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2015年3月 4日 (水)

国連が学級委員会になってしまったわけ

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中国王毅外相(外交部長)の、国連創設70年を記念する安全保障理事会の討論会における演説が余り面白いので、入試センター問題にしたいくらいです。

案外ほとんどの受験生ができなかったりして(笑)。 

〇問1 下の文章を読み、誤りを探せ。 

「戦後70年間、国連の創設メンバーで、安保理の常任理事国の中国は、常に国連憲章の精神に従い、国連の役割を支え、平和と安定を守ることに尽くしてきた。今日の開かれた討論会が、反ファシスト戦争勝利と国連創設70年の記念の序幕になることを望む」 

ひとつはご説明しました。あと3ツあります。え、じゃあ全部かよと。まぁ、そうかどうか、答えは追々お話していきましょう。 

さて、改めてイロハのイから。国連は何をする場所なのでしょうか?慰安婦の人権について討議する場所だなんて日弁連は勘違いしていそうですが、もちろん違います。 

国連の最大の役割は、国連第7章にあるように「国際の平和及び安全の維持又は回復」が最大の目的です。 

したがって、安全保障理事会(United Nations Security Council)が、最上位機関と位置づけられています。 

国連総会は、国際連合内部における事項に関しては、法的拘束力を持ちますが、各国に拘束力が生じるのは、安全保障理事会(非常任国も含む)決議のみです。

そして常任理事国がその核心に位置します。

この安保理の常任理事国が米英仏露中の戦勝国5カ国で、拒否権という切り札を持っていることはご存じの通りです。別名、「核保有クラブ」とも言われています。 

拒否権という切り札を常任理事国に与えたのは、当時国連を作る時に、ソ連が頑強に反対することが考えられたからです。

怒ったロシア人に、戦前の日本のように脱退などされてしまったら国連が潰れるので、まぁまぁ、いざとなれば拒否すれば通りませんからと宥めたのです。 

というわけで一国でも反対してもダメ。その国際紛争を起こすヤツが必ず常任理事国のどれかだったりすわけですから、まとまる道理ありません。もはや喜劇です。

ウクライナ問題でも、紛争を起こしている当事国が常任理のロシアですから、国連は指をくわえて見ているしかなかったわけです。

中国などは、南・西シナ海でやりたい放題やっても国連のお咎めはありません。はい、常任理事国だからです。

13 (写真 ウクライナ問題でロシアとつるんで拒否権をかます中国。タコ口がかわゆいゾ)

米国も米国で、国連決議は大義名分ていどには追及しますが、いざとなれば勝手に多国籍軍を募って戦争をおっ始めてしまいます。

という具合に、国連は創設から70年目の現在、何も出来ないただのドンガラになってしまいました。 

特に最近のウクライナ問題をみれば明らかなように、中露vs米英仏の対立構造が定着していて、国連決議一本すら出ないか、骨抜きにされてしまうのが日常茶飯事です。 

なにせ作った米国自身か一番白けていて、ひと頃は第2国連を作ったろかい、という構想すらあったほどです。 

それは、もう少し後のことで、設立当時はまだこの集団安全保障体制が立派に動くと考えられていました。 

それは国連に、当該国への勧告だけではなく、軍事力を含む強制力を持たせたことからもわかります。 

国連憲章の第7章第42条、及び第43条を見てみましょう。 

    ■第7章第42条 

安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。
■同第43条 
  1. 国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ1又は2以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
  2. 前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提   供されるべき便益及び援助の性質を規定する。 
  3. 前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間又は安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。

実はこれが<国連>のキモとでも言うべき条項なのです。けっこう知らないひとは多いと思います。

国連は戦争する組織なのですから、ピース、ピースと思っていたひとにはショックでしょう。

実際、いまだ日本だけに局地的にはびこる国連至上主義は、この「国連平和幻想」という勘違いから発しています。

国連が、ピース、ピースになってしまったのは、第7章がまともに機能しなかった失敗の結果にすぎないのです。 

思い出して下さい。<国連>とは連合軍のことであり、戦後体制そのものなのです。 

ですから戦勝国は、「平和の敵」に対して、また再び大戦時のように「連合軍」(UN)を組むことが可能な仕組みを作りたかったわけです。これが<国連>(UN)の本質です。 

当時想定された「平和の敵」は、復讐に燃えた「悪の枢軸国」の日独だったはずで、これはいまだ「敵国条項」(第53条、第107条、第77条)に名残があります。 

この「敵国」が再び登場した場合、<国連>はその理念である集団安全保障体制に基づいて、常任理事国が軍事参謀委員会を創設する(第47条)と定めているのです。 

そして国連加盟国に対して「国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する」(第43条)としています。 

もう、今、日本で国会にかけられようとしている集団的自衛権うんぬんなどという初歩的、かつナイーブな議論の次元ではありません。 

「平和と安定に対する敵」に対しては、加盟国が一丸となって武力制裁するのだ、加盟国は軍隊を送れ、あるいはそのために派遣される他国の軍隊の通過や支援をしろ、と言っているわけです。 

驚くほど強烈です。この第7章の集団安全保障体制をさらに進めると、各国が兵力を拠出する常設国連軍となります。

自民党幹事長の頃の小沢一郎氏(←ウソじゃないよ。ホントだよ)は、この案を考えていたようです。

派遣部隊の指揮権を国連軍・軍事参謀委員会に預けるのですから、わが国は憲法9条の交戦権否認のハードルをクリアして、海外派兵が可能になります。

その辺を今の小沢さんに聞いてみたいものですが、ただの左翼政治家になってしまったようですから無理か。

いずれにせよ、常設国連軍ができるのは漫画『沈黙の艦隊』の中だけです。可能性はゼロ。

理由は拒否権という、さきほどからしつこく言っている国連の本質的欠陥があるからです。

なぜ、改革できないかって?あんな特権を手放すバカはいないからに決まっています。

今、日本人が、いや世界中が国連ってこんなハードな場所だと忘れて、ただの学級委員会か、町内会に毛が生えたていどのものだと思ってしまっています。

それは、最初の国連の試練であった朝鮮戦争で、ノッケからコケて、その無力ぶりを見せてしまったからです。 

長くなりましたので、次回に続けます。あ~、解答篇に行かない前に終わっちゃったよぉ(涙)。 

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コメント

「戦後70年間、国連の創設(→乗っ取り)メンバーで、安保理の常任理事国の中国は、常に国連憲章の精神に従い(を恣意的に解釈し)、国連の役割を支え(+ることを忘れ)、平和と安定を守る(→妨げる)ことに尽くしてきた。今日の開かれた討論会(→一方的な糾弾)が、反ファシスト(→ファシストによる)戦争勝利と国連創設70年の記念の(→終焉の)序幕になることを望む」
で、どうでしょう。

ガキ大将が無力な児童を委員長に据えて好き放題する、さらには権威だけ利用する、という構図が何とも言えません。

これを打破するにはどうしたら良いか。
勝手に破綻してくれるまでの間、現状維持で時間を稼いでいれば良いのかな、と思いますが。


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