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2015年4月22日 (水)

「原発ゼロ」のツケを払わされる国民と企業

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反原発派の人たちは、自分たちでは気がついていないみたいですが、一種の脅迫観念症になっています。

手をズッと洗っていないと放射能がついて、病気になってしまいそうだと感じて、年中手を洗い続けているわけですが、そのうち仕事も手につかなくなり、手は皮膚がすり切れて、やがてホンモノの病気に罹ってしまいます。

外出から帰ったら手を洗おうね、くらいの程合なら予防になりますが、ここまでになるとさすが健康に害が出てしまいます。

当人だけの問題なら、まぁ、カラスの勝手でしょうなのですが、困ったことには、この反原発脅迫観念症の皆さんは、徒党を組んで弁護士とつるみ、それを社会全体に広めようとしていることです。

というか、いまや、自分たちの主張を押しつけて、支配しようとしてすらいるように見えます。

S20110530b1(反原発・反失業デモ。このふたつはまったく矛盾する命題です。原発ゼロの結果、電気料金は消費税5%分値上がりし、企業活動は苦境に追い込まれて、雇用を圧迫しました)

結果、どうなったかといえば、日本は気がつかないうちに、エネルギー危機が進行してしまいました。

震災以来の過剰な節電、電力供給不安、恒常的な電気料金の値上げは、産業活動を阻害し、ひるがえっては雇用に大きな悪影響を与えています。  

いまや一世帯当たりの電力料金の増加負担は年10万円以上となっていて、産業部門では中小製造業やサービス業に深刻な悪影響を与えています。

その理由は、9割に届こうとしている過剰な化石燃料に対する依存が、高コストとして経済・社会にはね返っているのです。電力9社の電源比率を押えておきましょう
電源別発電電力量構成比 - 電気事業連合会

3bcda6f5_3(図 電気事業連合会。クリックすると大きくなります)

棒グラフの一番下の紫部分が原子力で、緑、赤、オレンジが化石燃料です。いまや88.3%、つまりは約9割です。

一方、震災前に3割を越えていた原子力が、2013年にはゼロになっているのがわかります。

昨日にもアップした化石燃料コストと電気料金の影響のグラフを並べてみます。(図 東電HP)

グラフ中央やや左の事故直後の2011年4月から、青線の燃料コストが上昇するに連動して、電気料金がグングン上昇しているのがわかります。

Photo

では、製造現場の声を聞いてみましょう。   

日本鋳造協会・角田悦啓専務理事はこう語っています。(「月刊エネルギーフォーラム2014年7月号」による) 

・・・鋳造業という業種は、鋳物部品を自動車、機械産業に出荷している製造業の基盤的分野で、産業規模も2兆円規模に登ります。  

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                   (写真 鋳物現場 日経ビジネス2014年7月29日より)  

鋳物業は製品出荷額の1割が電気代です。

「鋳造業は金属を溶かし、鋳型に流し込んで製品をつくります。以前はコークスを燃やすキューポラ(溶解炉)が使われましたが、環境への配慮から電炉が大半を占めるようになりました。
そのために製品出荷額の1割強が電気購入費になります。売上高数兆円の自動車メーカーと、数百億円の鋳造業の会社の電気代が同じ例が数多くあるような、電力多消費産業なのです」

中部、関西と関東地方は、機械・自動車部品が立地するために、鋳物業もそこに多く集中しています。  

電力料金の上昇は、電気を多く使う鋳造業に深刻な影響を与えていて、不況から脱出できていません。  

廃業は、震災以降増加の一途をたどっています。

●協会加盟約1000社中の廃業・倒産
・2011年・・・1社
・  12年・・・12社
・  13年・・・14社

電気料金はこの2年で、原発停止の影響で約2割上昇しています。   

2013年年9月1日に北海道電力と東北電力の電力料金値上げが実施され、これで福島事故翌年の12年からの全国の電力値上げは一巡したことになります。   

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                           (図 関西経済連合会意見書より)

申請許可された電気料金値上げ幅
・家庭用(規制部門)     ・・・6・23%~9・75%
・産業用(工場・オフィスビル)・・・11・0%~17・26% 

このために鋳物業では経常利益が1・8%に圧縮され、利益がでない、先行きが見えない、という状況に陥っています。

「協会員会社の経常利益率は1.8%と他産業に比べて、かなり低い状況です。この電気料金値上げで利益がなくなります。さらに関東・東北地区では、震災直後は計画停電、電力の制限で生産が混乱しました。停電が懸念される今の電力供給の状況を、事業の継続性の観点から不安に思う経営者が多いのです」

電力自由化がされていますが、鋳物業は特殊な電気の使い方をするために、新規参入の電力会社とは契約できない状況です。  

角田氏はこのような悲痛な声を挙げています。 

「電力の安定供給がなければ、鋳造業は経営ができません。工場の設備投資額が企業規模に比べ大きいため、簡単に海外への移転などできません。省エネの努力も行っていますが、効果は限られます」

鋳造業電力料金高騰の影響をまとめてみます。

・経常利益率・・・1・8%に低下
・売り上げに占める電気代・・・1割強
・2割超の電気代で、日本の製造業の屋台骨の産業が揺らぎ倒産が増加

これは鋳物業界に限らず、電気炉、プラスチック加工を中心として関西・九州産業界全体の意見です。  

関西・九州の経済連合会合同の企業アンケートの結果、このような電力不足の実態が分かりました。
「原子力発電所の一刻も早い再稼働を求める-地域 ... - 関西経済連合会

今夏の電力使用量が昨夏より増加する企業・・・全体の22.5% 製造業では33.3%
・昨夏同様の節電率の達成は困難」な企業・・・全体の24.8% 製造業では34.6%(中小規模の製造業では39.4%)

そして同調査では、電力の供給不安およびコスト上昇につながった結果、企業の国内への設備投資マインドを減退させることも明らかになっています。

・電気料金値上げにより、「国内への設備投資の縮小・見送り」の可能性を持つ企業
・昨春の値上げの場合 ・・・7.6%
・今後再値上げした場合・・・15.4%

経営上の懸念は消費税増税を上回って電気料金値上げだったそうです。

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                       (図 関西経済連合会意見書)

●関西・九州経済連合会アンケートによる経営上の懸念事項
・電力コストの上昇     ・・・59.6%
・原油・原材料価格の高騰・・・57.8%
・消費税率引き上げ    ・・・49.8%

(※アンケートは「電力供給および電気料金に関する関西・九州企業への影響調査」。今年3月、関経連が会員企業1064事業所、九経連が934事業所を対象に実施した。回答率は全体で21.8%) 

アンケートを見ると、電気料金値上げが消費税引き上げよりも、経営悪化をもたらしていることに驚かされます。  

関西経済連合会は、規制委員会による余りに遅滞している安全審査に対して危惧し、このままこのような電力不足が続けば、「取り返しのつかないダメージ」を受ける可能性になると警告しています。

「現政権においては、安全が確認された原子力発電所を再稼働する方針を表明されていることは高く評価し、産業界としても強く支持する。
しかしながら、原子力規制委員会による安全審査は長引き、当初「半年程度」とされていた審査期間が既に半年を超過しているにも関わらず、未だ原子力発電所の再稼働の見通しが立っていない。
もしこのまま原子力発電所の再稼働が遅れれば、中小企業や製造業を中心に、地域経済を支えてきた産業は景気回復どころか、取り返しのつかないダメージを受けることになる“失われた20 年”の再来ともなりかねない」

そして角田氏も、このような悲痛な声で訴えを締めくくっています。

「日本に必要な鋳造業が成り立たなくなってしまうかもしれません。

企業移転ができるかという問いに対して、74%にのぼる会員企業が、電力料金が50%以上上がっても、管内からの移転が不可能だとしています。

これはグローバルに国境を越えて、低賃金国へ移動可能な大企業に対して、製造業を中心とする多くの中小零細企業は、地場とのつながりで生きてきたために、移転が難しいと捉えているからです。 

そしてこのような電気料金値上げによる企業の経営負担は、やがて従業員コストの削減に及び、国民は家庭用電気料金の値上げと、企業向け値上げに挟まれる形で、いっそう国民の生活を厳しくしていくことでしょう。

国内経済と社会をダメージを与えてまで脱原発というのは貫く性質のものなのでしょうか。

原発ゼロの外科手術をやったあげく、患者が死んでしまった、ということになりかねません。これでは本末転倒ではないでしょうか。

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コメント

頑張って原発無しで夏冬を乗り切ってしまいましたからね。
反原発派の、原発無しでも電気は大丈夫という主張に説得力を与えてしまっています。

関電が潰れるか、むしろそれより前に停電が起こって多くの国民に原発の必要性を再確認して貰わないと、と思います。

今日、川内原発の再稼働停止の仮処分が否認されました。
ニュースで見た限りですが妥当な判断ですね。

種子さん。おっしゃるとおりです。

少し前のサンモニでの惨状とか、少し掘り下げたコメント書いたんだけど、間違って消してしまいみした。
すくなくとも関口宏はただの原理主義的反自民か、原発なんか何も知らない(実はどうでもいい)バカだとは確認できました。

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