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IMF・米国が作ったヘンな「先進国」韓国

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さて、昨日からの続きです。 

現代の戦争の多くは、ISILのようなテロリスト相手の非対照戦争であり、正規軍同士の戦争は姿を消しつつあちと言われています 

非対照戦争とは、かつての大戦のように正規軍同士の戦争ではなく、テロリストやゲリラのように戦術が読めない不定形の集団との戦闘のことです。 

ではいま戦争は何によって戦われるのでしょうか。鉄砲の弾だけではありません。平時の主戦場は、むしろドルやユーロ、あるいは円といった通貨によって戦われています。 

ここでも、非対照戦争が行なわれています。それは国際金融市場を戦場にした、ヘッジフンドによる為替レートをめぐる「戦闘」です。 

この「戦闘」がもっとも激しかったのが、1997年にアジア通貨危機でした。多くのアジア諸国が、この国際金融市場に強い力を持つヘッジファンドというゲリラ勢力の攻撃を浴びて、通貨崩壊という事態を迎えました。 

(アジア通貨危機で最も影響を受けた国 ウィキ)

この時に、救いの手を伸べたのが、日本とIMFを牛耳る米国でした。ただし、この二国の方針は、本質的にまったく違うものでした。 

わが国の支援がストレートにアジア圏の通貨安定を目指したものだったに対して、米国のそれは「救済」の形を借りて、その国の経済や社会の形を変えてしまうものだったからです。 

米国はアジア諸国、なかでも新興工業国家として急激な勃興をしていた韓国に目をつけました。 

米国は、救済と引き換えにして、経済、財政、金融制度のあり方そのものにも手を着けます。 

それがなんなのか、簡単に見ておきましょう。というのは、この時に作られた「国家の形」(国柄)こそが、今の韓国そのものだからです。 

ところで韓国という国は、非常変わった、はっきりいえばイビツな経済の型をしています。 

極端なまでの外需依存国家なのです。外需(輸出)の対GDP比率は13年度で45.82%に登ります。これに比肩するのは、かのドイツだけです。
世界の貿易依存度 国別ランキング・推移 - Global Note 

日本が同時期14.52%ですから、国内市場の個人消費や企業投資などの内需が、日本経済の柱だとわかるでしょう。

だからこそ、去年4月の消費増税が日本経済を直撃してしまったのです。

それはさておき、GDPの約半分を輸出が稼ぎだしている韓国の内需がいかに貧弱かがわかります。  

半分までが輸出頼みという韓国は、1997年のアジア通貨危機をモロに浴びてしまいました。

その時韓国は、デフォルトの断崖絶壁まで追い詰めらました。そして、IMFと日本の緊急支援をもらって、ようやく亡国の危機から救われたのです。 

IMF管理の下に入るということは、いわば進駐軍の支配に入るというようなものです。軍隊を使わずに、通貨を使うことだけの違いです。 

かつてのGHQがそうであるように、米国=IMFは、韓国経済を根本から「改革」しました。 

米国は韓国に命じたことは、こんなことでした。  

まず財閥を解体して、少数の企業に独占的な地位を与えました。たとえば電子業界ではサムソンとLG、自動車と造船はヒョンダイといった具合です。

国際競争力をつけるという名目で、 極端な寡占市場を作ったのです。(欄外資料参照)

2011年の韓国10大財閥の売り上げ高は、約946兆ウォンに達して、韓国のGDPの実に76.5%に達しています。サムスン1社で2割を占めます。

ちなみに日本の場合は、最大企業のトヨタの売り上げの対GDP比率は3.9%にすぎません。

トヨタは膨大な協力企業によって支えられている一種の経済圏ですが、韓国には中小企業育成の声はいつもあるのですが、まったく育っていません。

韓国は、大企業の技術力の裏づけとなる「大田区」や「東大阪市」が欠落しているのです。

ですから、どこまで行っても韓国製品は、パクリとダンピングだけが頼りです。

また、韓国財閥で働く韓国の雇用割合はわずかに6.9%((2013年04月04日朝鮮日報)にすぎません。

76%を占める10の財閥と、わずか7%の従業員が韓国経済を支えているということにてります。

その結果、財閥系とGDPの残り93%で暮らす大多数の一般国民との間に、激しい経済格差を生むことになります。

この財閥系企業への就職という超狭き門に、青年が殺到し、当然のことながら日本など比較にならない受験戦争か常態化します。

ちなみに、韓国の中高では部活が禁じられています。オリンピックに出てくるようなアスリートは、すべて国家プロです。

この財閥系企業のオーナー一族と従業員たちはわずか7%の超エリート階層となり、いまや現代における李朝「両班」(ヤンパン)貴族といっていいでしょう。

財閥一族三世の常軌を逸した傲慢ぶりは、ナッツリターン事件でもかいま見られました。彼らは、冗談でなく自らを万能の王族だと思っているのです。

(王族もいったん落ちぶれると市中引き回しの上、打ち首獄門。これか韓国の掟)

また、IMFは外国人株主の持ち株制度の自由化や、金融市場の自由化に踏み切らせます。 

これによって、大企業や銀行は過半数以上の株を外国人が所有し、事実上、米国人株主が牛耳ることになります。

「世界の」サムスンですら、実に54%が外国人株主です。看板は韓国企業でも、その甘い蜜は外国人が吸う仕組みができてしまったのです。 

大企業が儲かるための制度がいくつも生れました。たとえば、韓国の国有電力会社による、逆ザヤの電気料金の超低価格供給です。 

正義氏が、韓国から電力を引くことを考えたり、下請けの一部を韓国に移しているのは、この電力料金の異常な安さがあるからです。父祖の血縁とは関係ありません(多少はあるかな)。

その当然の報いとして、ひずみが襲って来ています。この超低料金を維持するために、メンテは杜撰なものになり、ニセモノ部品ばかりで原発が出来ていたという笑えない事実が発覚しました。

いまや韓国原発は稼働停止状態になってしまい、地震もないのに電力事情が不安定になっています。

また法人税も低く抑えられました。

特に財閥に対しての優遇税率は凄まじいものがあり、『週刊朝鮮』(2013年1月21日)よれば、「3年ほど前に調査した際にはサムスン電子に対する法人税実効税率は11%程度だった」といわれています。 

ところで、このIMF大改造が成功したかに見えたのは、時代背景がありました。いくつもの偶然の追い風に恵まれていたのです。 

第一に、当時はまだ資源が安かったことです。 

石油はアジア通貨危機以降の7年間に、原油価格が低迷し続けて、原油国際市場(WT)が1バレルなんと30ドルという驚異的低水準で推移しました。 

当時、まだ中国経済は今の力を持っていなかっために、韓国はその前のひとときの原油や鉱物価格の安値市場を味わうことができたというわけです。 

また90年代末から21世紀にかけて米国は空前のITバブルと不動産バブルに沸きます。これが、韓国の起死回生の最大原因となりました。 

安い原料で作れて、右から左に米国で売れるのですから、ここで一気に韓国は「昇竜」となります。 

韓国政府は、この輸出攻勢を続けるために秘策を編み出しました。自国通貨安に為替相場を固定してしまうのです。 

これによって韓国製品は、常時ライバル国に対してダンピングしているも同然となり、サムスンは一気に世界ブランドにのし上がっていきます。 

資源安、米国の好景気、ウォン安、この三つが揃ったために、韓国はIMF管理なんていつの話だったかという気分に酔いしれることができたわけです。 

そしてもうひとつ忘れてはならない要素は、輸出の最大のライバルであった日本が、超円高とデフレでヒーヒーいっていたこと、そして後に巨大なライバルにまで成長する中国がいまだ世界市場に登場していなかったことです。

さぁ作れ、やれ輸出しろ!輸出こそ韓国のエンジンだ!サムスンに続け!ニッポンに追いつけ、いやもうとっくに抜いているぜ!

このような強気一点張りの空気が韓国を支配したのが、21世紀初頭でした。ある意味、韓国史上、もっとも栄耀栄華の時代だったのかもしれません。

かくて韓国は、ショボくれて下を向きがちの日本に対して、これ見よがしにシャンパンの開け放題といった調子で、21世紀に突入したというわけです。 

ところが2004年を境にして、これらの韓国経済バブルを支えていた要因が、ことごとく消滅していきます。 

韓国ウォンはいくらウォン売りをしても支えきれずに,とうとうウォン高に転じるようになった。もうウォン安・ドル高を武器にした価格競争力が通用しなくなってきたのです。 

おまけに原油価格や資源価格は、中国などの新興経済諸国の追い上げにあってたちまち国際市場価格が高騰するようになりました。 

原油価格、資源価格は、それを受けて上昇し続けていきます。 

そしてとどめの一撃はなんといっても2008年9月15日のあの世界的大災厄でした。覚えているかな、そうあのリーマンショックです。 

サブプライムローンの危機をきっかけとする金融破綻で、米国を初めとする各国は大変な経済危機を迎えるようになったのです。世界同時需要縮小の到来です。

こういう時に、日本のようなしっかりとした国内消費市場があれば、一定の鉄板の底があります。

しかし半分を輸出で稼いでいるような輸出強依存体質の韓国は、ひとたまりもありませんでした。 

輸出激減、通貨暴落の雪崩が、韓国を一瞬にして呑み込んだわけです。

してその上に、円安による高付加価値帯の日本製の復活、低価格帯の中国製品の追い上げによって挟み打ちされるようにして、韓国の輸出は先の見えないトンネルに突入してしまいました。

このようにして、1997年IMF管理になったことによって、韓国の社会・経済は大きく異形な「先進国」へと変貌し、そしていまや崩壊の時期を迎えようとしています。

シャンパンを開けるのをしばらく待って、中小企業を地道に育てたり、研究開発費に金をかければよかったのにと思っても、もはや後の祭です。

長くなりましたので、次回に続けます。

                        ~~~~~~~

■韓国財閥のGDP比率内訳(2011年)

・サムスン   ・・・ 21.9%
・現代・起亜自・・・12.6%
・SK       ・・・11.7%
・LG       ・・・ 9.0%
・GS        ・・・5.4%
・現代重工    ・・・5.0%
・ロッテ      ・・・4.5%
・ハンファ     ・・・2.8%
・韓進       ・・・1.9%
・斗山・       ・・1.7%

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コメント

民族資本の育成は経済的独立のために不可欠ですが。
韓国は気の毒でもあり自業自得でもあり、ですね。

逆に、日本は何だかんだあっても強いのだな、と再認識させられます。

投稿: プー | 2015年3月18日 (水) 14時58分

確か、ヘッジファンドは日本の円も攻撃対象にしましたよね。
しかし、日銀砲の斉射をくらい破綻したファンドは一つや二つではなかったはず。
白ケダモノたちは、数字の金額が好きなだけで何を考えて世界の平和を乱すのでしょうか!

投稿: トラねこ | 2015年3月18日 (水) 16時03分

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