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2015年2月17日 (火)

「エーゲ海の公務員の楽園」にしてしまったユーロ・システム

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昨日、ユーロ圏財務相会合でも結論は先送りなようです。さもありなん。時間がかかればかかかるほど、ギリシアの思うつぼなんですが。

さて、今回のギリシア危機を見ていると、ギリシアという国が、そうとうにヘンな国だというだナ、と気がついた日本人も多いのではないでしょうか。

はい、そうとうにヘンな国であることは間違いないので、私はこれを<ギリシア・ユーロ・パラサイトモデル>と勝手に呼ぶことにしました。

さて、日本人の平均的ギリシアのイメージは真っ青なエーゲ海に浮かぶ、サントリーニ島の真っ白い壁、西欧文明の発祥地、パルテノン・・・、おお、ビューチフルってとこかな。 

記事とは関係ないけど、眼の保養に一枚貼っておきましょう。 

Photo
ギリシアはよく、国家がコケます。小気味いいほど借りたカネを返さない国、それがギリシアなのです。 

まずは下の表をご覧ください。 

ギリシアがオスマン・トルコから解放されて、近代ギリシアが始まったとされますが、それから約200年間にどれだけ債権不履行と債権条件の変更をしたのかのグラフです。 Photo_2(図 1800年以降の各国の債務不履行・債務条件変更の年数割合 高橋洋一氏作成)

 これを見るとギリシアはユーロの平均値の15倍ていどは債権不履行を引き起こしています。同じ債務危機にあるポルトガルの約5倍、スペイン約2倍です。 

なんだ日本もやっているじゃないか、と思われるかもしれませんが、このグラフが200年間というスパンだということをお忘れなく。 

わが国は20世紀に入ってから債務不履行・条件変更はしたことがありません。真面目が取り柄ですんで。 

このグラフを作った高橋洋一氏に言わせると、ギリシアは「いうなれば2年に一度破綻している国」ということになるようです。 

これはこの国が位置して地政学的位置にも関係しています。 

Photo_6
地図を見るとギリシアは、ペロポネソス半島からバルカン半島南側にまで伸びているのが分かりますね。 

そして黒海の出口に位置しています。かつてのバルカン半島はすべて社会主義圏でした。 

黒海にはウクライナ紛争でも有名になった、クリミア半島に有力なソ連の黒海艦隊の基地があって、隙があれば地中海に出たくてウズウズしていた場所です。 

つまり、旧社会主義圏の柔らかい下腹と、ソ連海軍の出口を、西欧からガードする役割が与えられていたのです。北の熊さんの門番ですね。 

この重要な役割のために、西側諸国は、ギリシアが多少メチャクチャをやっても知らん顔をしていたわけです。 

まぁ、何をやっても許されると勘違いしていたためなのかどうか、ギリシア国内の政治は、相当にシュールで、40年前までは西欧唯一の軍事政権、それがひっくり返ると今度はバリバリの社会主義者のパパンドレウ首相が政権につく、というヒッチャッカメッチャカぶりでした。 

今回のギリシア危機でも、その素質全開で、今度は極左と極右が呉越同舟で与党席に並ぶというわけのわからない状況になっています。 

このパパンドレウ社会主義政権の下で進行したのが、国民の総公務員化という、自由主義経済国家にあるまじき珍しい現象です。

そもそもギリシアは小さな国です。 国土は日本の3分の1。人口1100万人。GDPに至っては日本の30分の1にすぎません。だいたい経済規模は神奈川県くらいだそうです。 

ここに公務員が約100万人ひしめいています。ヒャクマン人ですぜ。人口比率で10%、労働人口のなんと25%です。なんと労働者の4人にひとりが公務員! 

ちなみに人口がほぼ10倍のわが国は地方公務員250万人、国家公務員90万人、労働人口比率で約6%です。 

これでもまだ多いというので削減しろといわれているのですから、いかにギリシアがハチャメチャな公務員大国かお分かりになるだろうと思います。 

ついでに、この統計にはカウントされませんが、政府所有の特殊法人・企業は、ギリシアGDPの18%にも及び、いかに官公庁主導の経済になってしまっているのかがわかります。 

もう調べるのがアホらしくなりそうですが、とうぜんこのお役人の収入はいいのですよ。だいたい民間平均の1.5倍。政府財政がパンクしているにもかかわらず、その支出の4割が公務員給与と年金に当てられています。 

ああ、モーレツに既視感があるなぁ。どこか南のほうにこんな県があったっけな(苦笑)。 

ちなみに『アエラ』(10年5月10日)には、「時間通りに出勤すると支給される特別手当がある」そうです。もう笑うしかない。が、はは・・・(だんだん弱くなる)。 

その上に55歳で年金支給ときたもんだ、ですから、まぁ、まともに働く奴はバカということになります。もう、勝手にしなはれ。 

これが、今やユーロのパラサイトにして、最大の悩みの種になってしまったギリシアです。

長いので、後半は明日に回しました。

 

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コメント

冷戦の境界領域では、援助合戦で潤うという現象が起こりますね。

そんなボーナスを貰っているうちに基幹産業を育てたか育てなかったか。
彼等は冷戦が永続すると思ったのか。

アリはキリギリスを助けるのか。
いまだにふんぞり返っているキリギリスは救えないでしょうね。

昔、なんかの本で読んだのですが・・

古代ギリシャでも、人間の生まれ変わりは信じられて
いて、働くのが好きで働いてばかりの者はアリやハチ
に生まれ変わり、哲学など形而上の学問をしている者
のみが又人間に生まれ変わる、と言われていたとか。

「働き蜂の日本人は皆ハチに生まれ変わんのかよ」
と、少しショックを受けた事を思い出しました。

当時のギリシャでは、奴隷(と言っても自分で自分を
買って自由人になれるらしい)に労働をさせて、市民
は働かずにいるのが普通だったらしい。

伝統なんですかねぇ?現代じゃ奴隷はいないんだけど。
ギリシャのヒミツ、その後半が楽しみです。

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