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2014年8月29日 (金)

辺野古ジュゴン騒動と問題の本質ずらし

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辺野古の沿岸部でジュゴンがみつかったと、マスコミと反対派がはしゃいでいます。  

やれやれ、そりゃ目を皿のようにしてマスコミが追いかければ見つかるでしょう。 

辺野古漁協の漁師さんは容認派ですが、別に隠すふうもなく「たまにいるのを見たよ」と言っていました。  

営巣はしませんが回遊場所のひとつですから。4年前の調査でも北部海域には3頭ていどが回遊に来るようです。  

4年前の調査によれば、沖縄周辺での藻場は503hから534hあり、そのうち辺野古海域には170hあるとされています。  

ジュゴンの主要な棲息地はオーストラリアであり、約8万頭もの頭数がいるとされており、生態系維持のために年間千頭の狩猟すら認められています。  

今回の埋め立てが環境負荷を与えることは自明ですが、それでも約100頭のジュゴンを充分に養うに足りる藻場は確保されています

ところで、私は沖縄にいた時から沖縄県民の埋め立て好きを眺めていたために、にわかに環境派になったようでやや驚いています。 

「基地は環境破壊」というわけですが、私、こういう反対の仕方って好きじゃないなぁ。

このように問題の焦点を少しずらして、反対しにくいことを前面に掲げるやり方って、どこかで見たような既視感があるやり口だと思っていたら、大誤報問題で朝日が持ち出したいいわけに似ています。 

朝日新聞は、報道の誤りを一部認めた8月1日の紙面で、こういう書き方して大いに顰蹙を買いました。どこの世論調査でも国民の7割以上が不満を示しています。

「戦時中、日本軍兵士らの性の相手を強いられた女性がいた事実を消すことはできません。として自由を奪われ、女性としての尊厳を踏みにじられたことが問題の本質なのです」

ね、朝日は大誤報を知りつつ20年間シラを切ってきたことの責任を認めたくないために、「本質は別の所にある。それは普遍的人権問題なんだぁ。オレたちは基本的には間違っていなかったのだ。だから謝らないゾ」と居直ったわけです。やれやれ。

ま、こう言う言い方が可能ならばこの世に「誤報」という言葉はなくなりますがね(苦笑)。企業が逃げきれずに謝罪すれば、真っ先に叩いたのは他ならぬ朝日さんでしょうが。

この論法の言い出しっぺは河野洋平氏です。

彼は河野談話作成の過程で、一片の「強制性」の証拠もないために、苦し紛れに「自分の意志に反したことは女性の人権を踏みにじった強制性に当たる」という新たな「強制性」の定義を作って、それを日本政府の公式見解にしてしまいました。 
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-e5a8.html

このような「普遍的人権」という黄門様の印籠を持ち出されて、それに反対できる人はそうそうありません。 

「オレは女性の人権なんぞ屁とも思っていないぞ」なんて言えば、その時点でその人の社会的生命はお終いですもんね。 

しかし、しばらくしてアレって思いませんか。

この報道の誤りはそもそも、福島瑞穂さんや吉見義明さん達が、朝日の報道した吉田清治の証言をもとにしてさんざん「日本軍が韓国女性を暴力で拉致してにした」とか、「挺身隊と騙して20万人も連行した」というウソから始まっている話だからです。 

このウソが増幅されて海外流出し、韓国政府と日弁連の手によって国際的な定説となってしまって、いまだ日本は「レイプ国家」として批判されているのは、ご承知のとおりです。

いわゆる「従軍問題」は、福島さんが何も無いところから作り上げた彼女の「作品」だけに、このウソがバレた後もシカとして、「女性の人権を踏みにじったことは強制性だ」という言い方に替えたのです。 

本質のすり替えですね。「軍が連行しにした」というのと、「売春斡旋業者が金を支払ってにした」というのでは、まったく別次元の問題です。 

問題にもし本質があるなら、それは女性が身体を売って金にするしかなかったという当時の貧困です。 

彼女たちは、家族を養うために、弟妹を学校に行かせ三度のご飯を食べさせるために自ら、時には父母から売られたのです。

ものすごくつらかったと思います。 売った親も、売られた娘も身を切られるような思いだったに違いありません。

そこには軍は関係ありません。問題の底に貧しさ存在していたということを認識していけば色々なことが見えて来るはずてす。

このような境遇の女性は当時多数いました。それを豊になった現代の価値観で、「女性の人権を犯した」、ましてや「普遍的な人権の侵害」という言い方をしたところでなにが分かるのでしょうか。 

それではなにもになった女性のつらさを、ちっとも分かったことにはならないし、それを生み出した当時の社会構造についてもなにひとつ知ったことにはならないじゃないですか。

他人事のようににきれいごとを言って、自国の汚辱を批判するだけでは、現実の社会構造に切り込めないのです。

これと同じことが、辺野古の埋め立て問題でもいえます。ここでジュゴンがいるとかいないとかいう環境問題にすり替えてしまって「美しい海を守れ」と言ったところで、普天間問題が解決されるのでしょうか? 

「美しい海を守れ」と言いさえすれば、沖縄人のみならず、誰でも賛成せざるを得ないことを黄門様の印籠みたいにぶら下げられただけですから、それで思考停止になってしまいます。

どうもこういう思考様式というのはリベラルを自称する人達に多いようで、当人達はなにか高尚なことをのたもうているつもりでも、現実にはなにも言ったことにはならないから困ります。

ほんとうに解決されるならジュゴンで騒げばいいでしょう。しかし、この問題の本質が、「普天間からの基地の除去」にある以上、まったく解決にはつながりません。 

かえって複雑にして解決が遠のくばかりです。 ではどう考えたらいいのでしょうか。

ひとつにリスク評価という環境アセスメント(環境影響評価)に使われる考え方があります。

これはリスクと、そのことによって得られる利益を測って、その双方を秤にかけて軽重を考えて、意思決定するという方法を言います。

これは通常このようなプロセスで行なわれます。

①リスク特定・・・リスクの認識
②リスク分析 ・・・ リスクの性格を分析し、その程度を量る
③リスク評価・・・ リスクが受容可能か、受容不可能かを比較して決定する

今回の埋め立ての場合、おそらくこんなことになるでしょう。

①リスク特定・・・ジュゴンの生態にとって、埋め立てが与えるリスク
②リスク分析・・・ジュゴンの本島周辺の生態を調査し、それが今回の埋め立てによってどのていどの影響を受けるのかを量る。
また普天間飛行場が人口密集地にあることのリスクも量る。
リスク評価・・・埋め立てリスクが、そのことにより受ける社会的利益(普天間の危険性の除去)と比較してどちらが重いのか、重要なことなのかを決定する

マスコミや反対派が感情的に騒ぐ「ジュゴンがいた」ということは、あくまでもこの最初の「リス特定」に過ぎません。

今後されることが決定している環境アセスメントによって、どのようなリスク評価を受けるのかを待たねばなりません。

とまれ、反対派の皆さん、素直に「アンポ粉砕・米軍基地撤去」って言ってくれませんか。そのほうが、よほどスッキリする。 

次回、もう一回埋め立て問題をお話します。

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コメント

考え方は殆ど同じでも、その深さ・明快さに感銘を受けながら何時も読ませて戴いております。

3.リスク評価
において彼等の主張は、地球より重いとされる沖縄県民の人命よりもジュゴンの方が重いというのだから、ギャグとしても笑えない話ですね。

雑誌 正論の新年号によると、宮古島に慰安婦の碑が立てられ、それがアメリカで韓国系住民によって慰安婦像建設に利用されているそうだ。韓国領事館の人間がわざわざ宮古島を訪れ現地関係者と懇親会などで交流もあったと。現地関係者には地元市議、公教育関係者。宮古島に慰安婦の碑を建てる賛同者には吉見義明の名前もある。たくさんの在日韓国、北朝鮮の団体、個人名と共に。現地で発行されている新聞は今回の朝日慰安婦の記事は昨日の時点ではまだ報道してないようだと聞いている。
与那国島でも慰安婦関係のイベントが韓国から関係者が来島し昨年行われた。国境の島々はどう対応するのだろう。

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