見えてきた植村氏サイドの戦略
1月9日、植村氏が外国特派員協会で、この訴訟についての記者会見をしました。
訴状の内容は、もう言い古された植村氏の矛盾に満ちた弁明にすぎません。このブログでも月刊文藝春秋1月号手記をしっかりと読んで論評した内容をそのまま、なんの注釈もなく繰り返しています。 (欄外参照)
23年間逃げ回り、やっと文藝春秋1月号に手記を乗せたと思ったら、「言論を守れ」と言いながら、言論で戦うのではなく訴訟。
しかもまず迷惑をかけた日本国民に対しての説明責任を果たすのではなく、真っ先に外国人に向って対しペラペラしゃべっています。
彼は今までも、ハンギョレ新聞や朝鮮日報、NYタイムスなどには積極的にインタビューに応じていますが、TBSのようなヨイショメディアを除く日本のメディアには一切応じていません。
唯一の例外が、長文の反論手記を掲載してくれた文藝春秋でしたが、今回それを訴えているんですから、話になりません。
普通、自分の反論文を乗せてくれたメディアを、翌月に訴えますかね。非常識な人だ。
よほど、メチャクチャな改竄を編集段階でされたとか、ひどいコメントをつけられたとかいうならともかく、文春は実に公平で紳士的な対応を、この長年の論敵に対しています。
まぁ月刊の編集部は怒るだろうが、週刊誌のほうは大喜びでしょうがね(苦笑)。
西岡力氏に至ってはどんな団体にも属さない、在野のt韓国近代史研究者にすぎません。植村氏のような「大朝日」の金看板でジャーナリストをやっていたような、メディア貴族ではないのです。
彼が最初に外国特派員協会に駆け込んだことで、植村サイドの戦略が見えました。
第1に、この問題を再度外国に持ち出して、外圧利用すること
第2に、慰安婦問題の歴史検証を、「良心的ジャーナリストへの迫害事件」にすり替えて人権問題にすること
第3に、彼の批判者を一括して歴史修正主義者としてネオナチ扱いすること
以上については追って詳説します。
まず自分に厳しいことを聞いて来そうなメディアはシャットアウトし、慰安婦問題に暗く、自分を受難者扱いにしてくれる海外メディアには好意的に露出するというわけで、なんとも甘ったれた「戦うジャーナリスト」です。
さて、朝日第三者検証委員会報告書が出たことによって、国内ジャーナリズムにおいては、歴史検証レベルとしてはほぼ白黒決着がついてしまっています。
しかし残念なことに、海外メディアの認識にはいささかも変化はありません。
これについて朝日新聞第三者検証委員会報告書は、こう述べています。http://www.asahi.com/articles/DA3S11520773.html?iref=reca
「今回インタビューした海外有識者にしても、日本軍が、直接、集団的、暴力的、計画的に多くの女性を拉致し、暴行を加え、強制的に従軍慰安婦にした、というイメージが相当に定着している。(略)
しかし、韓国における慰安婦問題に対する過激な言説を、朝日新聞その他の日本のメディアはいわばエンドース(裏書き)してきた。その中で指導的な位置にあったのが朝日新聞である。それは、韓国における過激な慰安婦問題批判に弾みをつけ、さらに過激化させた。
第三国からみれば、韓国におけるメディアが日本を批判し、日本の有力メディアがそれと同調していれば、日本が間違っていると思うのも無理はない。朝日新聞が慰安婦問題の誇張されたイメージ形成に力を持ったと考えるのは、その意味においてである」
このような誤った海外のイメージ形成について、植村氏の責任は重大であるにもかかわらず、それについてのひとこともなくただ「捏造記者といわれたのは名誉毀損」でとおるはずもありません。
海外メディアに対応するなら、まず自らの誤りを誤りとして認めた上で、自分の身に降りかかった「迫害」を糾弾すればいいのです。
それを都合の悪いことには口をつぐみ、自らを「言論の自由を守る良心的ジャーナリスト」と装う、その厚顔無恥が卑劣です。上の写真はNYタイムス(14年12月2日)ですが、見出しには、「日本の右翼勢力が新聞を攻撃して戦争責任を書き換えさせている」と書いています。
この中で植村氏は、取材に対し、河野談話を見直そうとする安倍首相や政治家たちについて、「彼らは脅迫によって歴史を否定しようとしている」「われわれをいじめてだまらせようとしていると、安倍政権が彼を迫害しているかのような主張をしています。
植村氏と支援者たちは、この国内と海外の温度差、あるいは隙間をついています。
この外国特派員協会の記者会見でも、記事内容についての質問はまったくなかったそうです。
逆に、おそらく国内メディアならば、荒のような質問責めにあったはずです。
外国特派員の多くは、慰安婦問題など満足に勉強しておらず、「極右歴史修正主義政権と闘う正義の記者」にしか関心がないのですから。
外国にありもしないことで火を点けて回り、都合が悪くなると、再び外国に頼ろうとする、そういう姿勢そのものが問われているのです。
特派員協会でまず大々的に記者会見することで、また上のNYタイムスのような記事を沢山書いてもらい、「ほら見ろ。国際社会はお怒りであるぞ」と水戸黄門をやりたいのでしょう。
国連人権委に慰安婦を「性奴隷」だとして持ち出した戸田悦朗弁護士、同じく国連人権委にヘイトスピーチを提訴した有田芳生氏。
どうして揃いも揃って日本のリベラルは、いつまでたっても<外圧>頼みなのでしょうか。
外国が怒っている、外国が懸念を示している、外国が憂慮している・・・、骨絡みの植民地根性と排外主義です。
日本のリベラル(左翼)が、その誕生において外来のマルクス主義の洗礼を受けて誕生したために、いまだに自らの足元の土着を蔑み、外来思想を最善としてしまう体質が抜けきらないのでしょう。
本来国内問題でしかないことを、国外に持ち出すことで、<外圧>を使って自国の世論や世論に圧力をかけて、自分たちに有利なように解決しようとします。
先生に言いつけやる、といわんばっかりの育ちきらない子供のようなやり口ですが、それなりに効果的でした。
彼は特派員協会で、「自分を愛国者であると思っている」と言っていたそうですが、久しぶりに大いに笑わせていただきました。
植村氏が「愛国者」なら、吉田清治も「愛国者」でしょうよ。
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■植村氏の主張
①当時の韓国では慰安婦を指す言葉として「女子挺身隊」が用いられていた
②キーセン学校に触れなかったのは、慰安婦になったことと直接関係がなかったためだ
③植村氏の義母が、元慰安婦らが日本政府を訴えた裁判の、韓国の支援団体幹部であったこと、そして氏が結果的に裁判が有利になる捏造記事を書いた事実はない。
※後半は長いのでカットしました。毎度すいません。みんなからお前のは長すぎる、といわれているもんで。
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コメント
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大学に脅迫電話をするような大馬鹿者たちのお陰で、
リヴィジョニスト対孤高のジャーナリストという図式に段々なりつつあります。
こういう詐話師にとっては願ってもない助け船となってしまった形ですね。
腹立たしいというか何と言うか、
日本を貶める行為という意味では全くの同類ですな。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2015年1月12日 (月) 23時52分