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2015年1月30日 (金)

ISIL情報戦略の失敗

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ヨルダンの死刑囚はまだ移送されていないようです。一時解放されたという情報がトルコのメディアから伝えられましたが、誤報のようです。 

ま、当然と言えば当然で驚くことではありません。 

ヨルダンがこのISIL(「イスラム国)の脅しに乗らなかったのは、第1に肝心のヨルダン人パイロット・ムアーズ・カサースベ空軍中尉の安否が分かっていないことです。 

カサースベ氏は、2014年12月24日にF16で対テロ作戦中に撃墜されて、ISILに捕虜となりましたが、その際負傷したのではないかと言われています。

Photo (写真 ISIL機関紙『ダビク』に掲載されたカサースベ中尉) 

その後、ISILの広報映像に出たようですが(上写真)、現時点での安否は不明です。安否情報を出さないで、「捕虜交換」するわけはありません。 

第2に、ISILはカサースベ中尉を返すとはひとことも言っていないことです。

実は、ヨルダン政府は今まで貫して捕虜交換を拒否してきており、先月にはラッカで米軍特殊部隊と協同で救出作戦まて決行しています。 

残念ながら失敗に終わりましたが、交換はしないという原則を堅持しているのが分かります。 

さて、今回の予想されたシナリオは3ツです。 

ひとつは、死刑囚が解放され、後藤氏と単独で交換されること、これが最悪シナリオです。 

このような形で後藤氏を返して貰うと、日本の「I AM KENJI」などというデモをしている人たちは単純に喜ぶでしょうが、そう簡単なことではありません。 

このような返され方をしてしまうと、わか国はISILの恐喝に簡単に屈する国、あるいは自国民の安全しか考えないミーイズム国家という印象を世界に発信してしまうことになります。 

二つ目は、カサースベ中尉が、「戦争捕虜」として交換されるケースです。 

これはかつて米国がアフガンでタリバンとの交換に応じて、軍曹を取り戻していますし、世界でもっとも強面な対テロ対応をすることで知られるイスラエルですら、状況に応じて捕虜交換をした歴史があります。 

この場合、ヨルダン政府の公式見解どおりカサースヘ中尉のみの交換となって、後藤氏は返されません。

これはヨルダン政府としてはギリギリ筋が通っています。日本もその決定には反対できるはずがありません。 

第3は、二人が同時に返還されるケースです。これが選択肢の中では最良ですが、IISILはそんなに甘い所ではないはずです。

ISILは、投降した敵軍兵士をその場で虐殺することで知られています。

ですから、生かしておかれたカサースベ中尉は、「価値」があったと思われたわけです。これは後藤氏も同様で、彼らは切り札だと思う間は生かしておくはずです。

したがって、現時点でヨルダン政府と日本政府にできることは、できる限り交渉を長引かせて、少しでも有利な条件が整うまで、安易な交換に応じないことです。 

さて、改めてISILの目的はなんでしょうか。直接にはカネです。彼らは今、外人部隊が集団脱走して大量処刑されるといった内部状況が漏れてくるなど、じり貧に陥っています。

ですから、主要国「最弱の環」と見込んだ日本を標的に巻き込んだのです。

「最弱の環」という表現を簡単に説明しておきましょう。今、国際社会は結束してテロリズムと戦っています。これを一本のチェーン(鎖)のように例えます。

その中で、ひとつの環が壊れて飛び散ると、全体のチェーンまでがバラバラになってしまいます。その一番弱い「環」が日本ではないか、という見方です。

わが国はダッカ事件の大失態によって、世界中にテロを拡散させたとして長年批判されてきました。

そして中東世界でも、カネをすぐに出す気弱な金満国という印象が、常識として流布されていました。まさにテロリストにとってうってつけの標的です。

ただ、慎重にイスラーム世界とは敵対しないように注意してきましたから、標的にしにくかったのです。

ISILも日本をなんとかして標的にしたいと思っていたはずで、1月17日の首相のカイロ声明をもって日本が、対テロ支援国家についた表明と見なして、ヤクザのように絡んできたわけです。

そして人質事件を起こし、日本国民を恐怖にひれ伏させるために、このような無言のメッセージを出しました。

「お前たちの政府は無力で無能だ。アベは冷血漢で、ケンジの命などなんとも思っちゃいない。米国とつるんで、無辜のイスラームの民を爆撃する手伝いをしている卑劣漢だ。抗議デモで包囲し、身代金を払ってケンジを釈放させよう。爆撃に使うのではなく、ケンジの命に2億ドルを使うのだ!」

Photo_2

(写真 毎度おなじみ。反原発・反基地・反安保・反オスプレイ、反辺野古・反特定秘密・反集団的自衛権といった「反」がお好きな皆さまは、今回もまたISILにではなく、安倍さんに抗議)

はい、この台詞、色々な「識者」がISILの無意識の代弁者としてペラペラしゃべっていますね。このアホな人たちの名前をしっかり覚えておきましょうね。

しかし、このISILの煽動は、マスコミと一部の人達には絶大に効いたようですが、日本人全体には無効だったようです。

ヤメ官や小沢氏たちの「2億ドルは対テロ支援」というムチャクチャな誹謗は、たちどころに打ち消されました。

シリア難民や、ガザ地区の民生支援が対テロ軍事援助なわけがないことは、国民にすぐ分かってしまいました。

もう一つのISILの失敗は、日本人が今回の脅しに想定されたほどパニックにもならず、恐怖もしなかったことです。

Photo_4(写真 恐ろしく沢山クソコラはあったけど、これがなごむ。テロやられてなごむのはどうかとも思ったが、ともかく笑えます。遠くにドーモ君が、ISILの旗の替わりにいるというのも爆笑です。上のサヨクの人達にはユーモアがないんだよな)

フランスにあった大規模抗議デモもなく、その代わりISILのツイッターに大量に送られたのがクソコラだったというのは大笑いしました。

クマモンの頭から、ジハディ・ジョンが生えています(笑)。熊本県民の皆さん、ごめんなさい。

わが国には、江戸時代から黄表紙本という滑稽本の伝統があり、漫画文化のルーツになっています。

恐怖を笑いですり替えて、脅迫を逆手に取って抵抗するというのはフランスの風刺漫画にも一脈通じる抵抗精神ですが、日本のクソコラの方は、敵も味方も全部を笑いのめすのですから、いっそうタチが悪いというか、「風刺」本質に迫っているというか、ともかく過激です。

これには、当のフランスも含めてびっくりしたようですが、フランスの「アイ・アム・シャルリ」のマネをして、すぐに「I AM KENJI」とやるベタなスタイルよりよほど気が利いていると思いませんか。

このようなはぐらかされたような状況にいちばん焦ったのが、当の「恐怖の大魔王」になりそこなったISILです。

佐藤優氏がISILは日本にエージェントを置いて、国民の反応を報告しているはずだ、と述べていましたが、くだんのエージェントはこう報告したはずです。

「日本国民は、アベの強面とシャレで返してきている。若い奴らと来たら、パニックになるどころかKUSOKORAで遊んでいやがるが、シャルリみたいに反イスラームではないので怒るに怒れない。オレも笑っちまったぜ。
おまけに政府の対応には6割以上が支持を表明しているし、唯一のわれらの味方のマスコミだけは盛んに政府不信を煽ってくれているが、その煽動は不発のようだ。野党も共産党まで大人しくしている。オーノー、世界各国どこでも成功した自慢の情報工作は失敗した。なんだぁ~、このニッポンって国は(悲鳴)」

もちろん彼らのバーチャールぶりが「ISILに勝った」などと大げさに言うつりはありませんが、ISILの恐怖の洗脳がこの島国ではゼンゼン効かなかったというのは事実なようです。

また、湯川氏の父親の、まず息子がかけた迷惑を詫びて、救助活動に当たった政府に感謝するといった他国ではなかなか見られない日本的美徳も、国際的には高く評価されました。

このような日本人の無意識の集合意識が、ISILに対する強いメッセージとなったような気がします。

かくして、日本を脅迫する路線は急遽変更され、ヨルダンに標的が向いました。今度はヨルダンを日本との間で板ばさみにして、対テロ戦争の一角から突き崩すことです。

このような構図の変化の中で、状況は推移しています。日本人は冷静であり、イッちゃっているのはごく一部です。

落ち着いてISILを追い詰めていきましょう。絶対に後藤さんは帰って来ます。そして湯川さんのご遺体も。

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コメント

元々どぎついシャレは、裕仁有罪や安倍ヒトラーのようにサヨクのお家芸だったと思っています。

湯川さんが肉になったとか問題作もありますが、日本国民は打たれるだけでなくなり、右から打ち返すようになってきたのが大きな転換点と感じます。
朝日新聞などは、自分達が今まで散々打ちまくっていたのを棚に上げて、本当はカウンターの筈の行為をヘイトとレッテル貼りして我々を批判します。

仕事の空き時間にひるおび!をよく観るのですが、TBSのくせに言っていることが自分と同じで驚きます。
あれは○○○の手先だったのでは? もしかしてその○○○が親日に転換しているのでしょうか?

そうすると、テレビを観ているだけでは巨大なうねりと思うような反安倍やI am Kenjiも、実は局地的な現象が誇大広告されているということなのですね。

 秋田では圧倒的シェアを誇る秋田魁新報では、いまだに石堂順子さんが写真付きで載りますが昨日の記事が面白い。「首相に、福島瑞穂を仲介者にして面会を申し込んだが、断られた」そうです。
なんか、ギャグなのかなぁ。

仙さん。
秋田魁か…面白すぎ(笑)
あそこはかつて東北各県でも有数の独自性で話題で脚光を浴びてたんですが、とある事件があるまで。

東北って、圧倒的に地元紙が強いですよね。
秋田魁・山形新聞・岩手日報・とか。地方公務員は、必ず購読してないと人でなし扱いみたいな。
河北新報もそうですね。どうせ大した中身無いのに。

真っ先にネットメディア発信で最近頑張ってるのが青森の東奥日報。

1紙過占してない福島だけ特殊。競馬欄の充実が半端無くて、それで部数が左右される土地柄(笑)

日本の風刺画(?)で最高傑作は、「日本鬼子」でしょうね。
あれは誰も傷つけていませんから。

歪な平和主義がこんな方向に開花したのは奇跡だと思っています。

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