはものすごい危ない状態です、ぎりぎりです、水が入るか入らないか、賭けるしかないですけれども、やります。

ただ、関係ない人は退避させる必要があると私は考えています、今、そういう準備もしています」と伝えたと述べています。
また「ことばづかいとして『撤退』という言葉は使ったか」という質問に対し、「使いません、『
撤退』なんて」と答えています。

「指示で混乱」

吉田元所長は、総理大臣官邸や東京電力本店などからの直接の指示で、事故対応の現場が混乱した様子も証言しています。

吉田元所長はまず、総理大臣官邸と直接やりとりをすることになったことについて、「何で官邸なんだというのがまず最初です。本店の本部は何をしているんだ。それから、保安院さんももちろんですけれども、そちら側でしょうという感じだった。ずっとおかしいと思っていました」と述べ、官邸との対応は東京電力の本店が行うべきだったという認識を示しています。

また、3月14日、2号機が危機的な状況に陥り、原子炉を冷やすための方法を検討していた際、当時の原子力安全委員会の班目春樹委員長から電話があったことを明かしたうえで、「早く開放しろと、減圧して注水しろと。四の五の言わずに減圧、注水しろということがあって、清水(社長)が班目委員長の言うとおりにしろとか、わめいていました。現場も分からないのによく言うな、と思いながらいました」と述べています。

 

そのうえで「私だって、早く水を入れたくてしょうがない。そう思っているんですよ。だけれども、手順ってものがありますから、現場ではできる限りのことをやって、あとがスムーズに行くようにと思っているんですけれども、なかなかそれが通じないんですね。『ちゅうちょ』していると思われているんです。何もちゅうちょなどはしていないです」と述べ、東京から相次いで出される指示に困惑した心境を明かしています。

「後方支援体制」

吉田元所長は、原発事故対応に必要な資材や物資の輸送など、後方支援体制を巡る問題点についても指摘しています。

吉田元所長は、福島第一原発の事故で外部電源が失われたあと、東京電力本店から送られてきたバッテリーについて、「本店の方では種類は違うかも分からないけれども、手当たり次第、集めたものを送ってくるということになったんですね。困るのは、こっちがいちいち仕様を確認しに行かないといけない。それから、小名浜にある私どもの基地に1回送って、そこからうちに持ってくるのに、線量が上がっているので持ってこられない」と述べて、放射線量が高くなった福島第一原発に直接、運び込むことができなかったと指摘しています。

そのうえで「輸送手段だとか、そこまで考えてくれないで、物だけここに持ってこられても困ってしまう。それから、いろんなものを送ってくるものですから、使えるか、使えないか、仕分けをしないといけない。非常にまいったなと思ったのはそこですね。物を取りに行くのに、うちの人間を出さなければいけない。忙しいときにやめてくれよと、ジャスト合うものをここまで持ってきてよというのが、私どもの強い要望だったんです」と述べて、混乱する現場に物資を支援する際には、輸送手段の確保や仕様の確認をしておくことが重要だという認識を示しています。

「汚染水の処理は」

福島第一原発の廃炉作業で深刻な問題になっている汚染水について、吉田元所長が、早い段階で危機感を抱いていたことも分かります。

吉田元所長は、事故から16日後の3月27日に、当時の海江田・経済産業大臣や細野・総理大臣補佐官などと会談したことを明かしたうえで、「これから水の処理が最も重要だと、これをしっかりやらなければプラントは安定化できないと明確に伝えました」と述べています。

さらに、吉田元所長は「高濃度汚染水の水位がこれからどんどん上がっていって、それをそのまま流し続けるのかと、そう思いました。そこの悩みが、保安院や本店のメンバーに共有されていないことが、非常に腹立たしく思いました。

原子炉に水を入れ続けているわけですから、それがどこかから出てくるので、それを処理しなければならないのは当然であるのに、そういったいらだちがずっとありました。流出を止めろと言われていたわけですが、水の処理をどうするか、どこに貯めるか、そういう提案が一切ないにも関わらず、現場として頑張れと言われていたわけです」と述べ、増え続ける汚染水への危機感を、政府や東京電力と共有できず、悩んでいたことを明らかにしています。

「責任者としての覚悟や思い」

吉田元所長は、原発事故対応の指揮を執った、現場責任者としての覚悟や思いも証言しています。
聞き取りの記録によりますと、3月14日、3号機の格納容器内部で圧力が高まり、吉田元所長はいったん退避命令を出しましたが、それを解除して作業を再開した直後、3号機が水素爆発しました。

このときのことについて、吉田元所長は「最初、現場から上がってきたのは、40何人行方不明という話が入ってきた。爆発直後、最初の報告ですけれども、私、そのとき死のうと思いました。それが本当で、40何人亡くなっているんだとすると、そこで腹切ろうと思っていました」と述べています。

この爆発でけが人は出たものの、亡くなった人はいなかったことについて、吉田元所長は「胸をなで下ろしておりますが、これも不幸中の幸いです。がれきが吹っ飛んでくるなかで、現場にいて1人も死んでいない。私は仏様のおかげとしか思えないんです」と振り返っています。吉田元所長は、平成19年4月から3年間、東京電力本店で原発の安全対策などを担当する原子力設備管理部の部長を務めました。
吉田元所長は、部長就任から3か月後に発生した新潟県中越沖地震に触れ、「想定を上回るような地震が来る可能性は、オールジャパンどこでも、もう一度見直さないといけない」、「地震・津波については、ものすごい大きな関心事だった」と述べ、地震・津波対策に重点を置き、福島第一原発と第二原発への津波の影響評価を土木学会に依頼したことを明らかにしています。

また、事故翌日の3月12日、吉田元所長は、避難を余儀なくされた地元の住民への対応を進めるよう、テレビ会議の席で東京電力本店に求めていて、その際の心境について「避難されている方の不平不満というか、全然状況が分からないと言っていますよ、という話があったんで、これはいかんなと思って」と述べています。

さらに、「官庁だとか、連絡だとか、それでこんなになっている状態で、とても出て行って地域住民に説明するような状況にないということがあって、これは発電所でできないから誰かにやってもらうしかないんで、そこは本店頼みますよと、そういうことをお願いしている」と話し、事故対応の現場ではとても地元の人たちへの対応はできず、東京電力本店にしっかり対応してほしかったと述べています。

地震・津波想定

これについて、吉田元所長は「10(メートル)だと言われれば10でもいいし、13なら13でもいいんですけれども、こういう津波が来るよという具体的なモデルと波の形をもらえなければ、何の設計もできないわけです」「そこを決めてもらうために、土木学会をお願いしているんであって、土木学会がこうだとおっしゃるんだったら、例えば15メートルと言われれば、至急それに対応した対策を、当然うちはするということは間違いなくそう思っていました」と述べ、しかるべき根拠が示されれば、津波への対策を取っていたはずだという考えを示しています。

一方、政府の事故調査・検証委員会によりますと、東京電力は、平成20年に明治三陸地震と同様の規模の地震が福島県沖で発生したと想定すると、福島第一原発周辺では津波の高さが最大10メートルを超えるとする試算をまとめました。

この結果は、当時の東京電力の副社長と吉田元所長に伝えられましたが、根拠が十分でない仮定の試算だとして、実際にはこうした津波は来ないと考え、津波の想定や具体的な対策の見直しにはつながらなかったということです。

こうしたいきさつについて、吉田元所長は「福島県沖の波源というのは、今までもなかったですから、そこをいきなり考慮してやるということは、仮想的にはできますけれども、原子力ですから費用対効果もあります。お金を投資するときに、根拠となるものがないですね。何の根拠もないことで対策はできません」と述べ、具体的な根拠が示されないなか、巨額の費用がかかる津波対策をとることはできなかったと釈明しています。

そのうえで、「貞観津波を起こした地震のマグニチュードよりももっと大きなものが来たわけですから、マグニチュード9が来た。日本の地震学者、津波学者の誰が、あそこにマグニチュード9が来ると言うことを事前に言っていたんですか。貞観津波を考えた先生たちも、マグニチュード9は考えていないです。それを言い始めると、結果論の話になりますと言いたいです」と述べ、津波対策が十分でなかったと、原発事故のあとになって批判されることへの不満を漏らしています。

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コメント

当日紙面左側小見出しの
「全資料公表すべきだ」
が、泣けますなぁ。

批判・非難のためならなんでもアリで、やっちまえ!という体質がモロに出てます。
さあ、公表されて困るウソ吐きはどっちだっての。

に、しても見事な(里芋?)畑!
コレを風評で無にされたら、アレコレ書きたく
なるってモンですよね~

これからの朝日は、サヨク行動の定番を辿るの
でしょうか?内ゲバと粛清です。

取りあえずは「誤解であり、故意ではアリマセン、
人の命は地球よりも重いのですよ!」と誤魔化す
のでしょうが、管理人さんをはじめ多くの追撃者
が口撃し、一般民までが購読を止めるようになっ
てきて、朝日内部で新たな動きが出てきます。

「私達は、正義の朝日新聞なのだ。社会のエリート
であるのに・・・」「アイツは産経の二重スパイだ
ったのだ、ハメられたのだ」「アイツは反乱分子に
違いない」「俺の他の皆んなが悪い」

かなりの数を粛清していただいて、マトモなリベ
ラル系新聞社に生まれ変わって欲しいです。購読
してるし。

こんばんは。
おつかれさまです。

タイトルですが、現時点では「政府公表」ではなく「政府公表へ」かと。本文1行目も「全文が表されて」は不要かと思います(NHKも、調書そのものをアップロードするような形で報じてはいないので)。老婆心ながら。

政府は今後、調書を公表し、それにより、さらに他の報道機関等を含めた論争になるのでしょうが、朝日はおそらく、吉田清治証言と同様に、「捏造ではない。そもそも本質は政府が~東電が~」と問題の拡散・すり替えを図るのでしょうね。もう予言者になれます(笑)
困ったものです。

ありがとうございます。すべりました。「公表へ」に修正しました。
ひとりでやっていると、ミスが多くてお恥ずかしい。

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