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2014年10月20日 (月)

エボラ出血熱 「アメリカで広がったら日本にも来るだろう」

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いったん電力自由化を離れて、リクエストを頂戴したエボラ出血熱について考えてみましょう。実はたまたま安生正の『生存者ゼロ』を読んだばかりなので、非常にコワイ。 

さて米国CDC(疾病対策センター)は、あくまでもコンピュータシミュレーションですが、来年1月の末に最悪のケースで感染者が50万人を越える可能性があると発表しました。 

「エボラ感染50万人超の試算 最悪ケースと米疾病対策センター
[ワシントン共同]米通信社ブルームバーグなどの米メディアは20日、西アフリカで流行するエボラ出血熱の感染者数が、最悪のケースで来年1月末に50万人を超える 可能性があるとする米疾病対策センター(CDC)の試算を伝えた。
 流行の封じ込めに向けた各国の追加対策が講じられなかった場合を想定したコンピュータ 予測の結果。ただ、米国がすでに軍の3千人を動員して感染国を支援すると表明。
国連主導で各国の支援団を派遣する動きもあり、来週以降に正式公表される試算では 数字が変わる可能性がある」
 

WHOが発表した感染状況レポートによると、9月14日現在で患者5335人、死者2622人だったものが、一月足らずの10月13日現在で患者9216人、死者4555人は、わずか1カ月間で患者が3881人、死者が1933人も増えています。

国連のエボラ出血熱対策チーフは国連安全保障理事会に西アフリカからテレビ中継で出席してこう述べています。

「エボラ出血熱を今止められなかったら、世界は完全に未曽有の事態になる」「12月までの60日間に感染者の70%を療養施設に収容し、死亡者の70%を二次感染なく埋葬しなければ、感染拡大は止まらない」

これを受けて日本政府も、自衛隊の医療チームの派遣を決定したようてす。私は自衛隊の海外協力には賛成ですが、今回に限っては、大きな不安を持っています。

エボラを知り抜いた医療従事者からも死亡者がでているからです。くれぐれも気をつけて、そして万が一にもウイルスを持ち帰らないように願います。 

さて、にわかには信じがたいことには、米国にエボラが上陸しました。 

米国においてエボラ感染者が複数出ました。「複数」と書いたのは、確認されたのは3名ですが、おそらくこんな感染者数ではありえないはずだからです。 

米国はここで重大なミスをふたつしています。 

まず、9月30日、テキサス州ダラスのテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院でリベリア人男性トーマス・ダンカン氏がリベリアからの帰国を病院側に告げたにもかかわらず、帰宅を命じられて、後に重篤になり入院したものの8日に亡くなっています。 

その理由はあまりにも米国らしい理由です。

「ダンカンさんは今月8日に死亡。親類は地元紙への寄稿で、ダンカンさんは医療保険に加入おらず、支払い能力がないとみなされて帰宅させられた」(産経10月18日

この記事で親類が「医療保険がなかったため」と言っているいう「保険」とは、ア●ラックのような民間医療保険のことです。 

米国は日本のような皆保健ではなく、大部分の国民は高額な民間医療保険に入るか、無保健状態です。 

特にダンカン氏のようなリベリアからの移住者の多くは、保険がないために医療の外に置かれています。 

今回ダンカン氏は、高熱を押して病院を訪れ、リベリアから帰国した直後だと正直に告知したにもかかわらず、「お前は金がないから帰れ」と言われたわけです。 

このような米国医療の歪みが、こともあろうにエボラ感染症という局面で露になりました。 

9月中旬にオバマ大統領が誇らしげに言ったような、「エボラ出血熱の感染症は米国にたどりつくことはありえない」どころか、簡単に国境をすり抜けてしまいました

それは病院のマヌケさだけではなく、水際防御が不可能なことを教えています。

空港でできることはサーモグラフィ(※)で体温をスクリーニングするくらいしか方法がありません

しかもウイルスが潜伏期間は通常7日(最短2日、最長3週間以上)で、発症していないために高熱がでません。

したがって、感染者がこの時期に空港をすり抜けると、国内の社会にもぐり込んでしまい、もはや大海にボートを探すようなことになります。ダンカン氏のように自己申告して病院に来るほうが少ないのです。

実際、米国は8月からサーモグラフィを設置していましたが、ダンカン氏は潜伏期間内だったためにこれをパスしてしまっています

また米国においては、ダンカン氏のような移住者はエスニックコロニーに住んでいて、他の集団との接触が少ないケースも多いために、初期においては単なる風邪程度だと考えて売薬を飲むことで済ます人も多いでしょう。

似たケースに中国の新型インフルエンザがあります。中国の場合も、国民の多くを占める無保険層は症状が出ても怪しげな漢方薬で済ました結果、感染をアンダーグラウンドで拡大してしまいました。

私はダンカン氏のようなケースは複数あり、いまだ相当数の感染者が潜伏していると考えるほうが自然だと思います。

このような米国事例を見た日本のエボラ患者収容可能な医療機関の医師はこう言ったそうです。

アメリカで広がったら日本にも来るだろう。日本の医療現場で対応できるのか

日本の特定感染症指定医療機関・第一種感染症指定医療機関は、現時点で全国で45施設92床にすぎません。つまり、わずか92人しか受け入れられないということになります。

今、厚労省が取ろうとしているサーモグラフィでの空港検査はほぼまったく無意味でしょう。

そして最悪シナリオを考えると、潜伏期間中に空港をすり抜けた場合、勤勉なわが民族は多少の発熱に耐えて通勤するでしょう。

そして電車で、あるいはバスで、職場や家庭にウイルスを拡大していくことがありえます。

米国で発生した以上、西アフリカとの直行便がないだけで安心してはいけない、そのような段階になったのです。

                                                (続く) 

※サーモグラフィ 対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出・可視化 して、温度測定・温度計測・温度分布の画像表示を行なう装置あるいはその方法。

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コメント

報道では、空気感染は無く「体液」による感染と言われています。
感染者に直接触れなければ・・・と言っても、現地からの帰国者の靴底まで気を付けないと、感染拡大を防ぐ事にはなりませんし、咳・クシャミによる唾液の飛散にも注意が必要なのではないでしょうか?(よくわかりませんが)
これだけ、人や物が動いているのですから「島国日本」は大丈夫!!と言うのは無理があります。
国家機関や医療機関は当然ですが、国民が正しい知識を得ながら危機感を持つことが重要だと思います。
その為にも正しい情報を速やかに伝えてほしいです。


空気感染はしませんが、飛沫感染はするらしいですね。
エボラ出血熱自体の症状には咳やくしゃみはないらしいですが。
感染しても症状が出ていない間は感染能力はないらしいですが、初期症状の発熱などが出始めると、もう感染能力は持つようです。
なので、微熱を押して満員電車に乗って…というシチュエーションは十分現実的ですね。

人工授粉によるキーウィの伝染病や、ネオニコチノイドについて書かれる前に、エボラ出血熱について書かざるえない事態になりましたか‥‥。
一年後にワクチンや特効薬見いだされていなければ、死者4000人が4000万人になる可能性があるだけに、年内損得抜きに国ぐるみで封じ込める流れをつくって行く世論形成に後見されんことを願ってやみません。

潜伏期間が長いので、サーモなんかスルーなんでしょうね。

映画の世界じゃありませんが、アメリカあたりの製薬会社だと、仮に特効薬が開発されても流行するまで待ちそうで怖いです。

それにしても、アメリカで病気になったら、破産しそうですね。

日本の医療は素晴らしいと思いますが、毎年40兆円もの赤字国債で補填している状況を考えると…既に破綻してるのかな?と思います。

結局、相続税を爆上げして富裕高齢者の寿命を待って踏み倒しってことになるかもしれません。

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