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2014年11月19日 (水)

コメントにお答えして 

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いくつかコメントを頂きました。コメントで答えたのに重複しますが、20数件の代替案がありました。さまざまな識者の意見もありました。 

全部、帯に短し襷に長しなのですよ。つまり、なんとか辺野古に着地しないためには、別の場所でうんと無理しなきゃならなくなるのです。 

たとえば、ヨナミネさんが上げておられるのは、おそらく小川和久さんの意見ですね。私も彼の影響を受けた時期があって、移設問題を語る上で氏の『普天間問題』は必読本だと思っています。 

彼の案は「シュアブ陸上案」と呼ばれていて、日米両政府で検討されています。簡単に説明すれば、キャンプシュアブ内に作ったらどうかという提案で、仮設ヘリポート(※当時はまだオスプレイが配備されていなかった)を作って暫時移動していくというものです。 

悪くない案に見えるのですよ。

それに実際、外野で無責任に言っているのではなく、小川氏は現実に、民主党の移設問題の非公式アドバイザーでしたから、当然この案は検討されています。 

なぜ、ダメだったのか知っていますか。小川氏は政治的な理由を言っているようですが、実際は、理由は簡単。 

飛行コースが辺野古弾薬庫上空にどうしてもかかってしまうからです。こんなコースで離発着コースを設定したら、もっとも危険が多いといわれる離発着の安全を確保できません。 

普天間の危険性を除去するために、今度は辺野古の危険を作りだしたらなんのこっちゃってなもんでしょう。 

また南の島さんのご意見ですが(おひさしぶりです)、琉球新報に載った米国識者の意見ですね。この人の意見は、海兵隊なんかなくても、海軍と空軍の増強でなんとかなるさという意見です。

「日本周辺の危機対応で重要なのは米空軍と海軍だとも指摘し、横須賀などの海軍基地への巡航ミサイル潜水艦や三沢などの空軍基地へのF22、F35戦闘機を配備すれば「沖縄以外の日本国内で抑止力を高めることはできる」と説明した。
 本土の空軍や海軍力の増強で在沖海兵隊の大幅削減は実現できると述べ、普天間の代替基地を沖縄に建設しなくても、数機の固定翼機を既存基地で運用する少規模の即応部隊を置けば、戦略的に機能するとした」(13年12月31日)

このスナイダーという人、ほんとうに専門家なのでしょうか。既に今でも、米国の第7艦隊に配備されているイージス艦や潜水艦には巡行ミサイルは配備されていますよ。 

F22は機数が足りないないので嘉手納にローテーション配備されていますし、F35はそう遠くない将来に岩国に配備されるでしょう。 

米国空海軍のグレードアップはされるでしょうが、それと沖縄海兵隊の削減とは別次元です。 

スナイダーさんは少数の固定翼機(※MC-130?)で運用といいますが、そうなると特殊作戦ていどに海兵隊の機能を切り縮めるということになりますが、それは前方展開戦略全体の見直しということになっていきます。 

おそらく彼は、国務省の一部にある陸上部隊の海外展開を大幅削減して、いつでも逃げられる空軍に置き換えていこうという考え方の持ち主です。

この考え方に基づいてオバマはイラクから全部隊を撤退させた結果、IS(イスラム国)というとんでもないモンスターを誕生させてしまったわけで、今や米国内ではこの考え方の旗色はすこぶる悪いのです。

こんな米国のエゴイズムに乗って、たかだかと言ってはナンですが、普天間の危険性の除去如きで、米国の世界戦略全体を変更するというのは間尺に合いませんね。

最後に沖縄じんさんに対してお答えします。おっしゃるとおり中国の際限もない横暴や膨張政策に怒っている沖縄県民は多いと思います。

しかしなんでこんな巨大な基地があるんだ、という不条理さを日常的に感じておられることも理解できます。

たぶんあなたの感想が、平均的沖縄県民のご意見だと思います。私も厚木基地の真横で育ったので実感できます。

事実、中国はかつての柵封国であったという古証文を出してきて、「琉球はオレたちの領土だ」と主張しています。

これが中国以外の国なら、「何言ってんだか、バカじゃない」で済みますが、相手が真剣に領土拡張を狙っている国だとなると笑っては済みません。

それを抑止しているのは、自衛隊と言いたいところですが、実は自衛隊は侵略されたら防戦できるという能力しかありません。憲法上の制約があるからです。

好むとこの好まざるとに関わらず、東アジア全域の「(国際)法の支配」、言い換えれば既存の国境線は変更させないという仕事をしているのは、米国以外にありません。その拠点が沖縄なのです。

もし米軍基地がなくなったらどうでしょうか。まちがいなく、中国は待ってましたとばかりにさらなる横暴に拍車をかけます。

単に尖閣海域に来るなんて可愛いものではなく、中国は沖縄の領有化工作を開始するでしょう。

実は、翁長氏は中国のその気を大いに歓迎する向きもある大の親中派政治家なので、大変に不安です。

在日米軍の機能の7割が沖縄に集中しすぎているということは、日本も米国もよく理解していて、だから縮小計画や移転計画があるのです。

こことここを統合して、ここを縮小するみたいなパズルのような作業は毎年行なわれています。政府は決して「新基地」をじゃじゃん作って、県民をイジめてやるぞなんて思っていないことは信じてやって下さい。

普天間はその最大のものでした。これもきっかけは普天間があまり危険なのでなんとた危なくない地域に縮小して移転しようという「善意」から始まっています。

それを沖縄のマスコミや反基地運動家たちは代替なのに、まるで普天間の上にもう一個「新基地」を乗せるみたいな表現で宣伝してしまいました。これはひどいデマですよね。

しかし、どうもこのままでは移転は座礁しそうですね。それが何を沖縄にもたらすのか次回に考えます。

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コメント

南の島さん。
お久しぶりです。

私はあなたに対して含むところは全く無いし(むしろ大好き)、美しい藻場や海岸の変化には本当に心が痛みます。

しかし、残念ながら意見が異なることもあります。南の島さんならちゃんと会話になるでしょうから。
あなたに欠けているのはグローバルな視点での米国と中国の戦略と、日本(もちろん沖縄を含みます)の立場だと思います。それから「海兵隊」とはどんな存在を担う組織なのか。
「ローテーション配備」がどういうものなのか、プロの有名軍事ジャーナリストでも無知すぎるのがいるのが我が国の現状です。
基本的に陸軍駐屯地以外はローテーション配備は当たり前です。

思想どうこうではありませんし、近所に米軍基地だらけなんて状況は誰も望みません。
それでも必要であるから、普天間の危険を排除しながらどうするか?
それで最後に最善策として残ったのが多額の費用と交付金を払っての辺野古移設なんです。
分かってもらえないかなぁ。
心情的には、本当に申し訳ない。

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