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2014年12月 4日 (木)

4月増税の罠にはまった安倍首相

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私はこの選挙は8カ月遅れだったと思っています。本来この春の悪夢のような消費増税決断の前に、国民に信を問うべきでした。 

安倍氏はこの4月増税前に大いに逡巡していました。まるで背中を押されるようにして毒を呑むつもりで増税に踏み切ったはずです。

消費増税は3党合意の枠組として前総裁の谷垣氏からの引き継ぎ事項でしたが、安倍氏は、アベノミクスが増税によって崩壊することを予見できるが故に、きわめて消極的でした。

増税が、いわば経済にアクセルとブレーキを同時にかけるような行為だとわかっていたからです。 

渋る安倍氏に対して財務省が仕掛けた罠は、アベノミクス第2の矢に当たる公共投資の大幅な増加をあっさりと認めたことです。 

既にミイラ取りがミイラになっていた「盟友」麻生氏などは、たぶん安倍氏にこう言ったはずです。 

「大丈夫、大丈夫、アベちゃん、心配のしすぎ。しっかりと第1、第2の矢を撃っておけば、簡単に景気は崩れないから。黒田さんもクロダバズーカを、ヤバくなったらまた撃つって言ってるしさ」(←口を曲げて言って下さい) 

しかし、そもそも公共投資と金融緩和だけで、日本経済を引っ張るのは無理なのです。 

かんじんなことは、家計消費と民間設備投資が健全に成長して、経済の先頭に立つ牽引車にならねばなりません。 

実際、財務省が目論んだように、公共事業のお土産カンフル剤が効いた日本経済は、4月から6月期にドンっと積み増しされました。 

しかし、それはあくまでも、増税前投資の仕込みで需要を先食いしただけですし、家計消費に至っては住宅、自動車、家電などの大型消費も同様に、増税前の駆け込み需要が反映されたにすぎません。 

まさに眼くらましですが、これにコロっとだまされたのが、株屋の研究所の民間エコノミストたちとマスコミでした。

では、そもそもアベノミクスが目指していたのはなんだったのでしょうか?

ひとことで言えば、「脱デフレ」です。1998年から始まる日本社会を蝕み、社会的閉塞現象を引き起し、青年の未来を奪ってきた「15年デフレ」の息の根を最終的に止めることです。

それはただのインフレターゲット「物価上昇2%」ではありませんし、名目賃金の上昇だけでもなかったはずです。 

常に物価上昇率を上回って名目賃金が上がらねばなりません。それがなければただのインフレが進行する中での不況、すなわちスタグフレーションとなんら変わりありません。

あくまでも個人の家計消費が、需要を強く牽引し、それが企業の設備投資につながっていかねばならないのです。

GDPの実に6割を占める個人消費が伸びなければ、需要が伸びないために企業業績は改善されず、実質賃金は下落し、雇用が減少するために求人市場は買い手市場となり、派遣社員ばかりが増えル結果となって、いっそうブラック企業がはびこることになります。

よく共産党が叫ぶ派遣切り反対や、賃金アップも、すべて元を辿ればこの個人消費の拡大、家計消費の伸びにかかっているのです。

彼らの反貧困、ブラック企業糾弾運動も一理ありますが、元から原因の根っこにあるデフレを叩き潰さねばダメなのです。

これが安倍氏が口癖のように言っていた景気の「好循環」ですが、このリングを切断するのが増税だというのは分かりきった話でした。 

この4月消費増税は、完全にこの個人消費を再び冷え込ませ、「15年デフレ」の暗いトンネルに逆行を開始したのです。 

総務省家計調査で今年1月から7月までの、二人以上世帯の実質消費支出の前年比推移を見てみましょう。 

1月  +1.1%
2月  -2.5%
3月  +7.2%
4月  -4.6%
5月  -8.0%
6月  -3.0%
7月  -5.9%

実に7か月などは-5.9%です。夏の段階でこの真っ赤に点った赤信号に安倍氏が気がつかないはずがありません。

首相は強烈な危機感を抱いて、再増税をしない決意を7月前には秘かに固めたはずです。 

ならば簡単ではないか、と多くの人はこの私を含めて考えていたと思いました。この消費増税法には「付則18条」という景気条項がセットされていたからです。 

では付則18条だけでは、なぜこの11月に正面玄関からの増税阻止が出来なかったのでしょうか。  

そこが分からないと、この総選挙の意味は理解できないで、三橋貴明氏のように、「なんで選挙するのかわからない。付則18条つかえばいいだけじゃん」とばかりに反・安倍の急先鋒になってしまうことになります。

長くなりますので、それについては明日に廻しますが、ひとつだけ。 

増税阻止のほんとうの「敵」は、党内にいたのです。 

もうひとつのヒントを。なぜ安倍氏が内閣改造と共に、党内人事の刷新をしたのかです。 

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コメント

解答編は明日ですか・・・

財務省は安倍さんを勝たせすぎないようにスキャンダルをリークした、という面はあると思うのですが。

管理人さんのヒントの答えにはなっていません。

派閥や財務省との関係はよく分かりません。
慌てて検索しましたが、
身内の敵は、麻生氏? 町村氏? 野田氏? 宮澤氏? 木下氏?

明日勉強させていただきます。

プーさん。すいませんもったいぶるつもりじゃないんですが、日本の命運に関わることなので、ここはしっかりと論じておきたいと思いまして(汗)。
たぶん来週にまで続いちゃいます。よろしくおつきあいください。

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