週末写真館 湖畔の神社に行ってみた 仏風刺新聞襲撃事件の雑感
土曜日というのは連載とは関係なく、なんでも書ける日ということにしてあるんですが、なかなかそういかないんですなぁ。
私のブログは、一週間を単位にして2週、ときには3週続くことがザラです。ま~よ~やるよと、私自身思う時があります。そんなに粘着質のキャラじゃないと思うんだけどな。(笑)。
今回のフランスの襲撃事件など、マスコミの余りに薄手な論調に呆れました。<言論の自由vsテロ>という日本人にとって分かりやすい回転焼き論説なんです。
「言論の自由」とか「自由主義社会への挑戦」という回転焼きの型が既にあって、そこにニュースを流し込んでちょっと焼けば出来あがり。
あとは、ホームグロウン・テロだったことを移民問題に絡ませることくらいかな。
でもこれじゃあ、「どうして風刺週刊誌が標的にされたのか」、という肝心なことがわからなくなります。
あのテロリスト3名が狙ったのは、あくまでも風刺週刊誌と、ユダヤ人のスーパーなんですよ。国家機関や米国関連の公的施設じゃありません。
だから、反ユダヤ主義に抗議して、イスラエルのネタニエフ首相もデモに参加したわけです。
あとのドイツなどのEUの首脳がデモ参加したのは、もちろん国内に等しく移民問題を抱えていることもありますが、「イスラム国」(IS)に対する戦争をしている対テロ有志連合国だからです。
カナダ、オーストラリアと続きましたからね。次は自分の国だという恐れが、EU諸国首脳の脳裏をよぎったのでしょう。
同じく、ヨルダン王室が参加したのも、ISの中東最大の攻撃対象がヨルダン王室だからです。
オバマさんがなぜ来ないと叩かれたのは、対テロ戦争の呼びかけ国だったのに、通り一遍のステートメントでお茶を濁してしまったからです。
ま、あの人こそ、オランドさんやメルケルさんと腕を組んでシャンゼリゼを行進すべきでしたね。
とまぁ、各国それそれの思惑があるわけで、これを一括して「言論の自由に対しての国際連帯」などと言ってしまっては、何も言ったことになりません。
オバマさんが行かなかったことを謝ったので、じゃあうちの国もダメじゃんというアホな論調も出たようですな。
うちの国の首相が、墓参りに行っていたとか、永田町でラーメンを喰っていたなんて批判しているメディアがあるみたいですが、うちの国は対テロ戦争参戦国じゃないし、イスラム世界ともネタニエフさんとも仲良くやっているという世界で希なるスタンスの国なんですよ。
いわば「積極的あいまい外交」が、日本の外交上のアドバンテージなんですから、行かなくて当然なのです。
パリのデモに行ったら、イスラム諸国(ISじゃないですよ。ああ紛らわしい名をつけやがって)からどのような目で見られるか分かりきっていますからね。
今、時期が悪いから黙っていますが、イスラム諸国内部では、フツフツとあの風刺新聞への怒りが充填されているはずです。
というふうに、フランスと同じ移民問題が煮詰まっているドイツや北欧で起きずに、フランスが標的になったのは、あくまでイスラム冒涜の風刺新聞だったという事実に戻らねばわからなくなるんです。
そしてなぜ、デモなどでの憎悪表現が厳しく規制されているフランスで、風刺新聞のみがその枠外なのか、なぜ、それが基本的人権の一部のように考えられているのか、それを探ってみたかったわけです。
というわけで、来週も続けますんで、よろしくお知恵をお貸し下さい。皆さんのコメントが質が高いので助けられています。
写真はクリックすると大きくなります。
« 「言論の自由」は守られねばならないが、それは正さの証明ではない | トップページ | ISに憎悪の水と肥料を与えるな »
「写真館」カテゴリの記事
- 日曜写真館 桜堤で朝食を(2019.04.07)
- 日曜写真館 蔵の街に迷い込む(2019.03.31)
- 日曜写真館 里の春(2019.03.17)
- 日曜写真館 記憶の村(2019.03.24)
- 日曜写真館 昭和の街角(2019.03.10)
コメント
« 「言論の自由」は守られねばならないが、それは正さの証明ではない | トップページ | ISに憎悪の水と肥料を与えるな »
何と心洗われる写真の数々!
ありがとうございます。
投稿: | 2015年1月16日 (金) 22時07分
写真見て心が落ち着きました。たまに神社に行くとなぜか心が落ち着くのはなぜなのでしょうか。きっと日本人の遺伝子に神様と神社は組み込まれていると思います。
話変わりますが、沖縄の与那国島で自衛隊配備めぐり住民投票が行われるとネットに出ていました。
しかも帳票には中学生と永住外国人にも与えられるという恐ろしいことになっているようです。
首長選挙により民意は示され自衛隊配備が決まっていたのに野党により住民投票に持ち込まれたようです。
何とも恐ろしいことだと思います。
中国の魔の手がここにも及んでいるようです。
こういう条例を廃止しないと民主主義の崩壊を招き外国人(中国・朝鮮)に乗っ取られます。
投稿: 先人の名誉を護り隊 | 2015年1月17日 (土) 09時42分
ISやタリバン等による、惨く、目を覆いたくなるような、この21世紀の文明社会で本当に行われてるのだろうかと思えるような蛮行を容易にネットで観て、知ることができます。
そのような惨い蛮行の多くが「アラー」の名の下で行われているのです。
フランスの週刊誌による挑発も、よく一般に利用される「理解」が適用されてもよさそうですがね。
投稿: 由紀子 | 2015年1月17日 (土) 13時01分
「由紀子」さん。月曜日に記事でお答えしますので、しばらくお待ちください。
投稿: 管理人 | 2015年1月17日 (土) 14時40分
由起子さんねえ。
日本やヨーロッパ的価値観の先進国に住む我々がむしろ世界的に見て特殊なケースなの。
野蛮とか卑劣とか言うのは簡単だけど、ムスリムから見たら許しがたい行為だということ。
言論や表現の自由は無制限ではありません。
日本ですら、極右や極左の過激のグループやオウムのような狂信的団体が度々テロ事件を起こしては犠牲者を出して来ていますよね。
「話し合い」や「討論」で全て解決できるなんていうのは理想ではありますが、価値観が根本的に違う連中には通用しません。
そして、そのような優越的な価値観の考えこそが今回のシャルリ・エブドの悲劇のような事件に直結しているのですよ。
投稿: 山形 | 2015年1月17日 (土) 15時30分
由紀子さん。
あなたの引用したヴォルテールの名言は、自分も賛成だし管理人さん山形さん他多くの訪問者・日本人も同感なはずです。
しかし、現実はそう思っていない人達が血で血を洗う争いを繰り広げています。
彼等にとっては、我々にとっての金言が通用しないのです。
そんな現実に対してどうしたら良いだろうか、という非常に難しい問題です。
どうあるべき、と言うだけでは解決しないのは確かです。
ではどうしたら?? ですが。
今回の安倍首相の中東訪問が解決の糸口になるかどうか。
個人的には、麻生元首相の進めていた、「まずは雇用」。現地で人々に仕事を作っていけば、テロ組織に入る若者が居なくなって平和になります。
安倍首相がその方向で頑張ってくれるか、その力があるかどうかに掛かっていますが、それを邪魔する強大な勢力があるので難しいと思っています。
投稿: プー | 2015年1月17日 (土) 22時14分