与那国住民投票条例を考える
西川農水大臣が辞職しました。当然でしょうね。賄賂性が疑われるだけに、そもそも西川氏を任命するべきではありませんでした。
西川氏が任命されたのは、TPP交渉において農業界の利益代表でありながら、まとめようとした点を買われたのでしょう。安倍さんは「族を以て、族を制す」が、お得意ですから。
まぁ私としては、JA改革もTPPにも懐疑的ですので、西川氏みたいな泥臭いキャラにうまくまとめられるよりも、まともな議論が可能な分、林氏のほうがありがたいですがね。
さて、しょせんといっては語弊がありますが、このような国内の業界団体や、あるいは小渕氏のように地元支持者が背景にある「政治とカネ」のケースはある意味、単純です。
金をもらうのも、渡すのも共に日本国民だからです。
むしろ、おとといから見てきたような「第2次日韓密約事件」のように有力政治家が「外国の代理人」となってしまったり、民主党か進めていた外国人地方参政権付与などのように「民意」に外国人を介入させることのほうが、はるかに危険です。
それは主権の間接的侵害行為を許すことだからです。これを放置すると、気がついてみれば、いつの間にか国会や政府、あるいは地方自治体が外国政府の強い影響下に置かれてしまうことになります。
外国人の「民意」は、日本国の主権者の「民意」にはなり得ません。憲法が定める国民主権原則に抵触してしまうからです。
まず、外国人はわが国と違って、自らが属する国家に忠誠義務を持っています。むしろこれが世界の常識で、特にそれを問わない日本のほうが世界では極少派です。
たとえば韓国憲法には、国防が国民に義務づけられていて、徴兵制度が敷かれていますし、中国憲法にも似た有事における国民の忠誠義務があります。
したがって、日本と韓国の国益が対立する場合、日本に在留する韓国人や中国人はこの忠誠義務に従って行動することが義務づけられているわけです。
日本と韓国、あるいは中国の国益が対立する事態の場合、もし参政権やそれに類する住民投票権を与えた場合、彼らに踏み絵を踏ませることになります。
つまり、「諸君らは住んでいる日本を選ぶのか。あるいは、祖国に従うのか」という難問をつきつけることになります。
これがいかに危険な問いであるかを考えさせられることが、つい先だって与那国島でありました。
与那国において、陸自の監視部隊配備についての住民投票がありました。結果は、ご承知のように過半数が賛成で、良識が示されたというべきですが、問題が山積した事件でした。
まずは与那国島の場所を確認してください。中国の侵犯行為が盛んな尖閣諸島にも近く、しかも中国が奪還を明言している台湾とはまさに目と鼻の先です。
条件が揃えば、台湾が見えることもあります。
おそらく、台湾有事には、台湾東側を制するために中国軍が軍事的に侵攻してくるだろうと専門家に指摘されている地域です。
南シナ海などでとった中国の手法は、漁民を偽った軍人が乗る漁船が島を襲うケースでした。
おそらく、かつての北朝鮮と見られる不審船のように、ロケット弾や自動小銃はもとより、対空ミサイルまで装備していると考えたほうがいいでしょう。
ところが島には、駐在の警官が2名いるだけですから丸腰同然。住民を守る術すらありません。ピストル2丁で、ミサイルと自動小銃をもった「海賊」と戦えというのが酷です。
島は港と船を押えてしまえば、島全体が逃げられない牢獄と化しますから、島民達はあっけなく人質に取られてしまうことになります。
侵攻した偽装漁船の「海賊」たちは、正規軍と名乗らずに正体を隠したまま政府と交渉するでしょう。
たとえば、尖閣諸島を含む宮古・八重山諸島に自衛隊を出動させるな。させれば、ひとりひとり殺して行く、などという脅迫も可能な状況となります。
ちなみに、マスコミが、今回島の反対派活動家に「中国が攻めて来たらどうするか」と尋ねたところ、「白旗」を上げる」と答えたそうです。はいはい。
沖縄官公労の皆さんは、中国軍が侵攻したら右手に白旗、左手に五星紅旗を手にしてお出迎えするのでしょうか(苦笑)。
私は特に驚きはしませんてした。沖縄で反基地運動をしている人たち固有の、「慕華思想」だからです。
彼らは、米軍と日本政府こそが唯一無二の憎悪の対象で、中国に対してはむしろ早く侵攻してくれて支配してほしいとすら思っている者が少なくないからです。
最近も、いつもの大暴れをやって、興奮した余り米軍基地に入ってしまい、警察に突き出されました。
捕まったのは沖縄平和運動センターの山城博治議長です。ちっとも平和的ではなく、毎日こんなことをしています。
(写真 辺野古ケート前で米兵相手にいつものお祭りをしている反対派。Yナンバーは米兵・軍属のナンバーです)
沖縄県警も苦慮しているようですが、揉め事を恐れて、規制しようとしません。器物破損・暴行罪で現行犯逮捕されないのがかえって不思議なくらいで 、エスカレートする一方です。
「叩き殺せ」と蛮声を張り上げて、大音量のトラメガでガナりまくり、ゴミを投げてやりたい放題です。
彼らのヘイトスピーチとヘイトアクションの狂態は、こちらに動画があります。ゾンビーみたいでこわいぞ。https://www.youtube.com/watch?v=GxfnLSEvzlg&feature=youtu.be
なお動画で自家用車の窓にトラメガをつっこもうとしているクバ傘をかぶった怪しげな人物が、今回捕まった山城議長です。
ちなみに,彼らの主力は、退職した教師か公務員たちだそうです。何を教えていたのやら。
私は「平和運動」自体は否定も肯定もしません。そのような運動が必要な時もあるからです。
しかし、今の沖縄のそれは、「平和」とさえ唱えていれば、あるいは、米軍相手なら何をしても許されると思う運動的頽廃があって、とうてい国民に広く支持されるものであるとは思えません。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-ce70.html
さて、この与那国住民投票においても、いつもの沖縄の定番的構図が再現されました。
町長が補助金目当てで自衛隊を誘致し、法外な金を吹っ掛け、それに島の官公労が例によって反対、という図式です。
ほとんど漫才の掛け合いで、誘致側は本土政府に「反対派をなだめるためにも気前よくカネ出せ」と言い、「基地はいらない」と叫んでいる反対派は、税金で島一番の高給をもらっている役人労組の皆様方ときています。
地元紙は、「アベ政権の強硬策か招いた島の分断」としたり顔で評論しますが、なんのことはない、沖縄各地にころがっている「地域資産としての基地が必要派」と「反基地は資産派」との間の、いつもの馴れ合いバトルにすぎません。
というわけで外間町長は、借地代 として10億円(!)を要求しましたが、国が提示した額は1億5000 万円だったそうです。この欲深親父め(笑)。
自衛隊駐屯地を「迷惑施設」呼ばわりしたのだから、あきれてものが言えません。
と、ここまではいつもの基地をめぐる馬鹿騒ぎなのですが、今回大きく今までと異なったのは、法的根拠のない「住民投票」にかけて「民意」を問うという手法と、この投票資格に子どもと外国人を入れたことです。
そもそも、外間町長も認めるように、安全保障は国の専管事項ですから、地方自治体が「住民投票」すること自体がナンセンスです。
どのように投票結果がでようと、国としてはスガさんがいつもの冷淡な顔で言うように「粛々と配備を進める」しかありません。
次に、与那国島「投票資格者」の要領に、以下の一項があることです。
「第6条 4 本町に住所を有する中学生以上の日本国民で、その者が係る本町の住民票が作成された日(略)から引き続き3月以上本町の住民基本台帳に記録されている者」
「第6条 5 中学生以上の永住外国人で引き続き3月以上本町に住所を有する者」
おいおいです。永住外国人に投票権を与えて、自衛隊の配備にイエスノーを決めさすのか、ということです。
もしこのように「外国人が投票権を持つ住民投票条例」が、全国各地で可決された場合、事実上の外国人参政権付与と同じか、あるいは焦眉の課題が選ばれるだけに、むしろこちらの住民投票条例のほうがより危険ですらあります。
とりあえず今回は、島の良識というより常識が勝った形ですが、今後このような地方自治体の住民投票条例をまねないことを望みます。
それは行き過ぎた民主主義で、憲法違反ですから。
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コメント
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まず何よりこれは茶番劇。
住民投票などなんの法的拘束力などないし…それこそ「護憲派」の皆さんはどう見るやら。
辺野古…
すごいですね。帽子・タオルにグラサンで顔隠して「お前酷いぞ!」「引きずり出せ!」とか、もうヤクザ+街宣右翼+極左活動家を足したようなタチの悪い『平和運動家』(笑)。
クルマ凹んだりした分はちゃんと修理代請求しましょう。
で、今回は敷地に立ち入って逮捕されたと。法治国家では当たり前です。小さいガキなら「コラーッ!」と怒鳴られて退散するだけで済むかもしれませんが、いい大人がやったら言い訳できません。
さらに翁長知事が「不当な過剰防衛で遺憾だ」などと言う始末。
自分の家の敷地に明らかに悪意のある人間が入り込んでガナリ立てたら…当然逮捕でしょうに。
昔からよく「日本は島国だから外国(欧米)の常識が通じない。ニコニコ頷いているけど腹の内は分からない」なんて批判されると耳が痛いんですが、
沖縄って、それこそ島の中だけの特殊な論理で行政・マスコミと、煽られた「民意」とやらで動いているんだなぁ、と思います。
さらに本土のマスコミも、反対住民に対する政府の非道っぷりばかり報道する。
全く腐ってます。
それこそ近隣某国の手先なんだと言われないと説明がつかないですね。
活動家・マスコミ含めて、まるで熊本のオウム施設がガサ入れされた時のわざとらしい「痛い痛いよー!」を思い出します。もはや宗教ですな。
投稿: 山形 | 2015年2月25日 (水) 08時41分
住民投票、恐ろしいですね。
今回は保守派が勝ちましたが、永住外国人側にとっては引っ越しの票読みが出来たとも言えます。
次があれば負けるでしょう。
その一方で、国防は政府の専権事項であることを強くアピールする必要がありますね。
しかしまあ、彼等の「解釈改憲」は良くて、政府の解釈改憲は許せないとか、ダブスタにも程がありますね。
投稿: プー | 2015年2月25日 (水) 08時44分