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2015年1月24日 (土)

IS人質事件 自己責任論について

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まだ進展はみられないようです。おそらく、水面下の交渉かトルコなどの国を介して続けられていると思われます。 

十数年たってからしか表面に出ないことが、話合われているはずです。たとえば、ヨーロッパのある国がとったといわれる方法はこうです。 

ある周辺国に対して仲介を求め、その国が捕虜にしているIS戦闘員と人質を交換します。そしてその代償にその周辺国に対して「開発援助」という形でお礼をするという方法です。 

あるいは、直接に周辺国の要人に「お礼」をすることも、あっても不思議ではないでしょう。 

いずれにしても、誘拐が産業化している諸国においては、その手練手管は沢山あるようです。 

しかしわが国では人質事件が起きると、圧倒的多数の国民の静けさと裏腹に、おかしな人達の乱舞が見られました。 

「2億ドルの民生援助を止めて、人質を返してもらえ」と叫ぶ「あの」参議院議員が出たり、誘拐犯の代弁者まてもが堂々と登場して、「ISと口をきいてもいいですよ」とのたもうたりしました。

山本タロー君が言う分には驚きませんが、元防衛官僚の柳澤協二氏が、「安倍、お前が辞れば解決する」と述べたことにはさすがびっくり。(岩上さんのhttp://iwj.co.jp/wj/open/archives/226466

こんな人物が第1次安倍・麻生政権時の元官房副長官補で、しかもあろうことか、危機管理担当だったというのですから、大笑いしました。

この人は尖閣に中国が進攻したら、きっとこんなかんじだったんでしょうね。

「大変です、首相!中国が進攻を開始しました。直ちに・・・」
「直ちに自衛隊を出動させるんだね」
「いいえ、首相がお辞めくだされば、中国様のお怒りが鎮まるかと」
♩チャンチャン

コントだね、こりゃ。こんな人が防衛省事務次官になるところだったんですから、まぁなんというか、かんというか。

さて、ひとつだけキッチリさせておいたほうが、いいことがあります。自己責任論です。 

一昨日、芥川賞作家の平野啓一郎氏がツイッターでこんなことをつぶやいていました。 

「スポーツなどで国際的に活躍すると、『同じ日本人』として思いっきり共感するのに、紛争地帯で拘束されたりすると、いきなり『自己責任』と言って突き放してしまう冷たさは何なのか」 

なにを言っているのでしょうね、この作家。冷たい、優しいという気持ちのあり方の問題でもないし、そもそもスポーツとテロを一緒にするのですから、この人の頭はどういう仕組みになっているんでしょう。 

もちろん、民主主義国家においては、国は国民の保護義務があります。それは国家主権の中に、領土の保全と並んで、国民の保護が大きく位置づけられているからです。 

だから、どんな状況においても国家は、国民を助けようと努力します。それが当人の馬鹿げたことことの結果であれ、仕事上のことであれ、救出をしようと努力します。 

人質交渉はしないと宣言している米国でさえ、人質救出作戦を特殊部隊に命じています。 

イスラエルに至っては、ミュンヘンオリンピック・テロの後に、世界各地に逃亡したテロリストを特定し、ひとりひとり殺して廻る「神の怒り」作戦を実施しています。 

先ほどのヨーロッパ諸国の手練手管以上に、日本には異次元の話に聞こえるでしょうが、こんな手段を使ってでも自国民を守ろうとするのが国際社会なのです。 

わが国ではすぐに「憲法違反だぁ」という声が飛んできそうですね。

それはさておき、自己責任というのは、切り分ければ3種類のカテゴリーに分類できます。 

ひとつは、御嶽山の噴火のように、予知不可能な状況で不運にも遭遇してしまったケースです。このケースに対して自己責任だろうというのは、いくらなんでも酷です。

また海外で紛争に巻き込まれた自国民などもこのケースで、当該国との合意の上で救助のために軍隊を派遣することは国際法で認められています。 

この第1のタイプは、無条件に国家の救助対象になります。

第2に、その事故の負傷者の救助にあたった警察や自衛隊の人達が事故に遭遇した場合はどうでしょうか。これも自己責任とは言いません。 

任務で命令されて危険な場に赴いたのですから、自己責任を問うてはおかしなことになります。

第2のタイプも無条件に救助対象です。

第3に、噴火が既に起きていて、入山禁止措置が取られているのに突撃取材して死亡したらどうでしょうか。 

これは、危険を知り得て自らの判断で、遵守規制を破ってしまったのですから、自己責任に該当します。 

今回のケースは考えるまでもなく、完全に第3のケースです。

後藤氏は、自ら「これからイスラム国の支配地域に入ろうと思います。全ての責任は自分にあります」と潔いビデオメッセージを託して、シリア領内に向いました。 

戦場ジャーナリストとして、しっかりとした職業倫理を持った方です。頭が下がります。 

一方、湯川氏は「民間軍事会社」という触れ込みで、シリア領内に出向いて人質になりました。 

民間軍事会社(PMSC)は、民間会社でありながら国家と契約して、軍隊の業務の代行・支援をする組織です。

銃器で武装しており、国際的には「傭兵」として扱われています。傭兵を助ける義理は国にはありません。

ちなみに、日本では設立そのものが認められていません。 外国法人にするしか方法はないはずです。

湯川氏は軍事訓練の経歴もなく、シリアの下調べも杜撰であり、幻想と現実の境を間違って渡ってしまったのでしょうね。

気の毒ですが、まことに愚かで,当人は「傭兵」のリスクを知らなかったと思われます。

Photo_5

※追記 湯川氏の映像が出ました。どうも銃を持ってISくいの勢力圏に越境してしまったようです。戦闘員として認識されて捕えられても、まったく弁解の余地がない行為です。(1月30日)

後藤氏に対しては国は救助対象とするでしょうが、湯川氏は本来、国家の保護対象外でしょう。 しかし、わが国はどちらに対しても等しく、できる限りの手を尽くそうとしています。

救出に奔走している政府関係者の尽力を思うと、絶望的な状況とはいえ彼らの努力が報われて、人質が生還されることを祈ります。

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コメント

なんなんでしょう、この作家さん。テロ被害拉致とプロスポーツの融合で新たなエクストリームやる気でしょうか(笑)
ま、それは冗談として、スポーツだって代表(サッカー負けちゃいましたね)なんか、しょっちゅうバッシング受けるんですが…。

ネットに吹き荒れる「自己責任論」の嵐、なんて書き立てる「作家」「文化人」「コラムニスト」やメディアがありますが…
吹き荒れてませんって!ごく一部です。
香田君殺害や、救出してもらったのに懲りないオバチャンたちの時は凄かったですが、2ちゃん界隈を見ても今回はおとなしいもんです。

彼らはいったい何を見てミスリードしたがってるんでしょう?
すぐにバレてるのに。

ちなみに、昨日のあのお母様は日本ユニセフの方だそうです。

連日報道ステーションネタでごめんなさい。

昨晩は番組途中から見始めたんですが、まあひどいこと。(笑)
元経産官僚の古賀茂明氏がパネラーとして出演されてましたが、
この人もはや極左ですな。
殆ど言いがかりに近い内容でしたが、
安倍総理が本当は空爆や武器供与をしたがってるとかまでいう始末。
終いには「I am not Abe」のプラカードを持ってデモですって。
この人ホント大丈夫?

いやいいんですよ。
一国の宰相や政権に対して自由に批判や反論が出来るというのは
国家が健全な証拠でしょうから。
でもね、それって今やるべきことでしょうか?
今は総てを二人の解放に注力するべき時であって、
政府や安倍さんの失政を論うのは、
この事件の解決を見た後でも全然遅くない筈です。
結局この人は、今回の出来事を安倍批判の道具に使っているわけで
卑劣極まりないとしか言いようがありません。

当初我が意を得たりとばかりに耳を傾けていた古館氏も、
さすがに最後は引き気味だったのが笑えましたけどね。

期限から一晩、竜頭蛇尾の様相を呈してきました。
ISのやっつけ仕事という印象が強まってきています。

身代金を貰えるなんて最初から思っていなかったようです。
そのためには人質の安否確認は絶対条件、それなくして交渉の進展などありません。

安倍首相の中東歴訪のタイミングで腐った(!)カードを裏返しに切って嫌がらせをしてみた、という程度ではないでしょうか。

そして、日本国内での(一部の)派手な騒ぎぶりから考えると、彼等にも繋がりがあったのではないかと推察します。


右翼も左翼も大嫌いさん。
全くねえ…。

救出成功したら「国際社会を裏切って裏取引をやった安倍政権」
失敗したら「人命軽視で国民を守らない安倍」
と、どっちにしても批判することでしょう。
「バカに付ける薬は無い」の典型ですよ。


プーさん。
その通り。真面目に交渉する気などISには無いですよ。乗って来やがったら儲けもんって程度。
それでも全力で解放に向けて努力するのが日本政府。
グダグダと安倍批判する連中や、政治利用しようとする連中や政党は性根から腐ってます。
まさか後藤さん当人の母親や、「被害者の正義の味方」であるはずの日弁連までがこの調子。
実に嘆かわしいです。

非常に挑発的行動な上挑発的事後演説
さらに2CHでは
9条9条と用意してた様にネトサポに騒がせて
あからさま過ぎたと反省してか少し引いた
これらからすると

1:挑発する
2:テロを起こされ日本人が殺される
3:日本人にショックを受けさせる
4:9条を好きなように改正&再軍備化(予定されたショックドクトリン)


1:と2:は繰り返して増幅させる
日本は4:を目的とした確信犯的行動

シカゴの会頭が着たときに指示されたことなのだろう:彼の目的はイスラエル側の手駒を増やす


管理人様、皆様、こんばんは。

先程既にお一人殺害されているとのニュースが流れていました。誤報であることを祈ります。

さて、本題とはまるで関係ないことで、恐縮です。
>法律にすぎない憲法のほうが
と書かれていますが、あくまで講学上の話ながら、これは正しくないです。
(単なる書き間違いでしょうか)

「法律」と言えばそれは「国会で可決されることによって成立する成文の法形式」のことを言います。
憲法は、国会(議会)で可決されたものではない(と言うか国会で制定すべきでない)ため、法律の定義からは外れます。

そして、憲法は国家の最高規範とされ、法律の上位概念となります。

こういうことも踏まえているから、だから何かあると「違憲、憲法違反」を騒ぎ出す人たちが出現するわけです。
確かに、国家権力をどうやって制限するかが近代以降の立憲主義の重要な課題だったので、それはそれで構わないのですが、ちょっと融通が利かなさすぎて鬱陶しくなることがあります。
ヤンキーが先生の言うことを聞かず、校則も守らないことがあるように、「憲法上こうなっているだろ」と言っても時と場合によっては白けることはありますね。

それにしても。
「自己責任」のツイッターの件は、噴飯物ですね。
40過ぎた中年の男が、誰かに頼まれたわけでも強制されるわけでもなく、ましてや2人のうち1人は何があっても責任は私にある、と予め宣言して渡航したというのに、これのどこが「自己責任でない」と言うのでしょうね。
スポーツにしてもそうですが、結果なり何なりに当然あるべき毀誉褒貶が伴っているだけです。
「自己責任」と突き放したからって、別に大それた政治的な背景なんてないんですけどね。

以上、お目汚し失礼いたしました。

こまQさん、仰せの通りです。当該の部分は本題と関係ない上に、舌足らずで滑っていますので、削除いたします。

キチンと書けば、憲法は国家に対する権利憲章で、法律は国民に対しての法的制約です。したがって、憲法は六法の上位法です。「法律」という漠然とした表現は正しくありませんでした。

私が言い語ったのは、いずれにしても、憲法9条の文言が大事なのか、それとも国民保護が大事なのかという意味でした。
憲法議論は、そのうちしっかりとやるつもりです。ご指摘、ありがとうございました。

すみません、本来コメント欄に質問すべきことではないのかもしれませんが、もしよろしければ、お教え下さると幸いです。
"中田考はハッサン中田という別名を持ち、シャミール常岡などと同じに、確信犯的なIS、あるいはアルカーイダの準メンバーです。"
とありますが、ISILとアルカイーダとは近縁組織なのでしょうか?
ISILとアルカイーダとは反目しあっている、もしくはライバル関係にあるというような言質をネットの何処かで目にした記憶があります。(記憶が曖昧ですので、私が単に勘違いしているだけかもしれません、その場合はすみません)
あるいは、中田氏がイスラム系の過激派であれば節操無く取り入っている、ということなのでしょうか?

あいうえおさん。ISILの前身は、ビン・ラーディンの死後を継ぐ「狂気のテロリスト」とまで言われたザルカーウィ率いる「イラクの聖戦アルカーイダ」(AQI)です。

つまり、ISILは元来がアルカイダに所属していたテロリストたちか作った分派です。リーダーはアブバクル・バグダディです。

えてして、本流と分派の関係がそうであるように、分派は本流が手ぬるいと言って別れたわけですから、さらに過激です。

似た関係がグリーンピースと、その暴力的分派のシーシェパードにもあります。SSのワトソンは元グリーンピースの幹部のひとりでした。しかし今は、このふたつの組織は犬猿の仲です。

ISILに対してアルカーイダは、ネットで人質を斬首する映像を流すなどの残虐さをイスラーム法にそぐわないと強く反発して、現在は袂を分かっています。
ただし、下部の戦闘員レベルでは入り乱れているようです。

中田某がどちらに属しているか、あまり関心はありませんが、自分はISILの司令官と仲がいいと言っているようです。

早々に丁寧に教えて頂いて恐縮です。たいへんよくわかりました、ありがとうございました。

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