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2015年2月20日 (金)

ギリシア危機の教訓 不況下で緊縮財政と増税をするな

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ユーロ側が6か月の猶予を提案したそうですが、ギリシア側は拒否していて、結論は20日のユーロ財務相会合で答えをだすそうです。

ギリシア・バルファキス財務相の提案は
①満期がくる国債の70億ユーロを返済するため6カ月間のつなぎ融資
②ギリシャの政府債務を国内総生産(GDP)連動債と交換
③基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字目標を3%から1.49%に引き下げる

ご覧のとおり、強気一本槍です。

下の写真はギリシア新政権の財務相のバルファキス氏ですが、完全にEUの足元を読み切っていて、もはや「弱者の恐喝」も伝統芸の渋さの域に達しつつあるようです。

ちなみに、新政権はいかなる公式の場でもノーネクタイがドレスコードのようで、まるでイラン政府みたいと言われています。

う~ん、EU財務相会合でもジャケットの襟を立てて、ステキ!(どうでもいいか)

8d307a1bs写真 ハゲのダンディでギリシア国内の女性には大人気のギリシア・バルファキス財務相。キレ者で有名)

これで再びギリシア側が、猶予を拒否した場合、完全に決裂ということになり、ユーロ離脱が現実になります。
 

20日というと今日ですから、とうとう山場が来ましたね。お気の毒なのはメルケルさんで、テレビで見るとゲソっとなってヤツれましたね。

Img_946e03024daa6320a287e045b4777cb(写真 アジャパーという表情のアンゲラ・メルケル首相。61歳だが、ふけたなぁ)

今後の主な日程は以下です。
・2月18日夜 ギリシャ回答期限
・2月20日 現行の支援延長の場合、ユーロ圏財務相会合
・2月28日 現行支援の期限
・今年第1四半期 ギリシャは推定43億ユーロが必要
・3月19、20日 EU首脳会議
・7月20日 欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ国債35億ユーロが満期に
・8月20日 ECBが保有するギリシャ国債32億ユーロが満期に

一方、もうひとつの火種のウクライナでは、ロシア軍(いちおうウクライナ親露派となっていますが、実態は露軍です)が停戦間際に、交通の要衝デバリツェボを制圧してしまいました。

ウクライナは完全に東西が分断されて、停戦を口実に固定化が進むことでしょう。

ギリシアのチプラス新首相は何を考えているのか、挑発的にも、独シュテルン誌とのインタビューで、「ロシアとの経済戦争は誰の利益にもならないとし、ウクライナ危機をめぐる対ロ制裁は偽善的だ」と非難しているようです。

やれやれ。そういうこと、今言うか。「ドイツに学ぶな」派の私も、今やメルケルさんがやや気の毒になっています。

さて、『ギリシア危機の真実』(藤原章生)という本を読んでいます。

この本は副題に、『ルポ「破綻」国家を行く』とあるだけに、ギリシアの汗くさい現実が伝わる好著です。 

この本によると、ギリシア危機のことの起こりは、2009年10月に三世政治家のパパンドレウ首相が、正直に「どうも前の政権はインチキをしていたみたいだ」と言ってしまったことから始まっているようです。 

政権についたパパンドレウさんは、国庫を開けてたまげたんですな。

ギリシアの美しい風習で、前政権が政権交代のドサクサに国の金庫を持ち逃げして空にすることはよくあることなので、そのていどは覚悟していたようですが、それでは済まなかったのです。

ホンモノの財政帳簿をみたら08年と09年の借金が、メチャクチャに偽装されていて、表向きの4%どころか、実際は13.6%にも達していたのです。

そしてそれが、ユーロに報告されていたことがわかったのです。

三世というくらいですから、ハトさんのようにウブで正直な人だったのか、パパンドレウさんはそれをあっさりと公表しました。

政治家は後先を考えて発言せねばなりません。「いい人」ならいいもんじゃないというのが、わかりますね。

日本にも、「沖縄の心を」どうじゃらなどと、キレイゴトをアテもなく言って大混乱させたあげく、日米同盟をガタガタにしたクルクルパーがいました。アテもないのに言うんじゃねぇ(怒)。子どもか、お前は!

ああ、いかん、あの男を思い出すと過呼吸になりそう(笑)。腹たつので、ギリシアとは関係ないが、バカバトのクソコラを一枚ペタリ。

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それはともかく、最初に直撃を受けたのがギリシア国債でした。日本国債は日本人が買っていますが、ギリシア国債は8割が外国金融機関の引き受けてす。

日本はスタンダード&プアーズなどが、いくら格付けを下げようとまったく国債市場は影響を受けませんが、ギリシアは違います。

ユーロには、「スプレッド」というユーロ圏内の格付け番付があります。もちろん優等生ドイツか一番ですが、ギリシアは大暴落して最下位近くに転落しました。

もちろんパパンドレウさんも手をこまねいていたわけではなく、「あと何年で3%にします」と公約して、ドイツの指導(というか強要)どおりに、「無駄の削減」「事業仕分け」「増税」などと、これまた既視感ムンムンの政策を取ったわけです。

わが国でもカン政権は、「ギリシアのようになる」と叫んで消費増税を企んでいましたね。

不況の中でもっともやってはいけない悪手(あくしゅ)は、この<不況下における緊縮財政をしながら増税すること>です。

これで一気にギリシアは、景気がさらに冷え込んだだけではなく自殺者が激増しました。

2011年11月の緊縮財政開始から、ギリシアの自殺者は実に36%の増加を見ました。ちなみに、わが国もまったく同じ現象を体験しています。

橋龍増税があった1997から98年にかけて、自殺者は一気に35%増加しています。

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消費税増税の翌年の98年にご注目ください。自殺者が急増します。97年には年間約2万4千人だったものが、翌年には約3万3千人にと、なんと1万人増加します。

覚えておいて下さい。消費税増税した翌年に日本は世界有数の自殺者を出す国になったのです。この分水嶺とでもいうべき3万人を突破したのがこの98年です。

更に追い打ちをかけるようにこの98年から本格的なデフレが口を開けて国民を待っていました。今に続く長いデフレのトンネルの入り口です。

この不況下において、財政刺激策をとるか緊縮財政をとるかは、国民の生死に大きな影響を与えます。

ギリシアの場合もわが国の場合も、不況下の緊縮財政が国民の健康を直撃しただけではなく、社会や景気に対する絶望感を国民に植えつけて自殺者増加という悲劇を呼びます。

        

結局、ギリシアにおいては、連日のデモと暴動によって、国際的信用を失墜させて、結局、景気回復も遅らせたことによって、税収不調が恒常化します。

また緊縮したにもかかわらず、企業倒産の激増によって失業者や病人が増加したことで、削減したいはずの社会保障費や医療費が高止まりしてしまいます。

結局は、不況下の緊縮財政は、国民に塗炭の苦しみを味合わせただけにとどまらず、国の社会コストを増大させたものにすぎなかったのです。

その意味でギリシア危機は、対岸の火事とはいえない重い教訓を、日本人にも教えています。 

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