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2015年2月 4日 (水)

「統治されない空間」から生れたISIL

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待ってましたとばかりに首相責任論が飛び出しました。似たりよったりで、ほとんどが池内恵(さとし)東大准教授のが前もって警告していたとおりをなぞっているので失笑させられます。 

そのひとつに、首相の「積極的平和外交」で対テロ支援で2億ドルを表明したために、ISILに身代金を要求させてしまったというものがあります。

昨日も参院予算委員会で、共産党・小池晃政策委員長がこんなことを言っていました。

「最近も殺戮(さつりく)を行い批判を浴びているイスラエルと軍事協力をし、そのイスラエルの首相と肩を並べ『テロと戦う』と述べることが、中東諸国の人々にどう受け止められるのかを考慮したのか。拘束された日本人を危機にさらす危険性を考慮しなかったのか」

先日も紹介しましたが、朝日のWEBRONZAには、川上泰徳氏と言う人物もこう書いていましたね。  

「イスラム国」による日本人拘束事件は、安倍首相が掲げる『積極的平和主義』によって日本人が中東で敵視される危うさを露呈させた。事件は、安倍首相の中東歴訪のさなかで、それも首相のカイロでの演説を受けて起きた」 

またハトさんの「友愛」外交のブレーンだった元外務省情報官僚の孫崎亨氏も、同様の趣旨でこう言っています。 

「今年1月中旬安倍首相の中近東歴訪がイスラム国への敵対姿勢を明確に見せたことが事件の引き金になった」  

はいはい、みんな「口実を与えた」論ですね。「アベが対テロ支援と誤解されるようなことを言ったから後藤さんが殺されたのだ」、と言いたいようです。

あの~、あえて「殺した」日本側の責任者を探すとすれば、フリージャーナリストの後藤さんに資金提供して、危ない映像を撮ってこいと教唆したTBSとテレ朝なんですが(棒)。

マジな話、このことは追々解明されるでしょうが、もし真実ならば、この2局は重大な社会的責任を負わねばなりません。

さて、この「口実を与えた」論は、中東地域に関わればすべてがISILの恣意的「口実」になりえるわけで、なんのことはない、テロリストに「お前の目つき面付きが気に喰わないから殺してやる」と言われれば、ハイありがとうございます、ということになってしまいます。 

実際にISILは、西洋的服装すらも、イスラーム法に背くものとしていますから、「シリア領内に入った朝日の記者を捕まえた。アベがスーツ着ているのは十字軍に参加した証明だ。殺されたくなかったら、2億ドル寄こせ」と言ってくるかもしれませんね(笑)。

その時もまた朝日は、「アベが口実を与えた」と言んでしょうかね。やれやれ。 

それともアベは、トンカツ喰って、ビール飲んでたろうとか、ああ、「反イスラーム」なんかキリがないや(笑)。

ただ真面目な話、イスラム教そのものは、他宗派の存在を認めて共生していますが、原理主義過激派は認めませんから、おおコワ。

とまれ、この連中はテロリストの言いがかりを丸ごと肯定するから、こんなことになるのです。

意識してかどうか知りませんが、この人たちはテロリストの代弁者をやってしまっているのです。

あ、ホンモノのISILからも同盟軍として高い評価を頂戴しているようで(爆)ちなみに、ツィートの英文左側の黒いアラビア文字が、ISILのシンボルマークです。

それにしてもISILにマーダー(殺人者」とはいわれたかねぇや。

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今回の民生支援の中身は、イスラエルに封鎖されてひどい状況になっているパレスティナのガザ地区支援だったり、ヨルダンに大量に逃げてきているシリア内戦の避難民の支援であって、これをテロリストに脅かされたからといって止めねばならない理由はまったくありません。 

まさにハトも喜ぶ「友愛」支援そのもので、この一体どこが反イスラムなのでしょう。 

確かにあえて言えば、テロリストどもには大変に不都合でしょうね。 

2014年9月の国連総会で、ISILの伸長を受けて、このような暴力的なイスラーム過激原理主義がどうして生れてくるのか、という討議がされています。 

色々な分析が示されて、どうやら共通の原因は「統治されない空間」が、彼らの悪だくみの温床ではないかという結論になりました。 

出席したケリー国務長官はこう言っています。 

「アル・カーイダから学んだことは、この過激なカルト主義を統治されない空間に放置して好き勝手に悪だくみさせてはならないということだ」 

イスラーム原理主義自体はかなり前からあるもので、エジプトのムスリム同胞団のように穏健な存在でした。 

彼らは決して暴力に訴えて体制転覆をすることを目指さず、日常の生活の仕方や社会の仕組みをもっとイスラームの教えに沿ったものに復元していこうと訴えていました。 

このムリスム同胞団のような原理主義勢力は、「アラブの春」によってエジプトを先頭として続々と政権の座につきます。 

しかしこの政権交替の過程で多くの国は内戦状態になり、原理主義過激派の武装集団が台頭しました。 

というのは、中央政府が弱体化して行政機構が完全に消滅してしまったり、複数の政権が乱立したりして、互いに戦争をしたりするようになったのです。

そのような崩壊国家においては、軍隊は賃金を貰えないので、銃を持った山賊と化したり、テロリストに武器を密売したりするようになります。

このような「統治されない空間」が、中東世界のあらゆる場所で見られるようになってしまったのです。これが、イスラム原理主義過激派の苗床でした。 

世界最凶ISILの誕生の秘密を覗いてみましょう。これを見れば、典型的崩壊国家であるイラクとシリアの瓦礫の中からモンスターが登場したことが分かります。

シリアのアサド政権は、大統領一家の宗派であるアラウィー派ばかりで政府を固めており、それ以外の宗派や反体制派を残虐な方法で弾圧していました。

これと似たことは、イラク暫定政権のマリキ首相もやっており、彼はシーア派のみを大事にし、スンニ派をいじめ抜きました。これが、スンニ派過激派であるISILの台頭の遠因になっています。

それはさておき、アサドは反体制派が奪った都市の自国民の頭上に、空軍を使って爆弾の雨を降らせるのですから、もうムチャクチャです。

ここに戦火から逃れて300万とも言われる史上最大規模のシリア難民が生れました。

そしていっそう激化する内戦から、これは単なる政権奪取の戦いではなくて「不正義の支配者に対するシバード(聖戦)だとする原理主義過激派のISILが勃興してしまいました。

下の写真は崩壊国家の14歳の少女民兵です。まだ学校に行って教科書を持つべき手がカラシニコフを握っています。実に痛ましい写真です。

このような子どもたちを救わねばなりません。それが後藤健二氏の遺志だったはずです。

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ISILは、「イラクの聖戦アルカーイダ」(AQI)から分離した過激分派です。9.11を引き起こしたアルカーイダすら手ぬるいというのですから、もうハンパではありません。

元々がイラク西部と北部に拠点を持っていたISILは、このシリア東部・北東部とくっついて一大勢力圏を築くことになったのです。

つまり、イラクで追われれば、シリア領内に逃げ込み、逆にシリアで討伐されそうになればイラクに逃げて、そこで休養や補給・訓練をした後に再び侵攻することが可能になったというわけです。

こうして、イラク都市モースルが2014年6月にISILによって陥落したことは、世界に衝撃を与え、ISILは絶頂期を迎えることになります。

なみに、どうでもいいですが、「イスラム国」の「建国記念日」は2014年6月29日です。もちろん世界の一カ国も承認していません。

また、前後してエジプトで政権に着いた原理主義穏健派政権が,クーデターで倒されてしまったたために、その失望からいっそう過激派が隆盛を極めることになっていきました。

そして、過激派の代表格であったアルカーイダすら米国によって衰退化すると、それに替わってISILが原理主義過激派の王座に就くことになります。

いまや、これに「憧れる」バカの大群を世界各地に生み出すことになります。

たとえば、先日ISILを名乗る武装集団に襲われたリビアは、いまだに選挙で選ばれた国民議会は機能しておらず、統治組織が丸ごとふっ飛んだ状況です。 

つまりここもご多分に洩れず崩壊国家であって、国家の態を成していないわけで、部族や都市ごとに民兵組織を抱えて武力闘争に明け暮れています。 

このような「統治されない空間」から、2014年10月に、「イスラームの若者諮問会議」という名前だけはまともな武装組織が誕生し、これがISILとバクダーディーへの忠誠を表明しました。 

つまり、このような崩壊国家からは、「イスラーム国勝手連」が続々生れているというわけです。 

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それがエジプトの「聖地エルサレムの守護者たち」((ABM)や、イエメンの「アラビア半島のアル・カーイダ」(AQAP)などです。 

このような「統治されない空間」をていねいに復旧していくことが、時間はかかりますが、ISIL対策としても有効です。

つまり、難民のケアをして、その中にテロリストかはびこらないような健全な状況にしていったり、食料や医薬品を援助することで崩壊した社会の犠牲者を助けることで、「統治されない空間」を少しでも減らしていこうということです。

これが日本が地道にやってきた民生支援であって、非軍事支援としては世界最大規模の支援を行なっています。

これは日本人として誇りに思うべきであって、これを「口実を与えた」として批判する人達は、どうかしているとしかいいようがありません。

■追記 拘束されていたカサースベ中尉を殺害したとISILが発表しました。焼き殺すという残虐非道な殺し方でしたでした。哀悼の意を捧げます。合掌。

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コメント

言いたいことは沢山あるけど、たぶん多くの皆様と同じだと思います。
政府批判なんぞ、バカが慌てて脱糞してる程度にしか思ってません。

カサースベ中尉に敬礼!

一つだけ不思議というか、むしろ感心してるのが、シリア政府軍が未だに継戦能力を維持していること。
どんだけ弾薬溜め込んでいて、アサドへの忠誠心が高いんだか…武器やカネはイランから入ってるとは言われてますが、そのイランが疲弊しきってますし、イラクやヨルダン経由でどうやって?と。

生きるためにはこれしかないのよ、と言いたげな少女兵ですね。

テロリストの多くは難民や失業者の成れの果てであり、これを防ぐためには仕事が必要です。
資本主義が発達して労働者が減ってしまった、という問題もあるでしょう。
しかし農業は、人口増に対応するという側面からも有力な産業と考えます。(釈迦に説法ですね)

現地で農業を振興、というのは、日本の外務省もかねてから提案しているところであり、これが現政権で実現することを願っています。


こういうサヨクの方々にとって今回の残虐非道な邦人殺害の一件も、
単なる政権批判の格好のネタでしかないんでしょうね。
そうでなければこんなに後ろ向きで内向きな意見は出てこないと思います。

今回の安倍総理による中東歴訪が成功だったのか失敗だったのか、
門外漢の私には分かりません。しかし、安倍総理自身に相当の覚悟が無ければ
出来なかったことだけは確かでしょう。
今回の行動が日本人殺害の引き金となったとやたら騒ぎ立てていますが、
既に昨年にはお二人とも拘束されていたわけで、
遅かれ速かれ同様の結末を迎えていたと考えるのが自然だと思います。
ただ座視していて事が解決するならば、何の苦労もありません。

よく役人のことなどを「事なかれ主義」として揶揄することがありますが、
それを生み出す風土というか風潮が日本にはあるのだと思います。
今回の安倍総理の中東歴訪にしても、マイナスの部分しか見ないんですね。
日本の国益となった部分の有無を分析する気なんてさらさらない。
まず結論ありきで、あとはテクニックでどうにでもできるわけです。
野党にとってはそれが仕事のようなもの(特に共産党)なので、
そんなもんだろうと納得もできますが、
多くのマスゴミの偏向ぶりにはほとほと呆れます。

話が変わりますが、北星学園にまたまた脅迫状が届いたとか。
本当に度しがたい馬鹿が多いですね。
こういうことがペテン師を利することに何故思い至らないのか。

管理人様、皆様、こんばんは。
NHKが「イスラム国」の呼称を用いないことにしたそうです。
既にご存じでしょうが、付け足しまでに。

どうもそうみたいですね。やっとかよ。トルコ政府機関が正式に抗議したみたいで、それが決定打だったみたいですね。
名古屋モスクの抗議あたりではスルーしていましたが、権威主義ですからね、あそこは。

報ステはいつまでやるんかね。いっそ完全にキイ局、主要紙がIS、ISIS、ISILに切り換えても死守してほしい、ガンバレ。

こういう呼称については、かつてNHKほど「民主的」な局はありませんでした。ひと頃まで朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)なんて神経質に言ってましたからね。
それと中韓の人名や地名をかならず原語読み表記にしていました。誰だかわかんなかったりしましたね(苦笑)。
あちら方面からの抗議には即時に応じるようですが、今回も浸透しきってからですからね。

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