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2014年10月27日 (月)

外国任せのエボラ出血熱確定診断

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2週めのエボラ・シリーズとなりました(苦笑)。

こんなに長くなるとは思っていませんでしたが、調べてみればみるほど、ウチワがどうしたと騒いでエボラ対策など議論にもならないわが国のあまりの危機感のなさに私の方が熱が出そうです。

政治家は国民の健康を守るのが最大の使命ではないですか。

さて、ノンキに大臣の首を取るのが仕事だと思っている野党の皆さん、日本にはエボラ出血熱の確定診断を下す施設がないことをご存じでしょうか?

したがって、日本でエボラ出血熱と思われる患者が発生しても、なすすべもなく外国の検査機関に送って結果を待つしかありません。

おいおい、これでは西アフリカ並じゃていかと言われそうですが、はいそのとおりです。これは国立感染症研究所自身も認めていることです。゛ 

2014年8月15日 - 2014 Apr 16)によると、確定例の臨床症状は、発熱、下痢、嘔吐であり、検体を採取した段階では、ほとんどの症例で出血症状は認められても. 日本では国立感染症研究所 村山庁舎にグローブボックス式P4施設が1981年に設置されたが現在までBSL-4施設としては稼働されていない」(エボラ出血熱とは - 国立感染症研究所 

ですから、米国か台湾にでも送って確定診断を待つしかありません。 

行って帰って一体どのくらい時間がかかるのでしょうか。日本で発生するくらいですから、その時には米国も自国の確定診断でおおわらわで外国のものなど後回しでしょうね。 

エボラ出血熱は時間との勝負なのですか、なんと呑気なことよ。その間の確定診断が来るまでの数週間どうしているのかといえば、厚生労働省によれば、「感染疑い段階」という「みなし診断」で対策をしていくことになります。 

簡易診断ならば日本の国立感染症研究所で可能だからというわけですが、感染力が強く、患者の立ち回り先で接触した人をすべて同定して、検査せねばならない伝染病だというのに。 

もちろんこんな「みなし診断」ではしっかりした診断や防疫は不可能ですから、本格的な防疫体制を作るためにはウイルスを抽出・分離して確定診断を下す必要があります。 

ところがそのためにはBSL-4(バイオセーフティレベル)施設が絶対に必要なのですが、これがないわけです。

BSL-施設とは、現在国内で唯一建設を検討している長崎大学の説明にはこうあります。 

感染力、感染した場合の重篤性等から判断して、危険性が極めて高いと考えられる感染症の病原体を最も安全に取り扱うための設備を備え、かつ最も厳重な管理運営がなされる施設です。WHO(世界保健機関)のマニュアルにおいてリスクグループ4に分類されるエボラウイルスやラッサウイルスなどの病原体を十分な管理のもと安全に取り扱うことができ、それらに対するワクチンや診断方法、治療薬、治療方法の開発などを行うことができます長崎大学が検討するBSL-4施設について|長崎大学 

Level                           (図 長崎大学)

エボラ出血熱は、初期の段階では、インフルエンザなどと間違われやすい症状しか出ません。

先週のNYでの医師・クレング・スペンサー氏の発症例などを見るとも、潜伏期で17日空港をスルーし、22日頃から発熱、下痢の症状が出て、23日に緊急入院しています。その間に地下鉄やタクシー、ボーリング場などを使用しています。

このようにエボラ出血熱の症状は、38・6度以上の発熱、激しい頭痛、筋肉痛、脱力感、下痢、嘔吐、腹痛、原因不明の出血が上げられていますが、全部の症状が一斉に発症するわけではないから判定しにくいのわけです。 

米国で最初の感染者になったダンカン氏も、発熱程度しか症状がなかったために「なにかのウイルスを貰いましたね。はい解熱剤を出しておきますからね。お大事に」で、家に帰されてしまいました。 

この時に彼はリベリアからの帰国を病院スタッフに申告したのですが、医師に届いていなかったのです。 

最近流行ったデング熱を思い出して下さい。偶然にデング熱を知っていた医師が疑いを持って確定診断を試みたから判定できただけで、症状が発熱だけならただの「ひどい風邪」ていどで始末されていました。

今までの米国の4例をまとめてみれば、このような教訓が取り出せます。

①潜伏期では症状がでないために、空港のサーモグラフィは役に立たない。したがって、いわゆる水際防疫は不可能に等しい
②潜伏期から発症初期は発熱と下痢症状しか呈していないために、インフルエンザなどと誤診されやすい
③来院しても、病院側に受け入れ施設や医療従事者の訓練がない場合が多い

幸か不幸か、今回の米国の症例はいずれも西アフリカからの帰国者でしたから、エボラと関連づけることができました。

しかし感染者が第3国からの帰国の場合、おそらく医師はエボラだと疑うことは困難だと思われます。

防ぐ方法は、唯一疑わしきケースは、できるだけすみやかにウイルス分離をして確定診断をするしかないのです。

さもないと、「ただの風邪」と誤診されて、その間に感染者がウイルスを撒いて歩くことになり、感染拡大をすることになります。

しかし、この確定診断する施設がない、それがわが「医療先進国」・日本の現状です。いや、正確にはあるのですが、使えないのです。

このような事態で想定されることをWHO新興・再興感染症対策チームの経験を持つ村中璃子医師はこう指摘します。

エボラと確定すれば、隔離され、治療を受けることはできる。しかし、レベル4施設が正式稼働せず、エボラ治療の基本である血中のウイルス量測定すら出来ないこの国では、入院時の状態や治療の評価はおろか、「回復した」という判断を下すこともできないのだ。レベル4を正式稼働しないとは、医療者に手探りで医療を施せと言っているようなもの。患者が回復し、仮に退院できるとなっても、まだ感染源であるかのようなスティグマ(※)を押されてしまう事態も懸念される」(※スティグマ 刻印)

エボラの対処薬はあっても受け入れ病床がわずか92(※)しかなく、医師はウイルスの量的測定もできないので治療すらままならず、仮に治っても退院すらできない、いやそれどころか確定診断すらできないからなにも出来ない、「できない」尽くし、これがわが日本なのです。
※特定感染症指定医療機関http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02.html

ではなぜBSL-4施設を稼働できないのか、その理由を次回に考えていきます。

※初回アップ時の後半部分は長いので、明日に回しました(汗)。

■写真 日の出前の水平線上にたちのほるような朝日。初めは対岸の街の灯かと思いましたが、時間が立つにつれて朝日に変わっていきます。

:                 ;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

■死者は4922人 WHO=世界保健機関が発表
NHK2014.10.26

西アフリカを中心に感染が拡大するエボラ出血熱について、WHO=世界保健機関は25日、感染者が1万人を超えたと発表しました。
西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネを中心に患者が増え続けているエボラ出血熱について、WHOは日本時間の25日夜、最新の状況を発表しました。
それによりますと、今月23日の時点で、感染やその疑いのある人は合わせて1万141人に上り、このうち死者はマリで初めての患者となった2歳の女の子を含む4922人に上っています。
ギニア政府が今年3月にエボラ出血熱の感染拡大を報告してから7か月で感染者は1万人を超えましたが、西アフリカでは保健当局が把握しきれないケースも多く、実際の感染者の数はさらに多いとみられています。
また西アフリカでは、患者の治療に当たる医療従事者の感染も相次いでおり、WHOは感染した医療従事者は450人に上り、このうち半数以上の244人が命を落としたとしています。
エボラ出血熱のさらなる感染拡大を防ぐため、西アフリカでの医療態勢の充実に加えて、国際空港や港などでの水際対策の強化も急務となっており、WHOや各国政府は対応に追われています。

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