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2014年12月 5日 (金)

財務省支配に挑んだ首相

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内閣改造は女性の登用でつまずいたと言われますが、ほんとうに政界を驚かせたのはむしろ党執行部人事でした。  

この時に石破体制が刷新されてなんと谷垣氏を幹事長に、二階俊博氏を総務会長に、そして党税制調査会長に野田穀氏が抜擢されました。  

このお三方は揃って増税論者です。  

これらの党の重鎮を党の増税の決定を左右するポジションに据えたことで、マスコミは雁首を並べて12月増税が決定したかのような「安倍増税シフト」と書き立てました。  

私も増税に危機感を持つ者として、この党内人事には強い危機感を持ったひとりです。 

思い出してほしいのですが、当時安倍氏はあいまい戦術を使っていました。するとも、しないとも言わないのですから、どちらにとっても都合いいように取れてしまいます。 

これが有効なのは、党内という本来は味方陣営の結束が危機的状況にある時です。 

自民党の党内状況をみてみましょう。財務省は、省始まって以来といわれる大規模な「自民党絨毯爆撃作戦」をしていました。

安倍氏の予想を超えて財務省が「ご説明」と称する強引、かつ徹底した絨毯爆撃を自民党、野党、マスコミ、民間エコノミストに行っていたのです。 

そのあたりを日経新聞はこう報じています。解散を宣言するまで、安倍氏がなぜあいまい戦術をとっていたのか、これで氷解しました。

「解散権の背景には財務省の増税多数派工作 首相明かす
財務省が善意ではあるが、すごい勢いで対処しているから党内全体がその雰囲気になっていた」。安倍晋三首相は30日のフジテレビ番組で、衆院解散・総選挙を決めた背景に財務省による消費増税の多数派工作があったことを明らかにした。
首相は「責任を持っているのは私だ」と強調。「(増税延期に)方向転換する以上、解散・総選挙という手法で党内一体で向かっていく。民意を問えば、党内も役所もみんなでその方向に進んでいく」と説明した」
(日経新聞11月30日) 

このようにはっきりと言葉で説明されると、いかに財務省の多数派工作との攻防こそが焦点だったのか分かるはずです。

これは確かに解散前には発言できない性格の内容で、「今だから話そう」と言った類のものです。 

この安倍氏の発言どおり、秋までの党内はほぼ完全に財務省支配が完成寸前でした。

古手の議員から新人議員まで、アベノミックスには賛成だが、公共投資と金融政策で増税による実質賃金の下落には歯止めがかかると考えていました。 

「なにもあのスーパーパワーの財務省と角突き合わせて、決まっている3党合意をホゴにして、波風立てたくはないや。オレたちは圧倒的議席を握っているんだから安泰だ」、あらかたの与党議員はそう思っていたのです。 

この結果、菅官房長官が安倍氏の指示で作った増税阻止派の「アベノミクスを成功させる会」も、当初の45人が、たちまちに財務省の個別撃滅にあって、残ったのは発起人の山本幸三氏ら10人ていどまですり減っていました。 

ここまで、安倍氏の党内基盤が揺らいだのは、政権発足以来だったと思われます。 

推測ですが、大蔵省はこういうシナリオを考えていたはずです。 

<このまま安倍氏を党内で追い込んで「裸の王様」してしまい、再増税という泥をかぶらせて支持率を急落させた上で、用済みとなった安倍氏に替わって麻生氏か谷垣氏を総理に担ぎ上げる> 

この財務省の思惑は、夏までに8割方まで完成しかかっていたわけです。この状況で、首相が反増税をぶち上げることは不可能です。 

安倍氏に残されたのは、総裁としての人事権という武器でした。 

この党新執行部人事のキイマンは谷垣幹事長です。谷垣氏を、ナンバー2の幹事長に据えるときに、安倍氏はどう言ったのでしょうか。 

私がそれに気がついたのはこの朝日の記事です。ここで安倍氏はこう述べています。

安倍の課題はまず、増税を主張する与党首脳の説得だった。『景気が後退したら消費税は上げません』。9月の党役員人事で谷垣を幹事長に起用した際、安倍は谷垣に念を押していた。増税派の谷垣さえ納得すれば、増税見送りでも党内を抑えられると踏んだ安倍は10月下旬から、谷垣に消費増税の先送りと早期解散の相談を始めた」(朝日新聞11月19日)

つまり安倍氏はこう言っているのです。 

「4月の増税の影響で景気が腰折れしたら、その時は躊躇なく付則第18条を使って再増税はしませんよ。よろしいですね」 

もちろんイエスとしか谷垣氏は答えようがないわけですから、仮に景気の下落が明らかになった場合、谷垣氏は増税見送りに対してノーと言えなくなってしまいます。 

もちろん、よく当時の景気動向を観察すれば、7月には昨日見たように家計消費の落ち込みが発生していました。 

このままでは11月のGDP速報値はとんでもないことになるのは目に見えていたにもかかわらず、財務省の「ご説明」を真に受けた野田氏と二階氏はこんな間の抜けた発言を繰り返しています。 

野田氏は「リーマンショックに匹敵する経済変動がなければ予定通り引き上げるのが当然の姿だ」と述べれば、二階氏もまた、「国際的な信用にもかかわる。約束通り実行することが最重要政治課題」だと応じる始末です。  

この人事を見て財務省は増税派の勝利を確信したことでしょう。もはや残るは増税阻止派の最大、かつ最後の大物である安倍氏を「改心」させればいいだけですから。 

この役をするのは、安倍氏とともにアベノミクスを支えた麻生太郎氏を除いてはいなかったはずです。

たぶんブリスベーンのG20の帰りの政府専用機が、この二人の激論の場となったことでしょう。

麻生氏は持論の金融、財政政策で凌げると主張し、安倍氏はたぶん彼には本心である解散総選挙の心づもりを話したはずです。

結果はご覧の通りです。麻生氏は夏まで頻繁に漏らしていた「決まった通りにやる」という発言に封をします。

そしてもうひとりアベノミックスを支えた立役者がいます。日銀黒田総裁でした。おそらく黒田総裁は、安倍氏の反増税の硬い決意を自分の出身母体の財務省から聞いたのではないでしょうか。

黒田氏は慌てました。彼は「増税しなければ、国際金融市場の信任を失う」というのが持論でしたし、アベノミックスと増税は矛盾するものではないと考えていました。

その意図を黒田氏は、11月12日の衆院財務金融委員会でこう述べています。

(クロダ・バズーカを撃ったのは)2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを前提に実施した」

つまり黒田氏は、「安倍さん、日銀には金がダブいています。危なくなれば第3弾緩和もやります。どうぞ安心して増税して下さい」というメッセージを込めてバズーカをぶっ放したと言っているわけです。

かなり問題な発言で、日銀がかねてから持っている悪い意味での独立性を楯にして、政府の専管事項である消費増税決定に介入してしまっています。

このように、財務省に取り込まれた政府、与党内、日銀に対して、「国民の意志」を突きつけることで、増税をしない路線を堅持するのが、この選挙の目的なのです。 

朝日新聞が言う「大義」は明確に説明されていると思います。  

すなわち、この選挙の目的は、週刊誌などで揶揄されているような民主党潰しなどどうでもいいのであって(むしろ彼らは微増するでしょう)、真に今問われるべきは日本国の事実上の支配者である財務省との戦いなのです。 

長くなりそうなので、来週に続きます。ああ、政治-経済ネタは肩がこる(笑)。しかし、選挙になると自粛とは、逆じゃないかと思いますよ。

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コメント

適当に書いたら結構合ってた(笑)・・・と言うより、外す方が難しいくらいの四面楚歌なんですね。笑っている場合ではありませんでした。

大人の社会はマークシートではないので、その背景から分かっていなければ正解ではないのですが。

安倍さんも、「延期」が最大限の落としどころで、「中止」とか言ったら叩き出されていたでしょうね。

総理が外遊中でまだ何も言ってないのに、先月初めの日曜日から突然野党側から「やれるものならやってみろ!」「堂々と受けて立つ」などと、選挙ありきの報道が出て数日でエスカレート。

4月の増税前後から、つい先日まで「消費税批判」ばかりしていた大手マスコミ。
選挙モードに入ってからは、来年の増税延期で「保育士や介護士の待遇問題」やら「福祉目的の税なのに、現場は不安がっている」という論調がいきなり増え始めました。

いろんな意図を感じますね。
総理の周りは敵だらけ。

そこで財務省に喧嘩売るって、並の宰相にはできませんね。

プーさん。正解です。だいたいそうじゃないかなと、思っていたのが、大方の大人でしたが、なぜか小児病が治らない一部の人たちが、「なぜ先送りしたのだ」とか、「付則18条を使えばカンタンだった」とか、「5%に戻せ」とかいろいろ言ってますね(苦笑)。

あまり多いので、近々ちゃんと書きますが、そんなこと出来たらやってるわい。解散に持ち込むだけでも大変な力業。最後に選挙をやって「これが民意だ」で、増税派を黙らせるしかなかっいたのです。

それと、選挙になれば、党執行部に逆らったら一円の支援もないですから、「増税やむなし」と、圧倒的多数にあぐらをかいて解散なしと読んでいた連中は完全に沈黙するしかありません。

勝てば勝ったで、今度は「増税やむなし」と2年半は言えなくなるわけです。

首相の政策には、すべて賛成ではありませんが、今回はスタンディングオベーショものだと思っています。
ここで負けたら、もう財務省と百年闘う首相はいなくなりますよ。

書いてるうちにプーさんと被ってた(苦笑)
私もイマイチ見えないというか、正直半信半疑だったんですが…
プーさんお見事です!

お二人に褒めていただき誠に恐縮です。

自分の中で煮え切らないのは、財務省の意図は? という点です。
消費税増税で利権が増えるとか、アメリカの指令だという話はよく聞きます。

その程度の理解で良いのか、もっと深いものがあるのか、教えていただけたら有り難いです。

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