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2014年10月 3日 (金)

「予知」という幻想を捨てて、国土強靱化の一環として観測体制を整備しろ

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御嶽山の噴火は大惨事になりました。心よりご冥福をお祈りします。

さて、このような痛ましい事故死があると、必ず噴火や地震の「予知」が可能なはずなのにといわんばかりのマスコミがいます。

確かに地震より噴火のほうが、火山性微動を直前になれば把握することが可能だと言われていますが、今回も「平常」をあらわす「警戒レベル1」で噴火しています。

御嶽山は、全国にある110の活火山のうち、活動が活発な火山として選ばれて恒常的観測を行なう23の火山に含まれています。

「気象庁は今月上旬から、やや活発な地震動を観測していたが、過去の噴火データが乏しく、噴火につながると判断できなかった。噴火の明確な前兆となる地殻変動なども探知されなかった」(読売新聞9月28日) 

また気象庁が、爆発の前兆を捉えたのも直前の山全体の膨張を傾斜計が捉えたのが最初でした。爆発したのはそのわずか7分後のことです。(欄外参照)

これでは警報を出すどころではありません。

火山観測は、いまだ充実しているとは言い難く、しっかりした観測体制は、鹿児島県桜島と長野・群馬県境の浅間山などに限られています。

同じく、万が一の事態で避難するシェルターも一部を除いて整備には手かつけられていません。

なまじ「火山噴火予知連」というい名だけはリッパな組織があるために幻想を抱きますが、これではおみくじていどの期待しか持てないのが現状でしょう。 

地震や噴火の「予知」には、国から多額な補助金が出るからといってやたら組織名称に「予知」を被せるのはやめてほしいものです。 

一方地震は、気象庁も素直に認めるように、現状で地震予知が「ひょっとしてできるかなぁ、でもなぁ自信ねぇよな」ていどの範囲にかろうじて入っているのは、観測体制が整備された東海地震くらいなものです。  

つまりは、日本において東日本大震災クラスの大地震すら予知する能力はなかったということです。

きっぱりと「予知できる」などという幻想は、あくまで現時点ではですが、捨てましょう。 

元国立極地圏研究所所長の島村英紀氏は、「地震予知はウソだらけ」の中でこのように述べています。

「地震の予知は短期の天気予報と違う。それは地震は、地下で岩の中に力が蓄えられていって、やがて大地震が起きることを扱える方程式は、まだないからである。つまり天気のように数値的に計算しようがないのである。その上、データも地中のものはなく、地表のものだけである。これでは天気予報なみのことができるはずがない」

ですから、「わからない」ということを前提として観測体制の整備を整えていくことになるのではないでしょうか。

矛盾しているようですが、安易に「予知」という言葉を濫用せずに、幻想を捨てて徹底的に国土強靱化計画の一環として地震・火山噴火の観測体制を見直して、整備する必要があります。 

それを忘れて、「予知できなかった」「予知できたはずだ」というのはいいかげんやめたらいかがでしょうか。 まったく建設的ではありません。

■お断り 初稿にあった東電の貞観地震の津波堆積砂調査の部分は、切り離して別途に掲載します。よくやるんだよな、オレは。すいません。

■写真 朝もやの田園 小さいとなんだか心霊写真みたいなので、クリックして見てください。

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気象庁によると、山体の変化を観測したのは、山頂の南東3キロに設置した、地面の傾きを精密に測ることができる傾斜計という装置。噴火前の27日午前11時45分から山体が膨らみ始め、7分後の52分には沈下に転じていた。膨らんだ状態が沈んだ状態に変わった52分に噴火が始まったとみている。
 噴火直前にはこのほかに、11時41分から
火山性微動が発生している。ただ、頂上付近の火山性地震は9月上旬にいったん増えた後減少し、マグマの上昇を示すような山体の大きな膨らみも観測されなかったため、北川貞之火山課長は「前兆をとらえ予知するのは難しかった」と説明している。予知連も今回の噴火を「突発的に起こることが多く、予知は非常に難しい」(藤井会長)とされる水蒸気噴火と認定している」
(朝日新聞9月29日)

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

大所高所から自然災害予測論じるよりも、予測に対する実際を公開し評価して、信じる予測を選択出来るようにしてもらいたいものです。
今度の台風、行政機関の多くが、公的予測のみ頼らず、民間予測も頼っているのが報道されるのが、その民意を示しているように思います。

ヤクショ嫌いな私は、今回も気象庁にハラをたてて
います。

確かに、管理人さんのおっしゃるとおり、気象庁に
も噴火の予想はムリです。が、情報の公開には力を
入れるべきです。高い給料なんだから。

強制徴収される税金でメシを喰っていると、お客へ
のサービスがなおざりにされても気にしないように
なります。民間なら客が逃げ、売上げが落ち、死活
モンダイになるので、必死の営業努力をするしかな
くなります。客への利便を図るのも当然です。

ヤクニンはしません。気象庁のホームページを見る
と、「お前は、昔の秋葉原電気街か!」と思います。
見難くくて死にそうになります。もし、御岳への登山
の前にチェックするような人がいても、すぐイヤに
なって放り投げたでしょう。

予想ができないのなら、一次情報を見やすく公開す
るべきです。登山情報が欲しいのなら、簡単に山の
情報にたどり着けるように。

台風情報でも、民間の情報の方が見やすくて使い勝手
がいいです。ハワイのアメリカの気象情報を拾う方々
もいます。こうなると、税金ドロとしか言えません。

ヤクショは逃げ口上もすごい。3.11福島の津波高は、
TV下に6mと出ていたのを思い出します。コトの後に
は「アレは6m以上の意味なんですよね~、知らなか
ったんですか~」おそらく、6mを信じて数十メートル
の津波に流されていった人は少なくないと思います。

出来ないものは「出来ない」と宣言して、一次情報を
見やすく流すことが出来なければ、今の気象庁はいり
ません。解体して欲しいです。

「数十年に一度」を乱発しないで。地方のヤクニンに
かかると、複利で二重の事なかれ主義となって、私の
近在の市では先回の台風で「全市民の数十万人全員に
避難勧告!」の珍事が起こりました。ゴジラが上陸し
て来たのか!と思いましたわ。ホント日本の癌です。

沖縄県民さん、申し出の通りに整理しました。これで収めて下さい。

今回の御嶽山は色々なことの教訓になったと思っています。なにより予知ということの難しさを楯にした責任転嫁と、関係機関の及び腰です。

気象庁は予知で怒られる筋はないとは思いますが、なぜ警戒レベルを1にしたまま据え置いたのか、行政もまたなぜ入山制限をかけなかったのか、多くの民間情報がなぜおざなりにされたのか、など反省材料は山ほどあるはずです。

そしてその中を黙々と上昇限度一杯の高空てホバリング救助を敢行し、チヌークをあの狭い山頂付近に着地させるという自衛隊の勇気を心強く思いました。

ご遺体が一日も早く家族の元に戻れることをお祈りします。といって自衛隊、消防、警察の皆さん、決して無理はなさらぬように。

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