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慰安婦問題は当時の時代に腰を落さねば分からない

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なんの因果か、師走に慰安婦制度を調べる酔狂なことをやっております(笑)。 

日本の慰安婦論議に大きく欠けているのは(他の問題でも往々にしてそうですが)、その時代水準にいったん腰を落として、その時代を見渡して国際的比較をすることです。 

その<時代水準>から見ないと、当時の人達が何を考えたのかわからずに、現代の価値観を絶対的条件にして、歴史をバサバサ斬ることになります。 

とくに左派運動家の人たちは、あたりまえのようにその発想をとります。 

<同時代性>を通して、歴史を振り返ることをしないかぎり、当時の人々の歴史の営みを理解することは出来ないでしょう。

簡単に言えば、当時の人達の苦しみや嘆きや怒りの在り所がわからないんです。

お題は「戦争と性」という実に情けないものであります(笑)。 あらかじめ言ってしまいますが、本来、こんなことは一国が問題にするようなことではありません。 

どこの国も、戦争中の兵士の下半身事情など、歴史書に書くバカはいないわけで、世界各国揃って「まぁ、お互い宣伝するようなこっちゃないんだから、黙っていようね」ていどが国際常識でした。 

ではなぜわが国のみが、子供に教科書で「慰安婦」を教えるというありえぬことをすることになってしまったのでしょうか。 

ことさらにそれを、「慰安婦問題の本質は女性が自由を奪われ、尊厳を踏みにじられたことである」(朝日新聞8月検証記事)とする連中がいたからです。 

おいおい、「当時は管理売春だったんですぜ。なぜ『自由を奪われたのか』が大事でしょう」と言っても無駄です。 

それから半世紀以上たった<現代>の、豊かで平和な時代の価値観で裁断してしまっていることを、いささかも不思議に思わない人たちなのです。

おととい、その実物見本が乱入してきましたね(苦笑)。

あの人なんか、きっと、当時の慰安所にタイムスリップすれば、門の脇で「性奴隷制フンサーイ」なんて叫ぶビラを配っって、かんじんのお姉さんたちから「あんた、ナニが性奴隷よ。バカにすんじゃないわよ」と蹴り飛ばされるんだろうな。

秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』によれば、当時の戦時公娼制度はこのような実態でした。口語で書きます。

あのね、当時は当時なりの合理性があるの。現地の私娼が淋病を拡げたり、兵士のレイプ事件を防止するためにも一カ所で管理したほうが理に適っていたの。
できるだけ厚遇にしようと、給料を高く設定したり、業者の中間収奪を禁じたり、私娼が受けたくても受けられなかった医師の検診や治療も与えたの。外出だって自由だったの。前金で縛ったなんて、そんなのは当時の丁稚奉公ではあたり前なの・・・。
 

もちろん女性の境涯には同情すべきことは沢山あったけれど、それは当時の人たちが少しずつ直していくしかないんで、後世の我々が神のような視点からとやかく言うべきことじゃないのです。 

・・・どうしてこんな簡単なことが分からないんだろう。ため息が出ます。 

今の価値基準で1930年代を見て、上から目線で「女性の人権問題」って言われても屁の突っ張りにもならないのに、どうしてここまで歴史に対して傲慢なのでしょうか。

「歴史に対する傲慢」とは、かつての時代の人々が、揃いも揃ってバカで、冷酷で、残忍な人達だと言うことです。

たぶんこのような人達にはそう言っても無駄でしょうから、当時、戦時公娼を他の諸国がどう扱っていたかという国際比較でもしてみるしかないと思って、ドイツを見ましたので、次回には他の諸国を見てみましょう(なんと物好きな)。

ですから私は、こんなデリケートな問題を国外に持ち出すこと自体が、激バカじゃなかろうかと思います。 

そもそも、こんなことは外交マターになりえないのは明白であって、戦後70年もたってあるとすれば、先ほど私が言った「どのように自由を奪われたのか」ということに重大な非合法性があったケースだけです。

もちろん当時の刑法体系においても、女性を兵隊が奴隷狩りをするように「銃剣とトラック」でかき集めるなどは非合法に決まっています。

同じく秦氏によれば、吉田証言とはこんな根も葉もない混じりっ気なしのデタラメでした。

吉田清治が勤労報国会で請け負ったというのはデタラメ、本に書いた命令書は偽造。そして命令系統が違う陸軍兵士を動員したというのはありえず、まして内地から、朝鮮半島に出張るなどの越境行為をしたら、現地の朝鮮軍管区が激怒するだろう。 
まして、吉田が言うように軍隊がレイプを楽しみながら婦女子をかき集めたのがもし事実ならば、彼らは憲兵によって逮捕されて、軍事法廷に引き出されて、重ければ死刑を含む重罪。

こんな軍隊による婦女子の拉致が日常的にあった。そして12歳の少女まで含めて20万人も強制連行された、と朝日が大々的に報じたから、日本国内に衝撃が走り、それが韓国にまで転移したわけです。

朝日は1991年8月11日の植村記事で女子挺身隊=慰安婦と報じ、次いで12月の2回目植村記事で金学順さんの提訴を報じ、さらに92年1月11日に、吉見義明氏が、「政府が関与していた。にげられない日本政府の責任」とキャンペーンを張りました。 

この慰安婦問題爆発を待ってましたとばかりに、二国間外交交渉の第1議題に据えて、謝罪と賠償を求めたのが隣国でした。 

朝日新聞第三者委員会はこう述べています。長いですが引用しておきます。
http://www.asahi.com/shimbun/3rd/3rd.html
 

「92 年1 月11 日の朝日新聞報道は、宮沢首相の訪韓と首脳会談にも影響を与えた。
記事中でも「宮沢首相の16 日からの訪韓でも深刻な課題を背負わされたことになる」と述べているように、取材記者の意識はともかく、宮沢訪韓に向けた一定の政治的意図が働いていた、と指摘されても否定はできないであろう。
少し後になるが、93年8 月5 日の朝日新聞のソウル発記事は、「韓国外務省高官」の情報として、92 年1月、当時の大統領府の有力首席秘書官が「慰安婦問題を訪韓する宮沢首相に突きつけて、日本側から貿易収支不均衡問題の政治的決着を得ようとした」と紹介している。少なくとも韓国側は対日交渉にこの問題の利用を意図していた」
 

このような朝日が政治的意図をもって作った人工的国際問題に、腰を抜かしたのが「お公家さん集団」と呼ばれていた宮沢喜一首相と、その官房長官だった加藤紘一氏ならびに河野洋平氏たちでした。

彼らは、20分間に8回の謝罪をするというギネスブックに果敢に挑戦したのみならず、韓国政府に手を添えてもらって言いなりなって作ったのが河野談話というシロモノです。

河野談話は「強制連行は確認できない」が基調でしたが、河野氏が独断で政府に諮ることなく記者会見で強制連行の事実があったかと問われ、「そういう事実があった」と述べてしまったのです。 

一国が、戦時公娼で隣国に土下座するという、世界外交史上空前絶後の事件でした。

そして肝心要の吉田証言が、92年4月の秦郁彦氏の済州島の実証調査で完全否定されるとなると、めげずに今度作ったロジックが「慰安婦問題の本質は女性が自由を奪われ、尊厳を踏みにじられたことである」という「広義の強制性」という新発明でした。 

これについても、第三者委員会は手厳しくこう断じています。

「以降、92年に吉田証言に対する信ぴょう性に疑問が呈されるまで、前記のような意味での『狭義の強制性』を大々的に、かつ率先して報道してきたのは、他ならぬ朝日新聞である。1997年の特集紙面が、『狭義の強制性』を大々的に報じてきたことについて認めることなく、『強制性』について「狭義の強制性」に限定する考え方を他人事のように批判し、河野談話に依拠して「広義の強制性」の存在を強調する論調は、のちの批判にもあるとおり、『議論のすりかえ』である」

この「広義の強制性」という造語を作ったのは朝日92年1月の「政府関与資料発見」の記事に登場する吉見義明氏です。吉見氏はこう述べています。

たとえ本人が自由意思でその道を選んだようにみえるときでも、実は植民地支配、貧困、失業など何らかの強制の結果なのだ」(慰安婦裁判訴状)

この論理は無敵で、この論理では慰安婦の自由意志による就業であろうと、女衒に連れられていこうと、賃金が高額であろうと、外出や買い物をする自由があろうと、すべて軍と政府がなんらかの「関与」していれば、「強制性による拉致」だと言えてしまうからです。

もしそうなら、現代の風俗関係で働く女性も「国の強制」によるものだとして裁判を起こすことでしょう(笑)。

この朝日と吉見氏の「女子挺身隊=慰安婦」、そして「広義の強制性」、そして日弁連の「性奴隷」という三つのおぞましい武器をしっかりコピーした韓国政府・女性家族部の公式見解はこうです。

「慰安婦」とは戦時中に日本の旧植民地朝鮮台湾など)や占領地(中国フィリピンインドネシアなど)から強制募集され、意に反して性奴隷として奉仕させられた若い女性に対する婉曲表現である。日本軍、官憲及び民間業者が20万人もの女性を騙し、誘い、あるいは連れ去って、日本の植民地や占領地の至る所で性奴隷として売春を強要した

ここにも「日本軍、官憲ないしは民間業者が20万人もの女性を騙し、誘い、あるいは連れ去って」「性奴隷にした」とあります。

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(アングレーム漫画祭の韓国政府出展作品より 日本官憲が強制連行して少女をレイプしている)

行き着いたのがとうとう「性奴隷」ですから、エグすぎだよなぁ。ちなみにこの造語を作って、ご丁寧にも国連人権委に持ち込んだのが日弁連です。

日弁連の戸塚悦朗氏が国連に提出した文書には、売春行為を「レイプ」(強姦)と定義してこう述べています。

「女性被害者は戦時の強制売春と性的従属と虐待の間、日常的レイプと身体的虐待といった苦しみを味わった」

日弁連を弁護士仲間の業者組織と思っていらっしゃる方が多いようですが、あそこは事実上の共産党が執行負辺部を握る「広義の」政治団体ですので、念のため。

国内で虐殺事件を頻繁に繰り返しているような国の官僚で作られていた国連人権委員会は、クマラスワミ報告書で、「国際人道法に違反する『性的奴隷制』だ」と断定し日本政府に「法的責任と道義的責任」があると勧告したのです。 

そして、このクマラスワミ報告を錦の御旗にして、韓国は米国内でのプロパガンダに使い、日本軍がを強制連行しレイプし続けたかのような誤解を世界中に広げていくこととなっていきます。

こうしてネバーエンディングストーリーよろしくわが国は、世界一性格の悪い燐国から「謝罪と戦後補償」を要求され続ける蟻地獄にハマっていくことになります。 

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コメント

20万人の性奴隷って途方もない創作と思ったら、ノルマンディーとかベルリンとか、事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもので。

それらを無かったことにする分、どこかで起こったことにしなければ気が済まないとかなんでしょうかね。

投稿: プー | 2014年12月26日 (金) 16時26分

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