• 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719
  • 20250114-062849
  • 20250112-044948
  • 20250112-050804
  • Dsc_1204
  • Dsc_1204_2
  • Dsc_1206_2

« しぶといぞ、ギリシア人! | トップページ | ギリシア危機の教訓 不況下で緊縮財政と増税をするな »

2015年2月19日 (木)

ギリシアのもっとも簡単な危機脱出法とは

038
では、どうやったらギリシアは、この大ピンチから逃れられるのでしょうか。 

答えは、おおかたの日本人がとっくに気がついている通りです。無理は続かないのです,

そもそも初めのボタンをかけ間違っていました。ギリシアはユーロに加盟するべきではなかったし、加盟させてはいけなかったのです。

ユーロは今回のギリシアのような財政破綻を防ぐために、財政収斂(しゅうれん)基準といって財政赤字の幅を3%以下と厳しく定めていました。

ところが、これが粉飾決算だったのです。

「EUの臨時首脳会議が11日、ブリュセルで開かれる。なかでも深刻なのが昨年10月に政権交替後、前政権による財政赤字と債務の『粉飾』が発覚したギリシアだ。GDP比3.7%とされていた昨年の財政赤字は12.7%に膨らみ、政府の信用はがた落ちだ」(産経2010年2月6日)

ギリシアも悪びれることなく、経済財務相が、「99年からしている」と認める始末です。

一国が粉飾決算するというのは、中国も確信犯的にやっていますが(※中国各地のGDPを足すと、中国全体のGDP数値を越えてしまいます。わ、はは)、問題はEUに加えるべきではない国を加盟させてしまい、一国の危機がEU全体に波及してしまったという大失敗です。

本来、共通通貨は独仏、ベネルックス諸国といった、同じような経済指標を持ち、何かあった場合にも同じような挙動をする国々で作られるべきものです。これを最適通貨圏と呼びます。

たとえばリーマンショックが起きた時の対応も、世界経済のトップクラスに位置するドイツと、ヨーロッパ最底辺にあえぐギリシアでは、その対応に差が出てしまいます。

ドイツ経済はショックに耐えて、緊縮財政を強化しましたが、同じことを耐えられずに経済崩壊してしまったギリシアに求めるのは無理があります。しかし、メルケルは支援と引き換えに、強く緊縮財政を求めました。

挙げ句に、年金と給与切り下げをせねばならなかったギリシア国民からは大ブーイングを喰います。

下の下手なクソコラでは(センスないなぁ)けヒトラーにメルケルを擬しています。メルケルさん、可愛いじゃないと初めて思った(笑)。

Photo_5

ギリシアでは、財政債権と緊縮財政を求めるEUに抗議して24時間の大規模ストが続き、銀行の爆破で3名が死亡するという事件まで起きました。

Photo(写真 ニューズウィーク14年12月23日 デモ隊というより、もうほとんどISILだ。このガスマスクの一団が政権をとったというのもコワイ)

ストとデモ、そして暴動は、今やギリシアの新たな名物となっています。

こんな荒れた国で観光したくはありませんから、観光収入は減り、しかもユーロに引きずられての物価高ですから、ギリシアの窮状は深まるばかりでした。

もう、通貨発行権がないような「みんなの通貨」(共同通貨)であるユーロをかき集めるような無駄な努力は止めて、由緒正しいドラクマに戻ることです。 

そして思う存分、日夜、造幣局の輪転機を回して、市場にドドっと放出することです。 

結果、当然のこととしてドラクマの価値は大幅に下落します。貨幣の価値は、その循環している流通量の過多に比例するものだからです。

ドラクマ安にしたければ、ドラクマを沢山刷る、これが極東の某経済大国もやっている鉄則です。

ウイリアム・ハインケル・フランクフルト大学名誉教授はこう述べています。 

「ギリシアは2001年のユーロ導入以降、経済競争力を犠牲にして巨額の貿易赤字を蓄積させてきており、経済基盤の損失を埋め合わせるには通貨の40%の切り下げが必要だか、ユーロ圏に止まる限り、それは不可能だ」(フィナンシャルタイムズ2010年3月25日) 

ギリシア人にすれば、人もあろうにドイツ野郎に言われたくはないでしょうが、まったく正論なのです。

ユーロを離脱し、というか追い出されて、ドラクマに戻り、4割の切り下げを目指す、これしかギリシアの生き残る術はありません。 

« しぶといぞ、ギリシア人! | トップページ | ギリシア危機の教訓 不況下で緊縮財政と増税をするな »

コメント

やっぱユーロ離脱しかないですかね…。
ドラクマ安でハイパーインフレおこして数年間は大混乱でしょうけど。まあ、あのメチャクチャな破綻国家ジンバブエでさえ最近は落ち着いてますから…そのうちなんとかなるんじゃね?
って気がしてきました。

メルケルさん萌えですね。(笑)
自分としては、ナチスとかハーケンクロイツとか、書かれた方より書いた方の人格を疑うようにしていますから。

さて、極東の沖縄と地政学的に似ているとなれば、もう一つの解決策と、問題の複雑さがあるのだと思います。

解決策とすれば、NATO軍基地の拡充や放射性廃棄物の処理場のような、迷惑施設の取引として債務の棒引きと緊縮財政の免除を許す、という方法が挙げられます。

一方で、「いざとなったらロシアか中国に頼むさ。なんくるないさー」と居直られたら困る、というのがこの問題の難しさの一つなのだと思います。前述の解決策もこれ故に実現困難でしょう。

明日に書こうと思っていたのですが、今のギリシア政府に優秀な財政家がいることを祈ります。
今のギリシアは、メルケルの強制する緊縮財政では救われません。ほんとうは欧州中央銀行のギリシア国債買い入れがベストだったのです。

しかし、これをメルケルが緊縮財政強要とワンセットで主張しているためにむずかしそうです。ほんとうに岡田カツヤ並に頭が固い女性です。

もちろん山形さんの言うとおり、インフレにはなります。インフレにするのが目的だからです。しかしそれが「制御されたインフレ」、すなわちインフレターゲットつきの金融緩和でなければなりません。

だから私はめどとして4%というハインケル教授の数値をだしたのですが、それで収まらず暴走すると大変なことになるのは事実です。

ただし、ハイパーインフレというのは、概念規定があって1万3千%のインフレのことです。

年4%程度のターゲットインフレが上手く制御できればベストなんですが…難しいでしょう。
本当に優秀な財政政策を導ければ言うこと無しです。

ですが、観光以外には主な産業はオリーブやレモンといった金額的には乏しい農業しかない(しかも現在大不作)小さな国ですから、ハイパーインフレに陥る危険が大きいと判断しました。
ジンバブエの例えは極端ですが、ギリシャのいい加減すぎる徴税システムでは似たようなことに成りかねないのではと。もちろんそんな事態は回避したいですね。

日本が何らかの支援ができるとしたら(そんな義理も無いですが)、ユーロ離脱してドラクマ回帰しても札束印刷なんかさせずに、ギリシャ全体を「電子マネー化」して、不正のできないシステムを構築させるくらいしか無いと考えています…。

そもそもギリシアがEUに加盟した理由は何?
緊縮財政策を受け入れればいいんじゃないですか?
そりゃ、年金とか減らされるのは
耐え難いかもしれないけれど
EUから離れて
ハイパーインフレまでいかなくても
かなりのインフレになれば、実質的には年金や福祉は減額される
ことと等価ではないですか。
ドイツのいっていることは、
産業そのものが衰退している状況で
国民が安易な楽な暮らしができると考えることが
どうかしているというなんだと思うのですが。
働かなくても楽に食っていけるという
現ギリシア政権の考え方の方に無理を感じるのですが。

上記のコメントは内容はさることながら、hnが不適切なために、hnだけ変更いたしました。あしからず。

あー、消されたHNに興味津々。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« しぶといぞ、ギリシア人! | トップページ | ギリシア危機の教訓 不況下で緊縮財政と増税をするな »