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2014年10月16日 (木)

太陽光発電 5年たったら早くも6割

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FITで噴出した問題は、脱法詐欺とラベルの貼り替えだけでは済みませんでした。

これも予想されたことですが、太陽光パネルの急激な性能劣化が生じました。  

WEDGE誌は、沖縄県糸満市市役所の太陽光パネル大規模劣化事件を報じています。 

よく町中で見るように、大規模ショッピングモールや、公共施設に太陽光パネルを張りめぐらすというのは、エコをアピールできると思うらしく大流行です。  

下の写真は、ずっしりと大量の太陽光パネルをまとった糸満市市役所です。  

Img_45a738903e4a81f08fb712c43ce6679                          (写真 WEDGE Infinity) 

糸満市HPを見るとなかなか意欲的なもので、一昔前なら全国事例として見学が殺到したような公共施設です。

「本市新庁舎においては、屋上部分に145.3kw、南壁面に50.3kw,の太陽光発電パネルが計画されており、鉄骨材及びPC材による架台で固定されている。これらは、単に太陽光発電パネルを支持するだけでなく、沖縄における強い日射を遮るシェルター・ルーバーとしての機能をもつ。
 建物の省エネルギー計画においては、建築的な省エネルギー化(熱負荷の低減)を十分に図った上で、各設備の省エネルギー化(エネルギーの効率的な利用)を図ることが望ましいと考えられる。建築的には建設地の気象条件等を考慮した断熱・日射遮蔽の最適設計を行なうことにより省エネルギー化が期待できる。本計画においては太陽光発電パネルの架台自体も建物のぺリメーターゾーン(窓際及び屋上に面する内部空間)の空調負荷(PAL)低減に役立つ」(糸満市HP)
http://www.city.itoman.lg.jp/docs/2013020104540/

これだけの施設にかかった巨額な沖縄振興予算や地方交付金を思うとややユーウツになりますが、とりあえずいいとしましょう。 

問題はむしろ、この巨大ソーラーパネルがまともに動かなかったことです。 

Img_009dd22f9a69c280a514d5fe21f646c
                                (図 WEDGE Infinity) 

年間標準発電量を100とした場合、完成直後の03年には100を上回る発電量だものが、5年後の07年には実に6割台まで下落します。 

周辺機器の修理を2000万かけた後にはさすがに再び100を取り戻しますが、それも4年後の12年には再び6割台にまで下落しています。 

これは12年度の調査でわかったことですが、パネル内部の封止材の劣化が原因だそうです。 

沖縄電力・沖縄県宮古島のメガソーラー実証研究設備(※)においても同様の劣化が見られています。ちなみにこの設備は東芝製です。※http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20131224/324542/ 

これはPID現象と呼ばれるもので、高温高湿な気象条件で発生し、封止材が劣化して、シリコンそのものが性能低下をひき起こすためだと思われています。

PID(Potential Induced Degradation)現象とは、メガソーラー(大規模太陽光発電所)などで太陽光パネル(太陽電池モジュール)を多数、直列に接続して高電圧下で運用した場合に発現する劣化現象で、発電量が大幅に低下するのが特徴。2005年に中国の太陽光パネルメーカーが初めて報告し、その後、欧米のメガソーラーで大幅に出力低下する現象が報告され問題となってきた。2010年頃からドイツの研究機関などで研究が本格化した。
 発生メカニズムについては、まだ完全に解明されているわけではないが、最近の研究から徐々に原因が分かってきた。最も有力な説では、比較的、高温高湿の条件下で、太陽電池モジュールに高電圧がかかると、ガラス基板からナトリウムイオンが封止材中に拡散して、シリコンセルの表面や内部に侵入することが原因とされている」(日経テクノロジー)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20131010/308603/ 

日本においては例年の夏のように30度を越える高温と高湿がつきものです。おそらく太陽光パネルにとって、寒冷なドイツより過酷な自然条件だと思われます。 

日本製品はPID現象を克服したとされていましたが、実態は既に設備されているパネルに欠陥が見つかってきているのが現状です。 

このPID現象自体は、そう遠くない将来には技術的に克服が可能でしょうが、既にFIT制度で大量に設備されてしまった厖大な太陽光パネルが一斉に数年後に大幅な出力低下を見る憂鬱な日は間近なようです。

ここにもまた、確実に太陽光発電を伸ばしていけば生じなかったはずのFITのひずみが見られます。

■写真 沖縄の代表的な花であるフーゲンビリアです。

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

そうすると、数年後には至る所に雑草だらけの廃墟が出現するのですね。
どうせ彼等は後始末のことなど考えていないでしょう。国や自治体が接収する法律も必要になるのではないでしょうか。

管理人様、はじめまして。

半年程前から、こっそりと拝見させて頂いており、管理人様の見識の高さに感心しておりました。

私は、水力発電の開発コンサルタントの者ですが、太陽光発電の煽りを受けて、他の再生可能エネルギー開発まで頓挫しそうな状況に憤慨しております。

そもそも、日本は何年も検討を重ねた上で、RPSを導入したのですが、FITに切り替えるなんて…最悪です。
経産省もいずれ破綻すると分かっていたはずですが、反論出来ない電力会社に丸投げし、時間稼ぎをしたのでしょう。
経産省もFIT制度は、全くやる気なしの状態でその場しのぎで作ったのでしょうが…

FIT価格は、せいぜい電気料金を上限とすべきと思います。それでも余剰電力分(無駄に発電して棄てる分)は電気料金に上乗せされる訳ですが…
電力会社側が規制をかけない限り、無限に電気料金が上昇(もちろん、開発可能な土地の制約はありますが)する本当に恐ろしい制度です(笑)

テーマのリクエストをさせてもらいます。

これからのモンダイとして、Ebolaが日本で
発症しても不思議ではありません。

あの優秀な厚労省ですから、イザの時はオロ
オロして何も出来ず、怒った国民の前に大臣
が「申し訳ございません」を繰り返す絵にな
りそうです。

博学な管理人さんは、どうお考えですか?
よろしければブログテーマとして、近未来
のEbola危機を語っていただけないかと。

空気感染はともかくとして、かなりヤバイ
状況だと思うのですが・・

水力人さん。ぜひご経験をお聞きしたいくらいです。私はダムに対する誹謗には正当性が無いと思っています。現代のダム技術は自然と充分に共生可能です。またご意見をお聞かせください。

アホンダラさん。エボラは今資料を集めています。しばらくお待ちください。あのCDCがというのが驚きです。
米国CDCが他国の感染症研究所と違うのは、軍事的生物兵器に対する防御まで視野に入れていることです。ですからまちがいなくエボラを生物兵器の可能性を含めて考えているはずです。

それがあのような初歩的ミスをするという自体の裏にはなにがあるのだろうというのが私の疑問です。

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