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2015年2月27日 (金)

ケーススタディ 南シナ海・スカボロー礁強奪紛争

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今回の与那国の住民投票事件で改めて、中国の膨張政策の手法を考えてしまいました。

そのもっとも参考となるのは、南シナ海への中国の進出の方法です。ここには他の大国がけっしてやらない、いかにも共産中国らしい人民戦争的スタイルがみられます。

まず、多数の軍艦で攻めて来るのではなく、国籍を隠した一般人の姿で侵入するのです。

天下の常任理事国が他国領に攻め入るときに、一般人を装うというのですからなかなか出来ることではありません。

もし、本気で自国領だと思っていたら堂々と来るでしょうに、分かりやすい国。(苦笑)

ケーススタディとして、つい一昨年起きたフィリピンのスカボロー礁事件がありますので見てみましょう。

8a3adc8d (図 赤い点線か中国が主張する領有権。なんだ南シナ海、西シナ海の全部じゃないか。図々しい)

スカボロー礁はルソン島の西側約200キロの海域にあるにかかわらず、一方的に約900キロ離れた中国が実効支配してしまった島です。

上図の中国本土から伸びる赤い点線が、中国が管轄権を主張する海域で、青い点線は「海洋法に関する国際連合条約」(UNCLOS)によって定められた国際的に承認された排他的経済水域(EEZ)のラインです。

グレイの点が中国が主張する赤線の領海内に多数ありますが、これがdisputed Island、つまり係争中の島です。

この赤線を中国は「九段線」と呼び、周辺国は「中国の赤い舌」と呼びます。

まるで中国海軍の巨大基地がある海南島からベロ~と意地汚く伸びる「赤い舌」のように見えるからで、今や南・西シナ海を全域を舐め取ろうとしています。

この「赤い舌」が東シナ海に伸びると、わが国領土の尖閣諸島に突き当たり、中国は是が非でもここを取ってまうことを熱望しているというわけです。

また、このスカボロー礁近辺には、日本のシーレーンが通っています。

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もし、ここに中国海軍が基地を設置した場合、常にわが国は生命線を中国のコントロール下に置かれることになります。

すべて紛争当事国の一方は中国。方や相手国はベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシアなどこの海域に領海を持つすべての国です。

その上に、東シナ海にまで目を移せば、日本、韓国とも紛争を起こしていますから、中国は、自分以外の全ての周辺国と海洋紛争を起こしていることになりますから、これもなかなか出来ることではありません(またまた苦笑)。

さて、ひと目でスカボロー礁は、青線内のフィリピンのEEZ内にあることがわかるでしょう。

このEEZは多国間で重複していてかまわないのですが、その重なる海域での開発やましてや軍事施設建設などは御法度です。

08e8ed75s(写真 岩礁の上でブイブイ気勢を上げる中国兵。よほど悪いことをした奴らなんたろうと、深く同情。中国政府の笑えるプロパガンダ写真より。下の写真の2番目です)

中国は2008年に既にスカボロー礁海域に出没し、軍事的触手を伸ばそうとしていました。

マヌエル M ロペス駐日フィリピン大使はインタビューでこう語っています。

スカボロー礁はフィリピンの主島ルソンから230キロだが、中国本土からは874キロの海上にある。中国は領有権を主張し、7月末時点でまだ、周辺海域に軍事的圧力をかけている。
 「われわれは、この問題について(海洋に関する国際紛争を解決する)国際海洋裁判所に判断を仰ぐべきだと考えています。フィリピンも中国も国連加盟国であり、国連海洋法条約の批准国だからです」
 だが、中国が拒否しているため、現在のところ法的解決の見込みはない。さらに中国は最近、同海域に「海南省三沙市」設立を一方的に宣言した。
(産経新聞2012年8月2日)

通常の国際海洋条約締結国間の領有紛争においては、国際海洋裁判所に提訴し、その判決を仰ぐのが常識です。

もちろん中国は、おとなしく国際司法機関への提訴のテーブルにつくようなタマではありませんでした。

2013年4月、まず中国はこの海域に偽装漁船を大量に「出漁」させて、偽装漁船を保護する名目で海監、漁政などの公船を多数出動させました。

そして、弱体のフィリピン海軍をこの海域から排除し、「漁船」が運び込んだ大量のセメントでと鉄でたちまち中国海軍の監視所を作って兵員を置き、実効支配してしまったのです。

この事件が起きた時、驚くべきことにはオバマ-習の米中首脳会談が開かれていました。

米中首脳会談の真っ最中にこのような動きが平然と行われていたという事実です。

米国はフィリピンと相互防衛条約を結んでいる同盟国です。ロペス大使は憤りを隠そうともしません。

「そもそも、基地の存在より、1951年に締結されたUS-フィリピン相互防衛条約が重要です。わが国に攻撃が加えられたら、米国は排除しなければならない義務があります。そして、南シナ海は太平洋地域の一部としてこの条約に含まれています」
(同)

この度のオバマ・アジア歴訪で、フィリピンで改めて相互防衛条約を確認したのは、このフィリピンの怒りをオバマも無視するわけにはいかなかったからです。

このことは、オバマからフィリピンと同じ「約束」をしてもらった私たち日本も、心したほうがよいでしょう。

現在スカボーロー礁は下の写真のように、軍事施設を建設中だとレコード・チャイナ(2013年6月9日)は伝えています。

B623f943f344eaa06e2d5496f9c6073f        (写真 基地化が進むスカボロー礁。上と較べると多少住みやすくなったようだ。)

漁船の侵攻から、兵隊の駐屯、基地設営、航空基地・海軍基地に至るプロセスは以下です。

T02200231_0800083912671875064写真 梅雨のタケノコのように伸びる中国基地の様子。スカボロー礁以外にも多数このようなものを建設中です。これを見て、まだ中国は「平和的発展をしている」などという人の顔がみたいもんです)

ころでこのような漁船に乗った漁民を装う非正規侵入の場合、わが国は軍事対応することが不可能で、海保が対応するうちに尖閣には五星紅旗が翻ることになります。

なぜ自衛隊が出動できないのかといえば、今までの自民党政府の「外部からの武力攻撃」の定義があるからです。

自衛権発動の要件は、国連憲章第51条の「武力攻撃」の概念に依っています。

自衛隊法の武力攻撃と間接侵略
外部からの武力攻撃というのは、(略)他国のわが国に対する計画的、組織的な武力による攻撃をいうものであります。
昭和36年4月21日 衆議院内閣委員会 加藤防衛庁官房長答弁

この答弁をそのまま遵守すると、尖閣諸島への侵攻者が軍服をつけず、軍旗、徽章をつけていない「国籍不明」グループであった場合、「計画的、組織的な武力攻撃」とみなされません。

「外部からの攻撃」と見なされなかった場合は警察(海保)案件となって、自衛隊は出動できず、米軍に至っておやです。

ただし非武力攻撃に対しては、自衛力の行使を認めていますので、この時の政治判断によるのかもしれません。(欄外参照)

このような「武力攻撃」には自衛隊に厳しい制約がかかる反面、「非武力攻撃」では動けるという奇妙なねじれが、わが国法制度にはあるようです。

中国がこの隙間を「国籍不明武装グループ」という形で狙わないという保証はありません。

というか、このような非正規戦争(ゲリラ戦)がいまだに大好きなのが、中国という国のお国柄なのですから困ったものです。

またこの尖閣が他の先島諸島のように住民が居住していれば問題はないのですが、中国に対する外交的配慮のために、住民はおろか灯台や標識ひとつ建設するのを禁止しているために、領有権主張が弱いという難点もあります。

ですから、いったん中国に実効支配されてしまった場合、わが国領土と主張する根拠が消滅してしまったと解釈される可能性があります。

もちろん、そのようなことを日本政府は断じて認めないでしょうが、米国議会がそう判断する材料にはなります。

なにせ米国は、尖閣の領有権を日本にあると認定していないのですから。

実はこの領土中立表明は米国外交の原則なのです。

スカボロー礁もフィリピン側から見れば背信行為ですが、米国は領土紛争に中立的な立場をとることが原則です。

だから尖閣のみならず、竹島についても中立的姿勢を保っています。

ですから、いちおう議会が尖閣を国防権限法に記載したことは、例外的だということを私たちは知っておいたほうがよいでしょう。

しかし、米国に期待できるのはそこまでです。

米国は今のままだと、なんども繰り返し私は書いていますが、「絶海の岩礁防衛に米国の若者の命を使うわけにはいかない」という判断をしてしまうかもしれません。

一方中国の目論見は明白です。

ヴァンダービルト大学・日米研究協力センター所長・ジェームス・E・アワーはこう述べています。(2012年12月)

東シナ海の場合でも、中国の意図は、尖閣諸島に対する日本の主権を否定し、1971年の自らの領有権主張をあたかも古代の中国法で位置づけられているかのごとく提示し、米国が中日「二国間」の問題に「干渉」する筋合いではないと言い、そのうえで、南西諸島地域でほとんど防衛能力のない日本に対し、必要とあらば軍事的にも領有権主張を押し通すことではないのか。

いずれにせよ、米国の意図がどうであれ、このようなグレーゾーンの事態に対してわが国の新たな法的規定が必要です。

ここにおけるグレーゾーン事態とは、概念規定をしておけば以下になります。

①領土や主権、海洋における経済権益等をめぐり、純然たる平時でも有事でもない事態
②警察や海上保安庁の能力を超えているが、武力侵攻でもない事態
③具体的には、中国の公的機関なり武装集団が離島に上陸する、もしくは同国の海軍が領海内に大挙して侵入してくるような事態

この海保が手に負えなくなった事態が起きた場合、継ぎ目なく(シームレス)で自衛隊へと任務が移行することが望ましいわけですが、これは同時に日中全面戦争の危険を帯びる判断となります。 

これは決して望ましい状況ではありません。いかにして起さないか、起きてしまった場合いかに早期に終結させて局地紛争で終わらせるかという「終わり方」も念頭において考えていかねばなりません。

一方、「平和を祈れば平和が来る」「平和運動をしていれば平和になる」「米軍基地がなくなれば平和になる」などといった観念的平和主義は、無力であるばかりか、有害ですらあります。

なせなら、今、直面している中国の海洋膨張政策に対しての批判が完全に欠落していているからで、それに対抗する日米の防衛ばかりを標的としているからです。

これではまるで、中国の利益代表のようだと言われても致し方ないでしょう。

逆に、空母を作れ、日本も負けずに軍拡をしろという勇ましいばかりの軍事オプションだけでは、今日見てきたような事態が起きた場合、いかなる収束をするのかに回答が出ません。

今回、与那国住民投票事件でわかったような、アワー教授も指摘する南西諸島地域の軍事的真空状態は非常に問題ですが、それを充足させるだけではだめなのです。

もっとリアルに、もっとアジア全域の視線で考えていく必要があります。

 

                    ~~~~~~~~~

※「武力1攻撃に対する政府見解
1998年第43回国会衆議院日米安全保障条約特別委員会 における新ガイドライン策定をめぐる国会審議の中で、橋本龍太郎首相(当時)が「国連憲章第51条は武力攻撃以外の侵害に対して自衛権の行使を排除すると いう趣旨であるとは解しておりません」と答弁した。

同じく高村正彦外相(当時)も「政府は従来より、国連憲章第51条は、自衛権の発動が認められる のは武力攻撃が発生した場合である旨、規定しているが、武力攻撃に至らない武力の行使に対し、自衛権の行使として必要最小限の範囲内で武力を行使すること は認められており、このことを国連憲章が排除しているものではない」と答弁している。

フィリピン、中国と領有権争うスカボロー礁を「西部軍区」管轄下に=中国に軍事的警告―中国メディア
Record China 2月27日2014年

2月25日(現地時間)、フィリピン軍報道官は、中国と領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名:黄岩島)を、フィリピン軍西部軍区の管轄下に組み入れたとする声明を発表した。環球時報が27日付で伝えた。
フィリピンメディアによると、軍報道官は今回の措置について、「統一の指揮・行動を取りやすくし、対外的な防御能力を高めることが狙いだ」と説明した。

今年1月、中国の海洋監視船がフィリピン漁船に放水して海域から追い出す事件が起きた際、軍は事態に対応する権限を付与されていなかった。

軍報道官は、「今後同様の事態が発生すれば、軍の武装部隊は漁民保護のための行動をためらわずに行うだろう」と警告した。

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コメント

辺野古で騒いでる連中のうち、沖縄以外から来て「珊瑚礁を守れ!」と言ってる連中や、緑豆みたいな国際環境保護団体なんかは、なんで現地で抗議しないんでしょうね?
70年代末の過激な緑豆だったらやってたかもしれないけど(笑)

>「平和を祈れば平和が来る」「平和運動をしていれば平和になる」
「米軍基地がなくなれば平和になる」などといった観念的平和主義

こういう手合いが「憲法九条にノーベル賞を」なんて
寝ぼけたことを言い出すんでしょうね。
この間某テレビ番組で東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋さんが
面白いことを言ってました。
こういう連中のことを「引きこもり平和主義」と言うのだそうです。
なるほど言い得て妙です。

どこかの戦略ゲームの建物が進化していくような滑稽さが・・・無関係なら笑えますが。

いかにも中国らしい、やっつけ仕事感が満載ですが、それっぽい施設と人が存在すれば領土・領海ですからね。
台風かゴルゴ13にでも壊してもらえれば良いのですが。

日本は沖ノ鳥島でやっていますが、事故で遅れていますね。

プーさん。

沖ノ鳥島はケースが全く異なります。
どことも係争していませんが、「あれは島ではなくただの岩礁だ」などと中国だけが国際海洋法を無視して難癖付けています…外洋支配の野望剥き出しで。(見た目はやり過ぎっぽく感じるけど、定義上は完全に『島』)
それでいて彼の国は他国のEEZの島を武装占拠しているのす。

韓国の「海洋気象観測所」は論外。それこそ満潮でも干潮でも水深5m。あの国は常識が通用しませんなぁ。

中共(と朝鮮)はマジに恐いですね。儒教バリバリ
なんて、ISとあまり変わりません。

中・朝鮮連合軍と、「第二次白村江の戦い」なんて
シャレにもなりません。

多分、先制攻撃で既成事実を作られて、日本国内
はドタバタして混乱。悪い意味で、自衛隊は軍隊
でない事がバレてしまうのでしょう。まあ島一つ
で平和ボケが治り、無能サヨクを排除できれば、
それはそれでヨシとするしかないのかも。

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