状況が動きました。(欄外参照)
この画像が正しいとすれば、IS(「イスラム国」もしくはISIS※)は、湯川遥菜氏を殺害し、身代金要求を取り下げて、ヨルダンで死刑判決を受けているサジダ・リシャウイ死刑囚との交換を要求しているようです。※ISは国でもないのに「国」を名乗っているために、本物のイスラム諸国が迷惑していますので、英字略称で表記します。
リシャウイ死刑囚は、夫とヨルダンで自爆テロを行い、60名もの人々を殺した人物です。
まだ真偽は確定していませんが、事実ならば強い怒りを感じます。
ISは湯川氏より、ジャーリリストの後藤健二氏のほうが人質としての価値が高いと判断したようです。人の命を価値で量るような、ISの冷血がわかりましたか。
ISが強気に出た、さぁ大変だ、というメディアが出そうですが、逆です。ISは追い詰められています。なぜそう言えるのでしょうか。
それは彼らが、誘拐を仕事にしている誘拐ビジネス業者だからです。え、何んですって。イスラム原理主義者だから、理想のイスラム社会を作るために戦っているんですと?
中田考のようなことを言わんで下さい。
中田考はハッサン中田という別名を持ち、シャミール常岡などと同じに、確信犯的なIS、あるいはアルカーイダの準メンバーです。つまり立派なテロリストそのものです。
こんな男たちをメディアが登場させて発言を許すこと自体が、テロリストに加担する行為です。どうしてこう常識がないんだろう、日本のマスコミって。
この人物を外国特派員協会でしゃべらせたのが、慰安婦問題でお馴染みの日弁連、(いや改称して赤色弁護士会になったんだっけ)ということをしっかり記憶しておきましょう。
改めてハッキリさせておきたいのですが、ISは国家ゴッコの皮をかぶった盗賊、虐殺集団、奴隷商人、そして誘拐業者でしかありません。
ISが「反イスラム十字軍に参加した」などと言ったので、それに乗って「アベの2億ドル支援が引き起こした」などと言う人が多く出ましたが、単なる営利誘拐犯にすぎません。
そう思って彼らの理屈らしきものを取っ払って見れば、ほんとうのISの姿が見えてくるはずです。
まず現時点で、この「誘拐ビジネス・IS産業」は、何の利益も得ていないわけてす。こんな投資を回収しない段階で、語弊はありますが、大事ないわば「元本」である人質を全部殺したらバカ丸出しでじゃないですか。
湯川氏は捕らえられて約3カ月間になります。IS支配地域には、常時米国の偵察衛星が数基張りついているはずで、この目を盗んで居場所を転々としたはずです。
それにけっこうコストがかかっているはずで、後藤氏を拉致したので、一気にセット販売して大金をゲットしようと勝負をかけたわけです。
ところがこのバクチが大ハズレ。事前の彼らの知識では、日本政府はひ弱で、脅迫すればすぐにカネを出してしまうキャッシュデスペンサーのような国だと思っていたからです。
この認識はIS特有のものではなく、アラブ社会のいわば「常識」で、政府関係者からさえ表明されているようです。イスラーム学が専門の池内恵東大准教授はこう述べています。
「アラブ諸国では日本は「金だけ」と見られており、法外な額を身代金として突きつけるのは、「日本から取れるものなど金以外にない」という侮りの感情を表している。これはアラブ諸国でしばしば政府側の人間すらも露骨に表出させる感情であるため、根が深い」http://chutoislam.blog.fc2.com/blog-entry-258.html
だからISは、日本などチョロイ相手だと思って、この事件を始めたはずです。
ところが予想を越えて、安倍首相は毅然と要求を拒否しただけではなく、瞬く間に中東各国と連携してIS包囲網を作ってしまいました。
完全なIS側の読み違えです。
そもそも「72時間で200億円寄こせ」などという要求自体が、イスラム教圏のバザール経済における言い値にすぎず、これを値切ることから交渉は始まります。
「はい、72時間たちました、終了」とやってしまって困るのは誘拐商人のISの方であって、わが国ではありません。
むしろ菅官房長官が、23日午後2時か刻限とこちらから刻限を切ったことに、彼らは驚いたはずです。
なぜなら交渉は長引けば長引くほど、ISにとって不利になっていくからです。
あす触れてみたいと思いますが、日本の働きかけによって、トルコ、ヨルダンなどの包囲網が締まっていき、最悪の場合米軍の特殊部隊が奪還作戦をかけてくるかもしれないと(※)、疑心暗鬼になっているのは彼らISの側です。※現実にそのような要請をする可能性はゼロです。
マスコミは、「日本政府打つ手なし。交渉すらできず」と報じていますが、バッカじゃないかと思います。
考えてご覧なさい。まず後藤氏は彼らの「最後の切り札」ですから殺される可能性はゼロではありませんが、非常に低いでしょう。
彼らは人質ビデオ公開初期に、日本が屈すると見ていました。しかしその目論見がはずれました。
早期に日本からカネを引っ張って、逃亡するのが彼らの作戦だったわけで、既にこの段階で、彼らの計画は破綻を開始し始めているのです。
その上で、なんらかの直接交渉をしたとしても、わが国が言えることは「カネは出せん。早く全員返せ」という原則論を繰り返すしかありません。
日本政府は長びけば長びくほど、中東各国の具体的支援を拡大する時間的猶予を得られるのですから、下手にせっつかれる直接交渉チャンネルなどないほうがいい(※)という判断もあり得るのです。
つまりダイレクトのISとの交渉チャンネルはあったらあったほうがいいし、なければなくてもいい程度のものなのです。
一方ISは、日本政府との直接の交渉チャンネルがなければ、肝心のカネの受取交渉すら出来ません。
いちばん営利誘拐において難しいと言われる、身代金の受け渡しができないのです。
さて、後藤氏はビデオで、「アベ、湯川さんを殺したのはお前だ」と批判しています。
このような発言を真に受ける必要はまったくありません。
今までの米英の人質は全員例外なく、自国政府に対する批判をしゃべっていますが、それが殺人の脅迫によってしゃべらされたものであることは明らかで、いつもどおりのISの汚い手口です。
脅迫による発言は無効ですが、マスコミは例によって、「アベ、お前が殺した」という部分のみを、後藤氏が置かれた状況から切り取って、繰り返して流して、古賀茂明氏あたりに「アベの無為無策がこんな結果を招いてしまいました」などとしゃべらせるのでしょう。
ISは追い詰められています。中東世界で、改めて彼らの孤立ぶりが明らかになりました。
イスラム宗教界ですら、誰ひとりISを支持する所はありません。世界の政府、メディアも日本政府を支持しています。ただひとつわが国のマスメディアだけが例外です。
最悪のメイド・イン・ジャパン製品である日本のマスコミを見抜いて、ISは当初から「日本国民が決めることだ」と振ってきました。
これで勘違いしたのが、反原発・反安保、反アベの運動団体の皆さんです。
かくて、手詰まりになったISがもっとも期待しているのは、日本のマスコミとコメンテーター、そして左翼運動家諸氏なのです。
そうそう、ISからRTをもらった山本タローの「仲間たち」の小沢一郎氏までが、こんなことを言う始末です。
「(政府によるイスラム国対策の2億ドル支援について)日本も敵だと捉えられても仕方ない。(支援表明は)イスラム国には宣戦布告とも言える」「人道支援の名前で言おうが、後方支援、補給が戦争そのものだ。曖昧なごまかしの話はやめるべきだ」
もう反論するのさえバカバカしい。後方支援と民生支援はまったく別物です。1991年の米国の湾岸戦争に90億ドルを拠出した元自民党幹事長が、そんなことも知らないのでしょうか。
あんたが昔、恥ずかしげもなくやったのが後方支援、安倍さんがしているのは民生支援です。その区別もつかないで、小沢氏は90億ドルも貢いじゃたんですかね~。(棒)
使えるものなら何でも使う小沢氏も、とうとうここまできましたか。隠居して宜野座で釣でもしていなさい。
何度も言いますが、ISに「国民力」を見せつけてやりましょう。それが国民として後藤さんを奪還できる唯一の支援なのです。
マスコミのようにジタバタしないこと。ISを助ける言動をしないことが大事です。
そして静かに政府を支持しようではありませんか。アベなんか支持できるかという人は、支持しなくてもけっこうです。足を引っ張らない、それだけで充分です。
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■産経1月25日
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に拘束された後藤健二さん(47)とみられる男性が、湯川遥菜(はるな)さん(42)は既に殺害されたとの声明を読み上げる画像がインターネット上に掲載された。安倍晋三首相は25日未明、関係閣僚会議の冒頭で「このようなテロ行為は言語道断の許し難い暴挙で、強い憤りを覚える。断固非難する」と述べた。これに先立ち、菅義偉官房長官は官邸で緊急の記者会見を行い、配信を確認するとともに「残る後藤氏に危害を加えないよう、直ちに解放するよう強く要求する」と強調した。
画像は日本時間の24日午後11時すぎに投稿。後藤さんとみられる男性は、首を切断されたように見える別の男性の写真を掲げ、英語で「仲間のハルナ・ユカワがイスラム国の土地で殺された写真」と説明。
声明で犯人グループは、後藤さんを解放する条件として従来の身代金要求を取り下げ、代わりに自爆テロの共謀罪で、ヨルダンで死刑判決を受け収監中のイラク人、サジダ・アルリシャウィ死刑囚をヨルダン政府に釈放させるよう要求した。
音声は「私はケンジ・ゴトウだ。写真はイスラム国で殺害されたハルナのものだ」とした上で、「アベ、お前がハルナを殺した。われわれをとらえていた者の脅迫を真に受けず、72時間以内に行動しなかった」と指摘。2人の娘に向けて「愛している。会いたい」と述べた。ヨルダンで収監されているサジダ・アルリシャウィ死刑囚の釈放を要求した。
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