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2015年4月25日 (土)

土曜雑感 命題を掲げただけで思考停止になる人たち

054
首相が「世界一安全な基準」といったら、「コアキャチャーや二重格納容器がないくせに」という声が、反原発主義者たちから起きているようです。 

ここでは、個別の技術談義は置いて、もっと本質的な話をしたいと思います。 

私は、物事というのは初めから完全・完璧はありえない、と考えています。 

なんにでも絶対の安全などないし、リスクはありえます。ノーリスクは、工学的、確率論的に、ありえません。 

だから、リスク評価やリスクマネジメントといった分野があるのです。 

安全基準がらみに話を戻せば、コアキャッチャーは仏アルバの技術です。言い換えれば、フランスという原子力大国が生み出した技術、といってもいいでしょう。 

もし日本で、反原発派の主張がそのまま認められることがあれば、日本の原子力技術はすべて海外へと流出していきます。 

日本には廃炉しか仕事がないのですから、新たな仕事と技術フロンティアを求めて、海外に流出するのはまちがいありません。 

原発に新たな活路を求める国は世界に無数にあるので、彼らは海外での仕事に困ることはないはずです。

03(図 アジアの原発立地予定図。古賀茂明氏は「原発輸出大国ノー」なんてプラカード出してたが、古賀さんは世界各国の原発がメイドイン・チャイナのバッチモン原発で埋めつくされたほうがいいのか?)

「赤い原子力大国」・中国なら、日本の原子力技術者を喜んで雇ってくれるでしょう。 

余談ですが、中国はAIIBを、「中国独自技術で作った」原発輸出に使うつもりだと、日本のエネルギー関係者は噂しています。

あの、グリーンピースの皆さん、お隣の国の大増産はスルーなんでしょうか。ぜひ、辺野古みたいな「非暴力直接行動」をぶちかまして下さい。心から支援します。

ただし、日本の海保と違って、中国の武装警察は、いきなりマシンガンで撃ってきますので、命の保障はしませんが。

それはさておき、では残されたわが国はどうなるのでしょうか。仮に、廃炉に決めたとしても、長い期間、使用済み燃料棒を常に冷却しておかねばなりません。

発電しないで、厳重に保管しておく、というバカなことを延々と何十年、いやヘタをすれば、半永久的にするわけです。 

Ph04(写真 使用済み燃料プール。停止しても延々とこれを冷却し続けねばならない。 日経ビジネスオンライン)

ですから、その処分技術も開発せねばならないでしょう。その間の、原発の保安・安全技術も維持せねばなりません。

「危険だ。危険だ」と叫ぶのは簡単ですが、本気で止めるには、しっかりとした対案がいるのです。

そのための新技術は、常に要求されますが、その時には日本で技術者がいなくなり、すべてメイド・イン・フランスか、チャイナになっているかもしれません。

たぶん十中八九、そうなるでしょう。 

このような技術的植民地は、非常に危険な立場です。自前の技術がないために、なにかあってもすべて外国に指導を仰がねばならないからです。 

このように皮肉なことには、反原発主義者が嫌悪する原子力工学は、原子力産業がなければ、その安全技術さえも維持できないのです。

2015_43s(新基地と、移設とは本質的に違うんですが。新基地=普天間+新基地。移設=現状基地面積-普天間。余り=埋め立て分。まるっきり小学校算数なんだが、ゼッタイに理解しない)

一方、同じようなことは辺野古移設にもいえます。普天間の危険な状況を除去するには、辺野古の海岸を埋めて「新基地」を作るということをせねばなりません。 

もっといい解決方法はあったのかもしれませんが、それらの選択肢は、いろいろな事情で既に潰されてしまっているからです。 

ですから結局、選択肢はふたつしか残りませんでした。普天間固定化か、辺野古移設か、です。

別に本土政府が辺野古を強引に「押しつけた」わけではなく、20幾つかの案をひとつひとつ検討したら、辺野古しか残らなかった、という消去法の話です。

その検討プロセスには、17年間一貫して、沖縄県も参加しています。 辺野古で煮詰まってからは、名護市の細かい注文を聞いて修正を重ねています。

ですから、矛盾していますが、基地負担を減らす為に、埋め立てるという消極的選択は、消極的なるが故に、もう他の選択肢は、存在しないのです。

2015030901_01_1b(こういう写真を反対派のサイトでみると、画一主義、全体主義なんて言葉が浮かんでくる。この人たちが好きなファシズムとは自画像ではないか。きっと、この空気の中で、「いや待てよ。なにか他に解答があるかもしれない」なんて言ったら最後、「同志」たちからタコ叩きにされるだろうな)

えてして原理主義的発想に立つ人は、この矛盾に耐えられません。「基地ノー」と命題をたててしまった地点で、思考停止モードに入ってしまうからです。 

ちょうど、「原発ノー」と立てて思考停止モードに入った人たちと同じように。 

この人たちは、その原理に純粋なためなのか、常に声を枯らして叫び、怒鳴り、警備の人たちとと衝突し、政府を悪しざまに罵っています。 

2015011103405988a(このシュアブ駐車場の工事を受注したのは、翁長知事の支援者で、基地反対派を自称する「金秀」グループ。結局、搬入できなくて、「金秀」には違約金が税金から支払われた。アキサミヨー)

そして、叫べば叫ぶほど、彼らの声は一般の国民には届かなくなってしまっています。 

そして、その遊離した自分の環境を知ると、一段と大きな声で、私たちのような「愚かな大衆」を「推進派」と叱りつけ、あざ笑うので、さらに孤立は深まっていく一方になります。

まるで自分だけが正義で、地球がいつも自分たちだけを中心に廻っていると勘違いしているために、司馬遼太郎さんふうにいえば、「針の先ほどの面積の正義」にのみ固執します。

現実はこの人たちを置き去りにして、先に進んでいきます。17年間もちゅうぶらりんで、国費だけで3000億円も使ってきたのですから、もう後はありません。

「民意で移設ノー」なら、はい、白紙撤回して、普天間に戻りましょうね、ただそれだけです。他に何かあるでしょうか?あれば、教えて下さい。

私個人は、もうメンドーなので、普天間にずっと居てもらったら、反基地運動家も喜ぶし、軍用地主も、行政も万々歳だし、なにより米軍が動きたくないって言っているんだから、八方丸く納まっていいんじゃないかと、最近思っているくらいです。

私ら本土納税者にとって、今まで3千億円、そして今後に3千億以上。おまけに振興予算の上積みを要求されて、数千億。しめてなんと1兆円も投入して、「沖縄差別」とまで言われるなら、もう止めちゃいましょうや。バカバカしい。

基地負担を減らす為には、よりダウンサイジングして、より安全な場所に「新基地」を作る必要も、時にはあります。 

同じように、原子力の安全性を担保するためには、原子力産業を維持しておかねばならないし、原子力に対する強依存を減らすためには、安全を確保した原発を動かしていくしかないのです。 

現実は、ひとつの原理で測れるほど単純じゃないし、いくつもの多元方程式の解のように込み入っていて、矛盾し合っているものなのです。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

放射脳の方々は、もう純粋ですから。純粋な人が宗教
にハマルように、もうコレは「反原発教」です。教祖
は、万年ノーベル文学賞候補のあの方達が勤めていま
す。純粋ゆえ、完全なる社会を目指しているのです。

ドローン事件は、彼等の先鋭化の嚆矢になるかも知れ
ません。そのうち、どっかの原発施設に侵入占拠し、
原発をヤメないと爆破するー!と言い出すかも知れま
せんw。宗教なので、一般の人々の想像を超えるのは
当然です。

原発と沖縄の問題は構造的に一緒で
革命的な志向をもつ人たちが,はらわた腐り始めた日本から吹き出物のように出てきてしまった,という感じだなあ.

「コアキャチャーや二重格納容器がないくせに」というのは“反原発主義者たち”の声というよりも、以前私が書き込んだコメントのことを仰っておられるのでしょう。
確かに原発の安全対策に完全・完璧はありえませんが、少なくともそれに近づける努力をする義務があるとは思います。
そして、私は絶望的に安倍晋三という男を信頼しておりません。

ご存知かとは思いますが、2006年の参議院において吉井英勝議員は原発の電源喪失についての質問をしていますが、安倍首相は「御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである」と答弁しています。
この答弁に何の根拠もなかったことは言わずもがなでしょう。
そして福島原発直後に安倍首相は自身のメルマガで「菅元首相が海水注入中断指示を出した」と書きました。
これは後に東京電力の発表で事実ではないことが明らかになっています。
原発事故の対応に必死になっている当時の首相に対して足を引っ張る様な「デマ」を流す人間が現在の我が国の内閣総理大臣です。
最近の「日教組ヤジ」でも事実に基づかないことを発言したとして謝罪に追い込まれていましたが、相変わらずと言ったところでしょうか…

長々と書きましたが、第2次安倍政権が長期政権化することは必至であり、これからの原発政策に対しても安倍首相の“良心”に期待するしかないでしょう。
原発の安全対策が万全であったとしても、運用する側の人間の怠慢や油断でいとも簡単に腐敗してしまいます。
あとは、せめて原発に致命的なダメージを与えかねない災害が起こらない事を祈るばかりです。

蒲焼さん。私はあなたのことを原理主義者だとおもっていませんよ。あなたは、頭が柔らかです。もっと議論をしたいですね(今日じゃなくてね。週末でよれていますんで)。

いちおう、ひとつだけ。カンさんの海水注入中止はおおむね事実です。かつてこのブログでも検証しました。
詳細は、過去記事にも書いていますから、検索すれば出てきます。

立場の違う者が、おたがいに罵倒やレッテル貼りせずに議論する場は、ひじょうに有益です。ここは別に自民党支持者やアベ支持者、原発・辺野古推進派の「憩いの場」ではないので、安心してください。

私があえて名を出せば、コアキッャチャーなど言っているのは、過激デマッターで有名なあの「きっこ」です。

またのご来訪を。

管理人さん、大賛成です。
それにしても韓国の原発の多さよ。
それはもう、人材引き抜きの動機は十二分ですね。


蒲焼きさん

安倍首相を信頼する必要はないでしょう。
しかし彼にも(誰だってそうですが)、政権担当時に原発事故を起こしたという汚名を受けたくない、という損得勘定はあるはずなので、それくらいは信じて良いはずです。

それすら否定する、「アベは日本を破壊するつもりだ」論の人とは、全く話になりませんが。

初めてコメントさせていただきます。

「原発再稼働は絶対にダメだ!」と言っている人たちは
・原発は稼働(発電)していなければ未来永劫絶対に安全である。
・原発の設備維持は簡単で安価である。
・廃炉は至って簡単で安価な作業である。
と思い込んでいるのでしょう。
とんでもない勘違いですがそう固く信じているとしか思えません。

実際には福島第一でも稼働していなかった原発もメルトダウンしています。
確かに東日本大震災クラスの大地震や大津波が起こった場合には稼働していない原発の方がリスクは少ない(福一でもそれは証明されましたが)けれど、絶対に安全ではない。あくまで「短期的に見て大災害時には幾分かは安全」という事に過ぎません。
中長期的に見れば正しく管理人様の仰る通りです。
燃料棒の冷却を含めた原発の維持管理費、原発の廃炉作業に掛る膨大なお金は電力会社が稼いだ利益でしなければならないのですが、「稼働(発電)させえもらえずカネ食い虫でしかない原発」を押し付けられた電力会社にはそんなお金は出せません。
また仰る通り技術者は海外に流出し、原発賛成・反対に関わらず日本国として絶対に行わなければならない廃炉作業や核廃棄物処理もおぼつかなくなるという最悪の自体になるのではないでしょうか。

この手の問題に関して、「戦闘的譲歩強要主義者」という言葉をしばしば聞きます。
反原発の彼らの多くは、事故前までは原発で作られた電気をのうのうと使っていたにもかかわらず、事故が起きると一転して「被害者」になります。
「被害者」は被災者とイコールではありません(重複する人はいるでしょうが)。
実際には何の被害も受けていないにもかかわらず、「これまで原発を推進してきた政府にずっと虐げられてきた」とでも言わんばかりの態度を取る人が大勢います。
そういう人たちは、「俺たちはもう十分に被害を受けているのだから、これ以上は一歩も譲歩する必要はない。今度はあいつら原発推進派が一方的に譲歩する番だ」とでも言いたいのでしょう。
「弱者の恫喝」というやつです。実際には弱者ではないのに。

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