歴史探求を「学問外」圧力で決めてはいけない
植村隆氏は名誉毀損(!)訴訟以来、積極的に身内の講演をこなしています。昨日も札幌で行なったようですが、内容はいつもの「植村定食」で、「私は捏造記者ではない」の一点張りです。
4月くらいから法廷が開かれるのですから、いいかげん検証に耐えうる新事実を出したらいいと思えるんですがね、まぁ、いいか。たぶん何もないんですよ。
脅迫状などは実に卑劣で、その点はお気の毒としかいいようがないのですが、いまだ身内の支援者と、海外メディアにしか姿を表さないまま、歴史上の真実を法廷に持ち出すという姿勢が問題なのです。
歴史上の真実は、政治的圧力を用いて決着させるべきではありません。
ですから、彼を社会的に抹殺させようというような脅迫者の企みは、かえって何が真実だったのかに対して眼を塞ぐことになります。
逆に植村氏のように、日弁連の180人もの大弁後団を率いて、労組や政党などの左翼勢力を率いて法廷に持ち込むのも、筋違いなのです。
植村氏が、脅迫行為をした者に対して民事訴訟するならまだわかりますし、それはむしろすべきでしょう。あのような行為をのさばらせておいたら、よくありません。
しかしあの卑劣な脅迫者と近代史研究者として追及してきた西岡力氏や、メディアとして植村手記まで掲載した文芸春秋社まで訴えるのは、筋違いの逆上もいいところです。
本来、歴史上の真実の検証は、法廷で行なうものではなく、公開討論などの場で学問的資料を突き合わして討論すればいいのです。
両陣営の雑音が煩ければ、月刊文藝春秋あたりの紙面を借りて、秦郁彦氏や西岡力氏と誌上討論などすればいいでしょう。
歴史の専門家でもない裁判官に、歴史上の白黒をつけてもらうという姿勢そのものが、ヘンなんですよ。
というところで、後半は明日に。
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